築50年のマンションは後悔してやばい?賃貸のデメリットは?買っても大丈夫?

築50年のマンションは後悔する?賃貸のデメリットは?やばい?

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

≪この記事のまとめ≫
  1. 築50年マンションは後悔する?
  2. 築50年の古い賃貸マンションのデメリットはある?やばい?
  3. 築50年以上のマンションはいつまで住める?

築年数の古いマンションを購入するときや賃貸で借りる時に気になるのが、安全面やいつまで住めるのかという所かと思います。

特に築50年程度のマンションの場合、「長く住むのは難しそう。買っても大丈夫なのか」「安全に生活していけるのか」「今後売れないのではないか」など、気になることが多いものです。

そこで、今回は築50年のマンションの安全性やメリット・デメリットについて解説していきます。

浜崎編集長

快適に住むためのコツもご紹介していくので、築50年のマンションに住もうか迷っている方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

築50年のマンションは後悔してやばい?安全?

築50年のマンションは後悔してやばい?安全?

築50年のマンションにおいて、最も気になるのは「本当に安全なのか」「買っても大丈夫なのか」という懸念点。

確かに新築マンションに比べると、設備が古く耐久性が劣る場所が多いと言えます。

しかし、築50年のマンションでも、定期的なメンテナンスや修繕を行うことで、安全に生活することが可能です。

築50年ともなると、頻繁に手入れを行って丁寧に管理されているマンションと放置されているマンションには、安全性に大きな差が生まれますよね。

事務員

浜崎編集長

安全性はマンションの管理状態によって変わってくるため、管理状態を確認することが大切です。

ここからは中古マンションの耐用年数や安全性についてご紹介するので、築50年のマンションの安全性を知りたい方はぜひ参考にしてください。

買った後にやばいと後悔しないためにも集められる情報を確認しておきましょう。

一般的にマンションの寿命は40年

マンションには構造別に「法定耐用年数」が定められていますが、法定耐用年数を過ぎたら住めないという意味ではありません。

法定耐用年数とは、建物の価値がなくなる(減価償却がゼロになる)年数のことを表しているので、「固定資産として価値がある期間」のことを指しています。

主な建物の構造別法定耐用年数は、下記の通りです。

鉄骨・鉄筋コンクリート造47年
れんが造・石造・ブロック造38年
木造・合成樹脂造22年
木骨モルタル造20年

一般的な鉄筋コンクリートマンションであれば、47年が法定耐用年数になっていることが分かります。価値がなくなるまでの期間が47年という意味なので、47年を過ぎた途端に住めなくなるということではありません。

しかし、実際にマンションを建て替える年数としての平均は築40年前後になっていることから、法定耐用年数を迎える前に建て替えられるケースが多いです。

浜崎編集長

「老朽化が激しく、今後の修繕費が高額になる恐れがある場合」など、安全性や耐久性に不安が大きくなりやすいのは、マンションの建築から40年前後が経過した時点だと言えます。

メンテナンスを行うことで安全に生活することは可能

国土交通省が公表している情報によると、鉄筋コンクリート(RC)構造のマンションの平均寿命は68年です。先ほど、築40年前後で建て替えられているマンションが多いことをご紹介しましたが、平均寿命だと「+30年」ほど長くなっていますね。

つまり、40年前後で建て替えるマンションが多い一方で、法定耐用年数を過ぎても長年使用され続けているマンションも一定数存在するということ。例えば、定期的にメンテナンスがされていて、修繕なども頻繁に行っているマンションの場合、100年以上住み続けることも可能です。

同じ築50年のマンションでも、管理状況によって耐久性が大きく変わるので、丁寧なメンテナンスを行っているかを確認することがポイントです。

修繕履歴を開示してくれないマンションは、推奨できませんか?

事務員

浜崎編集長

「外壁塗り替え」「雨漏りの対策」「給湯器などの設備の交換状況」「火災報知器の導入など、できる限り今までの修繕歴を細かく開示してくれるマンションがおすすめです。

築50年のマンションで後悔した口コミ・ポイント

築50年のマンションで 後悔した口コミ・ポイント

築50年の家やマンションを購入するにあたって実際に住んだことのある人、購入した人の意見はとても参考になります。

こちらでは築50年の家やマンションで実際に後悔したポイントをまとめていきます。

築50年のマンションで後悔した口コミ・ポイント
  • 管理費・修繕積立金等の固定費が高い
  • 耐震性に不安を感じる
  • 害虫が湧く
  • リノベーションをしても設備の不備や劣化がある
  • ニオイが気になる

