こんな夢も叶う!?予算1,000万円のリノベーションプランとは?

この記事を書いた人
渡邉 悠子

8年間にわたり不動産会社で開発・運営の仕事に従事し、退職後は不動産Webライターとして執筆活動に専念。 専門用語が多く難しそうな不動産業界をもっと身近に感じてもらうべく活動中。

この記事のざっくりしたポイント
  1. フルリノベーションの費用は施工内容や施工会社によって大きく変動する
  2. 面積70㎡以下の物件であれば1,000万円の予算内でフルリノベーションをおこなえる可能性が高い
  3. 魅力的な住宅設備が多いため、あれもこれもと欲張ってしまうとすぐに予算オーバーしてしまうので注意

リノベーションとは間取りや内外装、設備、構造躯体などを刷新し、快適な暮らしを実現する方法です。

物件購入費用は新築よりも中古物件の方が割安ですが、リノベーション費用が高額となり、費用の総額が新築物件より割高になってしまうこともあります。

どのくらいの費用をかければ理想の空間になるのか、わからないままリノベーションを進めるのは不安ですよね。

渡邉編集者

今回は、予算が1,000万円あればどれくらいのリノベーションが可能なのか解説します。

フルリノベーションにかかる費用の相場は?

リノベーションは施工範囲によって、フルリノベーションと部分リノベーションに分けられます。

フルリノベーションは、既存の間取りや設備、内装を解体撤去して、構造躯体(スケルトン)だけ残した状態から空間を刷新する大規模な改修工事です。

フルリノベーションの費用相場はどのくらいなのでしょうか?

事務員

渡邉編集者

フルリノベーションの費用は施工内容や施工会社によって大きく変動するため、一概にいくらとは言えません。

実際にリノベーションをおこなっている施工会社3社の中心価格帯を比較しても、違いがあります。

例えば中古住宅のワンストップリノベーションを行うリノベる株式会社のサイトには60㎡程度のフルリノベーションの参考価格が1,050万円以上という記載がありますが、自然素材を使ったリノベーションに定評があるLOHAS studioのサイトには929万円(89㎡)の事例が、関東圏でリフォームを手掛ける山商リフォームサービスのサイトには70㎡のマンションを938万円でフルリノベーションした事例が記載されています。

参照元:リノベる / LOHAS studio / 山商リフォームサービス

費用に幅があると、どのような目安で予算を立てれば良いのか悩ましいですね。

事務員

渡邉編集者

標準グレードの建材や設備を使ってフルリノベーションを行う場合の費用相場は、10~15万円/㎡程度のことが多いです。

10~15万円/㎡と考えると、面積70㎡以下の物件であれば1,000万円の予算内でフルリノベーションをおこなえる可能性が高いといえるでしょう。

面積70㎡以上の物件を希望している方や住宅設備などにこだわりたい方でも、工夫次第では1,000万円以内に抑えることも可能です。

工事費用約1,000万円で実現!こだわりが詰まったリノベーション事例

ここからは、工事費用1,000万円程度でどのようなリノベーションができるのか、具体的な事例を3つご紹介します。

事例1:77㎡3LDKのリノベーション

工事費用は1,050万円。リノベーションによって、間取りが3LDKから2LDKに変更されています。

リビングの横にあった和室の壁を撤去し空間を広げながら、一画にはキッズスペースを設けています。リビングの壁一面にはクラシックなデザインが特徴的な造作棚と設置し、本をディスプレイすることが可能です。

キッチンは、既存のものを撤去しアイランドタイプのキッチンを設置。食洗器と豊富な収納を備えたキッチンカウンターは、いつも美しさを保てるように工夫が凝らされています。

もともとバスルームがあったスペースは、冷蔵庫や食料品を収納するパントリーに変更。2室あった洋室のうち1室を使って、クローゼットと洗面脱衣スペースを確保しています。

玄関から廊下はクラシックなデザインの白い腰壁を設置し、格調高く洗練された空間を演出しています。

参照元:リノベりす

事例2:89.6㎡3LDKのリノベーション

リノベーションによって、間取りが3LDKから2LDKに変更されています。

築11年という比較的築年数が浅い物件なので、玄関・廊下床、洋室2室、洗面台、バスルーム、トイレは既存の設備を再利用することで、約90㎡と広い物件ですが工事費用を1,050万円に抑えることができています。

一体化したリビング・ダイニング・キッチンは17畳まで拡張し、家族4人が集まってもゆったりとくつろぐことができる面積が確保されています。

ダイニングテーブルの近くの壁には造作デスクがあり、ちょっとしたワークスペースになっています。造作デスクの上部にも造り付けの棚があるので、雑貨や器などを美しく飾ることが可能です。

キッチンは既存のL字キッチンをセパレートキッチンに変更し、コンパクトにまとめられています。

内装は全体的に木と白い塗装で統一されていて、部屋全体が明るい雰囲気に包まれているのが魅力です。一部には白いヘリンボーンタイルを貼って、空間にアクセントを加えています。

