閉鎖事項証明書とは?全部事項証明書との違いや必要になるシーン、取得方法や手数料を完全ガイド

この記事のざっくりしたポイント
  1. 閉鎖事項証明書とは不動産や法人などの登記情報に関する証明書
  2. 閉鎖された情報を取得するために「閉鎖事項証明書」が必要となる
  3. 閉鎖事項証明書は料金を支払うことで閲覧ができる

閉鎖事項証明書という言葉を聞いたことがあるでしょうか?閉鎖事項証明書は不動産登記や法人登記に関する証明書になります。あまり馴染みのない書面なので仮に不動産の売買をしたことがある人や、法人を立ち上げた経験がある人でも把握していないケースがあるでしょう。

ただし閉鎖事項証明書を取得することで取引のリスクヘッジになることもあるため、閉鎖事項証明書の内容や取得方法は知っておいた方が良いです。そこでこの記事では閉鎖事項証明書とは何か?どのように見るのか?取得方法は?という点を解説していきます。

閉鎖事項証明書とは?

閉鎖事項証明書とは建物や土地に関して「閉鎖された登記情報」が記載されている書面のことです。この章では閉鎖事項証明書に関して以下を解説していきます。

閉鎖事項証明書に関する解説事項
  1. 登録事項証明書の種類
  2. 全部事項証明書と閉鎖事項証明書の違い

どんなときに登記情報って閉鎖されてしまうんですか?

たとえば、不動産の登記情報なら「建物の滅失(≒解体)」などは閉鎖されるね。後は「土地の合筆(複数の土地を1つにする)」をしたときなども、過去の登記情報は閉鎖されるよ。

登録事項証明書の種類

登録事項証明書の種類と、それぞれの概要は以下の通りです。

登録事項証明書の種類と概要:不動産
  1. 全部事項証明書:登記情報の全てが記載
  2. 現在事項証明書:現在効力のある登記情報が記載
  3. 閉鎖事項証明書:閉鎖されてる情報が記載
登録事項証明書の種類と概要:商業・法人
  1. 履歴事項証明書:後述
  2. 現在事項証明書:現在効力を有する情報を記載
  3. 閉鎖事項証明書:閉鎖されている情報が記載

商業や法人の「履歴事項証明書」は現在事項証明書と代表者事項証明書に記載されている、全ての情報が記載されています。たとえば現在の会社情報だけではなく、過去3年間に商法を変更したり本店を移転したり…という情報も確認できるというわけです。

そもそも商業・法人の登録事項証明書って何ですか?

基本的には不動産の登録事項証明書と同じだね。つまり、会社の事業や代表者の氏名など、その法人に関する情報が登録されている書面だよ。

全部事項証明書と閉鎖事項証明書の違い

全部事項証明書とは対象となる登記情報の全てが記載されている証明書です。たとえば不動産の全部事項証明書には以下のような項目が記載されています。

不動産の全部事項証明書の記載事項
  • 建物の種類や床面積
  • 所在地
  • 登記の目的(所有権保存など)

一方、上述したように「建物の滅失」や「土地の合筆」などは全部事項証明書には記載されていません。そのため、このような情報を得たい場合に閉鎖事項証明書を取得する必要があります。

閉鎖事項証明書の記載内容と見方について

次に閉鎖事項証明書の記載内容と見方について解説します。閉鎖事項証明書は書面の上部に「閉鎖事項証明書」と記載されていて、下部に「閉鎖された事項」と記載されています。まずはその部分をチェックしましょう。

閉鎖事項証明書の記載されている内容は大きく分けて「表題部分」「不動産の権利関係」「地目と用途」に分かれます。それぞれの項目について、以下より詳しく解説します。

表題部分

表題部分には以下が記載されています。

表題部分の記載事項
  1. 不動産番号
  2. 所在図番号
  3. 所在
  4. 家屋番号
  5. 種類
  6. 構造
  7. 床面積
  8. 登記設定の日付
  9. 閉鎖された原因

