- 中古住宅の値引きで失敗しない交渉術とは?
- 値引き交渉しやすい中古住宅の特徴を解説
- 中古住宅の値引き体験談まとめ
- グランドネクスト不動産の仲介手数料は業界最安値水準
- 購入時の仲介手数料は最大無料
- 住宅ローンサポートで金利も大幅に節約!
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中古住宅を購入する際にぜひ知っておきたいのは、失敗しない値引き交渉の進め方です。
住宅購入は、人生の中でも最も高額な買い物の1つになるため、少しでも値引きできれば大きな金額になります。
この記事では、失敗しない値引き交渉の進め方と値引き交渉しやすい中古住宅の特徴を解説します。
山田編集者
原解説員
中古住宅の値引きで失敗しない交渉の進め方とは?
高額になる中古住宅の値引き交渉で失敗しないためには、入念な準備が欠かせません。
値引き交渉で忘れてはいけないのは、交渉相手の気持ちです。
明確な根拠の無い強引な値引き交渉は、取引自体を中断させてしまう可能性があります。
まずは購入のための資金を調達し、ターゲットとなる物件に関するデータを集めることが重要です。
原解説員
- 住宅ローンの審査を進めておく
- 周辺の物件相場を把握しておく
- 購入にかかる費用の内訳を確認しておく
- 購入の意思を明確に伝える
- 販売価格の端数値引きを狙う
- 不動産会社・売主との関係性を大切にする
住宅ローンの審査を進めておく
まず値引き交渉を円滑に進めるための第一歩は、あらかじめ住宅ローンの審査を進めておくことです。
中古住宅の売主からすれば、購入のための資金があるかどうか分からない買主よりも、すでに購入資金の工面が済んでいる「資金力のある」買主の方が信頼できるはずです。
また、すでに住宅ローンの審査を進めているならば、売主に対して「本気で購入する意思がある」ことを示す効果もあります。
住宅ローンの審査には、仮審査と本審査があり、値引き交渉に入る前もしくは同時進行で仮審査まで進めておくならば、交渉を進めやすくなります。
周辺の物件相場を把握しておく
購入したい中古住宅が見つかったなら、その周辺の条件の近い物件がどれくらいの価格で市場に出ているのかを調査します。
中古住宅の価格を決めるのは、物件のエリアや間取り、物件種別(戸建て・マンション)などです。
不動産情報サイト等を活用し、値引き交渉したい中古住宅に近い条件を検索するのがおすすめです。
希望に近い条件の物件相場を把握しておけば、検討中の物件が相場よりも高いのか安いのか判断しやすくなります。
原解説員
購入にかかる費用の内訳を確認しておく
中古住宅の購入には、住宅価格以外にも諸費用が発生します。
諸費用を含めた、中古住宅の購入総額を把握しておくことで、住宅価格についてどれくらいの値引きをお願いするかを決定しやすくなります。
山田編集者
手付金 | 住宅購入の契約時にかかる費用で、手付金には解約手付・違約手付・証約手付の3種類があります。物件金額の5〜10%が目安となり、手付金の金額は基本的に売主と買主の合意で決まります。 |
仲介手数料 | 仲介業者を通して物件を購入する時に、仲介業者へ支払う金額です。仲介手数料には宅建業法による金額設定が設けられており、「物件価格の3%+ 6万円(税抜)」が上限です。 |
登記費用 | 不動産の所有権登記にかかる登録免許税や司法書士に登記を依頼する場合に支払う報酬が含まれます。 |
印紙税 | 売買契約書に貼る収入印紙の代金です。物件の購入金額によって税額は変動します。 |
ローン借入 費用 | 住宅ローンの借り入れに必要となる費用です。住宅ローンに関する事務手数料や生命保険特約料などが含まれます。ローン借入費用は、契約する金融商品によって異なるため、事前の確認が大切です。 |
購入の意思を明確に伝える
中古住宅の値引き交渉で失敗しないためには、早い段階で「購入意欲がある」ことを明確に伝えることが大切です。
不動産価格は、一般的に一度値下げすると再度値上げすることはありません。
そのため、本当に購入するかどうか分からない買主による値下げ交渉には、対応しない売主がほとんどです。
すでにご紹介した通り、住宅ローンの審査を進めておくならば、売主に対する大きなアピールとなります。
また、購入希望の物件が特に気に入っているということを積極的に伝え、「値下げしてくれれば確実に購入する」という意思を伝えることで、値下げ交渉を進めやすくなります。
販売価格の端数値引きを狙う
