ホームエレベーターで後悔した体験談!価格やメリット・デメリットを解説

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のまとめ
  1. ホームエレベーターの後付けはスペースが確保されればコストを抑えることが可能
  2. ホームエレベーターを設置するなら将来的に一人乗りは、おススメできない
  3. ランニングコストがかかる点や固定資産税が上がる事から余裕を持った資金計画が大切

近年、少ない土地でも広々空間を得られる3階建てや地下付きの一戸建てを建てる方も珍しくはありません。

こうした一戸建ては、都心などの限られた敷地でも快適な空間を実現できる一方で、デメリットになるのが階段での移動。その対策として、取り入れられることが多いのが「ホームエレベーター」です。

しかし、エレベーターのある家をなかなか見かけないので、価格や特徴が分かりにくいとお悩みの方も多いはず。

ホームエレベーターは高額な買い物なので、導入後に後悔はしたくありませんよね!そこでホームエレベーター設置して後悔された体験談を調査しました!

山口編集者山口編集者

浜崎編集長

さらに、ホームエレベーターの価格やメリット・デメリットについても詳しく解説していきますよ。

実際にホームエレベーターを設置した人の後悔談

実際にホームエレベーターを導入し、後悔している人の声をご紹介します。エレベーター本体も高額なだけでなく、毎年のメンテナンス費用もかかってくる高額商品です。検討中の方は是非参考にしてみてください。

設置する必要性がなかった

階段の代わりに設置されるホームエレベーターをたまにしか活用しない状況であれば、そもそも階段だけでいい話。

各々ご家庭で必要になるであろう場面を想定してからの購入でないと、後悔することも。

メンテナンス費用と電気代が高い

高額なホームエレベーターは実は設費用だけでなく、メンテナンス費用に加え電気代も毎月かかります。

事前に把握想定しておくことで、後悔する事態を防ぐことが可能です。

使用頻度が少ない

メンテナンス費用や電気代だけが日々消費されないよう、家族の使用頻度をしっかりと把握して設置する方が、後悔は少なくすむでしょう。

年齢に合った設置計画

私が感じるデメリットは、最悪のケースを考えて停電時に外部とやり取りをするエレベーター内電話回線をダイヤル回線にしなくてはならない事です。

我が家の周りはエレベーター設置のご家庭が多く、高齢の方々には欠かせないものですが、20歳代の我が子は新築後5年で1回の利用です。

年齢や健康状態などで、各々無用の長物にも必要宝にもなるようです。

引用:発言小町

高齢者のいる家庭でない限り使う頻度が多くないことを考えると、家事導線やイレギュラー時の対応など事前によく計画を練って「本当に必要か?」を考えてから導入するといいでしょう。

ホームエレベーターの価格はどれくらい?

ホームエレベーターを設置するには、エレベーター本体の価格以外にもたくさんのコストがかかります。

初期費用にいくらかかるのかを調べるためには、下記の項目の価格帯を確認することが重要です。

ホームエレベーターの初期費用
  • エレベーター本体の価格
  • 設置費用
  • 申請費用

住宅の一部として設置されるホームエレベーターは、家具のように買って終わりではありません。

設置する際の工事費や自律鉄塔をつける場合の費用に加え、設置の届出などの申請書類を提出する義務もあります。

初期費用以外に「維持費」もかかりますよね?

事務員

浜崎編集長

その通りです。ホームエレベーターの設置価格や運用にかかる費用を分かりやすく解説していくので、導入を検討している方はぜひチェックしてみてくださいね!

ホームエレベーター設置価格は300万円〜

ホームエレベーターの設置費用は、おおよそ400万円前後。構造や大きさ、停止箇所の多さによって価格は変動します。

本体価格が300万〜400万円ほどで、自律鉄塔などの建設費が50万〜100万円、ホームエレベーターの申請手続きが10万円弱の割り当てです。

ホームエレベーターの種類

構造:「鉄骨・RC構造」「木造」

動力:「油圧式(扉が片方に開く)」「ロープ式(扉が中心から両サイドに開く)」

構造によっても価格差はありますが、最も影響するのがホームエレベーターの広さです。

広さは予算ではなく、ホームエレベーターを設置する目的に沿って決めることが大切。

浜崎編集長

例えば、家族の移動にのみ使用する場合はコンパクトな一人乗りエレベーターでも問題ありませんが、高齢の家族のために設置する場合は、将来的に車椅子が乗れるサイズにすることがポイントです。

