一人暮らしで戸建てに住むには?

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

一人暮らしで戸建てに住むまとめ
  1. 一人暮らしの人でも住める程度の少し狭いミニ戸建が人気
  2. メンテナンス管理ができる人が戸建ての一人暮らしに向いている
  3. 町内会との付き合いなどに煩わしさを感じる人にはデメリット
 

一人暮らしの友人が戸建てに住もうと考えているらしいのですが、一人暮らしで戸建てに住むってあまり効率がいい感じではないですよね。

 
 

そうですね、ただ戸建てを結婚前の若いうちから購入して資産を確保しておきたいという人は一人暮らしでも戸建てを購入していますよ。

 
 

なるほど。一人暮らしで戸建てに住むメリットやデメリットでどんなものがあるか気になりますね。

 

基本的には一人暮らしの場合は賃貸アパートや分譲マンションなど、いわゆる区分所有の住居に住むのが一般的です。しかし近年では一人暮らしでも戸建てに住みたいと考えている人が増えています。実際に戸建ての一人暮らしをブログにアップしたり5chに掲載したりで楽しんでいる人もいるようです。

この記事では戸建てに一人暮らしなのに住む方法や一人暮らしで戸建てに住むメリットやデメリット、一人暮らしで戸建てに住むことが向いている人の特徴などについて詳しく解説していきましょう。

一人暮らしで戸建てに住む方法

一人暮らしで戸建てに住む方法にはいくつかありますが大きく分けると3つです。

一人暮らしで戸建てに住む方法
  1. 戸建てによる購入
  2. 賃貸で戸建てを借りる
  3. 持ち家を譲り受ける

大別すると売買、賃貸、相続若しくは贈与といった分類で分けています。一人暮らしで戸建てに住む目的は購入、賃貸で異なる部分はあります。しかし、共通する目的としては以下の点を挙げることができるでしょう。

一人暮らしで戸建てに住む目的
  • アパートやマンションが嫌い
  • 荷物が多く戸建てが使いやすい

次の項目からは、それぞれの住む方法について詳しく解説していきましょう。

戸建ての購入

戸建ての購入は基本的に家賃を払うのがもったいないと思っての購入が多いといえます。それならば区分所有の分譲マンションでもいいのではないかと思いがちですが、戸建て住宅は建物と一緒に土地も購入することになります。土地の値段は年数が経過しても建物ほどに金額が下がりません。

逆に土地の価格が上昇するケースもありますので、資産の保護といった観点から見ると区分所有よりも戸建てなどの方がメリットが多いといえます。

MEMO
また戸建ての方が結婚や出産などライフスタイルの変化にも対応がしやすいため、若いうちから長期住むことを目的として戸建てを購入するようです。

賃貸で戸建てを借りる

賃貸で戸建てを借りる場合で多いケースはペットを飼いたいという人に多いですね。

マンションなどの共同住宅ではまだまだペット飼育可能な物件は少なく、特に猫や中型犬以上を飼いたいとなると大きく物件が限られてしまいます。そのためペット飼育目的で戸建て賃貸を借りる人は多いのです。

戸建てには限りませんが賃貸物件は環境の悪化や変化においても自己所有に比べ対応しやすいのがメリットです。都合が悪くなると引っ越しして新たなスタートが切れます。

ポイント
共同住宅は嫌で戸建てに引っ越ししたくても、もし自分に向かないと感じたら賃貸マンションやアパートに戻ることも可能です。

持ち家を譲り受ける

相続や贈与などで親族の持ち家を譲り受けることも考えられます。

家賃などがかからないのはメリットとなりますが賃貸を借りているときにはない、固定資産税など税金の支払いが定期的に発生します。また相続や贈与において譲り受ける家屋は築年数が経過しているケースも見受けられます。

そのためメンテナンス費用や維持管理費が負担になることも多いので、持ち家を譲り受けたからといって家賃を払わないでいいと考えるのは早計です。

注意
税金の額や維持管理費が家賃の支払いと比べて高くなるのか低くなるのかをしっかりと分析しておく必要があります。

一人暮らしで戸建に住むメリット

 

なるほど、一人暮らしで戸建てに住む方法も3パターンくらいあるんですね。

 
 

はい。購入や賃貸は自分で望んで戸建てに住むケースですが、相続や贈与は必ずしも望んで戸建てに住むわけではないですね。その違いはあるでしょう。

 
 

そうですね。では戸建てに住もうとしている人にはどのようなメリットを感じて戸建てを選んでいるのでしょうか?

