- ロケーションと地震に対する耐震性や地盤の確認をする
- 諸費用を含む総合的な費用やローンについて確認をする
- 事故物件かどうか確認する
中古マンションを今後購入しようか検討中の方は、購入前に押さえておくべき注意点があることをご存知でしょうか?
新築マンションと比べ、購入予算を押さえられる点や、選択肢が多いため自身が理想とする物件が見つけられる一方、中古なので欠陥や耐震性、登録内容の確認など、事前に確認することが重要です。
本記事では、中古マンションを購入する際に知っておくべき注意点をまとめましたので、参考にしてみてください。
中古マンションを購入する際の6つの注意点
中古マンションは新築マンションと比較して、価格を安く抑えられたり、実際の建物や環境を確認して購入することができるため、購入者の理想とする物件を購入できる確率が高くなります。
しかし、中古マンションであるがゆえに、購入する際注意しておかなければいけないポイントがあります。
以下では、押さえておくべき注意点を6つに細分化して解説します。
駅チカか?ロケーションの確認する
中古物件を購入する際はロケーションや土地を確認することが大切です。駅からどのくらい離れているのかロケーションを自分で確認することをおすすめします。
広告などでは駅から徒歩10分と明記していても実際もっと遠いケースもあるようです。実際に自分の足で歩いて見たりまた周辺の駅がいくつあるのかなどを確認することをおすすめします。
また中古物件なので万一欠陥がある際には補償があるかどうかを確認し「瑕疵担保責任の有無」があるかどうかを確認します。
「瑕疵担保責任の有無」は外部から確認ができない欠陥の責任補償となります。
地震に対する耐震性や地盤を確認する
中古マンションの購入においても耐震性は重要な確認ポイントになります。
- 免震
- 耐震
また中古マンションの購入において地盤を確認することも注意点として挙げることができますが、初心者では調査も難しいことなので地盤調査などを行っている業者等に依頼をすることをおすすめします。
事故物件かどうか注意しよう
中古マンションを購入する際に特に注意したいのが事故物件かどうかを確認する必要があります。
中には以前のオーナーが事故で亡くなってしまう。
または事件が起きた物件などもあり事故物件扱いとなっている不動産もあります。
このような物件は不動会社の方から知らせてくれることが少ないために、できれば周辺の住民に挨拶をして確認することが求められます。
事故物件かどうかを確認するポイントは以下の通りです。
- 以前はどんな人が住んでいたのか?
- マンション内で際立った事件などがあったかどうか
- 火事などやボヤ騒ぎ等が以前にあったかどうか
不動産会社だけでなく購入者本人が自分で確認しておくことで安心感も生まれますし、また同時に不動産の価値も認識することができるようになります。
騒音や不動産の利便性を確認
中古マンションの中には大通りに面している物件などもあり、このような物件は車の交通が激しく騒音がうるさく感じられる物件もあります。そのためマンションの窓が「防音性のガラス」かどうかなどを確認し、またどのくらいの騒音となるのか、物件内に滞在し確認する必要があります。
マンション・アパート購入で「ローンが組めるか?」確認する
購入の際の注意点として今現在ローンが組めるかどうかも確認しておきましょう。
特に各銀行の支払いや消費者金融やクレジットカードの支払いが滞っている場合にはローンを組むことはできません。特に中古物件の場合、築20年が経過している物件はローンが組めないこともあります。
中古マンションの契約で気をつけたい購入後の税金関連
中古マンションの契約が終わったからと言って、支払いすべき項目がすべて終わったわけではありません。
何より気をつけなければならないのが中古マンション購入後の税金の支払いです。中古マンションを購入後は不動産取得税をはじめ所有している期間内は固定資産税や都市計画税が発生します。
また毎月のローンの支払いや管理・修繕積立金など支払うことも想定されるため、中古マンションを購入する際は契約前に支払う金額だけでなく、建物を維持していくためのランニングコストも含め検討するようにしましょう。
住宅ローンの借り入れにおいての注意点
銀行からの借り入れ金でマンションやアパートの購入を検討している方は銀行から借り入れをする際の利息にも注意が必要です。
中には消費者金融なども不動産ローンの貸付をしていますが、利息は一般の銀行などよりも高い利息です。