具体的な値下げ交渉に入ったならば、購入したい物件価格の端数切りを狙うのがおすすめです。
原解説員
不動産売買の場合は、一般的に10万円単位の値引きで契約を成立させるケースが多く、売主の心情としても受け入れやすい値引き額になります。
売主が販売価格を相談する不動産仲介業者も、端数切りの値下げ交渉は想定内として価格を設定している場合が多く、値下げ交渉が成功しやすい狙い目です。
山田編集者
原解説員
不動産会社・売主との関係性を大切にする
中古住宅の値引き交渉で失敗しないためには、人間関係を意識することが大切です。
値下げ交渉する不動産会社の担当者や売主にも感情があることを理解しましょう。
常識を外れた金額の値引き交渉や強引な態度は、不動産会社や売主との関係性を悪化させる要因となります。
また、交渉の途中で連絡を途絶えさせてしまったり、あいまいな返答を繰り返すことも避けるべきです。
値引き交渉しやすい中古住宅の特徴
中古住宅の値引き交渉で失敗しないためには、交渉しやすい物件を見極めることが大切です。
値引き交渉しやすい中古住宅の特徴と見極め方を詳しく解説します。
- 築年数が経過している
- 周辺物件に比べて高い
- 売り出しから長期間経っている
- 引き渡しまで時間がかかる
- 売主が早く売りたがっている
築年数が経過している
値引き交渉しやすい中古住宅の特徴は、築年数が長く経過していることです。
マンション・戸建てともに築年数の経過に比例して、中古住宅の価値は低下していきます。
出典:東日本レインズ「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」
国土交通大臣指定の東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)では、築年数の観点から中古住宅の値下げ幅をグラフにまとめて公表しています。
中古マンション・中古戸建ての平均価格のグラフ変化を見ると、築年数が経過するごとに下落率が大きくなっていることが一目瞭然です。
また、新規登録物件価格と成約物件価格の差が、中古住宅の値下げ価格に該当するため、築年数が経過している場合は、やはり値下げ交渉の余地があることも分かります。
中古住宅の値下げ交渉を進めるには、築年数が長く経過している物件を見極め、築年数に対して価格設定が妥当かどうかを確認することがポイントです。
周辺物件に比べて高い
値引き交渉しやすい中古物件を見極めるためには、周辺物件の相場を把握することが欠かせません。
中古物件の売り出し価格は、多くの場合、売主が不動産会社と相談して決定しています。
原解説員
特に、人気の高いエリアの中古物件の場合、値引き交渉の余地を上乗せした価格で売り出している可能性が高くなります。
周辺エリアの物件相場を把握するためには、不動産情報サイトを活用し、坪単価・築年数・間取りなどの要素を考慮に入れて比較するのがおすすめです。
売り出しから長期間経っている
販売開始から長期間が経過している中古物件も、値引き交渉しやすい物件の1つです。
売主としては、売り出し当初は強気に高めの価格設定でスタートしますが、なかなか買い手が見つからないと気持ちが焦ります。
売主にとって、最も効果的にアピールできる要素は販売価格の値下げであるため、買主として「購入の明確な意思」と「支払い能力を証明」できれば、値下げ交渉が成功しやすくなります。
引き渡しまで時間がかかる
契約が成立してから、実際に物件が買主に引き渡されるまでの期間が長い(3か月以上など)場合も、値引き交渉がしやすくなります。
新築物件であれば、完成すればすぐに入居することができますが、中古物件の場合は売主が引っ越しなどを完了するまで待たなければならないケースもあります。
その間、他に仮住まいを設けるなどすると、買主の負担が増えてしまうため、引き渡しまで時間がかかる点も値引き交渉の材料となるわけです。
しかし、引き渡し期間の長さをすでに考慮に入れた価格設定になっていることもあるため、値下げ交渉する場合には、まず価格設定の根拠を確認するようにしましょう。
売主が早く売りたがっている
売主が早めに売り切りたいと思っている物件も、値下げ交渉しやすいケースの1つです。
一般的に個人がそれまで住んでいた住居を売りに出すということは、「資金調達」や「転勤」「住み替え」などの理由が伴います。
特に、中古物件の売却理由に期限が伴っている場合には、売主は値下げしてでも契約を成立させたいと考えることが少なくありません。
原解説員
中古住宅はどれくらい値切れる?
