中古戸建の値引き交渉はできる?500万の値引きもできるのか解説

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この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のまとめ
  1. 中古戸建の値引きはどれくらいできるのかを解説
  2. 交渉次第では500万の値引きも?
  3. 値引き交渉に成功するためのコツやポイントとは
  4. グランドネクスト不動産の仲介手数料は業界最安値水準
  5. 購入時の仲介手数料は最大無料
  6. 住宅ローンサポートで金利も大幅に節約!
  7. 10周年キャンペーンで最大20万円がもらえる

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中古戸建は値引きが可能なのか、そしてその値引き金額はどの程度なのか。

家の購入は高額な買い物となるため値引き金額も数十万から数百万と期待している人も多いことでしょう。

中古戸建の購入は「値引き額を決定するのは売主」という点が大きなポイントになります。不動産会社は仲介という立場で、物件を購入したい人と売主の間に入りますが、値引きを決定するのは売主です。

つまり売主によって値引きが成功する場合もあれば、失敗する場合もあるということです。

古代解説員古代解説員

今回の記事では、中古戸建の値引きについて「値引きの方法から値引きの相場」「値引きしやすい物件」さらには「実際に値引き交渉をし、一戸建を購入した人の体験談」まで網羅しました。
値引き交渉を行い中古戸建を手に入れたい人は必見の内容を盛り込んでいますので、ぜひ参考にしてください。

山田編集者山田編集者

中古戸建の値引きはどれくらいできる?
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中古戸建の値引き金額について紹介します。まず値引きの概要について確認しておきましょう。

値引きは1割〜2割?

中古戸建物件に対する値引きは、一般的に1割程度と考えておきましょう。
ただし、これは平均的な値引き率であり、次のような様々な要素により変動します。

値引きの要素
  • 物件のある地域
  • 売主の状況
    売却理由や、引き渡し時期など
  • 物件の状態

一例として、中古戸建物件の値引き状況を紹介します。

新規登録価格成約価格差額値引き率
築0~5年 4,918万円4,171万円747万円15.1%
築6~10年 4,564万円3,984万円580万円12.7%
築11~15年 4,514万円3,745万円769万円17%
築16~20年 4,144万円3,485万円659万円15.9%
築21~25年 3,933万円3,023万円910万円23.1%
築26~30年 3,667万円2,453万円1,214万円33.1%
築31年~ 2,826万円2,062万円764万円27%

※公益財団法人 東日本不動産流通機構 2020(令和2)年02月28日に発行された「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2019年)」をベースに作成
※新規登録価格は、売主の希望価格を表し、成約価格は取引成立の価格を表しています

築年数が経つほど値引き率も大きくなる傾向が見受けられます。

今回使用したデータは首都圏のものですので、首都圏以外ではこの限りではない点と、売主によっても値引き率は大きく変わってくる点については注意してください。

古代解説員古代解説員

詳細は記事の後半で解説していきます。

値引きができる理由

中古戸建物件の価格は、値引きを考慮した上で少し高めに設定されていることが多いです。
また買い手が見つからなければ売主も困ってしまうため、値引きは可能です。

例えば売主がすでに新しい家を購入している場合、買い手が見つからないと「新しい家」と「売りに出している家」の二重ローンに陥ったり、固定資産税などの継続的な費用負担が発生したりします。そのため早く買い手を見つけたいという思いから値引きに応じてくれます。

もちろん大幅な値引きは難しいと言えますが、本記事で解説する内容を踏まえたうえで値引き交渉をしてましょう。

古代解説員古代解説員

値引き交渉の詳しいやり方については「中古戸建を購入!値引き交渉のやり方」の章で解説していきます。

値引きしにくい中古戸建の特徴中古一戸建て,値引き,どれくらい,値引きしにくい中古の戸建ての特徴

中古戸建の値引きの概要についてお伝えしましたが、すべての物件が一様に値引きできるわけではありません。
中には値引きの幅が小さい物件や値引きがほとんどされない物件も存在します。