管理費・修繕積立金等の固定費が高い

築年数が古くなってくると共用設備や諸々の修繕は免れません。そういった場合は月ごとに徴収している修繕積立金を利用します。

築年数が重なるほどに修繕費も高くなり、固定費は高くなってしまう傾向にあります。古いマンションはリーズナブルなイメージも大きいですが固定費の部分もきちんとチェックすることをおすすめします。

耐震性に不安を感じる

築50年のマンションは基本的には旧耐震と言われる、耐震基準が現在では満たしてない物件が数多くあります。

地震が来たら崩れるのではないかという不安は大きくなる可能性はあります。

害虫が湧く

築50年以上のマンションで、隙間があったり配管が古いと害虫が湧いてしまっているケースも少なくありません。

また団地のような世帯数の多い物件は人の数やゴミも多いので害虫に悩まされることもあるでしょう。

リノベーションをしても設備の不備や劣化がある

大規模修繕等で整備されていれば別ですが、たとえリノベーションを行っても大元の配管やその他設備に不備が出てしまう可能性もあります。

せっかくお部屋を綺麗にリノベーションをしても水漏れや不具合が出てしまうと後悔してしまうことになるでしょう。

ニオイが気になる

物件によるとも思いますが、築年数が古い場合カビのニオイが気になるという声も少なくありません。

ニオイの問題は住んでから後悔するのは勿体ないので内見などできちんと確認しておくことをおすすめします。

築50年のマンションはいつまで住める?賃貸は?メリット

築50年のマンションはいつまで住める?賃貸は?メリット

築50年のマンションはいつまで住めるのかという疑問がある中、メンテナンス状況によっては100年以上住み続けられるマンションも多いということが分かりましたが、築50年のマンションにはどんなメリットがあるのでしょうか?

一般的には価格が安く買いやすい、賃貸でも借りやすいというイメージが強いですが、実は他にも立地面や利便性でのメリットがあるのです。

築50年のマンションだからこそ、新築マンションにはないリノベーションのしやすさなども注目を浴びています。最近ではリノベーション目的で、あえて築50年ほどの古いマンションを購入する方も増加中。

浜崎編集長

ここからは、築50年のマンションならではのメリットを2つご紹介していくので、ご自身の理想の生活を叶えられるかをぜひチェックしてください。

売買でも賃貸でも価格が安い

築50年のマンションは、売買でも賃貸でもとにかく物件価格が安いことが特徴。かなり古めのマンションとなることから、同じ間取りでも、新築マンションの半額ほどの値段で購入できることも珍しくはありません。そのため、余った資金はソファーやベッドなどの家具にお金をかけられたり、自分好みに改築したりと、内装の自由度が圧倒的に上がります。

さらに、リノベーションが好きな方にとっても最適。新築で5,000万円ほどの物件を半額で購入できたとしたら、余った2,500万円でフルリノベーションをすることも可能です。

フルリノベーション例
  • 間取り変更
  • 好みのデザインで統一
  • キッチンやお風呂など設備交換
  • バリアフリー化

ご家族の生活を最優先に考えた部屋数や生活動線を実現できるうえに、好きなデザインで統一することも可能なので、新築マンションよりも理想の条件を叶えやすいと言えます。

さらに、DIYが好きな方にとっては、新築マンションよりもDIYで直せる箇所が多いため、築50年のマンションの方が楽しみやすいです。

立地が良いことが多い

「古いマンションは価格が安い」という特徴は知っている方が多いですが、実は立地が良いというメリットもあります。

築50年のマンションは、高度経済成長期に建設されていることが多め。マンションの建設ラッシュが始まった直後なので、マンションにとって立地が良く住みやすい土地をいち早くゲットできている可能性が高いです。

好立地の条件
  • 駅まで近く主要都市へのアクセスが良い
  • 周りに商業施設が充実
  • 治安が良い
  • 近辺に緑豊かな公園がある

好立地というと、駅までの距離などのアクセス面をイメージしがちですが、実は、生活において重要な周辺環境も充実しています。

周りにスーパーや薬局が多いのはもちろんのこと、駅や開発の進んだ繁華街近くに建てられていた場合、マンション周辺だけで便利な生活ができます。

浜崎編集長

治安が良い場所や周りに自然が多い場所などの人気エリアも、高度経済成長期に売れてしまっている可能性が高いので、マンションのある街自体が住みやすい地域であるケースが多いです。
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築50年のマンションのデメリット!築年数が長いとゴキブリは出る?(賃貸・購入)

築50年のマンションのデメリット!築年数が長いとゴキブリは出る?(賃貸・購入)

