土地家屋調査士の超リアルな現状とは?試験の難易度や求人・年収まとめ

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のまとめ
  1. 資格をとると、それで仕事ができる非常に価値の高い資格
  2. 独占業務のため需要はあるが仕事が増えるかは不明
  3. 合格率が8.7%と非常に難易度が高い資格
  4. 〈PR〉ネットで視聴できる教材があるので通勤通学の移動時間も有効活用できる
  5. 最新の法改正にも対応で安心
  6. オンラインで質問も可能!

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土地家屋調査士と知り合いになりましたが土地家屋調査士って資格とるのが難しいんですよね? その分年収も高いんでしょうか?

事務員

浜崎編集長

不動産系の資格の中でも難易度は高いですね。でもその資格だけで独立できるほどの資格ですよ。

土地家屋調査士の超リアルな現状が知りたいです。

事務員

不動産における国家資格の中でも難易度の高いランクに位置するのが土地家屋調査士です。

土地家屋調査士とは不動産の登記に関して調査や測量を行います公的な測量ができるのは土地家屋調査士や測量士といった資格保有者だけです。

土地の境界は非常にデリケートな問題ですので資格を持った土地家屋調査士が隣地の所有者とも立ち合いを行い、境界を確定し測量図面を作成します。

土地家屋調査士の存在は不動産取引において不動産の安全性や公共性の高さを守る大切な職業といえるのです。

では土地家屋調査士として、仕事を行う場合、現実的な年収はどのくらいなのでしょうか?また資格取得の難易度が高いといいましたが、どのくらいの難易度なのでしょうか?

この記事では土地家屋調査士の年収や資格取得の難易度、詳しい仕事内容などについて解説します。

土地家屋調査士の年収は650万円前後

土地家屋調査士として働く場合、最も気になる点は年収でしょう。

土地家屋調査士の年収は年齢や地域別によって若干異なります。およそ450万円~900万円の範囲となっており、平均としては650万円前後といったところでしょう。

国家資格としても非常に難易度も高いので年収ベースも一般的なサラリーマンよりも高い年収となっていることがわかります。

しかし、前述しましたが年齢や地域別によって若干異なりますので、ここからは年齢別と地域別に分かれた年収について解説します。

年齢別土地家屋調査士の年収

年齢別の年収について見てみましょう。年齢別の土地家屋調査士の年収について表にまとめました。

年齢別の土地家屋調査士の年収の図

引用:「土地家屋調査士試験測量士補試験コラム

50代が最も年収が高く870万円と高年収です。

そもそも20代時点から平均年収は非常に高く、その後も安定して年収は高水準を維持しています。

60代以上になると若干年収は落ちますが、それでも土地家屋調査士として60代以上になっても安定した年収です。土地家屋調査士の仕事は息の長い仕事だということがわかります。

特に不動産投資などを積極的に行っている投資家を顧客にできると、安定して仕事を得ることができます。

20代~30代で得意先となる顧客を増やすと40代や50代で年収のピークに持っていくことが可能です。

土地家屋調査士はデスクワークだけではありません。測量においては現地で作業しますので、超リアルな現状としてそれなりに体力も必要です。

年齢を重ねると体力的にきつい仕事となるケースもあります。60代になるとどうしても体力的な部分で若い頃よりも労力が落ちますので年収減に影響している部分があるといえるでしょう。

地域別土地家屋調査士の年収

次に地域別にみる土地家屋調査士の年収を見てみましょう。地域別の年収を比較するにあたり、土地家屋調査士として、年収が高い上位4都道府県と年収が低い下位4都道府県に分けました。

年収が高い地域4都道府県をまとめたのが下記表です。

地域別にみる土地家屋調査士の年収の図

引用:「土地家屋調査士試験測量士補試験コラム

次に年収が低い地域4都道府県を下記表にまとめました。

土地家屋調査士の年収が低い地域4都道府県の図

引用:「平均年収.jp

この表から見てもわかるように人口が多い都心部ほど、土地家屋調査士の年収が高いことがわかります。

東京都に関しては平均年収が1,000万円を超えるほどの高年収となっていることから人口や地価が土地家屋調査士の年収に大きな影響があるといえるでしょう。

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土地家屋調査士の仕事はきつい?

土地家屋調査士って、年収が高いんですね。

事務員

浜崎編集長

不動産に関する高度な知識や経験が求められるので、仕事も簡単にできるものではありませんよ。

土地家屋調査士の仕事ってきついんですか?

