住宅ローンの金利とは?金利の種類や今後の推移について

この記事のざっくりしたポイント
  1. 現状は住宅ローン減税もあり、かつてないほどお得な条件で借入れができる
  2. 金利を決定する要素は様々あり、複雑なので確実な予想は困難
  3. 突然急激な変動が起こる可能性が低いと推察できる

住宅ローンの借り入れを行う際最重視するのは金利でしょう。しかし住宅ローン金利は金融機関によってバラバラ。さらに変動金利、固定金利、固定期間選択型といった種類があり混乱してしまいますよね。これらの違いを知っておかなければ、最適な住宅ローンを見つけるのは難しいかもしれません。

この記事では2020年12月の住宅ローン金利相場をまとめています。主要金融機関の金利相場を知り、借り入れ先の決定に役立ててくださいね。

2020年12月の住宅ローン金利相場

2020年12月現在、依然として民間金融機関の住宅ローン金利は低水準で推移しています。住宅金融支援機構の発表によると、基準金利の中央値はそれぞれ変動金利型2.475%、固定金利期間選択型(3年)3.000%、固定金利選択型(10年)3.250%です。

参照:民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等):長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

なお実際に適用される金利は優遇金利(または適用金利)」と呼ばれます。各金融機関は基準金利から優遇幅を独自に決定し、他行との差別化を図っています。

 

わかりやすく言えば基準金利=定価、優遇金利=割引ですね。基準金利も優遇金利も市場環境や金融機関の独自基準により決定されます。

 

なお価格.comの発表によると2020年12月現在、新規借り入れ時の優遇金利の最低値は以下の通りです。

変動金利0.380%~
固定金利3年0.340%~
固定金利5年0.490%~
固定金利10年0.530%~
フラット35・全期間固定金利0.550%~

参考:価格.com – 住宅ローン金利比較|2020年11月最新の金利推移と動向

主要銀行の変動・固定金利推移

ここからは主要な銀行の実際の適用金利を確認していきましょう。後述しますが選択する金利タイプによって適用金利が大きく変わります。変動金利と固定金利に分け、比較してみました。

《変動金利》

金融機関適用金利(年利)
ジャパンネット銀行0.380%
auじぶん銀行0.410%
住信SBIネット銀行0.410%
楽天銀行0.537~1.187%
ソニー銀行0.457〜0.807%
りそな銀行0.470〜0.525%
ARUHI0.700~1.000%
みずほ銀行0.625~0.875%
三菱UFJ銀行0.475〜0.725%
三井住友銀行0.475~0.725%

《全期間固定金利》

金融機関適用金利(年利)
ジャパンネット銀行1.460%
auじぶん銀行1.460%
住信SBIネット銀行0.90〜0.97%
楽天銀行0.77〜1.57%
ソニー銀行0.550〜1.078%
りそな銀行1.200〜1.250%
ARUHI1.220〜1.480%
みずほ銀行1.07〜1.21%
三菱UFJ銀行1.49〜1.81%
三井住友銀行1.28~1.68%

そもそも金利とは?

さて住宅ローン金利の数字を見ていただきましたがそもそも金利とは何なのでしょうか。住宅ローンに限らず、借り入れには利息がかかるのが一般的です。その利息の割合を示すのが金利です。金利が高いほど利息は大きくなり、低いほど小さくなります。金利は全期間一定の金利となる「固定金利」と金利相場の影響を受ける「変動金利」に大別できます。また両者の利点を生かした「固定期間選択型」といった選択肢もあります。

MEMO
「金利が低いから変動金利型」といった安易な決定をしないためにも、それぞれのプランのメリット・デメリットを把握しておきましょう。

固定金利とは

固定金利を選択すると完済するまで金利が一定となります。固定金利は長期金利によって決まります。中でも「新発10年国債利回り」に連動するとされています。長期金利は景気上昇への期待が高まれば上がる傾向にあると言われています。様々な景気刺激策が実行されれば景気への期待が高まり、住宅ローン固定金利も上昇するといった相関があります。