また売主の希望や物件に対する思い入れによっても、値引きの幅が左右されることがあります。

値引きしにくい中古戸建の特徴
  • 購入を希望している人が多い
  • 築浅の物件
  • 売主が住み替えを考えている

購入を希望している人が多い

購入を希望している人の多い物件は、値引交渉がうまくいかない場合があります。
購入希望者が多いと、売主としては値引き額の少ない人に売りたくなるものです。

もし手に入れたい中古住宅に複数の購入希望者がいる場合、あまり値引き交渉を行わないほうが購入できる可能性が高まります。
そのため値引きありきで購入を考えている場合は、他の物件を探すようにしたほうがいいでしょう。

築浅の物件

「中古戸建の値引き体験談」の中でも築浅物件に対して、値引き交渉を行った実例を紹介しています。
築浅物件の場合、値引き交渉は期待せずに交渉に臨むようにしましょう。

記事の後半にある「中古戸建の値引き体験談」の中では、一例として築浅の物件で新築時と同等の金額で購入することになった人の例を紹介しています。

どうしても欲しい物件が築浅物件の場合、価格が下がるかどうか少し様子を見るという選択肢もあります。
人気物件の場合は、様子をみている間に売れてしまうかもしれないので、このあたりの駆け引きはかなり難しくなります。

売主が住み替えを考えている

売主が住み替えを考えている場合も、値引き交渉が難しいことがあります。

例えば、販売価格3,000万円の中古住宅において、売主が住み替え先として3,000万円の物件を考えているとしましょう。

売りに出している物件の価格が住み替え先の物件価格を下回ると、売主の負担は確実に増えてしまいます。

中古住宅の希望販売価格値引き交渉新しい住み替え先の物件売主の負担
3,000万円値引き0円3,000万円0円
3,000万円値引き200万円3,000万円200万円

古代解説員古代解説員

このように売主の負担が増えてしまう場合、値引き交渉はうまくいかない可能性は高まります。

値引きできる中古戸建の特徴
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つづいて値引きできる(値引きが期待できる)中古戸建の特徴について解説します。

値引きできる中古戸建の物件の特徴
  1. 買い手がなかなか見つからない
  2. 相場より高い
  3. 販売開始から時間が経っている
  4. 物件の引渡し日がかなり先に設定されている

買い手がなかなか見つからない

買い手がなかなか見つからない物件には、値引きの余地があります。

買い手が見つからない物件には、どのような特徴があるのでしょうか。

買い手が見つからない物件の特徴
  • マンションより戸建のほうが値引きの期待ができる
  • 木造の一戸建

少子高齢化によりたくさんの部屋を必要としない家族が増加していたり、
男女ともに未婚率が増加したりといった理由のためマンションに人気があります。
そのため中古住宅は値引きの期待ができます。

木造の一戸建は、鉄筋コンクリートなどと比較し劣化が早く資産価値は低下しやすくなってしまいます。
財務省が定めた耐用年数は、木造が22年に対し鉄筋コンクリートは47年と倍以上の差があります。
もちろんこの数字は建物の寿命ではないので、22年を経過したからといって住めなくなるわけではありませんのでご安心ください。

以上のように様々な理由により買い手が見つからない住宅があります。

相場より高い

売主側が、手放したくない物件は相場より高い価格に設定されている場合があります。
地域の同じような広さの物件を何件か探し相場感をつかんでおきましょう。

地域の相場を根拠に値引き交渉することで、値引きが成功する可能性が高くなります。

注意

売主側にとって思い出深い大切な住宅の場合、地域の相場を根拠に強く値引きを求めると、
値引き交渉どころか販売自体を断られるケースもありますので、
必ず売主側の「物件を売りに出すことになった事情」を確認するようにしてください。

販売開始から時間が経っている

中古戸建の買い手が見つからなければ、売主は何かしら手段を講じる必要がでてきます。
通常売主と不動産会社の契約は3ヶ月毎に更新を行うため、なかなか買い手がつかなければ売主は「別の不動産会社に変更」する場合もあります。

古代解説員古代解説員

別の不動産会社に変更されたら、仲介手数料も入らなくなってしまうため不動産会社は何とかして、買い手を見つけようと躍起になるものです。

売主は、物件の売却を不動産会社に依頼するわけですが、その際「媒介契約」を結ぶ必要があります。

媒介契約を結ぶ理由は、物件の売却には専門知識が必要になる点と、不動産の売買に不慣れな売主にとって不利な取引にならないようにする点の二つが大きな理由です。

媒介契約にも3種類あります。

山田編集者山田編集者

ここでは詳しい内容は割愛しますが、基本的に媒介契約は最長3ヶ月間と決められています。
3カ月経っても物件の買い手がつかなければ、売主は別の不動産会社に契約の変更をするか、現在の不動産会社との契約の継続をおこなうかを選ばなければいけません。