築50年のマンションはお手ごろな価格以外にもメリットが多いことが分かりましたが、もちろんデメリットもあるので注意が必要です。

例えば、価格の安さに惹かれて築50年のマンションを購入したにもかかわらず、修繕費がかさんで結局予算内におさまらないケースも少なくはありません。また、築50年のマンションとなると、マンションによって差が大きくなってくることから、購入前にチェックすべきポイントが多いです。

購入時のチェックポイントを把握しておくだけで、住んでからの不安を和らげることに繋がりますね。

事務員

浜崎編集長

ここからは築50年のマンションの大きなデメリットを2つご紹介していくので、購入を検討している方はもちろん賃貸を検討されている方も是非ご確認ください

メンテナンス費用が高い

丁寧にメンテナンスされている鉄筋コンクリート造のマンションであれば、100年以上住み続けることができますが、鉄筋自体は丈夫でも内装や配管は修繕が必要なケースが多いです。つまり、必要最低限の修繕工事だけでも高額となることがあるので要注意。

築50年のマンションを購入するときは、「本体価格+修繕費」を確認してから購入することが大切です。

確認するポイント
  • 補強工事は必要か
  • 外装工事費は住民負担か
  • 配管など住宅設備の取り替えはどこまでするか
  • メンテナンス頻度と1回あたりの費用について

例えば、リノベーション目的で築50年のマンションを購入したとしても、余った予算を全て内装に充てられる訳ではありません。

マンション本体価格に加えて、補強工事や設備交換など、必要最低限の修繕費がかかるので、そうした費用も考えながら自由に使えるお金を計算する必要があります。

浜崎編集長

マンション購入後のメンテナンス費用も高くなる可能性が高いので、購入時にチェックしておくことが大切です。

資産価値として低くて売れない?

築50年のマンションは資産としての価値がかなり低く売れない可能性も高いので、相続や投資には向いていません。フルリノベーションなどで、資産価値を若干上げることは可能ですが、子どもに相続して資産を残したいと考えている方は、新築マンションがおすすめです。

さらに、マンションは、保有しているだけで税金がかかるもの。

価値が低い築50年のマンションの場合、資産としての価値よりも支払う税金が高くなるケースが多いので、相続放棄の対象になりやすいです。なお、マンションを相続放棄したい場合、他の遺産に関しても全て相続できません。さらに、相続放棄までの手続きが複雑になることから、手間と時間もかかります。

子どもや配偶者に迷惑をかけないためにも、死亡後のことまで考えて購入するか、もしくは賃貸を検討することもおすすめします

事務員

浜崎編集長

築50年のマンションを購入した場合は、「マンションを誰が相続するか」「相続放棄したいなら、その他の遺産をどうするか」など、あらかじめ決めておく必要があります。

築年数30年以上~築50年のマンション購入、賃貸どちらでもゴキブリが出る?

築年数30年以上~築50年のマンションを購入、賃貸を検討している場合はゴキブリなどの害虫も気になるのではないでしょうか。築年数が経っているとどうしても害虫が多いのではないかという不安が出てきますよね。

ゴキブリは窓やドアの隙間、排水溝等から侵入してくる事が多いです。また、ゴミを餌にするので清潔な部屋には出にくいとも言われています。

これは築年数の関係というよりは日頃の清掃、隙間を防ぐなどである程度の予防は出来ますので築50年だからといってゴキブリが必ず出るとは限りません。

まとめ

築50年のマンションについて、安全性やメリット・デメリットをご紹介しましたが、きちんとメンテナンスがされている物件であれば、100年以上住み続けられます。

この記事でご紹介した築50年のマンションの特徴をまとめると、以下の通りです。

築50年のマンションの特徴
  • リノベーションで好みの内装になる
  • 立地が良く住みやすい周辺環境
  • 定期的に修繕がされている物件を選ぶことが重要
  • メンテナンス費や相続後の費用には要注意

安く購入できる築50年のマンションなら、リノベーションに費用をかけることで、理想の間取りや内装を手に入れつつ、立地が良いエリアでの生活が実現できるというメリットがあります。

なお、フルリノベーションをするときは、水回りの移動が難しい場合や、壁の撤去が難しい場合など、マンションによって制約が決められていることがあるのでご注意ください。

ランニングコストに関してもしっかりと確認しておくことが重要で、デメリットの対策を考えてから購入する必要があります。

事務員

浜崎編集長

築50年のマンションを購入するときは、丁寧に管理されているマンションを選んで、末長く快適に暮らせる住まいを手に入れましょう!