一般の銀行の不動産ローンは1%から5%当たりが相場になります。借り入れした金額が高額ならばその分の利息もかかりますので、中古マンションの購入を検討している方は借入先の条件や利息にも注意が必要です。
不動産収入を目的とした中古マンション購入の注意点
不動産収入を目的とした中古マンションの購入において住宅ローンを借り入れすれば当然、毎月返済していく必要があります。不動産収入を得ることを目的とするならば、収益性の高いアパートマンション運用をこころがけましょう。
不動産収入を目的とした中古マンションの購入の際には「周辺の環境、利便さ、駅からの距離、ロケーション」などを考慮して需要のある物件選びを行うことが大切です。需要が少ないロケーションは土地の価値も低くなりがちで家賃などが低めの設定になることもあります。
費用に関する注意点
購入にかかる諸費用を計算
不動産の購入時には諸費用がかかります。諸費用に含まれるのは「印紙税、登記費用、購入時の諸費用」などがあり、また「各種の保険料金」などもかかります。固定資産税、都市計画税なども含まれるので、事前にどのくらいの金額がかかるのかをシュミレーションしておきましょう。
中古物件の設備について
築年数が建っている物件の中には外観の他にも中の設備が古くなっている物件もあります。特に「水回りなどの確認」はマストです。破損していて交換が必要なケースはその分の修繕費がかかりますので、諸経費が予想以上にかかるケースも少なくありません。
実際の購入費が安くてもこのような場面で交換工賃などがかかるケースもあるので注意、また「水回りはダメージが出やすい」のでマストで確認、注意が必要です。
家計収支予測するキャッシュフロー表を作成してみよう!
中古マンションの購入を検討する際は、あらかじめ家計の収支予測をすることができるキャッシュフロー表を作成して、事前にお金を軸とした人生設計を行っておきましょう。
以下のキャッシュフロー表は日本FP協会が提供しているキャッシュフロー表の記載例になります。
出典:日本FP協会
上記の表を活用することで中古マンションを購入するまでのプロセスを明確にできます。また将来の家計収支を可視化することができるだけでなく、1年間のおおよそのお金の流れが把握できるため、無理のない資金計画を立てることが可能です。
日本FP協会が作成した家計収支を可視化するキャッシュフロー表を添付しておきますので、参考にしてみてください。
賃貸で不動産活用をしたい場合の注意点
収益を得るために中古マンション等の不動産の購入を検討している方、需要のある物件かどうかを確認し固定資産税などを確認、不動産を活用して収入を得るためには税金対策なども行えるようにしましょう。
中古不動産を購入するならば土地の評価を確認する必要があります。
不動産の評価については「国税庁が毎年1月1日」に評価したマップを配信しているので「国税庁のサイトで評価」を確認することが可能です。
そのため減税の対象となるマンションは相続税対策に最適、条件次第で小規模宅地等の特例も受けることが出来ます。評価次第では相続税対策まで可能です。
新築マンションより中古マンションが今お得な理由
多くの人はマンションの購入と聞くと「新築」を想像しがちですが、近年販売されている中古マンションは、見た目だけでは新築マンションと遜色がありません。しかし日本の住宅購入者のニーズは新築に偏りがちです。
そこで以下では中古マンションが新築マンションと比べてお得な理由について解説します。
新築マンションの4〜5割の価格で購入できる
不動産市場の動向及びリサーチを行う不動産経済研究所の発表によると、2019年度に首都圏で販売された新築マンションの1戸あたりの平均価格は「5,980万円」(1㎡あたり87.9万円)*1であるのに対し、中古マンションの平均価格は7年連続で上昇してるものの、成約物件価格は3,400万円台(1㎡あたり53.45万円)*2となっています。
つまり面積当たり単価や首都圏でも中心部の物件になると、新築マンションの約4割から5割の価格で中古マンションを購入することが可能です。
*1 出典:不動産経済研究所
*2 出典:公益財団法人 東日本不動産流通機構
新築マンションより中古マンションの方が多い
2019年で比較すると首都圏で供給されている新築マンションが2万8,563戸(2019.4月〜2020.3月)*、対する中古マンションの新規登録件数は204,891戸*と発表されています。
この点からも言えるように中古マンションの選択肢は新築マンションと比較して圧倒的に多く、自分の理想とする物件が見つかりやすくなります。
