- 海外設計の思想がきちんと反映されていることと、輸入部材を約60%以上使用している住宅を輸入住宅としている
- 2×4工法やパネル工法により耐久性や耐震性にも特徴があり日本の耐震基準も満たしており、ゆったりとした間取りが特徴
- 間取りパターンが少ないことや、メンテナンスに難点がある点、広い土地が必要といったデメリットもある
欧風や洋風の住宅っておしゃれで日本の住宅ともちょっと違う感じがして興味があるんですが、日本の工法とはちょっと違うんでしょうか?
そうですね。いわゆる輸入住宅といわれるものですが、日本の工法や広さなど異なるところも多いですね。
ときどき住宅の街並みを見ると、おしゃれなイメージの洋風住宅が目を惹くことがあります。輸入住宅といわれており、そこだけ海外にいるような錯覚すら感じることがあるでしょう。では、この輸入住宅は国内の工法とはどのような違いがあるのでしょうか?輸入住宅を検索すると「後悔」「デメリット」という言葉が出てきて不安になる方もいるでしょう。
そこで、今回の記事では輸入住宅を選んで後悔したという口コミの紹介や、輸入住宅のメリット・デメリットについて解説します。
輸入住宅とは?構造の違い
そもそも輸入住宅とはどのようなものを指すのかというと明確な定義はありません。一般的な見解としては海外設計の思想がきちんと反映されていることと、輸入部材を約60%以上使用している住宅を輸入住宅としています。日本にはないようなデザイン性で、日本の住宅は、木材をふんだんに使いどちらかといえば、コンパクトな家屋が多いといえるでしょう。
しかし輸入住宅はレンガや木材、石材をふんだんに使用し、外観や内装も装飾をほどこした造りが非常に特徴的です。また部屋の広さも日本の住宅よりも輸入住宅のほうが広めにとられています。日本の住宅よりも比較的ゆっくりと余裕をもって設計されている点も輸入住宅の特徴です。
住宅デザインもバラエティに富んでいます。重厚で深みのあるデザインもあれば、鮮やかな原色や躍動感にあふれたビビッドな色使いなど各地域の風土や特徴がふんだんに取り込まれたデザインといえるでしょう。たくさんの輸入住宅の中から自分好みのスタイルを選ぶことができます。
日本の工法とはここが違う
実際に輸入住宅は日本の工法と比較すると、どのような点が異なるのでしょうか。基本的に日本の工法に多いのは木造軸組工法と呼ばれる工法です。木造軸工法とは日本古来の工法であり柱や梁といった軸組で支える工法で、若干複雑な仕組みでつくられています。
しかし輸入住宅に最も多い工法は2×4(ツー・バイ・フォー)工法です。木造軸組工法が柱や梁で支えるのに対し床や壁などの面単位で建物を支える工法で近年日本の住宅メーカーでも用いられています。いかに輸入住宅が優れているのかといったことを表しているといえるでしょう。
また2×4工法と同じく面で支える工法としてパネル工法がありますが、この工法も北欧では良く採用されている工法です。あらかじめ床や壁をパネルで作成し。組み合わせて住宅を建てます。気密性や断熱性に優れており非常に強固な工法で、2×4工法と並び輸入住宅で最もよく利用されている工法です。
輸入住宅で後悔しがちデメリット4選
耐久性にも優れデザイン性にも非常に優れているんですね。私もあんな洋風のおしゃれな住宅に住みたいと思いますからね。
そうですね ゆったりとした間取りや耐久性に強い点からも輸入住宅がちらほら見ることができるのが良くわかります。
では、輸入住宅にはデメリットはないのでしょうか?