山田編集者
原解説員
中古住宅の値引きには限界がある
前提として、中古住宅の値引きにも限界があることを理解することが大切です。
ネット上の中古住宅の値引き体験談では、2割引き・500万円引きなどのエピソードもありますが、特殊な事情が関係しているケースも少なくありません。
値引きの相場や限界を把握した上で、人間関係を大切にしながら相談していくのが、失敗しない交渉術のポイントです。
中古住宅の値引き平均は約10%
中古住宅の値引き相場の平均は、約10%とされています。
例えば、2,000万円の販売価格なら、200万円が値引きの相場です。
東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)のデータによれば、2022年の中古戸建住宅の新規登録価格は4,360万円、成約物件価格は3,753万円でした。
つまり、中古戸建住宅は売り出し開始価格から約11.6%の値下げした価格で実際に契約が成立していることになります。
新規登録 物件価格 | 売主が中古住宅を売り出した際の登録物件の価格 |
成約物件価格 | 売主と買主が合意し実際に成約した物件の価格 |
中古住宅の 値下げ率 | 2022年は平均約11.6%の値下げで成約 |
出典:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」
築年数による違いはあるものの、販売開始価格から10%前後の値引きをしてもらえたなら、中古戸建住宅の値引き交渉は十分に成功です。
中古住宅の値引きで失敗しないためには、値引き額の限界を意識して、過度な要求をしないことが大切です。
中古住宅の値引き体験談
山田編集者
○○解説員
不動産情報サイトのSUUMOには、中古住宅を売却した方の体験談が紹介されており、売主側の値下げ理由を知ることができる貴重な情報源です。
物件によっては、中古住宅の値下げ平均額よりも大幅に値下げして成約した体験談もあり、値引きのヒントになるはずです。
- 100万円値引きで成約
- 280万円値引きで成約
- 420万円値引きで成約
- 2000万円値引きで成約
100万円値引きで成約
子育てに伴い、より広い戸建への住み替えを理由に築浅の戸建てを売却した方の体験談です。
販売開始から約2か月間ほとんど反響が無く、値下げを決断されました。
所在地 | 東京都杉並区 |
築年数 | 4年 |
間取り・面積 | 土地面積…約103m2 延床面積…約80m2・3LDK |
ローン残高 | 約4,000万円 |
売り出し価格 (新規登録物件価格) | 6,300万円 |
成約価格 | 6,200万円 |
値引き額 | 100万円 |
ローン残高が約4,000万円あったため、住み替えに向けて早めに売り切りたいという思いもあり、販売開始価格は低めに設定されました。
約2か月間ほとんど反響がありませんでしたが、最初の内見者から100万円の値引き相談を受け、成約に至りました。
280万円値引きで成約
すでに新居の契約を済ませてから、居住中の自宅売却をスタートさせた方の体験談です。
5,480万円で販売を開始しましたが、反響が少なかったため1か月後に5,380万円、2か月後に5,200万円へと値下げしています。
所在地 | 東京都大田区 |
築年数 | 6年 |
間取り・面積 | 土地面積…約44m2 延床面積…約73m2・3LDK |
ローン残高 | 約3,700万円 |
売り出し価格 (新規登録物件価格) | 5,480万円 |
成約価格 | 5,200万円 |
値引き額 | 280万円 |
5,200万円に値下げしてから成約するまでの更なる値引きは無かったものの、リフォーム代金約60万円は、売主負担で契約が成立しました。
値下げ交渉する際には、購入後に発生するクロス張替えやハウスクリーニングの費用を売主に負担してもらう方法も有効です。
420万円値引きで成約
築年数約26年の中古マンションを売却された方の体験談です。
築年数が長く経過していることもあり、大幅値下げで契約が成立した実例です。
所在地 | 東京都足立区 |
築年数 | 約26年 |
間取り・面積 | 1LDK(52m2) |
ローン残高 | 無し |
売り出し価格 (新規登録物件価格) | 2,350万円 |
成約価格 | 1,930万円 |
値引き額 | 420万円 |
不動産会社による査定価格は2,200万円前後でしたが、査定よりも高めの2,350万円で販売をスタートしました。
しかし、3か月ほど反響がほとんど無く、その後「1,900万円で購入したい」という値引き交渉を受けます。
値下げ交渉の結果、1,930万円で契約が成立しています。
値下げの理由としては、住み替え先をすでに契約しており、売却スタート後に3か月間反響が無かったことが挙げられています。
2000万円値引きで成立
築年数50年以上が経過したご実家を売却した方の体験談です。
立地条件は良いものの、建築基準法上は再建築不可の土地だったため、大幅値下げで契約が成立しています。
所在地 | 東京都新宿区 |
築年数 | 50年以上 |
間取り・面積 | 土地面積…約51m2 延床面積…約44m2・4LDK |
ローン残高 | 無し |
売り出し価格 (新規登録物件価格) | 4,000万円 |
成約価格 | 2,000万円 |
値引き額 | 2,000万円 |
再建築不可物件だったため、隣地の方に相談して成約に至った体験談です。
値下げ交渉の末、売り出し価格の半額である2,000万円で契約が成立しています。
また、古家を更地にする工事費用約160万円も売主が負担しており、実質は半額以下での値下げ率となっています。
中古住宅を値引きしやすいタイミング
1年の中には中古住宅の値下げ交渉がしやすいタイミングがあります。
原解説員
人の移動が多いタイミング
人の移動が多い「1月〜3月」は、不動産取引が最も活発になります。
転勤や入学に伴って、3月末までに売却を完了させたいと考える方も多いため、「1月〜3月」は、売主が最も値引き交渉に応じてくるタイミングです。
特に住み替え先の新居が決まっている売主は、値下げ交渉に応じてくれやすくなるため、売却理由や経緯を尋ねることが有効です。
購入申し込みのタイミング
値下げ交渉をするのは、実際に購入を申し込む段階になってからがおすすめです。
中古住宅は一度値下げしてしまうと再度値上げすることは難しいため、売主は本当に購入する気持ちのある人とだけ、値下げ交渉に応じます。
- グランドネクスト不動産の仲介手数料は業界最安値水準
- 購入時の仲介手数料は最大無料
- 住宅ローンサポートで金利も大幅に節約!