参照元:nu

事例3:102㎡3LDKのリノベーション

リノベーションによって、間取りが3LDKから2LDKに変更されています。

リビングの横にあった洋室の壁をなくし、広々としたリビングを実現。仕事道具を置くためのワークスペースを設けるなど、リビングが散らからないように計画されています。

またキッチンと洗面が一直線でつながっているので、動線がまとまり効率的に家事をこなせるのもこだわりのポイントです。

洗面台は2ボウルにして、忙しい朝でも渋滞せずにゆったりと身支度ができる空間になっています。洗面台にこだわった分、家族の目に触れないキッチンは一番リーズナブルなものを選ぶなどの工夫をしたことで、100㎡超のフルリノベーションを約980万円で実現できたそうです。

トイレは既存利用ですが、クロスやタイルなどの内装を落ち着いたグリーンにまとめ空間のイメージを一新。

リビングは木と白を基調とした内装のなかにアクセントクロスを使用して、ホテルのような上質な空間を演出しています。

参照元:インテリックス

予算1000万円なら手が届くかも!?憧れの〇〇

「せっかくリノベーションするなら、最新の住宅設備を導入したい」という方も多いのではないでしょうか?ここからは、今人気を集めている住宅設備についてご紹介します。

フルフラットキッチン

毎日使うキッチンにこだわりたいという声は少なくありません。

キッチンのなかでも高い人気を誇っているのが、フルフラットキッチンです。

フルフラットキッチンとはどのようなキッチンのことですか?

事務員

渡邉編集者

フルフラットキッチンとは、周囲に壁がなく調理台一面が同じ高さのキッチンのことです。

フルフラットキッチンは、主に次のようなメリットがあります。

フルフラットキッチンのメリット
  • キッチンとダイニングに一体感が生まれる
  • 継ぎ目や凹凸がなく調理台の掃除が楽になる
  • 洗練された印象になる

家族と会話しながら料理できる点など、オープンな雰囲気を求めてフルフラットキッチンを選ぶ方は多いです。

魅力的なフルフラットキッチンですが、次のようなデメリットもあります。

フルフラットキッチンのデメリット
  • 調理台の上が丸見えになってしまう
  • ダイニングに油や水が跳ねてしまう

洗練された印象を保つためには、日頃の整理整頓やお手入れが欠かせません。

◆フルフラットキッチンの参考価格(消費税・取付費用等別途)

タカラスタンダードトレーシア464,000円~
クリナップステディア フラット対面基本プラン1,294,500円~

参照元:タカラスタンダード / クリナップ

アウトドアリビング

コロナ禍でおうち時間が増える中、くつろぎを感じられる場所として注目されているのがアウトドアリビングです。

アウトドアリビングという言葉は初めて聞きました。

事務員

渡邉編集者

アウトドアリビングとは、リビングの延長線上にウッドデッキやテラスなどを設け、屋外にもリビング空間をつくる方法です。

アウトドアリビングには、主に次のようなメリットがあります。

アウトドアリビングのメリット
  • リラックスできる空間がうまれる
  • キャンプやBBQなどのイベントが楽しめる
  • お子さまやペットの遊び場になる

このように、アウトドアリビングの楽しみ方は多種多様です。一方でデメリットにも目を向ける必要があります。

アウトドアリビングのデメリット
  • ウッドデッキは維持管理が大変
  • 臭いや騒音が原因で近隣トラブルに発展する恐れがある
  • 通行人の目線が気になる場合がある

屋外にある特性上、耐候性の高い素材や近隣に音や臭いの影響が少ない場所を選ぶことが重要です。

◆ウッドデッキの参考価格(消費税・取付費用等別途)

LIXIL樹ら楽ステージ(2間×6尺)262,500円
YKK APリウッドデッキ200(2間×6尺)260,900円

2間×6尺は幅3,651mm×奥行1,820mmです。

参照元:LIXIL / YKK AP

ウォークスルークローゼット

服をたくさん持っているけど、収納できる面積は限られているという方におすすめなのが、ウォークスルークローゼットです。

ウォークスルークローゼットは普通のクローゼットやウォークインクローゼットとは何が違うのですか?

事務員

渡邉編集者

その名のとおり、中を通り抜けられるという点がウォークスルークローゼットの最大の特徴です。

ウォークスルークローゼットのメリットは次のとおりです。

ウォークスルークローゼットのメリット
  • 収納スペース兼通路スペースとして機能してくれる
  • 見せ方次第ではおしゃれな雰囲気を演出できる
  • 収納スペースの採光や通気性を改善できる

ウォークスルークローゼットは2つの機能を果たすため、限られたスペースを有効活用できます。

一方で次のようなデメリットには要注意です。

ウォークスルークローゼットのデメリット
  • 通路スペースを確保すると収納スペースが狭くなりがち
  • 家事動線が非効率になってしまうことがある

家事動線と設置場所をよく考えずに導入してしまうと、使い勝手の悪い無駄なスペースになってしまいます。

予算内で理想のリノベーションプランを実現させよう

ここまで、予算1,000万円のリノベーションプランについて解説してきました。

予算が1,000万円あれば、以前ご紹介した300万円、500万円の場合と比べて、できることは格段に増えます。ただし70㎡で1,000万円というと、フルリノベーションとしては平均的な予算です。魅力的な住宅設備は多いですが、あれもこれもと欲張ってしまうとすぐに予算オーバーしてしまうので注意しましょう。

工夫を凝らして、予算内で理想のリノベーションプランを実現させてください。