住宅ローン団信と保障内容を徹底比較!つけた方が良い人の特徴や注意点について

この記事のざっくりしたポイント
  1. 団信は保障内容が充実していれば、その分上乗せ金利が掛かる
  2. 保障内容とコストをよく比較して、ご自分に合った団信を契約する必要がある
  3. 現在加入している生命保険と重複しないよう整理し無駄な出費を抑えることが大切

住宅ローンを借りるときは通常団体信用生命保険(団信)に加入しなければなりませんが種類が多く保障内容も複雑!どの団信を選んでよいのか、迷ってしまいませんか?団信の種類や保障内容は金融機関によって異なり、基本的な死亡・高度障害保障にプラスしてさまざまな疾病やけがを保障する付帯サービスも多くなっています。

そこでこの記事では団信選びに迷っている人のために、住宅ローンを組む際に加入すべき団信の種類と保障内容を比較してまとめてみました。

住宅ローン返済が免除になる?団信とは

団信という言葉はよく聞きますが、どんなものなのですか?

住宅ローンを借りるときはフラット35を除いて、通常団信に加入しなければならないんだよ。それでは団信に加入するメリットについて説明しよう。

団信とは住宅ローンの返済中に契約者が死亡・高度障害状態になった場合、残りの住宅ローンの返済が免除される保険のこと。これにより残された家族はマイホームを追い出されることはなく、住宅ローンの返済をすることなく住み続けられます。

金融機関では団信にさらに特約を付けて、保障内を充実させたり保障の範囲を広げたりしています。特約は無料のものもありますが、借入金利にコストを上乗せする場合もあります。

住宅ローン団信の種類と保障内容を徹底比較

団信にはどんな種類があるのですか、保障内容についても教えてください?

それでは金融機関が提供する団信の保障内容とメリットデメリット・加入すべき人の特徴などについて説明しよう。

多くの銀行で取扱多数の「がん保障付き団信」

がん保障付き団信は住宅ローンを借りている人が死亡や高度障害に加えがんと診断されたときにそれ以降のローン残債を免除されるもの。多くの銀行が取り扱うもっとも一般的な団信です。

がん保障付き団信には住宅ローン残高の半分が返済不要になる50%保障と全額返済不要になるがん100%保障があります。主な金融機関の取り扱い状況は下記のとおりですが、がん保証付き団信といっても内容は様々です。

金融機関名100%保障上乗金利備考
ARUHI0.15%・50%保障は上乗せ金利0.05%
・がん診断の場合100万円
(上皮内がん皮膚がんの場合は50万円)支給
auじぶん銀行0.20%・50%保障は無料
・全疾病保障付き
ジャパンネット銀行0.20%・50%保障は上乗せ金利0.10%
・がん診断の場合100万円
(上皮内がん皮膚がんは50万円)支給
イオン銀行0.10%・上皮内がん
・皮膚がんと診断された場合30万円の支給
・がんの先進医療を受けた場合、総額1,000万円まで支給
楽天銀行0.20%・50%保障は無料
・全疾病保障付き
ソニー銀行0.10%・50%保障は無料
・がん診断の場合100万円
(上皮内がん皮膚がんの場合は50万円)支給
・がん先進医療を受けた場合、総額1,000万円まで支給
・女性限定で病気・ケガで5日以上入院の場合は10万円支給

多くの銀行で取扱多数の「3大疾病保障付き団信」

一般団信に加えて、がんと診断された場合・急性心筋梗塞や脳卒中で手術を受けたり60日間所定の状態が続いた場合ローンの返済が免除されます。がんの場合0.1%~0.2%が上乗せ金利ですが、さらに0.1%程度金利を上乗せし合計で0.2%~0.3%金利を上乗せすることになります。

日本人の死因の一位はがんですが、心疾患・脳出血と3大疾病で約半分を占め、備える価値は十分あると言えるでしょう。なお住宅ローン借入時に50歳以上の場合には、利用できません。

MEMO
三菱UFJ銀行やみずほ銀行・ソニー銀行など多くの金融機関で取り扱いがあります。

【条件付き】「新3大疾病付き機構団信」

新3大疾病付き機構団信はフラット35を利用する場合に加入できる団信で、3大疾病保障に加え身体障害や介護状態になったときも保障されます。一般団信の高度障害と比べると、保障対象が広く身体障害1級又は2級になると保険金が支払われます。通常のフラット35に金利を0.2%上乗せすることで団信付きのフラット35として保障されます。

なおフラット35は全期間固定金利なので民間金融機関の変動金利と比べて金利は高くなります。したがって金利を抑えたい人は、民間金融機関の3大疾病保障付き団信の保障内容と比較検討するようにしましょう。またフラット35では夫婦連捷団信があり、夫婦どちらかが亡くなったり身体障害になった場合に、残債が0になるものがあり夫婦2人のリスクに対応できます。

三菱UFJ銀行で取扱あり!「7大疾病保障」

三菱UFJ銀行では7大疾病に対応した7大疾病保障団信があり、金利を0.3%上乗せすることで利用できます。7大疾病とは、3大疾病であるがん・心筋梗塞・脳卒中に加え、特約により高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変の4つの生活習慣病をカバーできます。