表題部分は上記のように不動産の概要が記載されています。また、閉鎖された原因も表題部で知ることができます。

不動産の権利関係

不動産の権利関係は以下甲区と乙区に分かれます。

不動産の権利関係
  1. 甲区:所有権に関すること
  2. 乙区:所有権以外(抵当権など)に関すること

このように表題部の下には不動産の権利関係が記載されています。

地目と用途

不動産の中でも「土地」の閉鎖謄本には地目と用途が記載されています。要は、その土地は以前どのような用途で使われていたかを確認できるということです。

閉鎖事項証明書が必要になるシーン

閉鎖事項証明書が必要になるシーンを不動産登記と商業・法人登記の2パターンで解説していきます。

閉鎖事項証明書が必要になるシーン①:不動産登記

不動産登記で閉鎖事項証明書が必要なケースを以下実例を挙げて紹介します。

閉鎖事項証明書が必要なケース:実例
  • 土壌汚染などのリスクを調べるため
  • トラブル内容を見るため

簡単にいうと不動産を売買するときに「リスク」を排除するために、閉鎖事項証明書を取得するよ。

土壌汚染などのリスクを調べるため

たとえば、ある場所に土地を購入して賃貸マンションの建築を検討していたとします。しかしインターネットで調べてみると、その土地は20年前まで大規模な工場がありました。

仮に、その工場が化学工場だった場合には薬品によって土地が汚染されているリスクがあります。いわゆる「土壌汚染」です。土壌汚染されていれば土の入れ替え作業などが発生するので、建物を建築するための費用が膨れ上がります。そのため閉鎖事項証明書を取得して、過去の用途を調べる必要があるのです。

このような調査は不動産会社はやってくれないんですか?

大手の不動産会社だとそのようなリスクは調べるね。ただ厳密に「○○年遡る」というルールはないので、見落とすリスクはあるよ。

トラブル内容を見るため

ほかにも、トラブル内容を見るために閉鎖事項証明書を取得する場合もあります。たとえば、土地・建物の購入を検討しているものの、その土地・建物は前所有者が権利関係で過去に揉めていた経緯があったとします。

その場合、閉鎖事項証明書を取得することで土地・建物の所有者の変遷が見られるので、権利関係を把握することができるのです。仮に短期スパンでコロコロと所有者が変わっている場合は、その理由を不動産会社にヒアリングしておく必要があります。

そう多いケースではないけど、万が一トラブルに巻き込まれないようにリスクヘッジすることが重要です。これは買主側の立場だけでなく、売主側の立場でも同じことが言えるでしょう。

閉鎖事項証明書が必要になるシーン②:商業・法人登記

商業・法人登記で閉鎖事項証明書が必要なときは、たとえば以下のようなときです。

商業・法人登記で閉鎖事項証明書が必要なとき:一例
  • 本店移転
  • 清算や合併による消滅

たとえば会社の本店が移転した場合は、ほかの法務局の管轄になっています。その際は閉鎖謄本を取得しないと、元々の本店が記載されている情報が得られません。

また法人が過去に清算や合併によって消滅していたときも、閉鎖事項証明書を取得しないと分かりません。

何か…私にはあまり関係なさそうですね…。

そうだね。不動産の閉鎖事項証明書ほどは身近ではないかな。ただ、法人で融資を受けるときなどには求められるケースがあるよ。

閉鎖事項証明書の取得に必要な書類と手数料について

閉鎖事項証明書の取得に書類の提出と手数料の支払いが必要になります。閉鎖事項証明書に必要な書類は「登記事項証明書交付請求書」と「不動産の地番と家屋番号および住所」です。以下より、手数料と合わせて解説していきます。

登記事項証明書交付請求書

登記事項証明書交付請求書とは文字通り「登記事項証明書を交付するための請求書」になります。この書類は法務局のサイトでダウンロードできます。事前にダウンロードして必要箇所に記載しておいた方が閉鎖事項証明書を取得するときはスムーズでしょう。

