「空き巣で保険がおりない」は嘘!火災保険で盗難の際に補償される範囲を解説!

この記事のまとめ
  1. 多くの火災保険には盗難被害も補償対象として含まれている
  2. 現在加入している火災保険の補償内容や補償範囲を確認しておくことが大事
  3. 空き巣で保険や時計・現金の盗難にあっても補償される?

火災保険は火災による被害だけを補償してくれる保険じゃないの?と思っている方も多いのではないでしょうか?火災保険は火災だけでなく、盗難も補償対象になることがある優れた保険のひとつです。盗難被害は年々減ってはいるものの、警視庁の2020年のデータによると一日当たり約120件もの盗難被害が発生しているので、少ないとは言い難い状況です。そこで、もしも実際に空き巣にあったら、盗まれた現金は返ってくるの?家財や建物の損害の補償はされる?と気になる方も多いでしょう。

そこで、今回は盗難が補償される保険の条件や補償対象、保険がおりないケースについて詳しく解説していきます。また保険金の請求方法についても紹介していくので、記事を読んで火災保険で窃盗被害を補償する術を身につけましよう!

空き巣で保険がおりないケース!

盗難補償が無い火災保険に加入していたケース

火災保険とは火災による損害を補償してくれるだけの保険といったイメージを持たれがちですが、実は幅広い補償範囲を持つ保険です。多くの火災保険には盗難被害も補償対象として含まれています。盗難被害について具体的には空き巣に窓ガラスや鍵を壊された、家具や家電製品、衣類等々を盗まれたなどの損害の補償として、損害保険金が支払われます。

しかし、中には盗難が補償対象になっていない火災保険もあります。盗難被害に遭ってから後悔してしまう前に、今一度自身が加入している火災保険の補償内容を確認してみてください。

 

どこの火災保険に加入しているかも分からない場合、どの様に補償内容を確認したら良いのですか?

 
 

契約している保険会社から定期的に契約内容が記されたハガキが届きますが、保険証券や保険会社に契約内容を直接問い合わせるのがおすすめです。賃貸なら、ほとんどが不動産屋さん経由で加入しているのでそちらで確認しましょう。

 

火災保険は盗難被害をどこまで補償してくれるの?

盗難により建物や家財が盗まれる、壊される、汚されるといったケースでは補償されます。建物の補償については盗難被害と言われるとピンと来ないとは思いますが、侵入の手口としてガラス破りや鍵の破損等の被害が含まれます。そういった場合、強盗未遂や窃盗未遂でも火災保険の対象になっています。

家財の補償については注意が必要です。家電製品や家具、衣類等の被害は補償されますが、現金や預金証書などに上限があったり、高額な美術品や宝飾品等の貴重なものは申告をしていないと補償対象にならないこともあります。

MEMO
申告が必要になるか否か諸々の補償範囲を保険会社に確認しましょう。

建物の補償例

建物の補償例として具体的にどの様なケースがあるかご紹介します。

建物の補償例
  • 空き巣に窓ガラスを割られてしまった
  • 空き巣に鍵を壊されてしまった
  • 空き巣にクローゼットや下駄箱等の建て付けの収納を壊されてしまった

こういった被害で建物の補償として損害保険金が支払われます。

家財・現金の補償例

次に家財の補償例と現金が返ってくるのか具体的なケースをご紹介します。

家財の補償例
  • 空き巣に、パソコンやブランド品、アクセサリーを盗まれてしまった
  • 現金を盗まれてしまった
  • 自転車や原付バイクが盗まれてしまった
  • 現金(一般的な上限は20万円まで)

こういった被害で家財の補償として損害保険金が支払われます。

 

住宅の外で保管しているバイクや自転車も家財に含まれるのですか?

