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予算300万円でもマンションをフルリノベーションすることは可能なのか?

この記事を書いた人
徳田 倫朗
宅地建物取引士

株式会社イーアライアンス代表取締役社長。 宅地建物取引士。 国内では、アパート・マンション、投資用不動産の売買や不動産ファンドの販売・運用を手掛けるほか、海外不動産(アメリカ・フランス)についても販売仲介業務を行うなど、不動産・リノベーションに関して幅広い経験と実績を有する。

この記事のざっくりとしたポイント
  1. 工夫次第では少ない予算でフルリノベーションすることも可能
  2. 工事内容を絞ったり、建材や設備をダウングレードしたりすることで、全体の費用をかなり節約することが可能
  3. 自己資金がどうしても不足するときは、リフォームローンや補助金の活用も考慮してみる

個々のライフステージに合わせて、最適な住まいは変わっていきます。結婚、子育て、子供の独立を機に、いままで住んでいたマンションをリノベーションしたり、リノベーションを前提に中古マンションを購入したりする人が増えているのも、柔軟に住まいを変えていく考え方が広まってきたからでしょう。

中には、リノベーションに使える予算が少ないからと、リノベーションを最初からあきらめている人もいるかもしれません。しかし、工夫次第では少ない予算でフルリノベーションすることも可能です。

徳田編集者

今回は、予算300万円でどこまでリノベーションできるかをテーマに、リフォーム事例や予算内に抑えるために検討すべきポイントを紹介します。

300万円でできるリフォームとは?

マンションのフルリノベーションの予算は500万円から1,000万円といわれているため、300万円ではフルリノベーションをする費用としては不足気味です。実際に、300万円でできるリフォームは、キッチンのみ、浴室と玄関のみ、もしくはリビングの間取り変更のみと紹介しているリフォーム会社もあります。

しかし、やりようによっては、300万円でもフルリノベーションは可能です。

予算300万円でもフルリノベーションができるのは驚きですね。

事務員

徳田編集者

例えばリビングを配管、配線がむきだしの仕事場兼リビングのようなインダストリアルな空間にし、水回りは既存のものを使うようなリノベーションならば、300万円でおさめることも不可能ではありません。

では、予算300万円でできる水回りを中心とした標準的なリノベーションと予算を抑える工夫を凝らしたフルリノベーションの事例を見てみましょう。




水回りを中心にリノベーションした事例

予算300万円でできるリノベーションは、システムキッチンとキッチン収納を一体として新しくする、浴室・脱衣所・洗面室の設備を取り換える、床材・壁紙を一新するなど一部のリノベーションにとどまるのが一般的です。

例えば以下のようなリノベーション内容になります。

浴室とキッチンを中心にリノベーションした事例(施工内容)

タンクレストイレの入替工事 40万円
ユニットバス交換・配管工事 120万円
洗面台・防水パン設置・内装工事 30万円
システムキッチン交換・収納取付工事 120万円
合計 310万円

水回りのリフォームは、配管と設備の費用がかさみがちであるために一部のリフォームで300万円を超えることもあります。特に築古のマンションは、現在のユニットバスやシステムキッチンの規格と異なることが多いために、リノベーション費用がかさむ傾向にあります。

築47年のマンションをフルリノベーションした事例(施工内容)

内容 ・リビングダイニングの壁紙の張替え、ペイント、収納の設置
・躯体のコンクリート天井や、電気配線・換気ダクト等の変更・ヴィンテージ風仕上げ
・床材の張替え(構造材を使ってコストダウン)
・オープンキッチンの設置
費用 約270万円

この場合は、水回りはキッチンの変更のみとし、天井や床材に安価な建材を用いることでかなり費用を抑えられています。

参考サイト:SUVACO(スバコ)




費用を300万円の予算内に抑えるために検討すべき7つのポイント

リノベーション工事を行うときの施工内容や設備のグレードにはかなりのバリエーションがあり、浴室・キッチン・トイレなどの水回り設備のほか壁紙の質、床材のグレードによってもかなり施工費用は違ってきます。

事務員

徳田編集者

費用を300万円以内に抑えるにはある程度の取捨選択や妥協が必要です。ここでは、費用を抑えるためにぜひ検討しておきたい7つのポイントを解説します。

ポイント①使える場所はリフォームしない

マンションのリノベーション費用は坪単価・㎡単価で考えられることが多く、施工面積が大きいと費用がかさむ傾向にあります。

予算が限られている場合、まずは工事をする面積を減らすことができないかを考えるのが費用を抑える近道です。リノベーションの目的をはっきりさせて優先順位をつけ、玄関、収納やトイレなど使えるところは原則そのまま使うという選択もあり得ます。

気になるところに重点的に費用をかけることで満足度の高いリノベーションを実現することができます。




ポイント②既製品を活用してリフォームする

キッチンやリビングの収納家具をオーダーメイドにすると、思いのほか費用がかさんですぐに予算オーバーになってしまいます。なるべく既製品を使うことで、費用を抑えることができます。