輸入住宅はデザイン性にも非常に優れ、その工法からも耐震性や耐久性にも非常に優れている点が大きなメリットです。では輸入住宅におけるデメリットにはどのような点があるのでしょうか?ここからは輸入住宅のデメリットについて解説します。
間取りプランが限定的
やっぱり木製ドアは、風除室ないんだぁー。
— HIRO母さん🍥 (@SKY43899039) January 31, 2023
だからかぁー。
うちもそうなんだよね。
輸入住宅したから間取りのドアが少ない
一般的に国内住宅、輸入住宅に限らず間取りを選ぶときの選びかたとして、完全注文仕様で自分で全てを決める方法があります。間取りを自分の思うように作りたいのですが完全注文仕様は非常に費用がかさむことが考えられます。多くの人は住宅メーカーが提案する複数のプランから選択することも方が多いといえるでしょう。そのため住宅メーカーがいかに複数のプランを提案できるかといった点も建てる家を選ぶ際のポイントです。
しかし輸入住宅の間取りプランは国内の住宅と比較するとあまり多くはありません。間取りプランが少ないと自分の生活スタイルにあった間取りが選択できない可能性が考えられます。輸入住宅のデメリットとして挙げられるでしょう。
家具などのインテリア選びが難しい
完全洋風仕様となり本場のデザインがふんだんなく使われている点が大きな特徴である輸入住宅ですが、それにあわせるインテリア選びが大変な点が挙げられます。近年は昔に比べると外資系の家具や雑貨販売店もできていることから、まだ輸入住宅に合わせやすいインテリアが手に入りやすくはなっています。しかし国内の住宅と比べるとインテリア選びの不自由さは、輸入住宅が多いといえるでしょう。
メンテナンスの維持費が大変
輸入住宅で失敗したのは企画が合わなくて水周りの修理とかが大変なこと…。修理屋さんが来てなんじゃこりゃ〜っ‼︎てびっくりされます。
— まろん♪ (@11kakota) July 13, 2014
国内の住宅と比較するとメンテナンスに若干の難がある点がデメリットとして挙げられます。例えば、ちょっとした部品の交換を行いたい場合、国内の住宅だとホームセンターなどで部品を購入して交換することも可能です。しかし輸入住宅のメンテナンスは国内のホームセンターに同じ規格の商品がない場合が多く、ちょっとした修理でもわざわざ建築したメーカーに依頼しなければいけません。
万が一その輸入住宅のメーカーが倒産したとなると部品選びにひと苦労ということも考えられるでしょう。簡単にメンテナンスの部品が手に入らないといった点も普段の生活で困るシーンとなり得ます。
日本の気候と合わない資材で長持ちしない?
日本の気候は高温多湿で海外の気候とは異なります。そのため、海外からの木材をそのまま日本で使用すると、湿気で木が膨張し、乾燥し縮んでいく現象が起きます。縮んだ木材や湿気で膨張した柱は腐ってもろくなります。輸入住宅の寿命は短い、という意見をネットでよく見かけますが、これが一番の要因と言えるでしょう。
私の家もそうww
— すい (@w3_kws) February 1, 2021
うちももうボロボロで大変よ😂
年数たつと劣化するから仕方ないかもだけどね😭うちは北欧系の輸入住宅だから冬は暖かくていいんだけど日本の気候には合わないから家の色んなところが傷んでる😭湿気にも弱い😭
しかし、海外のどこの木材も日本の気候に合わないわけではありません。北欧では日本より気候の変化が激しいですし、カナダのバンクーバーでは日本より湿気が多い地域もあります。また輸入住宅を日本のどこの地域で建てるかにも変わってきます。湿度の少ない東京や群馬県で建てる場合と、湿気が最も多い青森県で建てる際の構造では違ってきます。
狭い地域では建てられない
やっぱり木製ドアは、風除室ないんだぁー。
— HIRO母さん🍥 (@SKY43899039) January 31, 2023