不動産会社としては、3カ月経っても物件が売れないままでは広告などの費用ばかりかかってしまい、赤字になってしまうので出来る限り早く売りたいという気持ちになります。

MEMO

そのため販売開始から時間が経っている物件の場合は、値引き交渉が成功しやすいと言えるのです。

物件の引渡し日がかなり先に設定されている

物件の引き渡し日がかなり先の場合も、値引き交渉が有利に進む可能性が高まります。
たとえば物件を引き渡された後に、買い手がリフォームを予定していた場合、引き渡し後からの日程を調整することになりますので、実際に住めるようになるまでは時間がかかってしまいます。

中古住宅のメリットは、すぐに住める点です。物件の引渡し日が先になってしまうと、このメリットがなくなってしまいます。

物件の引渡し日が買い手の希望している日より遅くなってしまう場合は、値引き交渉の良い材料になりますね。

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値引きの限界中古一戸建て,値引き,どれくらい,中古戸建ての値引きの限界

中古戸建の値引きを行うためには、やみくもに値引き交渉をするのではなく、まずは値引きの限界を知っておく必要があります。

値引きの限界が分かっていたら、値引き交渉に失敗することはないのでは?と思いますが、どうなのでしょう。

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古代解説員古代解説員

値引きの限界を知っておくとは言え、値引き額がわかるものではなく推測するしかありません。
これ以上の値引きを行うと、交渉決裂になってしまうかもしれないといった金額を推測しておき、交渉の際は頭の中にいれておくようにしてください。

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大幅な値引きは失敗するケースも

値引き額の限界は推測するしかないため、突然大幅な値引き交渉をするのは避けるべきです。
ではどのように値引き額の限界を推測していくのか解説します。

相場観のずれをなくす

購入希望している物件のある地域周辺の相場を収集することから始めましょう。築年数や間取りなどはなるべく近いものを探します。
このように相場を確認していくことで、おおまかな価格を把握していきます。

売主や物件の状況を把握する

次に不動産会社を通して、売主が物件を売りに出した背景や物件の状況を確認します。
売主は現在どのような状況なのか、転勤や離婚、さらにはローンの支払いが難しくなって早急に家を手放したいのか、物件に愛着があり高い金額設定をしているのかなどを不動産会社にたずねましょう。

同時に現在の物件の状況についても確認するようにしてください。

不動産会社とコミュニケーションをはかる

売主の状況を確認したり、値引き交渉を円滑に進めたりしていくためにも不動産会社の担当者とはコミュニケーションをしっかりとはかっていくことも忘れないようにしましょう。

特に物件の価格だけに固執せず、自分の要望だけを強引に通そうとしないことも重要な点です。

値引きを決めるのは売主

中古戸建の販売価格を決めるのも、値引きに応じるのも売主です。
たしかに売却希望の物件を査定するのは不動産会社で、不動産会社は地域の相場や物件の状態を査定した額に5%ほど上乗せした額に設定することが多いです。

しかし、売主の希望が最優先となるため、不動産会社が査定した額よりも高い価格で販売を開始する場合もあります。

時間が経過すると状況が変わる

先述のとおり、販売価格を決めるのも値引きを決めるのも売主なので値引きの限界も売主次第ということになります。

古代解説員古代解説員

しかし物件がなかなか売れない場合もあります。売主と不動産会社は3ヶ月の媒介契約を結んでいる事を解説しました。
販売開始から1ヶ月以上経過したころになると、売主に「このままでは売れないかも」といった焦りが見え始めます。

値引きにも応じてくれやすくなってくるというわけですね。

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さらに3ヶ月の媒介契約が迫ってくる頃になると、不動産会社も仲介手数料を手に入れられない可能性が高まってしまう事と、売主も買い手が見つからないといった状況でさらなる値引きに応じてくれる可能性が高まってきます。