既製品だからといって直ちに質が落ちるというわけではありません。最近では色や形もバリエーションが豊富で、デザイン性の高い建具や家具もたくさんあります。

MEMO

施工会社がオーダーメイド家具の提案をしてくるようならば、既製品でできないか相談してみるとよいでしょう。

ポイント③レイアウト変更をしない

間取りの大きな変更や水回りのレイアウト変更は大規模なリノベーションになりやすいために予算オーバーの原因になります。

隣り合う和室と洋室を一体化するのみの変更ならば比較的簡単にできますが、部屋の壁の移動やキッチンの広さや浴室・脱衣所の広さ自体を変更するようなリノベーションは施工期間も長引き、費用も多くかかります。

なるべく今の間取りを活かしたリノベーションにすることで、他の設備や建材に費用を振り分けることが可能となります。




ポイント④高価な材料を使わない

設備や建材にもグレードがあり、ハイグレードなものを選ぶと費用が倍近くになることも少なくありません。例えば、タンクレスのトイレは30~40万円しますが、タンク式のトイレならば15~20万円で済みます。浴室やキッチンも同様です。

壁についてもアクセントクロスのほか土壁・タイル仕上げ、エコカラットなど上を見ればきりがありません。こだわりがないならば、ブランド品ではないローグレードのものを使い、本当に取り入れたい設備に費用を割くようにしましょう。

ポイント⑤住みながらリフォームする

大規模なリノベーションになると施工期間も長くなり、一般的には2か月から3か月かかってきます。すると、その間の仮住まいの費用についても考えなければならず、工事に使える予算が減ってしまいます。

浴室、トイレの設備交換は住みながら可能ですし、天井や床の工事でも、工程や工事の内容を考えることで住みながら工事を行うことは可能ですので、一度検討してみるのも良いかもしれません。

注意

家具の移動が手間だったり施工中のほこりや騒音が気になったりするなどのデメリットもありますので注意が必要です。




ポイント⑥繁忙期を避ける

リノベーション工事の繁忙期を避けて工事を発注することで、費用を抑えられる可能性があります。

年末や3月など、引越し時期に完工時期を合わせると、工事の繁忙期に重なることがあります。繁忙期には現場監督や職人さんが手一杯となり、人員を確保するのに追加費用がかかったり、工期が長引いたりすることで費用がかさむことがあります。

スケジュールに余裕があるならば、繁忙期を避けて工程を組んだ方が工事費用を安く抑えられます。

ポイント⑦DIYに挑戦する

現在では壁紙の張替えやペイントなどの簡単なリフォームならば、DIYで済ませてしまう人も多くなっています。

DIY用に粘着剤付きの壁紙や装飾のためのタイルが通販で簡単に手に入りますし、クッションフロアを自分で張り替える人もいます。また、Webマガジンや個人ブログのほかYou Tube動画でもさまざまな施工方法についての情報を得ることができますので、自分でできるものがないか探してみるのも良いかもしれません。

手間を惜しまなければ、材料費だけでリフォームを行うことができ、かなりの節約になります。




予算を増やす方法も検討しよう

リノベーション費用の節約の方法を紹介してきましたが、どうしても費用が足りない時には、予算を増やす方法も検討することになります。

親や兄弟の援助があれば心強いですが、リフォームローンや補助金を活用することで、リフォーム予算を増額することができるかもしれません。

リフォームローンを活用する

リフォームローンとは、一般の金融機関が取り扱っているリフォームを行うための融資商品です。

リフォームローンには、住宅ローン一体型と単独のものがあります。

住宅ローン一体型とは、リフォームを行うことを前提に中古マンションを購入するときに、住宅の取得資金とリフォーム資金を合わせて借り入れる方式です。住宅を担保に借入をすることができ、住宅ローンと同程度の低金利で長期間の借り入れが可能です。

一方、所有しているマンションをリフォームする場合には単独のリフォームローンを活用することが多いでしょう。

MEMO

無担保型と有担保型がありますが、無担保型の場合には住宅ローンよりも借入限度額が低い、金利が高い(1.3〜4%程度)、返済年数が短い(最長15年程度)という特徴があります。

借入れの際には、ローンを取り扱っているリフォーム会社に相談するか取扱金融機関に相談してみましょう。




補助金を活用する

全てのリフォームについて補助金が活用できるわけではありませんが、省エネやバリアフリー、コロナウィルス拡大に伴うテレワークの推進の一環としてのワークスペースの開設などに関するリフォームについては、条件を満たすことで補助金を活用することができます。

例えば、高性能断熱材やペアガラスの導入など省エネ・断熱につながるリフォームにはマンション1戸あたり15万円、工事費用の3分の1を上限に補助金を申請することができます。

徳田編集者

補助金の適用条件や適用される工事内容、申請書類の作成は専門的な知識が必要ですので、リフォーム会社に相談しながら申請しましょう。

参考資料:環境共創イニシアチブ




予算300万円で満足度の高いリノベーションを実現する方法

予算300万円はリノベーション費用としては平均に満たない金額であることは否めませんが、優先順位をつけて賢く取捨選択することで、満足度の高いリノベーションを行うことは十分可能です。

工事内容を絞ったり、建材や設備をダウングレードしたりすることで、全体の費用をかなり節約することができます。自己資金がどうしても不足するときには、リフォームローンや補助金を活用することで、夢が広がるかもしれません。

皆さんも、低予算のリノベーションで理想の住まいを手に入れてみてはいかがでしょうか。