よくあるリノベーションの失敗事例と予防法

この記事の監修者
徳田 編集者

株式会社イーアライアンス代表取締役社長。 宅地建物取引士。 国内では、アパート・マンション、投資用不動産の売買や不動産ファンドの販売・運用を手掛けるほか、海外不動産(アメリカ・フランス)についても販売仲介業務を行うなど、不動産・リノベーションに関して幅広い経験と実績を有する。

この記事のざっくりとしたポイント

  1. 失敗事例はリノベーション内容や費用面など、いくつかの共通点がある
  2. しかし一方で、多くの人はリノベーションによって理想の住まいを手に入れている
  3. 一人で悩むのではなく住宅の専門家に相談しながらリノベーションを行うことも大切

現在では建材の質や技術が向上し、築年数の古い物件でも、リノベーションによって快適な住まいに一変させることができるようになりました。もっとも、リノベーションは設計の打ち合わせから施工中での現場とのやり取りなど手間と労力がかかりますし、相当の費用もかかりますから、失敗は避けたいものです。

徳田編集者

今回は、リノベーションの失敗事例とその予防法を紹介します。今後リノベーションを考えたいと思っている人は同じような問題に直面する可能性があるため、是非参考にしてください。

 

よくあるリノベーションの失敗事例とは?

多くの方が理想のリノベーションを実現させていますが、完工後、実際に住んでみて失敗だったことに気づくことも少なからずあるようです。

徳田編集者

失敗事例をまとめてみると、リノベーション内容や費用面など、いくつかの共通点が浮かび上がってきました。

それでは、失敗事例をみていきましょう!

事務員

リノベーション内容に関する失敗事例

間取り、デザイン、機能面などリノベーション内容に関する失敗は設計時のイメージや説明と実際の施工が違うことによって生じるケースが多くあります。例えば以下のような事例が見受けられます。

 新しい設備が大きすぎて窮屈になった

トイレやシステムキッチン、浴室、下駄箱やクローゼットなどの収納家具を新しいものに取り換えるリノベーションは、比較的簡単にできるために人気があります。

注意
大きめのトイレにしたことで、内開きのドアがぶつかるようになったり、ドアとの距離が近すぎて圧迫感を感じたりすることがあるようです。また、システムキッチンも大きすぎるとシンクと壁や収納との距離が近すぎて身動きがとりにくくなったという声も聞かれます。

動線が悪くなった

間取りや設備の変更によって、家事動線が大きく変わることがあります。リビングを含む大きな間取りの変更や階段の位置の変更、キッチンの形状の変更によって動線が悪くなったり、逆に使い勝手が悪くなったりすることもあるようです。

 既存の家具・家電を置けなくなった

リノベーションで特に多い失敗が、既存の家具・家電を置けなくなったというものです。特にキッチンの設備や形状の変更によって既存の冷蔵庫が置けなくなった、扉が開きにくくなった(左開き・右開きなど)、冷蔵庫を買い替えるときに大きなものが置けなくなったなど、冷蔵庫に関する失敗はよくあります。

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その他、間取り変更によって既存の家具を置くスペースがなくなった、収納に掃除機などの家電が入りきらなくなったといった失敗事例も見受けられます。
 

リノベーション費用・期間に関する失敗事例

リノベーション費用や工期に関する失敗は、その後の生活にも大きく響くものです。

設計時点では、理想の住まいにしようとさまざまな希望を盛り込みすぎて予算オーバーになってしまうことはよくあります。うまく修正できればよいのですが、素材へのこだわり、間取りや設備のこだわりに気を取られすぎて、本当にしなければならない床材や屋根材、設備の交換は後回しになってしまうと、後々高額な修繕費用を賄えないということにもなりかねません。

MEMO
設計時点では費用・工期ともにバッチリだったとしても、その後に住宅に不具合が見つかって追加工事が発生したり、住んでみたら意外に使い勝手が悪く、追加のリノベーションをしたことで費用や手間がかさんだりすることもあります。

共同住宅特有の失敗事例

マンションや団地などの共同住宅の場合には、一戸建てと異なり他の住戸や入居者に配慮しながらリノベーション工事をしなければなりません。そのためリノベーションの設計・施工の際には、マンションの構造や管理規約を十分に理解していなかったために失敗してしまうことがあります。

マンションの構造上の問題を把握していなかった

マンション自体を壁や床で支える壁式構造の場合には、構造上取り払うことができない壁があります。

一般的なRC造のマンションは柱で構造を支えるラーメン構造が多いのですが、比較的低層で四隅に柱がないようなマンションは、壁式構造のものもあるのです。このようなマンションでは、思い通りの間取り変更ができないこともあります。

管理規約を確認していなかった

ほとんどのマンションでは、管理規約の中にリノベーションに関するルールが定められています。特に、専有部分と共有部分の違いについては確認しておかなければなりません。

違いは何ですか?