- 10周年キャンペーンで最大20万円がもらえる
\10周年キャンペーン実施中!/
値引き交渉で使える4つのフレーズ
山田編集者
原解説員
- 「こちらの物件が一番気に入って…」
- 「この部分が特に好みで…」
- 「入居後には〇〇が楽しみで…」
- 「〇〇円までなら支払いが可能です」
「こちらの物件が一番気に入って…」
値下げ交渉を成功させるためには、交渉する中古住宅が最も気に入っていることを伝えることが大切です。
いろいろな他の中古物件を見たうえで、他の物件よりも気に入っていることを伝えるならば、売主も心が動きやすくなります。
冷やかしではなく、真剣に購入したい気持ちをしっかり伝えることが重要です。
「この部分が特に好みで…」
物件の全体だけでなく、特に気に入っている具体的な部分を伝えることが大切です。
売主にとっては、愛着を抱いている我が家ですから、良い点を具体的に挙げられるとうれしいはずです。
「入居後には〇〇が楽しみで…」
入居後の具体的な生活のイメージを伝えることが大切です。
多くの売主は、これまでの我が家を大切にしてくれる人に売りたいと考えています。
値下げ交渉をする前に、購入後の生活イメージをしっかり伝えることで、本気で購入したいと考えている気持ちを伝えることができます。
「〇〇円までなら支払いが可能です」
明確な購入希望金額を伝えることが大切です。
公表されている販売価格は、不動産会社と売主が相談を重ねて決められています。
「いくらまで値下げできますか?」という曖昧な質問は、不動産会社の担当者や売主に不快な思いをさせてしまう危険があります。
明確な購入希望金額を伝え、なぜその金額設定なのか、買主としての値下げ希望理由も説明できるように準備しておくことが重要です。
値引きが難しい中古住宅の特徴
中古住宅の値引き交渉は可能ですが、一方で値引きが難しい物件もあります。
値引き交渉で失敗しないためには、値引きが難しい物件を見極めることが大切です。
- 築年数が浅い
- 検討している人が多い人気物件
- 売主が建て替えなどでローンを返済しなければならない
築年数が浅い
一般的な傾向として、中古住宅は築年数の長さに比例して人気が低下します。
築年数が浅い物件では、売主も強気の価格設定で売り出しているケースが多く、値引き交渉が難しくなります。
また、新しくて綺麗な中古住宅は内覧者も多いため、値下げせずに様子を見守る売主がほとんどです。
築年数が浅い物件でも、売り出し開始から長期間が経過している場合は、値下げ交渉に応じてくれる場合もあります。
検討している人が多い人気物件
築年数が浅い物件や立地が良い物件には、内覧者が多く訪れます。
多くの買主が検討している人気物件の場合は、売主が買い手を選べるため、値下げ交渉は難しくなります。
人気物件の値下げにチャレンジする場合は、その物件が特に気に入っていることを丁寧に伝える方法が有効です。
売主が建て替えなどでローンを返済しなければならない
売主が返済しなければならないローンを抱えている場合は、値下げ交渉が難しくなります。
建て替えや住み替えを予定している売主は、中古住宅を売却してローン返済を予定しているケースが少なくありません。
値下げ交渉によってローン返済額よりも成約価格が下回ってしまうと、売主にはメリットが無いため、値引きは限定的になります。
中古住宅の値引きで避けるべき交渉パターン
中古住宅の値引き交渉で失敗しないためには、売主の気持ちを大切にする必要があります。
失敗しやすい避けるべき交渉パターンについて解説します。
- 限度を超えた強引な交渉
- 値引き理由が不明な交渉
- 住宅の欠点を指摘する交渉
- 自分の都合を押し付ける交渉
限度を超えた強引な交渉
中古住宅の平均値引き率は、約10%です。
一般的な平均よりも大幅な値引きを依頼すると、限度を超えた強引な交渉と受け取られてしまいます。
売主の気持ちを考えない強引な値引きは、避けるべき交渉パターンの1つです。
値引き理由が不明な交渉
売主は不動産会社との相談を重ねて、売り出し価格を決定しています。