なおがんについては確定診断が脳卒中および心筋梗塞は入院がローン免除の条件になります。また4つの生活習慣病については、就業不能状態が30日超続けば最長1年間住宅ローンの支払い額が免除され、さらに1年超就業不能状態であれば全額支払いが免除されます。

楽天・イオン銀行で取扱がある「8大疾病就業不能保障」

8大疾病就業不能保障は3大疾病に加え高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎にり患した場合保障されます。以下の要件に合致した場合には住宅ローンの残債分の保険金が支払われます。

「8大疾病就業不能保障」の保障要件
  1. がん…確定診断されること
  2. 急性心筋梗塞および脳卒中…手術をするか60日間所定の状態が継続した場合
  3. 上記以外の5つの疾患…12ヵ月以上就業不能状態が継続した場合

楽天銀行の8大疾病就業不能保障は上乗せ金利なしですが、イオン銀行では金利を0.3%上乗せすることが必要です。ただし楽天銀行は8大疾病で就業不能状態が12ヵ月と条件が厳しいです。一方イオン銀行はがんは確定診断で、脳卒中及び心筋梗塞は60日継続して所定の状態であることが条件で緩め。

auじぶん銀行で取扱がある「11疾病保障団信」

11疾病保障団信は8大疾病プラスして大動脈瘤および大動脈解離・上皮内新生物・皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんなどを追加がんの場合は確定診断で、それ以外の疾病では180日以上の入院が必要と条件は厳しくなっています。

MEMO
auじぶん銀行で取扱があり金利を0.3%上乗せする必要があります。

住信SBIネット銀行のみが取り扱う「全疾病就業不能保障」

住信SBIネット銀行が扱う全疾病就業不能保障はすべての病気(精神障害を除く)やケガで12ヵ月以上就業できない状態が続くと、住宅ローンの支払いが免除されます。金利の上乗せはありませんが、その分全額免除の条件は厳しくなっています。がんと確定診断された場合には給付金が出ますが、一定期間働けなくなった場合が対象

MEMO
したがってただ単にがんと診断された場合や脳卒中などで手術を受けたような場合は、ローン返済免除の対象外となります。

りそな銀行のみが取り扱う「団信革命」

「団信革命」はりそな銀行のみが扱う団信で金利は0.3%上乗せする必要があります。3大疾病の保障に加えて所定の身体障害状態になった場合、要介護2以上の認定を受けた場合などに住宅ローン支払いが免除になります。保障内容はフラット35の「新3大疾病付き機構団信」と内容は似ています。

一番手厚い保障内容の「全疾病保障奥さまワイド」

「全疾病保障奥さまワイド」は静岡銀行が扱う一番手厚い保障内容の団信。8大疾病はすべてカバーし、それ以外の疾病やケガで就業できない状態が1年以上続く場合に住宅ローンの残債を免除されます。保障が充実している分ローン金利への上乗せ幅は大きく0.4%です。

「全疾病保障奥さまワイド」の保証要件
  1. がんの場合は確定診断
  2. 脳卒中、心筋梗塞は所定の状態の60日以上継続した場合
  3. 高血圧性疾患や糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎では就業不能状態12ヵ月

また次のような場合には給付を受けられます

給付を受ける条件
  1. 上皮内がん・皮膚がんの診断で30万円
  2. がん先進医療保障通算で1000万円まで可能(1回の治療は500万円まで)
  3. 妻が女性特有のがんと診断され場合100万円給付
  4. 本人および家族が交通事故のケガで入院した場合2,500円/1日給付

今回紹介した団信の保障種類と提供金融機関のまとめ表

団信の種類は多いのですね。加入する場合どれが良いのか比較するのは難しいですね。

そうだね。それでは団信の種類や内容・上乗せ金利・取扱金融機関について一覧表にまとめてみよう。

比較項目対象となる疾病住宅ローン免除条件取扱金融機関(金利)
がん保障付き団信がん・50%保障…金利上乗せなし
・100%保障…上乗せ金利0.1~0.2%
auじぶん銀行(0.2%)
ジャパンネットBK(0.2%)
イオン銀行(0.1%)
楽天銀行(0.2%)
ソニー銀行(0.1%)
ARUHI(0.15%)
3大疾病保障付き団信がん
急性心筋梗塞
脳卒中
・がん…確定診断
・急性心筋梗塞、脳卒中…手術や60日間所定の状態
三菱UFJ銀行 (0.30%)
りそな銀行 (0.25%)
ソニー銀行 (0.20%)
新3大疾病付き機構団信3大疾病
身体障害
・がん…確定診断・心筋梗塞・脳卒中…手術及び60日の労働制限など・介護保障…要介護2級・身体障害は2級以上
フラット35取扱金融機関
  (0.2%)
※フラット35は全期間固定金利
7大疾病保障3大疾病
高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変
・がん…確定診断
・脳卒中、心筋梗塞…入院
・その他…1年就業不能は全額、30日の場合は1年免除
三菱UFJ銀行(0.3%)
保険料上乗せ型も有
8大疾病就業不能保障7大疾病+慢性膵炎・がん…確定診断
・急性心筋梗塞、脳卒中…手術か60日間所定の状態
・外の5つの疾患…12ヵ月以上就業不能状態が継続
楽天銀行(なし)
イオン銀行(0.30%)
三井住友銀行(0.30%)
みずほ銀行
横浜銀行(0.30%)
11疾病保障団信8大疾病+大動脈瘤+大動脈解離+皮膚がん・がん…確定診断
・他の疾病…180日超入院
auじぶん銀行(0.30%)
千葉銀行(0.10%)
ソニー銀行(0.20%)
ジャパンネットBK(0.30%)
ARUHI(0.25)
全疾病就業不能保障すべての疾病及びケガ(精神障害を除く)12ヵ月以上就業できない状態が継続・支払条件は厳格住信SBIネット銀行(なし)
ARUHI(0.15~0.6%)
auじぶん銀行(0.20%)
団信革命3大疾病+所定の身体障害状態+要介護2以上の認定疾病やケガ所定の状態になった場合りそな銀行(0.3%)
全疾病保障奥さまワイド8大疾病+疾病やケガ就労不能状態が1年以上静岡銀行(0.4%)