だからかぁー。
うちもそうなんだよね。
輸入住宅したから間取りのドアが少ない
先ほど輸入住宅のメリットとして、全体的に間取りも広くゆったりとした造りが特徴と解説しました。しかし国内の住宅メーカーはコンパクトな造りが特徴となっており、これは国土の狭さが要因の一つです。輸入住宅はゆったりした広さが特徴となるので、それなりに広い土地が必要となります。東京都心部など地価が高いエリアにおいて輸入住宅を建築すると割高感を感じるかもしれません。
輸入住宅のメリット
デザイン性にあふれ、さまざまなタイプの輸入住宅があるのですが、主流はヨーロッパと北米の2種類なんですね。
そうですね。ただ2種類とは言えさまざまなデザインがあります。どれも良いデザインで目移りするかもしれませんよ。
そもそも日本国内で輸入住宅を建てるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
輸入住宅にはさまざまなデザインの住宅があり2×4工法やパネル工法が採用され、非常に強固な住宅といえます。では輸入住宅を選択すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここからは輸入住宅のメリットについて解説します。
国内住宅メーカーと比較しても家の品質が高い
まずは国内の住宅メーカーと比較しても非常に品質が高いことで知られています、日本の住宅メーカーでつくられている住宅も非常に品質は良く日本の規制は諸外国と比べても厳しい部類に入ります。輸入住宅は日本の規制もクリアしており、更に国内メーカーも採用している2×4工法やパネル工法などで強固な住宅との位置づけです。高気密化や高断熱化に特に優れている点が大きな特徴といえます。
日本の気候は四季折々でさまざまな異なった環境が一年間で訪れます。つまり暑さに強いだけでも寒さに強いだけでも日本の気候に合わないのです。しかし輸入住宅は日本の四季に対応できる素晴らしい品質をほこった住宅といえるでしょう。
日本特有の地震や台風はもちろん、日本の耐震基準もクリアしている
日本は世界各国と比べても災害が起きやすい地域といえます。夏場には台風や豪雨、そして近年忘れてはいけないのが地震に対する備えです、このような災害に強い住宅でなければいけません。
輸入住宅は木材の品質も非常に良く耐久性に優れています。パネル工法や2×4工法は強固さが売りの工法で地震などの耐震性も強く、日本の耐震基準もクリアしている住宅です。また材質の良さから耐久性もあり非常に長い間住めることも大きな特徴といえるでしょう。3代まで住める家もあり古くなればなるほど違った味わいが出てくる点も輸入住宅のメリットといえるでしょう。
輸入住宅は基本寸法が1,200mm以上とゆったりした間取りが特徴
国内住宅メーカーがつくる住宅は比較的コンパクトな造りの住まいが多く、日本の狭い国土にあわせた仕様となっています。しかし輸入住宅は国内の住宅に比べると全体的にゆとりをもった造りであるといえるでしょう。日本国内における基本の寸法は910mmですがヨーロッパスタイルの基本寸法は1200mm。
北米スタイルは1220mmと日本の基本寸法の約1.3倍を基本寸法としています。基本寸法が違うので廊下なども日本の住宅と比較するとゆったりとしたデザインとなっており、広々とした空間での住環境が売りとなっている点も大きなメリットでしょう。
内装や外装デザインが良い!
最も特徴があるのが外観や内装デザインの良さが挙げられます。特に近年は純和風の住まいよりも洋風の住まいが多くなっていますが、洋風となるとやはり輸入住宅のデザイン性は、ヨーロッパや北米が本場です。完全な洋風仕様の住まいに住みたいのであれば本場のデザインをふんだんなく使われている輸入住宅が最も理想に近くなるのではないでしょうか?