ホームエレベーターはランニングコストが毎月かかる

初期費用が高く感じるホームエレベーターですが、実はランニングコストも高め。

設置する際にかかる初期費用だけでなく、この先払い続けるコストを計算してから予算を決める必要があります。

1年にかかるランニングコスト

1年間の電気代:約6,000円

1年間のメンテナンス費用:約5万5千円

固定資産税:2万ほど上がる可能性あり

電気代の相場は1ヶ月500円ほどなので、1年間で6,000円前後です。

また、法定点検をする必要があることから、1年間のメンテナンス費が約5万〜7万円。さらに、5年に1回のオイル交換では約5万円が必要になります。

住宅の価値によって決まるのが、固定資産税。エレベーターを設置することによって住宅価値が上がる場合があるので、固定資産税も2万円ほど上昇する可能性があります。

浜崎編集長

全て合計すると、1年間で8万〜10万円ほどランニングコストがかかるということですね!
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ホームエレベーターのメリット

ホームエレベーターは設置費用だけでなく、ランニングコストも高額であることが分かりましたが、それでも日々の生活を快適にしてくれるメリットは大きいです。

しっかりとホームエレベーターのメリットとデメリットを把握したうえで、導入するかどうかを決めることが大切。

今後何十年と生活していくマイホームだからこそ、今だけでなく将来のご家族の生活スタイルも考慮して、必要かどうかをじっくり検討してください。

そこで、ここからはホームエレベーターを設置するときのメリットを3つご紹介。

どんな生活スタイルの方に向いているのかも解説するので、「エレベーターを設置するか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてくださいね。

事務員

階段で移動する負担が減らせる

ホームエレベーターの最大のメリットは、移動が格段と楽になること。特に3階建て以上の住宅では、日常的に階段の上り下りをする必要があるため、エレベーターがないと足腰に負担がかかります。

また、 子どもや高齢者が転倒して怪我をする危険性も減らせるので、小さなお子さんがいる家庭にはおすすめです。

さらに、複数人で移動ができることから、小さなお子さんや車椅子の高齢者と一緒に移動できる点もメリットです。

兄弟がいる場合は、狭い階段で小さい子同士がすれ違うのも危ないですからね。

事務員

浜崎編集長

買い物などで子どもだけが家に残るケースでも、階段による事故の心配がありません。

ホームエレベーターは、移動の負担を減らすだけでなく安全面もアップしますね!

大きな荷物も運びやすい

都心部の狭い土地に建設している狭小住宅の場合は、キッチン・お風呂・物干し竿など生活動線が各階に離れていることが多いです。

そのため、食材や洗濯物などの重い荷物をもって階段を移動することが多くなるので、その場合はホームエレベーターがあったほうが便利です。

洗濯物は屋上か最上階で干すケースが多く、洗濯機から屋上までに階段の上り下りが多い場合は、日々のストレスになる可能性もあります。

こんな環境におすすめ
  • 家事での上り下りが多い
  • 上の階で作業することが多い
  • リビングとお風呂や洗面所が別の階にある

生活動線上で必ず使用する場所(洗面所・トイレなど)が別の階にあるときは、毎日頻繁に階段を通ることになるため、ホームエレベーターの設置をおすすめします。

浜崎編集長

収納や車庫、吹き抜けなどのスペースさえあれば、ホームエレベーターを後付けすることも可能です!

老後のことを考えて設置する場合も多い

この先何十年と暮らしていくマイホームだからこそ、自分が歳をとってからのことを考えて事前にホームエレベーターを設置しておくケースも多いです。

また、一緒に暮らす高齢者がいる場合も足腰への負担を考えることが重要。

特に、小さなお子さんと高齢者が一緒に暮らす2世帯・3世帯住宅では、階段での事故の危険性が高まるため、エレベーターを活用することをおすすめします。

さらに、将来的に家族やご自身が車椅子で移動することになる可能性も。リビングはもちろん、お風呂やトイレなど日常生活で使用する場所が1階にまとまっていないと、生活がかなり困難になります。

車椅子が乗れるサイズは何人乗り用エレベーターからですか?

事務員

浜崎編集長

介護者が一緒に乗る予定なら、大きめの2人乗り用か3人乗りエレベーターを設置しましょう!

