- 仲介手数料無料の賃貸物件を東京で探すには?
- 東京の賃貸物件で仲介手数料が無料になるからくりとは
- 東京にある仲介手数料無料&安い賃貸不動産会社を紹介
東京は賃貸物件が豊富ですが、地方に比べると家賃の高さがネックです。家賃が高いほど賃貸契約時の初期費用も膨れ上がるので、予算が限られた状態だと選べる物件も少なくなるでしょう。
平松編集者
岸田解説員
仲介手数料無料の賃貸のからくり【東京編】
賃貸事業が中心の不動産会社にとって、契約時の仲介手数料はおもな収入源になります。入居者にとって仲介手数料が無料になるのは嬉しい話ですが、不動産会社にとっては事業そのものが成り立たないのでは?と疑問に思う人もいるでしょう。
結論から言うと、仲介手数料を無料にしても不動産会社にはきちんと収入が確保できるからくりが存在します。賃貸市場が活発な東京でなぜ仲介手数料が無料にできるのか?そもそも仲介手数料の内訳は何なのか?一つずつ解説します。
- 仲介手数料とは
- 仲介手数料無料のからくり
- 東京のような都市部ほど仲介手数料無料の賃貸物件が見つかりやすい
仲介手数料とは
仲介手数料は、物件を紹介してくれた不動産会社に“対価”として支払うお金のことです。不動産会社は、物件を紹介するだけではなく現地案内や入居にかかわる手続き全般、入居者と大家さんの間に立って安全に取引をするなど大事な役割を担っています。
岸田解説員
仲介手数料無料のからくり
本来であれば入居者からきちんと仲介手数料を受け取れるはずなのに、あえて無料にするのはなぜなのでしょうか?仲介手数料以外で収入を確保できるからくりを紹介しましょう。
大家が仲介手数料を負担している
仲介手数料は入居者、大家さんの両方から受け取る場合でも上限が変わらないため、仲介手数料無料ということはその費用を大家さんが負担している可能性が高いです。たとえば、物件が古かったり駅から遠かったりと、何かしらのマイナス要素があって入居者が見つからない場合、入居者を早く見つけてほしいという思いから大家さん自身が仲介手数料を負担するケースがあります。
入居者と大家さんのどちらかが負担する、という話なので不動産会社にとって損することはなく、大家さんにとって積極的に紹介してもらえるメリットがあります。これは東京の賃貸物件だけでなく、仲介手数料無料の売買物件においても同じ現象が起きています。
不動産会社が管理または所有している
賃貸物件の多くは、個人の大家さんがオーナーである場合が多いです。不動産会社は仲介という立場で契約に関わるため仲介手数料が発生します。一方、不動産会社が管理・所有している物件なら家賃として収入を確保することができるため、仲介手数料による収入が得られなくても損することはありません。もっとも、仲介業務をしない点で仲介手数料が無料になります。
不動産会社間で取引している
大家さんが特定の不動産会社に専任媒介契約をしている場合、本来であれば依頼された不動産会社でしか物件を仲介することができません。しかし、現状は不動産会社間での取引がよくおこなわれています。
岸田解説員
家賃を下げる代わりとして対応
入居者にとっては、仲介手数料を無料にするより毎月の家賃を下げてほしいという人も少なくないでしょう。しかし、大家さんからすればほかの入居者の手前、家賃の値下げが難しい事情もあります。こうした場合に仲介手数料を無料にするケースがあるのです。
実績作りや集客などの戦略
一般媒介契約を結んでいる物件であっても、不動産会社の判断で仲介手数料を無料にする場合も珍しくありません。そのおもな理由が、実績作りや集客などの戦略です。
専任媒介契約とは違い、一般媒介契約は大家さんが複数の不動産会社と契約を結んでいます。自社よりも先に競合他社に賃貸契約を結ばれれば、利益を得る機会が失われます。不動産会社同士が同じ物件を取り扱う場合は、他社と比較して自社を選んでもらえるための戦略が必要なので、仲介手数料を無料にするのです。
平松編集者
岸田解説員
人件費や広告費などの運営コストを抑えている
賃貸物件には、集客を挙げるための広告費や、案内や契約のための人件費などたくさんの運営コストが掛かっています。一方、運営コストを極度に抑えることで仲介手数料を無料にするケースもあります。
最近では、オンライン主体で仲介業を営む無店舗型の不動産会社も少なくありません。オンラインなら、店頭を構えるためのテナント料や人件費、接客にかかわる時間も抑えられます。
礼金に上乗せしている場合も
仲介手数料を無料にすると見せかけ、その分の費用を礼金に上乗せするケースもあります。前提として、礼金の受け取り先は大家さんです。仮に礼金を家賃1ヶ月分にした場合、大家さんは受け取った礼金を不動産会社に支払う仲介手数料に充てることができます。
