仲介手数料は交渉できる?断られた?不動産売買の仲介手数料交渉のポイントとメリット・デメリット

仲介手数料は交渉できる?断られた?不動産売買の仲介手数料交渉のポイントとメリット・デメリット

この記事を書いた人
中村 昌弘
不動産コメンテイター

都内の私立大学を卒業後、新卒採用で不動産ディベロッパー勤務。 不動産の用地仕入れや、分譲マンションの販売・仲介などを手掛ける。 2016年に独立して以降、不動産関係のライティングも業務の1つに。

この記事のまとめ
  1. 仲介手数料は交渉できる?値切る客は迷惑か解説
  2. 仲介手数料の交渉を断られたらどうする?口コミまとめ
  3. 仲介手数料の交渉の言い方や例文を紹介
  4. グランドネクスト不動産の仲介手数料は業界最安値水準
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不動産売買時の諸費用として、「仲介手数料」は最も高額な費用です。金額にして100万円を超えるケースも少なくありません。

そんな高額な費用である故に、仲介手数料を交渉して値引きしたいと思う人もいるでしょう。

ただ仲介手数料を値切る客は迷惑ではないか、断られたらどうしようという不安を持つ方は多いと思います。

そこでこの記事では、元不動産営業マンが仲介手数料の値引き交渉術について詳しく解説していきます。

仲介手数料の交渉の言い方やメールの例文なども交えてご紹介していきます。

仲介手数料は交渉できる?不動産売買の場合

不動産売買時の仲介手数料は交渉できる?

結論から言えば、不動産売買時の仲介手数料は交渉の余地があることはあります。

ただし、交渉に応じてもらえるかどうかはケースバイケースです。仲介手数料の交渉は、売買条件や価格交渉とも関係してきます。

後の章でも解説しますが、交渉自体がマイナスに働くこともあれば、「仲介手数料を値引きしてでも取引を成立させたい」と仲介業者が考えている状況であればスムーズに交渉が進むこともあります。

全体の取引条件においてバランスを考える必要があることを念頭に、仲介手数料の値引き交渉ができる状況かどうかを判断しましょう。

仲介手数料の交渉を断られた?値切る客は迷惑?口コミまとめ

断られた?仲介手数料交渉に関する口コミ

仲介手数料の交渉において、断られた事例はあるのでしょうか。

不動産売買時の仲介手数料に関するリアルな口コミをまとめました。

仲介手数料を値切る客はどう見られるのかも気になりますね。

仲介手数料に関する口コミ
  • 条件次第では可能性がある
  • 交渉はしない方が良い
  • 交渉すること自体は構わない

条件次第では可能性がある

条件や交渉次第では、仲介手数料の値引き交渉が上手くいく可能性がある、という口コミです。

仲介業者も早く売りたい、他に買い手がいないなどの場合は交渉に応じてもらえる可能性は更に高くなります。

交渉はしない方が良い

こちらは仲介手数料の交渉はしない方が良い、という口コミです。

不動産仲介を専門に行っている業者にとって、仲介手数料は唯一の利益なので値引き交渉自体がマイナスイメージとなります。

交渉すること自体は構わない

反対に、こちらは交渉すること自体は構わないといった意見です。

ただし、やはり応じてもらえるかどうかはケースバイケースということを頭に入れておきましょう。

口コミでは「自分は値引き交渉には応じない」といった不動産業者の声や、「きちんとした対価を払いたい、値引き交渉はナンセンス」といった顧客側の意見もありました。

いずれにせよ、仲介手数料の交渉は契約の直前ではなく、「そもそも交渉の余地があるのかどうか」を早めに確認しておくとお互いに気持ちよく取引ができるでしょう。

仲介手数料の値引きのデメリットを知っておく

仲介手数料交渉のデメリットを知っておく

まずは、仲介手数料を値引きするデメリットを知っておきましょう。というのも、このデメリットは次項で解説する「値引きのポイント」とつながってくるからです。

仲介手数料=不動産会社の収益

仲介手数料は不動産会社からすると大事な収益源です。仲介を専門にしている不動産会社は、この仲介手数料しか収益になりません。

値引きのデメリット
  1. 広告費を絞られる
  2. 優先順位が下がる

売却依頼時は広告費を絞られる

不動産売却時は広告活動をして検討者を集めますが、その広告費は基本的に不動産会社の負担です。

そして、その金額は仲介手数料から捻出しているので、その仲介手数料を値引きされるということは広告費用を絞らざるを得ません。

広告費用を絞ると集客も減るため、物件の成約が遅くなるというデメリットがあります。

優先順位が下がる

仮に、営業マンがA,B,Cという3つの物件の仲介を担当していたとします。その中で、A,Bは仲介手数料率が規定通り、Cの物件だけ値引きして手数料率を1.5%にしたとします。