販売当初は、端数程度の値引きなら対応するといった心理から、3ヶ月も経過すると10%程度もしくはそれ以上の値引きもやむを得ないといった気持ちに変わっていくため、時間が経つほど値引き率は大きくなっていくものです。

例 不動産会社での査定が3,000万円だった戸建住宅の販売

タイミング価格の設定と変更売主と不動産会社の心理状態
販売当初3000万円に5%を乗じる
➡3150万円で販売開始
やや強気
販売開始から1ヶ月~2ヶ月5%程度の値下げ
➡3000万円に価格変更
査定額まで値下げして様子を見る
販売開始から2ヶ月~3ヶ月10%程度の値下げ

➡約2835万円に価格変更

何としても売却したい


【販売開始時】
不動産会社からの査定価格である3,000万円で販売が開始されます。
当初は売主も不動産会社も値引き交渉に対しては数%程度の値引きしか受け入れられないかもしれません。

【販売開始から1ヶ月後】
売れない状態が続いていると、売主や不動産会社の心理状態も変化してきます。
もし値引きによって買い手が現れれば、それに応じる可能性も高まります。この時点では、5%程度の値引きが可能になる場合もあります。

【販売開始から3ヶ月後】
媒介契約の期限が近づいてきたら、さらなる値引きが行われる可能性があります。
不動産会社は仲介手数料を得られる可能性が高まり、売主も買い手が見つからないといった状況で、値引きに応じる可能性が増します。
この時点では、10%以上の値引きも考えられます。

古代解説員古代解説員

このように、時間が経つにつれて値引き率は大きくなる可能性があります。
このため、購入希望者としては、物件の相場や売主の状況を把握しつつ、値引き交渉のタイミングを計ることが重要です。

以上のように、物件の値引きの限界は様々な要因で変化していくという点と、値引きの限界は推測しかないという点を覚えておきましょう。

物件の値引きの限界を推測するために、大切な点をあらためてまとめます。

値引きの限界を推測するためのポイント
  1. 売主の現状(心情)を理解する
  2. 近隣物件の相場データを収集する
  3. 不動産会社とのコミュニケーションを怠らない
  4. 値引きを決定するのは売主
  5. 販売開始から時間が経過するほど値引きの限界は下がっていく

値引き交渉においては、10%の値下げができれば成功と考え、適度な要求に留めておくことも大切です。

次の章ではより具体的に中古物件の値引き相場について詳しく解説していきます。

値引きの相場
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この章では、中古一戸建の値引き相場の確認方法を中心に解説していきます。
前述の「中古一戸建の値引きの限界はどのくらい?」の内容と重複する部分もありますが、読み飛ばさずにしっかりと理解しておきましょう。

地域の相場を確認しておく

まず購入を希望している中古戸建の近隣エリアで、相場を確認するようにしてください。
同じような間取りや、築年数などをなるべく揃えることが必要になります。

またレインズを利用することでも中古物件の価格を知ることができます。

値引き交渉の成功には近隣地域の相場確認が欠かせませんので、必ず行ってください。

値引き相場は約10%?

冒頭で、首都圏の中古戸建の値引き状況を思い出してみましょう。
この表では、10%以上の値引きばかりで築年数によっては20%以上の値引きもあるというのがわかります。

とは言え、値引きは約10%が相場だと考えておきましょう。
記事の後半で値引き交渉をして中古戸建を購入した例をいくつか紹介していますが、10%の値引きで購入できるケースはそうそう多くありません。

まずは10%を目安に値引き交渉を行い、物件によっては10%の値引きに届かない場合もあることを理解しておきましょう。

500万円の値引きも可能?
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中古戸建の中には500万円の値引きも可能な物件もあります。
記事の後半でお伝えする「中古戸建の値引き体験談」の章では、実際に500万円の値引きに成功した例も紹介しています。

500万円の値引きが可能な場合も

500万円という大幅な値引きが可能な物件やホームインスペクションを利用して値引き交渉の材料にしてもいいのかなどを解説します。

販売依価格の10%を目安にする

販売価格の10%が500万円の値引きに該当する物件は、5,000万円で売りに出ている物件です。
2,000万円や3,000万円の物件で500万円の値引きを希望するとなると、契約にいたるのは相当難しいと言わざるを得ません。

ホームインスペクションは利用すべき?