 

一人暮らしで戸建てに住もうと考えている人は、どのようなメリットを感じているのでしょうか?一人暮らしの場合、多くはワンルームか広くても2LDK程度の部屋に住む人がほとんどです。

戸建ての場合は基本的にファミリーが入居する場合が多く3LDK以上の広い間取りが多く、一人暮らしには広すぎると考える人も多いでしょう。ここからは一人暮らしで戸建てに住むメリットについて詳しく解説していきます。

戸建てを購入した場合、家賃がない

戸建てを購入した場合、毎月の家賃支払いがなくなります。といっても戸建ての購入が現金一括であれば毎月の支払い負担はありませんただし住宅ローンを利用して購入したならば、毎月ローンの支払い負担がかかります。

ローンを払い終わると資産として所有することができる点が、家賃を払い続けても自分のものにならない賃貸物件との違いです。若いうちから資産形成の一環として戸建て住宅を購入しようとする人は一定数存在しています。

音によるトラブルがない

共同住宅で起こりがちなトラブルとして音によるトラブルが挙げられます。さまざまなライフスタイルの人が住んでおり賃貸借契約書で取り決められていても音のトラブルはなくなりません。特に静かに暮らしたい人には、音がうるさい共同住宅は敬遠されます

戸建て住宅であれば周りの生活音レベルの音に悩まされることはありません。例えば共同住宅では上階の足音や隣の掃除機の音といった生活音でも気になることがありますが、戸建て住宅ではこのような心配をせずに暮らすことができます。

MEMO
音によるトラブルがないといった点も戸建て住宅の大きなメリットといえるでしょう。

部屋数が多いので収納に困らず好きにデザインできる

一人暮らしの場合、基本的には1DKや1LDK程度で普段の生活は十分ですね。

戸建ての場合、多くは3LDK以上ですので一人暮らしの場合、収納に困ることはありません。特にアウトドアなどを盛んに行う人であれば色々な荷物を納めるスペースが共同住宅の、しかも単身物件では足りなくなってしまいます

荷物が多く収納に困っている人には戸建て住宅は大きなメリットがあるといえるでしょう。更にデザイン性にこだわった家に住みたいと考える人には1DKや1LDKではデザイン性に物足りなさを感じるケースが多いようです。

MEMO
間取りが多い戸建て住宅を自分好みにデザインして快適な生活を楽しもうと考えている人にも戸建てがおすすめです。

ペットの飼育やガーデニングなどできる 

前述しましたが共同住宅の場合、ペット可能な物件というのはまだまだ多くはありません。更に庭で飼う程度の大きさがある中型犬以上は物理的に不可能です。共同住宅程の規制がなく自分の好きな動物を飼いたいと思っている人にも戸建て住宅はメリットを与えるでしょう。

更にガーデニングに興味がある人も共同住宅だと大きく制限されてしまいます。例えば1Fの庭付き住居を賃貸していて、庭でガーデニングを楽しみたいという人にも賃貸の場合は規制がかかります。というのも賃貸の場合1Fの庭は火災があった際などの避難経路になっています。

ポイント
あまり不必要なものを置いてはいけないという契約になっていることが多く、管理会社からあまりモノを置かないようにと注意されることもあるのです。

その点、戸建て住宅だと気兼ねなくガーデニングを楽しむことができますので大きなメリットといえるでしょう。

一人暮らしで戸建に住むデメリット

なるほど。確かに考えてみると色々なメリットがありますよね。 私はサーフィンするので、共同住宅だとサーフボードの置き場所に困るかもしれませんね。

 
 

戸建て住宅には、共同住宅にはない魅力がたくさんありますので、一人暮らしでも十分楽しんで生活できると思いますよ。

 
 

逆に一人暮らしで戸建て住宅に住むデメリットを知りたいですね。

 

先ほどまで一人暮らしでも戸建て住宅に住むメリットを4点挙げました。しかしメリットもあればデメリットもきちんと確認しておく必要があります。

ここからは一人暮らしで戸建て住宅に住むデメリットについて解説しましょう。

掃除やメンテナンスが大変

戸建てに住みということは間取りが広くなりますので維持管理が大変になるといった側面があります。単純に掃除する場所も増えます。また普段のメンテナンスも大切になり、特に購入して戸建て住宅に住む場合は維持管理の費用も所有者が負担しなければいけません。

例えば掃除の場合だとマンションならば共用部分に関しては掃除する必要がありません。基本的には定期的に清掃業者が掃除して維持管理に努めます。

しかし戸建てだと庭や駐車場、ガレージといった部分においても自分で掃除する必要が出てきます。掃除や維持管理の面では手間や費用がかかる分、戸建てはデメリットがあるといえるでしょう。