 
 

屋根付きの駐輪場や車庫、玄関など、敷地内の建物に収容されている場合に限り、バイクや自転車も盗まれた際には家財の補償として保険金額支払われます。家財の補償ということなので『敷地内の建物に収容されている』という点が重要になります。

 

盗難被害から火災保険金請求までの流れ

盗難被害にあってしまってから損害保険金を請求するまでの流れを3ステップで解説していきます。帰宅したら窓ガラスが割れていた、家の中が荒らされていた、なんてことになったらパニック状態になるかと思いますが、落ち着いて対処することが重要です。万が一盗難被害にあったらと考えると、損害保険金を受け取るまでの流れを簡単にでも理解していると良いでしょう。

STEP1 まずは警察へ連絡する

まずは警察に「いつ」「どこで」「何が」「どうした」かという連絡をしましょう。次に保険会社にも窃盗の被害にあったことを事前に報告しておくことで、損害保険金請求までの流れを円滑に進める為のアドバイスを受けることができます。また警察が来るまではできるだけ立ち入らず、警察の方と盗まれた物、壊れたものなどの被害状況を確認します。

この時不正利用されてしまう可能性があるクレジットカードやキャッシュカードなどが盗まれていた場合確認できない場合はすぐに利用停止の手続きをしましょう。そして、最寄りの交番や警察署に盗難届を届け出てください。

STEP2 警察から受理番号をもらう

盗難届を出すと受理番号をもらうことが出来ます。損害保険金を請求する際にこの盗難届の受理番号が必要になります。受理番号というものはその言葉通り、盗難届が受理されたことを証明する番号となっています。

STEP3 受理番号を保険会社に提出する

盗難届の受理番号を加入している保険会社へ提出することで、盗難被害にあったことを証明し損害保険金を請求してください。保険金を受け取ったら破損した建物の修理や盗難にあった家電製品、家具等の書い直し等に当てることができます!もしも盗難被害にあったものが見つかった場合は、すぐにその旨を加入している保険会社に問い合わせましょう。

保険会社からすでに損害保険金が支払われていたら、所有権は保険会社に移転しているので、個人の判断で処分や回収することは出来ないので注意が必要です。見つかったものに対して支払われた損害保険金を払い戻すことで、所有権を戻すことが出来ます。

 

盗難被害にあってから時間が経ってから見つかった場合はどうなりますか?

 
 

保険法95条1項に時効として3年が設定されているので、3年以内に手続きしてください。でないと時効になってしまいます。

 

盗難被害は1日で約120件も発生している

項目 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年
住居侵入 44093 57808 62745 73122 76477 86373
空き巣 13906 19584 22141 25557 27113 31430
忍込み 5937 7916 7484 9552 9903 12251
居空き 1187 1436 1880 1918 2233 2412

出典:警察庁|犯罪統計資料(令和3年~平成27年)

警視庁の2020年のデータによると、一日当たり約120件もの盗難被害が発生しているとのことです。その被害の約3割が空き巣によるもので発生場所の約6割が住居になります。

出典:住まいる防犯110番

侵入経路は窓と玄関が大半を占めていて、侵入の手口は無施錠(鍵のかけ忘れ)とガラス破りが大半を占めています。年々、こういった盗難被害の件数は減少傾向にはありますが、まだまだ被害件数は少ないとは言い難い状況に変わりありません。盗難被害にあう前に火災保険の補償内容を確認しておくことをお勧めします。

まとめ

火災保険の盗難被害における補償内容や補償範囲、またその確認方法、実際に盗難被害にあわれた際の対処方法、盗難被害に合われてから損害保険金を請求するまでの流れについて解説しました。多くの火災保険には盗難被害も補償対象として含まれていると話しましたが、現在加入している火災保険の補償内容や補償範囲を確認しておくことが大事になります。

補償内容や補償範囲を把握しておくことで窃盗の補償対象になっているかどうか、無駄なオプションがないかなどを見直することも可能です。これにより万が一の際に「補償がない!」という状況は避けられます。また盗難被害に遭ってしまった場合には、第一に警察に連絡をする。

火災保険に限らず、被害を受けてから保険の補償をうけるには警察に連絡する事が最初の対処です。盗難被害から損害保険金を請求するまでスムーズに行えるよう事前に流れを確認しておきましょう!

今回は盗難被害の補償にフォーカスして解説してきましたが、火災保険は窃盗など幅広い補償範囲をもつ保険なので、必要に応じて補償内容や補償範囲を設定していくことをおおすすめします。