住宅ローンの団信に関する注意点

団信はメリットが多いようですが、注意しておくべき点はありますか。

まず健康状態が悪いと加入できない。それに病気になっても、必ずしも残債を免除されない場合もあるので注意しておこう。

持病を持っていると団信に加入できないケースがある

健康状態に自信がない人は、加入条件が緩いワイド団信を検討しましょう。またワイド団信も利用できない場合には、団信なしでも住宅ローンの借り入れができるフラット35に申し込む方法もあります。

加入条件が緩和されているワイド団信

住宅ローンを借りる場合には団信への加入が必須ですが、健康状態に問題がある人は団信に加入できないこともあります。その場合には通常の団信より加入条件が緩やかなワイド団信の利用を検討するとよいでしょう。

ワイド団信であれば高血圧や糖尿病・うつ病等の持病を持つ人でも加入できる可能性があります。ワイド団信の保障内容は一般団信と同じですが、異なる点は0.3%程度の金利を上乗せしなければならない点です。

注意
なおワイド団信は、すべての金融機関で取り扱っているわけではないので注意しましょう。

団信なしでも借り入れ可能なフラット35

健康に問題がある人は条件が緩いワイド団信も利用できないことがあります。「マイホームはあきらめざるを得ないのか?」と嘆くことはありません。住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供するフラット35は全期間固定金利の住宅ローンですが、団信への加入なしでも住宅ローンの借り入れができます。

フラット35には新機構団信と新3大疾病保障の2種類があり、前者は民間住宅ローンの一般団信に後者は3大疾病保障に相当します。なお新機構団信に加入するには0.2%の金利を上乗せし、新3大疾病保障にはさらに0.24%の金利を上乗せする必要があります。

病気になっただけでは保険金は受け取れない

団信では単に病気になっただけでは住宅ローンの返済が免除にならないこともあります。たとえば3大疾病保障付き団信は、がんについては確定診断で適用になりますが、ほかの病気では一定期間入院や就労不能の状態が継続しなければなりません。また11疾病保障団信ではがん以外の疾病では180日以上の入院が必要条件となっています。

注意
このように広く疾病をカバーするように見えても、必ずしも保険金を受けとれると限らないので注意しなければなりません。

団信の名前が一緒でも保障内容が一緒とは限らない

各金融機関には同じ名前の団信がありますが、保障する内容が異なる場合があります。またすべての疾病をカバーするかのような名前もありますが必ずしも優位性があるとは限りません。たとえば全疾病就業不能保障は、すべての病気やケガに対応していますが、住宅ローン支払い免除の条件は12ヵ月以上の就労不能が必要など条件は厳しくなっています。

MEMO
したがって単に団信の名前だけで判断せずに内容をよく吟味しご自分に合った団信を選ぶようにしましょう。

団信に加入する際には加入中の保険を見直そう

団信は契約者に万が一のことが起こった場合に、ローンの残債を返済してくれる生命保険。したがって既にほかの生命保険に加入している場合には団信に加入する際に見直しをしたほうが良いでしょう。見直しによって保障のダブル部分を整理できれば毎月支払う保険料を大きく削減することも可能です。保険料を削減できれば、生活に余裕ができたり貯蓄も可能になるでしょう。

団信は生命保険料控除の対象にならない

通常の生命保険は支払った保険料を申告することにより、一定金額の所得控除を受けられます。しかし団信の保険金の受取人は契約者や配偶者などではなく住宅ローン契約を結んでいる金融機関。したがって保険金の支払いが発生しても、生命保険料控除の対象にならないことを注意しておきましょう。

 まとめ

この記事では、どの団信を選んだら良いのかわからない人のために団信の種類や内容などについて比較してみました。団信は保障内容が充実していれば、その分上乗せ金利が掛かります。したがって保障内容とコストをよく比較して、ご自分に合った団信を契約する必要があります。また団信を選ぶ際には現在加入している生命保険と重複しないよう整理し無駄な出費を抑えるようにしましょう。