ホームインスペクションを利用したい場合は、早い段階で希望を出すようにしましょう。
500万円の大幅値引きを考えている場合、ホームインスペクションを利用して「値引き材料」を探したいと思う人もいることでしょう。

MEMO

ホームインスペクションとは 、ホームインスペクター(住宅診断士)と呼ばれる人が住宅の欠陥や劣化状況さらには改修が必要な箇所・費用などを診断することを指します。
費用は5万円〜10万円程度。5時間程度で完了します。

ホームインスペクションを利用することで、値引き交渉の材料になりそうですね。
大幅な値引きを考えると、費用負担はわずかに感じられるかもしれません。そのため、ホームインスペクションの活用を前向きに考える人も多いでしょう。

山田編集者山田編集者

買い手から見れば、値引き交渉の材料として客観的な指標になるためメリットは大きいです。
しかし売主の気持ちを考えるとどうでしょうか。自分が手放そうとしている大切な家の粗さがしをされているような気持ちになりかねません。

しかも値引きに難航している状態で「ホームインスペクション」を提案すると、売主から見れば「この人には売りたくない」と思われる可能性があります。

そのためホームインスペクションを希望するなら、不動産会社に対して物件の購入相談を行うタイミングや、物件の内覧を行ったタイミングなど、早めに希望を出すようにしましょう。

古代解説員古代解説員

契約の直前で「ホームインスペクション」をお願いすると、契約自体が白紙に戻る可能性が高くなります。

500万円もの大幅値引き|交渉のコツは?

大幅な値引き交渉を考えている場合のコツを解説します。
10%以上、あるいは章のタイトルのように500万円以上の値引きを希望している場合は、最低でも以下のポイントを押さえておきましょう。

値引き交渉に成功するためのポイント
  1. 住宅ローンの仮審査を受けておく
  2. 何度も値引き交渉をしない
  3. 長期間売れ残っている物件を探す

大幅な値引き交渉は成功しない場合も多いのですが、それでもできる限りの準備は怠らないようにしてください。

住宅ローンの仮審査を受けておく

住宅ローンの仮審査を受けておくことで、売主からしてみれば買い手がどの程度の支払いが可能なのかを判断する材料になります。

仮審査を行わず大幅な値引きに成功しても、審査が通らなかったら本末転倒になってしまいます。

何度も値引き交渉をしない

大幅な値引き目指す場合は、何度も値引き交渉するのは控えましょう。

長期間売れ残っている物件を探す

公益財団法人東日本不動産流通機構(通称レインズ)の報告書によると、
中古戸建物件は新規登録されてから契約に至るまで約3ヶ月程度かかるのが一般的です。

3ヶ月以上経過しても売れ残っている中古物件の場合、売主も不動産会社もどうにかして買い手を見つけたいと思っています。

長期間売れ残っている物件でかつ早目の引渡しを希望することを条件とし、大幅な値引き交渉が成功するかもしれません。

登録から成約に至る日数

新築戸建物件中古戸建物件
2011年64.9日83.2日
2012年67.4日87.5日
2013年68.7日88.5日
2014年67.8日88.4日
2015年71.9日89.6日
2016年68.4日92.4日
2017年70.7日91日
2018年75.1日96.2日
2019年87.6日100.1日
2020年89.7日114.1日
2021年69.3日95.2日

参考 公益財団法人東日本不動産流通機構 首都圏不動産流通市場の動向(2021年度)

値引き交渉のやり方中古一戸建て,値引き,どれくらい,購入, 値引き交渉のやり方

この章では中古一戸建を購入する際の値引き交渉のやり方を解説します。

値引き交渉のやり方について
  • 値引き交渉する時に知っておきたいこと
  • 値引き交渉時に役立つ値引きフレーズ
  • 値引き交渉のベストタイミング
この章は値引き交渉においてとても重要な内容になっています。

山田編集者山田編集者

交渉する時に知っておきたいこと

値引き交渉を行う前に、やっておくこととポイントについてまとめてあります。
大切なのは売主の心情や物件を手放すことになった背景を理解しておくことです。

売主のメリットも考えて交渉する

値引き交渉のもっとも大切なのは、売主のメリットも考えて交渉する点です。
売主はあくまでも一般の人である場合がほとんどですので、相手の立場を考慮して値引き交渉をすすめていきましょう。