ただし、後述しますが法務局で端末にて書類を申請する場合やオンライン申請する場合は、登記事項証明書交付請求書は不要になります。

不動産の地番と家屋番号および住所

閉鎖事項証明書の取得には不動産の地番と家屋番号、および登記登録上の住所が必要です。これらの情報は以下の書類で確認することができます。

不動産の地番と家屋番号、および登記登録上の住所が確認できる書類
  • 登記簿謄本(登記識別情報)
  • 固定資産税の納税通知書

登記簿謄本や登記識別情報は不動産を取得したときにもらっているはずです。また、固定資産税の納税通知書は毎年5~6月ごとに郵送されてくる書面です。

特に、登記登録上の住所には注意が必要です。というのも、現在住んでいる住所と登記されている住所は異なる場合があるからです。登記簿謄本などを確認して「登記上」の住所を確認しましょう。

閉鎖事項証明書の2種類の取得方法

閉鎖事項証明書の取得方法は主に以下の2種類があります。

閉鎖事項証明書の取得方法
  1. 法務局の窓口か端末で取得する
  2. 登記・供託オンライン申請システムから申請する

言葉だけでみると、なんだか難しそうに感じてしまいがちですよね!以下の章でそれぞれ2種類の取得方法をわかりやすく紹介していくので、参考にしてください。

閉鎖事項証明書の取得方法①:法務局の窓口か端末で取得する

ここからは閉鎖事項証明書の取得方法を解説します。1つ目の取得方法は、法務局の窓口か端末で取得する方法です。

法務局は管轄が決まっている

まず、法務局は管轄が決まっています。そして、その管轄は現在住んでいる住所ではなく、閉鎖事項証明書を取得したい不動産の所在地になるので注意しましょう。

注意
管轄している法務局は、法務局のサイトから調べることができます。また、法務局は8:30~17:15と受付時間が決まっている点にも注意が必要です。

端末なら登記事項証明書交付請求書は不要

上述したように端末なら登記事項証明書交付請求書は不要です。窓口の場合は登記事項証明書交付請求書を事前に用意しておくか、その場で記入することでも申請できます。

MEMO
操作が分からない…ということでもない限りは端末を利用した方が早いでしょう。

閉鎖事項証明書の取得方法②:登記・供託オンライン申請システムから申請する

2つ目の取得方法は、登記・供託オンライン申請システムを利用することです。このシステムはサイトにログインした後に以下の手続きが必要です。

登記・供託オンライン申請システムにログイン後の手続き
  1. アカウントの登録
  2. 「簡単証明書請求」を選択
  3. 必要事項の入力
  4. 閉鎖事項証明書の請求

オンライン申請は色々な種類の証明書を取得できるので、別の証明書を取得しないように気を付けましょう。またオンライン申請なら、閉鎖事項証明書の受け取り方法を「自宅への郵送」「法務局窓口での受け取り」のどちらかを選択できます。

手数料は窓口請求で600円、オンライン請求の郵送受取で500円、窓口受取で480円です。

閉鎖事項証明書は料金を支払うことで閲覧ができる

閉鎖事項証明書は証明書を発行しなくても、オンライン上で閲覧することもできます。閲覧方法は登記情報提供サービスにアクセスして、「個人利用(申し込み方法)」にて手続きするだけです。

このサービスなら証明書の内容を簡単に閲覧できますが、あくまで閲覧しかできません。仮に印刷しても法的効力のない書面なので、その点は認識しておきましょう。

ちょっと閲覧するだけ…なら、この方法でも良いですね。ちなみに料金は個人なら300円でサイト登録して閲覧料は144円です。

まとめ

このように閉鎖事項証明書とは不動産や法人などの登記情報に関する証明書です。不動産でいうと建物が滅失したり、土地が合筆されたりすると、過去の情報は閉鎖されます。

また法人でいうと本店が移転されたり、会社が清算されたりしたときは、過去の情報は閉鎖されます。その閉鎖された情報を取得するために「閉鎖事項証明書」が必要になるというわけです。

あまり多い事例ではないものの閉鎖事項証明書の取得が必要なケースはあるため、上述した点を理解しておきましょう。そうすれば、いざというときに素早く書類を取得できます。