また新築マンションより過去に建てられているため、駅近や住環境が整ったエリアに建てられた物件も多く、購入価格を安く抑えつつ、自身の理想に沿った物件を見つけることが可能になります。
出典:不動産経済研究所
出典:東日本不動産流通機構
中古マンション購入でよくある失敗談
中古マンション購入でよく聞かれるケースとして、以下のような内容があります。
- 修繕積立金の値上がりの通告
- 重要事項説明書を読んでおらず、トラブルに巻き込まれた
- 近隣の騒音がひどい
- 付帯設備の不具合が発覚した
中古マンションであるがゆえの失敗談や、契約時に説明書や周囲の居住環境の調査を怠ったことによる失敗談が多数を占めています。
また中古マンションの中でも比較的築年数の浅い物件を購入して、売却を検討した時に資産価値の目減りが早く、ローンの残債額が不動産の市場価値を上回ってしまい、不動産を売却してもローンだけが残ってしまう「オーバーローン」と言った状況に陥ってしまうことも。
これらの失敗に該当しないためにも中古マンションを購入する際は、購入時点のことだけだなく、将来的な売却を視野にいれた確認を徹底するようにしましょう。
中古マンション購入までの流れと注意点
中古マンションを購入するタイミングになって購入する流れはおろか、注意すべき項目を知らないまま契約手続きしてしまうことは、のちにトラブルや問題を引き起こしかねません。
そうならないために中古マンションの購入プロセスの流れと併せて、押さえておくべき注意点を解説します。
希望の物件を探し、内見・見学する
はじめに行うのが希望する物件の項目をピックアップして、それに該当する物件を探し、内見・見学することです。
この際、理想や希望する物件を探すのではなく、予算に合った物件を探すようにしましょう。
また物件のリノベーションを検討している場合は構造躯体を確認するだけでなく、工事の可否やリノベーション可能物件かどうかなど、事前に確認しておくようにしましょう。
中古マンション購入の申し込みと住宅ローンの事前審査
希望する中古マンションが見つかったら購入の申し込みと住宅ローンの事前審査を行いましょう。
住宅ローンの事前審査では、ローンの返済能力があるかや、購入する物件が担保になるかを確認する段階です。
この時申告する内容には注意が必要です。 当然申告内容に嘘があってはいけませんしローンを組む金額もギリギリでは、その後のリフォーム費用などが不足してしまいます。
重要事項の説明と売買契約する
このプロセスは契約日当日に行う中古マンションに関わる需要事項の説明と、本契約となる売買契約の締結です。
重要事項に係る書類は不動産会社から事前に取り寄せることも可能なため、「当日の説明だけでは不安」という方はあらかじめ取り寄せて、理解を深めておくようにしましょう。
また売買契約が締結してしまうとキャンセルする上で違約金が発生することになります。そのほかにも「手付金」や「仲介手数料」と言った資金の用意や契約に必要な書類の用意など契約が滞りなく行えるようにあらかじめ不動産会社に確認を取り、忘れず用意するようにしましょう。
住宅ローンの本審査と契約する
売買契約が完了したら、いよいよ住宅ローンの本審査になります。
本審査では簡易的な審査基準とは異なり、金融機関が指定する保証会社が申込者の返済能力や信用性を調査することになります。本審査の結果はおおよそ2~3週間程度かかります。
引っ越しと残金決済をする
中古マンションを引き渡す際に売買契約時に支払った手付金を除き、その日に売買代金を支払う「残金決済」を行います。通常ですと、ほとんどの人は融資(住宅ローン)を受けたお金から支払うことになるため、融資元の金融機関の営業所で行うことが一般的です。
この時は売買当事者だけだなく仲介業者や司法書士、銀行員が同席して手続きを行うことになります。残金決済が終われば双方立ち会いのもと、物件が引き渡し可能な状況か契約時と状態に変化がないかを確認して、中古マンションの引き渡しになります。
中古マンション購入時のまとめ
中古マンションを購入する際は事前に確認及び把握しておくべき注意点が存在します。
本文でも述べましたが注意点の多くは物件自体の資産価値や安全性、利便性などに大きな影響を及ぼします。
また住宅ローンなどの資金面についても事前にローンが組めるかどうかの確認や、諸費用の計算をシュミレーションしておくことで、購入後も安心して支払いを行うことが可能です。購入後に「失敗した」と思うことがないよう、本記事の内容を参考に、安心して中古マンションを購入する事前準備を整えておきましょう。