事務員

徳田編集者

マンションの中でリノベーションできる部分は専有部分のみで、共有部分についてのリノベーションは制限されています。これは、建物の品質や構造、強度に影響をおよぼす可能性があります。

具体的には、窓枠や窓ガラス、玄関扉、配管の一部は共有部分として取り換えができないことがあります。また床や天井、壁のうち躯体を除く部分については専有部分ですが、床の遮音等級を維持する必要があったり、壁材に断熱材を施さなければならなかったりするなど、条件が設けられていることがあります。

リノベーション済み物件特有の失敗事例

リノベーション済みの物件を見学してみると、どれも見た目は新築のようにきれいに見えます。しかし、リノベーション済み物件には特有の失敗事例が見受けられます。

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もっとも多い事例は、目に見える表面のみリノベーションされ、配管や床下、壁材がそのままだったり、質の悪い建材が使われていたりしていたというものです。購入した後に専門家にインスペクション(建物診断)を依頼して初めて判明し、補修費用に多額の出費がかかったという例もあります。

この他にも、耐震性の問題や床や柱の傾き、防火材や断熱材、遮音材のぬけなどが見つかることもあります。

MEMO
プロが施工するものだから間違いないと思っても、マンション1戸のみをリノベーションして販売する場合には、建築前の手続きや施工検査が甘くなりがちです。そのため、不具合があるままで販売されているマンションや一戸建ても見かけます。

リノベーションで失敗しないための予防法

リノベーションの失敗事例を見ていくと、リノベーションが怖くなってしまったという人もいるかもしれません。しかし一方で、多くの人はリノベーションによって理想の住まいを手に入れています。

リノベーションで失敗しないための予防法を教えてください!

事務員

徳田編集者

リノベーションで失敗しないための方法について具体例を挙げながら説明しましょう。

デザイン面での後悔を防ぐには?

間取りやデザイン面の失敗は、完工後のイメージをつかみきれていないことに原因がある場合が多くあります。できる限りショールームやモデルルームに足を運んで、実物を見て、触ってみることでイメージギャップによる失敗を避けることができます。また、間取りや動線については、現在の住まいと比較しつつ、十分に確認しましょう。

MEMO
現在の住まいの寸法を測ってみて、どれぐらいの空間があれば動線が確保されているかを調べてみるのもよいでしょう。トイレに座ったときのドアや壁との距離やキッチンの高さなど、細かい点についてもチェックしておくことが大切です。
 

費用と工期を最低限に抑えるコツとは?

費用を最低限に抑えるためには、まず予算と工事の優先順位をしっかりと決めておくことが大切です。少々の追加工事が出てくることも想定して、余裕を持った予算設定をするとよいでしょう。また、相見積もりを取って工事内容と費用を比較検討し、費用がかさんでいる工事についてはなぜ高いのかをきちんと確認することで、余計な出費を抑えることができます。

注意
工期については早いに越したことはありませんが、入念な準備をしていても、人工の調整や建材の調達の遅れ、台風・大雨などの天災等によって工期が長引いてしまうことこともあります。学校の入学、転勤など期限がある場合には、設計当初から余裕をもったスケジュールを立てておきましょう。

共同住宅をリノベーションする場合の注意点

共同住宅をリノベーションする場合には、構造上の問題や管理規約上の問題について経験と実績のあるリノベーション会社を選ぶことが大切です。共同住宅のリノベーションは建築基準法やマンション管理法などの法律や建築・設計上の専門知識が不可欠となるために、依頼者側がすべてを把握して工事内容を決定することは不可能です。

徳田編集者

信頼できる専門家と相談して、工事がそもそもできるのか、工事内容は構造上・規約上適切かについて検討しなければなりません。

マンションをリノベーションのために購入する場合には、購入からリノベーションまで一貫して相談できる不動産会社に、物件探しから設計・施工を依頼するという選択肢もあります。

 リノベーション済み物件を購入する場合の注意点

リノベーション済み物件は新築物件よりも安価で購入でき、見た目は新築同様ですが、トラブルを回避するためには、以下の点についてある程度自分で調べておくとよいでしょう。

耐震性

特に耐震基準について、旧耐震基準(昭和56年5月以前)で建設されたものでないか、また現在の基準に比べて耐震性はどの程度かという点については確認しておきましょう。耐震性を高める工事がされているかもチェックポイントです。

築年数

RC造のマンションは60年以上住まいとして利用できるといわれていますが、それはきちんとした管理・修繕がなされていればの話です。築年数が経てばたつほど、外壁、配管などに不具合が生じてきますので、その点については大丈夫か確認しておきましょう。

 リノベーション工事の内容

リノベーション済みの物件でも、どこをリノベーションしたかという点は重要な問題です。中には表面的なリノベーションしかしていないものもありますので、工事内容をきちんと確認するようにしましょう。

徳田編集者

依頼する側は専門家ではないので、リノベーションの内容や建物の状態を正しく把握することには限界があります。必要に応じて住宅診断士にインスペクションを依頼して、不具合や修繕が必要な箇所について調査してもらうとよいでしょう。

 よくある失敗事例から学んで理想の住まいを手に入れよう!

リノベーションの失敗事例を見てみると、似たような失敗事例がいくつもあることに気づくことでしょう。リノベーションをすでに経験した先輩から学ぶことで、失敗のリスクを小さくすることができます。

また、一人で悩むのではなく住宅の専門家に相談しながらリノベーションを行うことも大切です。事例に学びつつ、専門家の力を借りて理想の住まいを手に入れましょう。