<メリット>

メリット
  • 毎月のローン返済額が一定で、返済計画を立てやすい
  • 金利が大幅に上がっても当初の金利が継続して適用される

<デメリット>

デメリット
  • 変動金利よりも金利が高い
  • 金利がさらに下がっても恩恵を受けられない

変動金利とは

変動金利は借入期間中に金利が変動するタイプです。このタイプの金利は短期プライムレート(短プラとも呼ばれる)を基準に決定されます。短期プライムレートとは銀行が優良企業に1年未満の短期で融資する際に適用する金利で、政策金利の影響を直接受けます。そのため長期金利よりも景気の現況に左右されやすく、景気が悪くなれば金利は下がり良くなれば金利は上がる傾向にあると言えます。

<メリット>

メリット
  • 当初の金利が安い
  • 返済期間中さらに金利が下がる可能性もある

<デメリット>

デメリット
  • 金利が上がるリスクがある
  • 返済額が固定されないので返済計画を立てにくい

固定期間選択型とは

固定期間選択型とは契約から一定期間内は固定金利で、固定期間経過後改めて固定か変動かを選べるタイプです。固定期間は2〜20年など金融機関によって様々な商品があり、固定期間が短いほど金利は低くなります。金利をできるだけ抑えたい、でもひとまず数年は金利上昇リスクに備えたいという人におすすめのタイプです。

<メリット>

メリット
  • 全期間固定金利型よりも金利が低い
  • 借入後に金利が下がると返済額が減る

<デメリット>

デメリット
  • 固定期間満了後の景気の動向が読めない
  • 借入後に金利が上がると返済額が増える

 

どのタイプにも一長一短あり、どれか一つに決めるのは難しいですね…

 
 

金利は景気に影響されるので、政策や世界動向に注視することが重要です。

 

住宅ローンの金利は今後どうなる?

変動金利の低さは魅力ですが、やはり気になるのは金利上昇のリスクですよね。今後の見通しを考察し自分にとってどの金利タイプが適当か検討しましょう。

低金利時代が続くのは予想ができる

2016年に日銀がマイナス金利政策を導入、それ以来史上稀に見る低金利で推移しているのが近年の状況です。生活を営む家を抵当にする住宅ローンは何よりも安全性の高い債権なので、銀行には少しでも多くの人に住宅ローンを融資したいという思惑があります。各金融機関は日銀にお金を預けているとマイナス金利の影響を受ける、つまり利息を払わなければならないような状況なので当然ですね。

2020年10月の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持が決定されており、当面の間は住宅ローン金利も低水準を維持することが予想できます。なお、前述したように変動金利は現在の景気に影響されますが、固定金利は景気の先行きを予測して変動します。そのため固定金利が先行して上昇すれば変動金利も上がる可能性がありますが、今のところ長期金利が上昇する動きはありません。このことからも、まだしばらくは変動金利の方が低金利の恩恵を受けられると思います。

MEMO
さらに住宅ローン減税(住宅ローン残高の1%を10年間毎年所得税より控除)もあり、現状の低金利なら支払う利息よりも受けられる控除額の方が大きくなる可能性すらあります。

コロナやオリンピックなどで今後の推移は不明

住宅金融支援機構が発表している基準金利の推移を見ると、2009年から10年間変動金利は横ばいです。しかしながら10年間金利が上がらなかったことが今後も上がらない理由にはなりません。開催の可否は不明ですが2021年には東京オリンピックを控えています。2025年には大阪万博の開催予定もあります。こうした国際的なイベントは景気を刺激する要因になり得ます。一方で新型コロナウイルスによって経済は計り知れないほどのダメージを受けており、世界的に景気の見通しが難しいのも事実。

MEMO
適当な住宅ローン金利タイプを判断するためにも世界経済の動きや政府の金融政策をチェックし、今後の推移を予測しましょう。

まとめ

2020年12月現在、住宅ローン変動金利は0%台、固定金利は1%台という低水準です。住宅ローン減税もあり、かつてないほどお得な条件で借入れができます。この低金利がいつまで続くかはわかりません。金利を決定する要素は様々あり、複雑なので確実な予想は難しいです。

しかし日銀の金融政策によって突然急激な変動が起こる可能性が低いと推察できます。不確実な金利上昇リスクを過度に恐れるよりは、目の前の確実な低金利の恩恵を受け、貯蓄を増やすのも一案と言えます。あなたの家族のライフプランを踏まえ、しっかりとシミュレーションを行った上で借入れ先や金利プランを選んでくださいね。