輸入住宅の注意点
ここまで輸入住宅におけるメリットやデメリットについて解説しました。双方をしっかりと把握することで自分にとってどの住宅メーカーでマイホームを建てるのかを正確に分析できます。では輸入住宅をマイホームにすることを選択した場合、どのような点に注意したらいいのでしょうか?また、この注意点に対してどのような対策方法があるのでしょうか?ここからは輸入住宅を選ぶ際の注意点や対策について解説します。
内装や間取りにこだわると高くなりがち
輸入住宅の建築費用は国内の住宅メーカーと比較してもそう高くはありません、ローコストとまではいきませんが、同程度の建築費用か少し高い程度です。しかし内装や間取りこだわりすぎると金額が跳ね上がることも考えられます。場合によっては1,000万円ほど想定よりも違うといったことにもなりかねません。というのも商品自体は海外にあるので発送の費用など、どうしても金額が高くなってしまうのです。
特に新築で家を建築するとなるとどうしても費用が高くなってしまうので選択方法のひとつとして中古の輸入住宅を選ぶといった方法が考えられます。輸入住宅はその材質の良さから耐久性が高く、非常に長く住むことができる点が特徴です。また築年数が経過することに違う味わいが楽しめるといった点も挙げられます。中古住宅だからと言って決して古臭くはなく長期間住めることから、金額面から中古の輸入住宅を選ぶことも可能です。
輸入住宅は為替の影響を受ける
輸入住宅は為替の影響を受けてしまうため建築の時期により価格に影響が出やすいのです。基本的に建材や資材は海外から輸入しなければいけません。円安のときに建築すると割高になり円高の場合は割安になります。輸入住宅でマイホームを建築する場合は必ず為替の動向を把握しておきましょう。2017年から1ドル110円前後の推移となっていますので110円を分岐点としてはいかがでしょうか?
輸入住宅にはヨーロッパと北米スタイルの2種類がある
なるほど。それぞれの地域の特徴がふんだんに取り入れられているんですね。
輸入住宅はそれだけで個性的な住宅なので、画一的な日本の住宅とは違った味わいが楽しめますよね。
輸入住宅はどのようなスタイルのものが特に多いのでしょうか?
輸入住宅には主流となるスタイルがあり、いくつかの特徴を持っています。輸入住宅はヨーロッパスタイルの住宅と北米スタイルの住宅が主流となっており、多くの輸入住宅は、この2つの流れを組んだ仕様となっているのです。ここからはヨーロッパスタイルの輸入住宅と、北米スタイルの輸入住宅の特徴について解説します。
ヨーロッパスタイルの住宅の特徴
ヨーロッパスタイルの中でも特に北欧のスタイルを模した輸入住宅が多いといえるでしょう。北欧といえばフィンランドやスウェーデンの住宅をモデルとされていること多いスタイルです。素材の質感を大事にしており無垢の床材を使用している点が特徴といえます。木の特徴を存分に生かし素朴で重厚感がある一方、自然との調和が取れた住宅といえるでしょう。全体的に温かみを感じる住宅です。
また主流の北欧スタイルだけではなく、白を基調としたフレンチスタイルや南フランスの住宅、イタリアの住宅などそれぞれ特徴のある輸入住宅があります。それぞれデザイン性に優れ、特徴のある輸入住宅といえるでしょう。
北米スタイルの住宅の特徴
次のスタイルとして挙げられるのが北米スタイルです。北米スタイルのモデルとなるのは19世紀のアメリカにヨーロッパから移民が渡った際に好まれた住宅が主流とされています。とてもバラエティ豊かなのですが共通しているのが堅牢なデザインが多いということです。
移民や開拓民が主となりつくられた住宅ですので、頑丈で耐久性があるような住宅が好まれたのでしょうか?堅牢な中にもさまざまなデザインがある点が最も大きな特徴といえるでしょう。
まとめ
輸入住宅はヨーロッパスタイルや北米スタイルを中心としてデザインの良さが大きな特徴の住宅です。輸入住宅のデザインランキングなどを見ても非常におしゃれでデザイン性が豊かな輸入住宅が見受けられます。木の素材を十分に生かし、自然と調和したスタイルの住宅や堅牢さが特徴のさまざまなデザインがあふれたものなどバラエティに富んでいるといえるでしょう。
2×4工法やパネル工法により耐久性や耐震性にも特徴があり日本の耐震基準も満たしており、ゆったりとした間取りが特徴です。前述した耐久性、耐震性の高さといった家自体の品質が高く、内装や外装デザインが優れ、ゆったりとした間取りがメリットといえます。
しかし反面、間取りパターンが少ないことや、メンテナンスに難点がある点、広い土地が必要といった点も考えられるので、双方をしっかり理解しておきましょう。非常に魅力ある住環境が期待できる輸入住宅は、理想の生活を送る手助けとなり得ます。