ホームエレベーターのデメリットや後悔ポイントを紹介

最後に、ホームエレベーターを設置する時に後悔しやすいポイントをご紹介します。

後先考えずにホームエレベーターを設置してしまって後悔しているという方もいるので、メリットだけでなくデメリットも把握してから、設置を検討することが大切です。

マイホームの環境や家族構成が将来的にどうなるかをイメージして、「デメリットを加味してもホームエレベーターが必要」となれば、設置で後悔する心配はありません。

浜崎編集長

設置前に知っておきたいポイントを4つ整理して解説するので、ホームエレベーターの設置を検討している方は、ぜひ事前にチェックしておいてくださいね。

設置だけでなくランニングコストまでかかるため、運用計画をしておく必要がある

ホームエレベーターの耐久年数は、およそ25年〜30年。定期的にメンテナンスをしていても、いつかは買い替えが発生します。

また、記事の冒頭で解説したように、年間8万〜10万円のランニングコストも必要なので、設置するときの予算だけでなく「将来的な運用計画」を決めておくことが重要です。

老後のためにホームエレベーターを設置したい場合は、後付けという選択肢も。

マイホームを建設する段階で、後からエレベーターを設置したいという希望があれば、最初は駐車場などにしてスペースを確保しておくこともできます。

浜崎編集長

あらかじめ設置するスペースがあると大規模なリフォームをする必要がないので、後付けでも予算を抑えてエレベーターを設置することができます!

停電時に動かなくなるため、対策が必要

停電時には使用できなくなるホームエレベーター。

上下階への移動をエレベーターのみに頼っていると、台風や地震などの自然災害が起きたときに移動できないというデメリットがあります。

下記の対策を行って、エレベーターが故障した時や停止したときに備えておくことが重要です。

停電時の対策
  • 階段の設置
  • 停電時バッテリー運転
  • はさまれ防止センサー
  • 遠隔監視システム

最新のエレベーターなら、万が一停電になっても停電灯が点灯して、最寄りの階に到着後自動でドアが開く設計のエレベーターが多く、安心して利用できます。

さらに、建物内の人と通話できるシステムやメンテナンス会社と連絡がとれる設計にもできるので、しっかりと対策をしておくと停電時でも心配はありません。

部屋として使える空間が狭くなる

建物内に階段を設置してから、さらにホームエレベーターを設置することになると、部屋として使えるスペースが限られます。

狭い土地を有効活用した狭小住宅の場合は、希望の部屋数を確保できるか確認することが大切。

各階に乗降スペースも必要なので、エレベーターが必須ではない場合は、スペースが狭くなるデメリットの方が大きい可能性があります。

どうしてもエレベーターを設置して、部屋数も増やしたい場合の対策はありますか?

事務員

浜崎編集長

住宅の階数を増やすと部屋として利用できるスペースが広がります。

その際は、さらにコストがかかるというデメリットもあるので、予算や理想の条件を調整しながら、マイホームの間取りを決めることが重要です!

稼働中の音が気にならないように配慮が必要

最新のエレベーターであれば振動が少なくなる構造のものが多いですが、中には稼働音が気になるという方もいらっしゃいます。

生活音が敏感に気になってしまう方はエレベーターがストレスの原因となり得るので、生活スペースとエレベーターの位置を遠くするなどの配慮が必要です。

家族によって生活時間が違う場合は、寝室とエレベーターの位置を離すことがおすすめ。エレベーターの稼働音は昼夜を問わず変わりませんが、外の音が小さくなる深夜は、相対的に生活音が大きく感じてしまう傾向にあります。

せっかく便利なホームエレベーターがデメリットになってしまわないように、騒音まで考慮して家族全員が快適に暮らせる間取りを考えた方が良いのですね。

事務員

まとめ

家の中での移動を快適にするホームエレベーターについて、設置価格やメリット・デメリットについてご紹介しました。

ホームエレベーターの設置価格は工事費や申請費も含めて、およそ400万円前後。

それに加えて、年間8万〜10万円のランニングコストも必要となるので、余裕をもった資金計画が大切です。

この記事でご紹介したホームエレベーターのメリットをまとめると、下記の条件に当てはまる方は、導入を検討することをおすすめします。

こんな方に最適
  • 小さなお子さんや高齢者がいる
  • 日々の生活動線で階段を行き来する
  • 2階以上にリビングがある
  • 上の階に大きな荷物を運ぶことがある

1日の中で数回程度の階段の上り下りであれば、負担に感じることは少ないですが、何度も重なると小さなストレスが積み重なって不便に感じるポイントでもあります。

もちろんホームエレベーターを設置すると移動が格段と楽にはなりますが、実際にはコスト面などのデメリットも多いです。

浜崎編集長

将来的なご家族の生活スタイルや予算も十分考慮したうえで、快適に生活できるホームエレベーターの設置をご検討ください!