その際、同じ日にこれら3物件に内見希望が来たら、その営業マンはどうするでしょうか?仲介手数料額に大きな違いがない限りは、恐らく仲介手数料率を値引きされた物件の内見予約は後回しにされるでしょう。

 

このように、仲介手数料率を値引くということは、広告費用を絞り優先順位が下がります。それによって売却が遅れ「売れ残り物件」として認知されれば、値引き交渉が激しくなり結局安値で売却…ということになりかねません。

 

仲介手数料の交渉の仕方|言い方やメールの例文

仲介手数料の交渉のポイント

次に、前項で解説したデメリットを踏まえ、仲介手数料の値引き交渉の仕方やポイントを解説します。

値引き交渉の3つのポイント
  1. 最高でも1.5%の値引きにする
  2. 明確に競合不動産会社を明言する
  3. 最大限協力することをアピールする

そもそもですが、不動産売買時の仲介手数料は、400万円超の物件で「売買価格×3%+6万円+消費税」です。これで計算された金額を上限に、不動産会社は売主・買主に請求して良いとされています。

つまり、3,000万円の物件を売買するときは、1,036,800円が仲介手数料の上限になるということです。

最高でも1.5%の値引きにする

上述したようなパーセンテージなので、それ以下であれば仲介手数料率は何%でも良いです。ただし、値引きは最高でも半分の1.5%程度に留めておきましょう。

これ以上の値引きは、広告費用を考えると不動産会社としては受け入れ難いからです。また、仮に値引きに成功しても関係性の悪化につながります。

明確に競合不動産会社を明言する

また、値引きの交渉する場合は明確に競合不動産会社を明言しましょう。

言い方や例文としては「正直御社よりもC不動産会社の方が実績もあり高く売ってくれそう。だけど、コミュニケーションが取りやすいのは御社なので、手数料を○%に下げてくれたら御社と媒介契約を結ぶ。」というようなイメージです。

 

不動産会社側は値引き交渉をされると非常に嫌です。そのため、少しでも「YES」といいやすい状況にすることが重要です。

 

最大限協力することをアピールする

また、物件の売却に関して最大限協力するように以下のようなアピールをしましょう。

協力のアピールのポイント
  1. 売れるまで土日の案内はいつでもOKです
  2. 平日の夜も基本的に内見OKです
  3. 内見前の掃除や出迎えは必ず行います

というのも、不動産会社からすると、仲介手数料率を値引かれるなら、その物件を早く売却したいです。

しかし、上述したように広告費は絞り、内見予約の優先順位も下がるので、売主が協力してくれないと物件は売りにくいのです。

そのため、内見の日程調整を最大限することをアピールしたり、売れるための手間を惜しまないことをアピールしたりすると、不動産会社からしても値引きは受け入れやすいといえます。

仲介手数料の値引きをしても良いケース

仲介手数料の交渉をしても良いケース

このように、仲介手数料率の値引きはデメリットがつきまといます。しかし、以下のような物件であれば、上述したデメリットは小さいといえるでしょう。

値引き交渉をしても良いケース
  1. 周辺で物件を仲介している不動産会社へ依頼する
  2. 魅力的な物件を売る

自分の物件の周辺でほかの物件を仲介している不動産会社であれば、チラシをその物件と一緒に作成する…など広告活動で工夫することができます。

また、その物件の広告を見て連絡してきた人に、自分の物件を紹介する…ということも可能なので、上述した「広告費」と「優先順位」のデメリットは解消しやすいです。

ほかにも、「ターミナル最寄り」や「需要が高いけど現在売り出しがない」というような魅力的な物件なら、少ない広告でも集客が期待できるの上述したデメリットは払しょくできるでしょう。

まとめ

このように、仲介手数料の値引き交渉は、物件が売れにくくなる…という大きなデメリットにもつながってきます。そのため、値引きするかどうかは慎重に判断しましょう。

特に、上述した「交渉しても問題ないケース」を確認し、自分の物件がそれに該当するかどうかを確認してから、本当に値引きするかの判断をしましょう。