事務員

ここまでは土地家屋調査士の年収に言及しました。一般的には平均年収は高めと述べましたが、仕事内容がハードすぎて年収が見合わないのではないかと考える人もいるでしょう。

ここからは土地家屋調査士の仕事内容、超リアルな現状について解説します。

土地家屋調査士の仕事内容

土地家屋調査士の仕事内容は大きく3つに分けられます。

土地や建物といった不動産の調査、測量

依頼を受けた物件の調査が最初の仕事です。

現在依頼を受けた不動産がどのような状態になっているかを調査し確認します。また不動産は地域によっていくつかの規制が入っている場合がありますので、官公庁への確認も必要です。

不動産の表示に関する登記申請

不動産を所有している場合不動産の所有者は表示登記を行わなければいけません。

土地家屋調査士は不動産の所有者に代わり代行して表示登記を行うことができます。

不動産の表示登記は書類も多く手続きも煩雑なため、一般の人では非常に難しい場合が多いので土地家屋調査士に代行できる権限を与えているのです。

登記申請に必要な書類の収集、表示登記の申請といった手順です。

境界特定

調査が終了すると測量となりますが、測量するにあたり最も気をつかうポイントが隣地所有者との協議による境界特定です。

境界についてある程度お互いに認識が同じならばトラブルになることも少なく、スムーズに測量ができます。

しかし、隣地所有者と仲がよくなかったり、境界の件でもめたりしている場合は、お互いの合意が非常に難しく難航するケースもあるでしょう。

隣地とのトラブルを未然に防ぎ、境界を特定するといった点も土地家屋調査士に求められます。

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土地家屋調査士資格取得者が年収1,000万円を越えるには?

土地家屋調査士は年収が高いと前述しましたがそれでも年収1,000万円を超える人はそう多くはありません。

しかし一般的なサラリーマンと比較すると年収のベースが高いので、年収1,000万円を超えるのがとても難しいというわけでもないのです。

ここからは不動産鑑定士として年収1,000万円を超えるために行うことについて解説します。

会社の役職につく

会社勤めの不動産鑑定士ならば重要な役職につけばつくほど年収は上がります。

会社全体の収益を挙げるために貢献することや、新しく土地家屋調査士を育てるような重責につくことができると1,000万円も決して不可能ではありません。

求まられることも多く難易度も高くはなりますが、役職が上がれば上がるほど、一般的には年収は上がります。

まずは在籍している会社で社内的な地位を高めることが年収アップの秘訣です。

MEMO
また中小企業よりも大手企業の方が給与形態はいい傾向にありますので、大企業に転職するということも年収アップの手段となるでしょう。これらの方法により年収1,000万円超えを目指すことができます。

独立する

現在会社に勤めながら土地家屋調査士として仕事を行っている場合、自分の受け持つ顧客との信頼関係が十分出来上がったと考えた場合や自分でも経営したいと思うならば独立することも年収アップのポイントです。

リスクはありますが独立して自営すると、会社に勤務しておくときには考えられないような収入を得ることもできます。

MEMO
複数個所に事務所を構えることも可能です1,000万円よりはるかに高い年収を得ることも可能です。

土地家屋調査士の求人について

不動産業界内で非常に重要な責任を担っている土地家屋調査士ですが、近年では求人の需要が少ないのではと囁かれています

しかし調査士の需要は決して無くなることはありません。バブル経済時代の活気が現状では無いものの、土地家屋調査士専門の転職エージェントサイトもあるので、時間をかけて自分に妥協しない求人を探すのもいいでしょう。

土地家屋調査士は士業ではあるものの、専門の法人や事務所だけでなく、税理士法人を母体とした士業部門での求人募集や、司法書士法人での士業部門求人募集などがあります

専門の事務所以外でも求人募集があるため、自分に合った職場を幅広く探すことができるでしょう。

土地家屋調査士になるには?資格取得難易度や合格率について

年収も高いし、資格が取れれば非常にやりがいのある仕事ですね。

事務員

浜崎編集長

しかし、合格のハードルは高いですよ。

試験ってそんなに難しいのですか?

事務員

専門性や公共性が求められる土地家屋調査士ですが試験の難易度や合格率はどのくらいあるのでしょうか?

まずは土地家屋調査士になるための流れを見てみましょう。

まずは何はともあれ土地家屋調査士の試験に合格しなければいけません。

試験の合格率などに関しては後程詳しく解説します。試験に合格したのち土地家屋調査士としての登録が必要です。

登録先は「日本土地家屋調査士連合会」

土地家屋調査士法第8条において土地家屋調査士としての登録が大前提となります。

土地家屋調査士の登録費用はおよそ25,000円。登録を行い、所定の研修を受けると晴れて土地家屋調査士として活動することができます。

しかし不動産は様々な事情を持っていることが多く、土地家屋調査士として一人前になるのはいくつかの案件を受け持ち対応することで経験を積んでいくことが大切です。

不動産の知識はもちろん必要ですが設計や図面に関する知識も求められます。試験の概要を表にまとめました。

受験資格制限なし(誰もが受験可能)
試験科目筆記測量について…10問
作図について…1問
不動産登記法と民放から20問択一式
土地・建物から1問
口述15分程度の面接
願書配布・受付7月下旬~8月下旬
各都道府県の法務局
試験日筆記10月の第3週日曜日
口述1月下旬 
2022年度筆記:令和4年10月16日(日曜日)
口述:令和5年1月26日(木曜日)
受験地東京、大阪、名古屋、広島、
福岡、那覇、仙台、札幌、高松
※筆記試験を那覇で受験した場合の口述試験は福岡で実施されます。