近所付き合いが必要になることも

共同住宅では特に一人暮らしを対象とした物件においてほとんど近所付き合いの必要はありません。共同住宅でも町内会費は発生しているケースは多く見られますが、町内のイベントに参加することまでは求められません。管理会社かオーナーが町内会と打ち合わせして、単身用の共同住宅は町内会の活動を免除されているケースが多いのです。

しかし戸建てとなると町内会の入会や町内の催し物への参加を求められる場合があります。

注意
町内会との付き合いなどにわずらわしさを感じるような人にはデメリットとなるでしょう。

定期借家契約のケースが多い

賃貸で戸建てを借りる場合、定期借家契約となるケースが多いこともデメリットとして挙げられます。定期借家契約とは、あらかじめ契約期間が決まっており更新できない契約のことを指します。つまり契約期間になると、いくら継続して住み続けたいとしても退去しなければいけません。

これは戸建ての賃貸物件は転勤などで一定期間の間だけ賃貸に出すことが多いので定期借家契約での募集が多いのが原因です。長期間、賃貸の戸建てに住みたいというニーズの人にはデメリットとなるでしょう。

駅から遠い物件が多い

戸建て住宅は駅から遠い物件が多いのです。戸建て住宅は土地と建物を購入しなければいけません。しかし駅近の土地は高いので建物まで含めると普通のサラリーマンでは手が届かない金額になることも少なくありません。

そのため戸建て住宅は、どうしても駅から離れている物件が多く、交通の便では賃貸マンションに有利な場合が多いといえます。車を所有していない人などはデメリットといえます。

戸建ての一人暮らしに向いている人の特徴

戸建てでの一人暮らしにはメリットもありますが当然デメリットもあるので共同住宅の方が向いている人と、戸建ての方が向いている人とさまざまです。では、どのような人が戸建ての一人暮らしには向いているのでしょうか?

ここからは戸建ての一人暮らしに向いている人の特徴について解説していきましょう。

掃除やメンテナンスの管理ができる人

掃除やメンテナンスの管理がしっかりとできる人は戸建ての一人暮らしに向いているといえるでしょう。戸建てのデメリットで挙げましたが戸建ての一人暮らしは掃除やメンテナンスが大変です。掃除するスペースが広くなることやメンテナンスを自分で行わなければいけません。

きちんと掃除やメンテナンスをしなければ、あっという間に部屋は散らかり、駐車場や庭も草が生え放題と見た目にも建物の状態にも良くありません。

注意
戸建てにおいては掃除やメンテナンスをきちんと管理することは必須といえます。

友達や家族を広い家に呼びたい人

ホームパーティなどで友達や家族を家に呼んで楽しみたい人も戸建て住宅は向いているといえます。共同住宅の単身用物件の広さでは、多くの人数を呼べません。また共同住宅内で騒いでいると、いくら室内とはいえ騒音クレームで近隣住人に迷惑をかける可能性も考えなければいけないでしょう。

戸建て住宅ならば多くの人を呼んでパーティーも比較的やり易く、庭でのバーベキューパーティなどを楽しむこともできます。騒音クレームも共同住宅よりはリスクが低く特に他の家と距離があると全く問題なく楽しめるでしょう。

家でストレスを感じたくない人

共同住宅の場合は、どうしても近隣住民に気を使いながら生活をしなければいけません。しかし自分が気にして生活していて近隣住民にあまり気を使わない人がいるとストレスを感じることもあります。最も影響があると思われる例が騒音です。

自分が注意していても近隣の住民がお構いなしに騒がしい音を出してしまうとストレスを感じてしまいます。このような人は戸建てでの生活が向いています。

MEMO
共同住宅ほど近隣の住民に気を使うことなく生活ができるので、家のことでストレスを感じたくない人には戸建て住宅が向いているといえるでしょう。

まとめ

近年では一人暮らしの人でも戸建て住宅に住める程度の、少し狭いミニ戸建が人気です。50㎡前後で戸建て住宅がつくられていて、対象は単身者から若いカップル世帯に絞っています。

今までは一人暮らしは単身用のマンションに住むといったことがセオリーでした。しかし一人暮らしでも男性、女性問わず戸建てのニーズが増えています。

戸建てでの一人暮らしはペットが飼える、収納に困らないといったさまざまなメリットがありますが、逆に掃除が大変や交通の便などのデメリットも把握しておきましょう。

共同住宅に比べると自由度が高いのですが、それに伴い責任範囲も広がりますので、きちんとメンテナンス管理ができる人などが向いています。しかし自分好みの生活が楽しめますので戸建てでの一人暮らしはとても魅力的であるといえるでしょう。