相手のメリットを考えるためには、売主が物件を売りに出す理由や背景を把握することが必要です。
売主から売りに出す理由や背景を把握するためには不動産会社の担当者とコミュニケーションをしっかりとっておくことも必要になってきます。

古代解説員古代解説員

買い手となるあなたは、普段から不動産会社の担当者との円滑なコミュニケーションをはかっておくことで、
上記のようにやりとりがスムーズに運んでいく可能性が高まります。

住宅ローンの仮審査を行っておく

住宅ローンの仮審査を行うことで、売主に本気で購入したいという気持ちが伝わります。
本気で購入したいという気持ちがあるのでなんとか値引きをお願いできないか真摯に交渉するのも値引き交渉には有効な手段と言えます。

本気度は態度や言葉だけではなく、住宅ローンの仮審査を行ったり買付証明書を提出したりすることで、不動産会社にも売主にも伝わります。

住宅ローンの仮審査を行っておくことは、買い手にもメリットがあります。

住宅ローンの仮審査を行うことによるメリット
  1. 借入可能額がはっきりとする
  2. 物件選びに際し、予算設定ができる
  3. 売主に購入する意思をアピールできる
  4. 売買計億語に解約になるリスクを防げる

物件の契約前ならいつでも仮審査を受けられます。

希望物件を探しはじめた段階でも、内見が終わった段階でも、とにかく売買契約を結ぶ前までには行っておきましょう。

大幅な値引き交渉を行うと売ってもらえなくなる場合もある

大幅な値引き交渉は、あまり行わないようにしましょう。
再三お話しているように、物件の価格を最終的に決定するのは売主です。
売主の気持ちをそこなってしまうと、最悪物件の販売もしてもらえなくなってしまいます。

どこまで値引きしてもらえるか見極めが難しいですね。

山田編集者山田編集者

古代解説員古代解説員

とても気に入った物件も値引き交渉が失敗に終わり、交渉決裂となってしまったら元も子もありません。
そのためにも最初から住宅ローンの事前審査を行い、予算を決めておくといった準備は欠かせません。

一度に複数の物件で値引き交渉はしない

また気に入った中古物件がいくつかあったとしても、複数の物件で値引き交渉はしないようにしましょう。
複数の物件で値引き交渉を行うのは、法律違反ではありませんがマナー違反となり売主からも不動産会社の担当者からも嫌がられます。

いくつか気に入った中古物件があった場合は、ひとつひとつ対応していくようにしましょう。

なんだか恋愛のような感じなのですね。たしかに複数人に「好き」って言っている人は信用できませんよね。

山田編集者山田編集者

物件の売買は売主にとっても買い手にとっても、高額な資産のやり取りになるのと、感情が大きく影響を与えるやりとりになります。

値引き交渉時に役立つ値引きフレーズ

値引き交渉時に役立つ値引きフレーズの例とポイントを解説します。

内覧時にこちらの物件が気に入りました。売主様がとても丁寧に暮らしていたことが分かりました。そして、自分たちも住んでいるイメージをしたらワクワクしました。なので、売主様の物件を買わさせてください。しかし、大変申し訳ないのですが、予算オーバーなところもあり、◎◎万円に減額をお願い致します。もし宜しければ、家の補修や残置物等はこちらでさせて頂きますので、何卒宜しくお願いします。

引用 住まいエージェント

値引きフレーズのポイント
  1. 物件が気に入った
  2. とても丁寧に暮らしていたことが分かる
  3. ワクワクする
  4. 売主様の物件を買わさせてください
  5. 予算オーバーなところもあり、◎◎万円に減額を希望