年に1回筆記と口述に分かれて試験があります。

土地家屋調査士の難易度と必要な勉強時間

顧客の大きな財産である不動産を扱うのですから高度な知識と専門性が求められますが、土地家屋調査士の資格は非常に難易度の高い資格として認知されています。

基本的には学校などに行って受験される方が大半ですが独学でも受験は可能です。

独学だと1年間しっかりと勉強して試験に備える必要があるでしょう。

実際に土地家屋調査のブログなどを見ると多くの人が試験には簡単に合格しないと書いています。

学校に通うとしても最低でも半年程度は勉強時間が必要です。

MEMO
1回で合格したければ、どちらにしても1年間はみっちりと試験勉強を行いましょう。

土地家屋調査士の合格率

土地家屋調査士の合格率は毎年8%前後と非常に難易度が高くなっています。

同じ不動産系の資格である宅地建物取引士の合格率が18%前後ですので宅地建物取引士の半分以下の合格率しかありません。

受験者数は毎年4,000人程度。合格者は毎年400人程度と非常に狭き門ですのでみっちりと勉強して資格取得を目指す必要があります。

土地家屋調査士の評判・口コミ

ここからは土地家屋調査士に関するリアルな声・口コミをご紹介します。

土地家屋調査士の評判・口コミ
  1. 地方でも年収が良い
  2. 難易度が高い
  3. 信頼関係が年収UPにつながる

地方でも年収が良い

難易度が高い

信頼関係が年収UPにつながる

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土地家屋調査士の将来性

毎年400人前後しか試験に合格しないんですね。

事務員

浜崎編集長

しかし、合格すると土地家屋調査士の資格で仕事ができるので、非常に価値がある資格ですよ。

今後の土地家屋調査士の需要は高まるのでしょうか?

事務員

土地家屋調査士の資格は国家資格で資格を持つことで大きな需要が見込まれます。しかし今後の不動産需給などにより、仕事は増えていくのでしょうか?ここからは土地家屋調査士の将来性について解説しましょう。

独占業務のため需要はあるが仕事が増えるかは不明

実は土地家屋調査士の仕事は、ほかの人ではできないいわば独占状態です。

不動産に関する法律の知識や測量の知識が求められ、土地家屋調査士の資格を得ようとすると試験の難易度は非常に高いということもあるので誰もができるわけではありません。

報酬自体も高額ですが土地家屋調査士しか求められる仕事ができないので、今後も需要がなくなることはないと考えられています。

しかし今後仕事が順調に増えていくかというと非常に不透明な部分があるといえるでしょう。

というのも、かつてバブル経済の時は不動産の取引が異常なほどに増えていました。そのため土地家屋調査士への依頼も多かったのですが、バブル期と比較すると売買取引自体が減少しています。

また公共工事も減少していることから不動産取引自体が増えていません。

注意
不動産取引が少ないと土地家屋調査士の仕事数も減りますので、需要はあるが将来劇的に仕事が増えるかどうかはわからないといったところでしょう。

まとめ

この記事のまとめ
  1. 資格をとると、それで仕事ができる非常に価値の高い資格
  2. 独占業務のため需要はあるが仕事が増えるかは不明
  3. 合格率が8.7%と非常に難易度が高い資格
  4. ネットで視聴できる教材があるので通勤通学の移動時間も有効活用できる
  5. 最新の法改正にも対応で安心
  6. オンラインで質問も可能!

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土地家屋調査士の資格をとると、それで仕事ができる非常に価値の高い資格といえます。

土地家屋調査士だけしかできない仕事ですので今後の需要がなくなることも考えにくいいわば独占的な業務を引き受けているのです。

その分、土地家屋調査士になるのは簡単ではありません。

合格率が8.7%と非常に難易度が高い資格ですので十分に勉強時間を取って試験に立ち向かう必要があります。

試験自体は1年に1回しかありません。基本的に独学でも受験は可能で、誰でも試験を受けることができる点も土地家屋調査士の試験の特徴です。

しかし先ほども言ったように難易度は高いので効率的に勉強できるためにも学校などを利用している人が非常に多いといえます。

試験の内容は測量や作図からの問題回答の他、口述や面接といったものも試験内容に含まれていますので、丸暗記するだけでは筆記以外の試験で苦戦することになるでしょう。

これらの試験をクリアして不動産や測量に知識や専門性に優れた者が土地家屋調査士として資格を得ることができるのです。

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宅地建物取引士マンション管理士
不動産コンサルティングマスター測量士・測量士補
一級・二級建築士管理業務主任者
賃貸不動産経営管理士任売マイスター
土地家屋調査士インテリアコーディネーター