念入りに考えられた中古住宅価格の値下げ交渉をするためには、値引きの明確な理由が必要です。
「○○万円までなら支払いが可能なのですが…」と交渉する場合にも、なぜその金額なのか理由を説明すると、値引き交渉が成功しやすくなります。
住宅の欠点を指摘する交渉
売主にとって愛着のある物件の欠点を指摘することは、最も失敗しやすい交渉パターンの1つです。
この方法は売主の気分を害することが多く、正当な理由であっても成約しにくくなります。
原解説員
自分の都合を押し付ける交渉
中古住宅の値下げ交渉は、売主の気持ちを大切にすることが最重要です。
「○○万円までなら支払いが可能なのですが…」と自分の都合を提示する場合も、謙虚な姿勢で伝えることが大切です。
また、引き渡しまでの期間など買主が妥協できる点があれば、積極的に受け入れましょう。
値引きの代わりに売主の都合を受け入れる姿勢を示すなら、交渉がさらに上手く進みやすくなります。
中古住宅の値引き交渉の際の注意点
山田編集者
原解説員
- 新築住宅と中古住宅の違いを理解する
- 住宅ローン控除の対象条件を確認する
- 値引き額よりも資産価値の見極めが大切
- 中古住宅の2割・500万円超の値引きは難しい
新築住宅と中古住宅の違いを理解する
中古住宅の値下げ交渉の前提として、新築との違いを理解しておくことが大切です。
新築住宅は売主が法人ですが、中古住宅の売主のほとんどは、個人です。
つまり、同じ100万円の値引きであっても、売主側のダメージは大きく異なります。
住宅ローン控除の対象条件を確認する
購入しようと考えている物件が、住宅ローン控除対象に該当するかも契約前に確認しておくことが大切です。
中古住宅を購入する際には、条件を満たせば住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)が適用されます。
住宅ローン控除が適用されれば、ローンの年末残高に応じた金額が所得税額等から差し引かれて還付される可能性があります。
- 住宅ローンの名義人が特別控除を受ける年分の12月31日まで引き続き居住していること
- 特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること
- 住宅の床面積が50m2以上であり、かつ床面積の50%以上が専ら居住用であること
値引き額よりも資産価値の見極めが大切
中古住宅の購入を決める際に最も重要なのは、「いくら値引きできたか」ではありません。
中古住宅の価格設定は、売主が決めているものであり、物件によっては本来の資産価格よりも高く設定されています。
値下げ交渉を前提として、売り出し価格を高めに設定している物件もあるため、値引き額よりも本当の資産価値をしっかり把握することが大切です。
中古住宅の2割・500万円超の値引きは難しい
中古住宅値引きの体験談を検索すると、2割・500万円を超える値引きが紹介されていることもあります。
しかし、東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)のデータによれば、実際の平均成約価格は、売り出し価格から約10%値下げした価格です。
特別なケースや大きなデメリットが伴う中古住宅でなければ、2割・500万円を超える値引きは難しいのが実情です。
まとめ
中古住宅の値引き交渉は、平均10%程度での交渉であれば成功しやすくなります。
値引きのポイントになるのは、失敗しない交渉術を実践することです。まずは、値引き交渉しやすい中古住宅を見極めるようにしましょう。
値引き交渉の前に、周辺エリアの物件相場や購入費用の内訳を把握しておくことが大切です。
また、購入の意思を明確に伝え、販売価格の端数値引きを狙うなどの失敗しない交渉の進め方も重要です。
中古住宅の値引きを成功させるためには、売主の気持ちを常に意識して交渉を進めることが欠かせません。
限度を超えた強引な値引きや住宅の欠点を指摘する交渉は避け、お互いが気持ちよく契約できることを目指しましょう。