1~3では、物件を賞賛する言葉を使用しています。4では買い手の意気込みを示し、5では価格の下落(値引き)を依頼しています。

このように値引きの依頼をされたら、値引きに応じてあげたくなりますね。

山田編集者山田編集者

動画リンク【現役プロが明かす!】中古戸建ての値段交渉をグンと有利にする方法

必ずしも値引きに成功するとは限りませんが、すくなくともご自身(買い手)の思いと、売主への配慮は伝わってきます。

値引き交渉する上での大切な心構え
  • 物件を褒める
  • 売主の気持ちを察する
  • ご自身の気持ちを伝える

この3つを自分の言葉で考え、売主に伝えてみましょう。

値引き交渉のベストタイミング

値引き交渉のベストタイミングは、次の3つのタイミングです。

値引き交渉の3つのタイミング
  • 他に購入希望者がいない
  • 不動産会社とコミュニケーションが取れている
  • 住宅ローンの仮審査が通っている

他に購入希望者がいない

他に購入希望者がいなければ、値引きはスムーズに進みやすくなります。
もし他にも購入希望者がいたなら、売主としても「良い条件」を提示してくれる買い手に売りたくなるのが心情です。

値引きを成功させるには、他に購入希望者がいないタイミングを狙って行いましょう。

不動産会社の担当者とコミュニケーションが取れているのは大前提

不動産会社の担当者とコミュニケーションが取れているようになってから値引きの交渉を行いましょう。
内見の時までに円滑なコミュニケーションが取れる関係を築いておくことで、物件の詳しい話も聞けるようになるかもしれません。

MEMO

値引きのタイミング以前に不動産会社の担当者とコミュニケーションが取れているのは大前提になることはお忘れなく。

中古戸建の値引き体験談
中古一戸建て,値引き,どれくらい,値引き体験談

実際に値引き交渉を行って中古一戸建を手に入れた人の体験談を紹介します。

人によって値引き額に満足している人、不満が残ってしまった人など様々ですね。

山田編集者山田編集者

100万円の値引きに成功

リノベーションが必要ということで、100万円の値引き交渉です。14.2%の値引き交渉は成功しました。

古代解説員古代解説員

値引き交渉時に役立つ値引きフレーズの章で解説した通りの方法で、値引き交渉に成功していますね。
値引き交渉する上での大切な心構え
  • 物件を褒める
  • 売主の気持ちを察する
  • ご自身の気持ちを伝える

値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

地域がとても気に入ったが、築30年の古家で内装はだいぶ傷んでおり、リノベーションの必要があったため値引きしてもらえたら前向きに検討したい、とこちらから申し出ました。

提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

提示価格700万円に対し、100万円の値引き交渉を行いました。

サービスの満足の理由を教えて下さい

早く売りたいという気持ちがあったのでしょうが、大幅な値引き交渉も早い段階で引き受けてくれ、またリフォーム会社の紹介等もしていただきスムーズに話を進めることができたから。

引用 Mansion Review

値引き材料リノベーションが必要、傷んではいるが値引きしてもらえたら前向きに検討
売出価格700万円
値引き額100万円
値引き率14.2%
買い手感想値引き成功

80万円の値引き

80万円の値引きに成功しています。端数程度の値引きだと感じる人もいらっしゃると思いますが、良い物件を購入できて満足されています。

値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

取り敢えずは売り主の希望で価格を出しているが、なるべく早く約定を取り付けたいので、値引きは可能との理由です。

提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

2480万円の提示価格にたいし、80万円の交渉でした。

サービスの満足の理由を教えて下さい

こちらの希望をよく聞いた上で、いろんな物件を紹介してくれました。また、何度も価格交渉や支払い方法の相談に応じてくれました。

引用 Mansion Review<

値引き材料売主側が早く売りたい
売出価格2,480万円
値引き額2,400万円
値引き率3%
買い手感想値引き成功

築6年なのに値引き0円

不動産会社の担当者の対応には満足されているとのことですが、値引きに関しては失敗とのこと。

築6年ということで、当初は約13%の値引きを交渉しましたが、値引きは0円。倉庫はサービスでつけてもらえたようです。

値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

いくら何でも6年経過した建物を新築時と同じ値段と言うのは、おかしいのでは?と尋ねてはみたのですが・・・・・。

提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

1500万円に対して、せめて1300万円くらいが妥当ではないのですかと、聞くだけは聞いてみたのですが、周囲の物置その他のオプション付けますからと押し切られました。以前の持ち主がたまに寝る為だけに立ち寄り、ほとんど使っていなかった事、そしてその通り、リフォームするまでもなく使用感の無い、新品同様に見えたこと。また不動産屋さんと以前の持ち主が友人関係にあったことも理由のひとつかもしれません。

サービスが満足だった理由を教えて下さい

購入後のトラブルに関しては無料で対処して下さり、9年経った現在まで親身になって相談に乗ってくれていることは非常に心強いです。

引用 Mansion Review

値引き材料築6年なので値引きをお願いしたい
売出価格1,500万円
値引き額1,500万円(物置などのオプションをサービス)
値引き率0%
買い手感想値引き失敗

価格が高いタイミングで購入してしまった

記事の中でも解説した500万円という大幅値引きもされていますし、
値引き率も10%と平均的な値引きを手に入れましたが、物件が高い時期というのを知らずに購入してしまった、下調べが足りなかったと値引きについては後悔されています。

値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

今なかなか売れない時期で購入してもらえればさらに何パーセントか値引いくれるといわれ購入を迷っていたが購入した。

提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

提示価格が5000万から500万引いてくれると提示されたのでこの機会購入したいと思いあまり考えずに購入してしまった。

サービスが不満だった理由を教えて下さい

説明があまり詳しくなかったのとこちらの疑問点にあまり真摯に答えてくれずにあいまいな答えが多く不満が残った。

引用 Mansion Review

値引き材料不動産会社からの提案
売出価格5,000万円
値引き額500万円(物置などのオプションをサービス)
値引き率10%
買い手感想値引き失敗
Yahoo!知恵袋や掲示板では数多くの体験談・意見が寄せられているので、参考にしてみるのもいいかもしれません。

山田編集者山田編集者

よくある疑問
中古一戸建て,値引き,どれくらい,購入する際のよくある疑問

中古戸建を購入する際に気になる疑問を解説します。

木造だと劣化が気になります。

山田編集者山田編集者

築年数がかなり経過している中古住宅の購入

中古住宅を購入する際、あと何年住めるのかは買い手にとって重要な問題です。
木造建築の場合、法定の耐用年数は22年。築20年の物件を購入したら、あと数年で住めなくなってしまうのではと不安になってしまいます。

耐用年数が22年というのはあくまでも数字上の話です。

国土交通省発表の資料によると2011年における木造建築の平均寿命は65.03年となっていますので、しっかりとメンテナンスを行うことで、長く住むことができます。

古代解説員古代解説員

とは言え中古物件の場合、どの程度メンテナンスがされているか判断するのが難しいので
築年数が経過している物件については、ホームインスペクションなどを利用し物件の状態を確認することも検討してみましょう。

中古住宅のチェックポイント

初めて中古住宅を購入する人は、以下の内容について必ず確認するようにしてください。

確認箇所確認内容
風通し部屋の窓を開けて、風通しがいいかどうか確認する。
騒音日中や夜中、どの程度の騒音を感じるか確認する。
また平日や土日などによっても違いが出るので、
できる限り確認する。
部屋の向き日当たりについて確認する
ニオイ実際に現地ではないと確認できないのと、
ニオイは人によって差があるのでニオイに敏感な人は忘れないように
水回り水漏れがない確認する
シミが出来ていたら、水漏れしている可能性あり
家の傾きビー玉を用意し、家の傾きを確認する
収納収納の広さとカビについて確認する
床下床下収納や畳の下などを確認。
カビの発生しやすい場所であるので注意が必要。
またシロアリなどの害虫についても確認する
周辺環境の確認治安の良し悪しと街灯の有無などを確認する
家族全員で確認一人で確認すると見落としがちな事柄も
家族で確認することで確認漏れが少なくなる

まとめ

中古戸建の値引きについて様々な観点から解説を行いました。
一戸建の値引きは10%を一つの目標とし過度な値引き交渉は行わないことが、値引きを成功に導く重要なカギになります。

また売主が物件を売却することになった背景を知り、心情に寄り添うことも値引き交渉には必要不可欠です。
さらに地域や築年数によっても物件の値引き率は変わってきます。事前に物件の相場を確認することも忘れずに行いましょう。

古代解説員古代解説員

中古物件の値引きにはいくつかのタブーもあり、慎重に行う必要があるというのも今回の記事でお伝えしました。
記事の中で値引き交渉のポイントにも触れていますので、ぜひ手に入れたい物件を希望する価格で手に入れられるよう、何度も記事の内容を確認するようにしましょう。

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