とはいえ、この場合は仲介手数料を支払うよりも初期費用が高くなる可能性もあります。仲介手数料が無料なのに礼金が家賃の2ヶ月分、という場合は礼金に上乗せされた可能性があるため注意しましょう。
オプションやサービスの加入が条件の場合も
仲介手数料を無料とする代わりに、消臭作業やクリーニングなどのオプション利用を条件としたり、特定のサービスに加入することを条件としたりするケースもあります。オプション内容によっては数万円もかかる場合があり、仲介手数料が無料にもかかわらず初期費用が高いという状況になりかねません。
岸田解説員
公営住宅などの特殊な賃貸物件
賃貸物件のなかには、公営住宅やサブリース物件、マンスリーマンションのように仲介手数料が最初から発生しない物件もあります。とはいえ、公営住宅は入居条件が厳しく、サブリース物件やマンスリーマンションは一般的な賃貸物件よりも家賃相場が高いことがほとんどです。
東京のような都市部ほど仲介手数料無料の賃貸物件が見つかりやすい
冒頭でも触れましたが、東京のような都市部ほど仲介手数料無料の賃貸物件が見つかりやすい傾向にあります。
今、日本の総人口減少と反比例するように都市部の新築物件が建設されているのが現状です。すると空き物件はますます増え、入居者も利便性が良い物件へ次々に移ります。新築の賃貸物件が増えるとともに競争率が高くなると、不動産会社は空室対策を講じなくてはならなくなります。
結果、物件数の多い東京に仲介手数料無料の物件が増えるのです。
仲介手数料無料&半額&安い賃貸不動産会社・サイト【東京編】
平松編集者
岸田解説員
ライフルホームズ【不動産ポータルサイト】
タグ付けで「#仲介手数料最大無料(関東)」と検索すれば、東京都内にある仲介手数料無料の賃貸物件をワンステップで絞り出すことができます。
CHINTAI【不動産ポータルサイト】
仲介手数料無料のテーマ・特集を選択することで、東京都内にある仲介手数料無料の賃貸物件を抽出することができます。新築物件が多いのも特徴です。
ゼロヘヤ(ルームコア)【仲介手数料無料】
新宿・渋谷・池袋の仲介手数料無料物件を取り扱う不動産会社(ポータルサイト)です。他社掲載物件も仲介してもらえます。
プロパティバンク【仲介手数料or半額】
東京都内の仲介手数料無料または半額の高級賃貸マンションを取り扱う不動産会社です。自社サイトでは10,000件以上の仲介手数料無料物件が掲載されています。
ハウスコム【仲介手数料無料〜】
東京都を中心に全国202店舗を展開する賃貸専門店です。グループ全体の仲介件数は業界トップ。自社サイトでは約1,000件の仲介手数料無料物件が掲載されています。
GooRooM【仲介手数料無料〜】
東京都港区・渋谷区の高級マンションを中心に取り扱う不動産会社です。全体の取り扱い件数が少ないものの、新築やデザイナーズなど注目度の高い物件を選りすぐっているのも特徴といえます。
レオパレス21【仲介手数料無料〜100%】
レオパレスが取り扱う賃貸物件の約9割が仲介手数料無料です。レオパレスは、自社所有のマンスリーマンションや賃貸アパートが取り扱いの中心となっています。
OHEYAGO【仲介手数料無料〜半額】
オンライン主体の不動産会社です。内見は現地直行、申込みや契約の手続きもオンライン上で完結できるため忙しい人におすすめします。
アブレイズコーポレーション【仲介手数料無料or半額】
都内主要部に3店舗を構える不動産会社です。仲介手数料無料または半額、敷金・礼金ゼロ、フリーレント付きなど初期費用を抑えた物件やプランを多数用意しています。
エイブル【仲介手数料半額】
全国に800店舗以上を展開する仲介会社です。そのなかでも直営店なら全取扱物件の仲介手数料が家賃の55%と決まっており、交渉なく初期費用を抑えることができます。
ミニミニ【仲介手数料半額】
フランチャイズを含め全国に多数店舗を広げる賃貸専門会社です。こちらの会社も、直営店に限り全取扱物件の仲介手数料が家賃の55%であり、その他敷金・礼金ゼロ物件も豊富に用意されています。
リブマックス【仲介手数料半額】
家具家電付きの賃貸物件を多く取り扱う不動産会社です。オンライン接客にも対応しているため、来店の時間が取れない人におすすめします。
RAGY【仲介手数料無料〜】
仲介手数料だけではなく、火災保険や保証委託料なども抑えられる不動産会社です。オンライン主体で、物件持ち込み型になります。
39room【仲介手数料無料or最大39,000円】
オンライン主体の不動産会社で、希望物件が掲載されているURLがわかればどんな物件も紹介してもらえます。家賃の額に関わらず、仲介手数料無料もしくは最大39,000円と決まっており、明瞭化されているのがメリットです。
ウチコミ【仲介手数料無料】
不動産会社ではなく大家さんが直接物件を掲載しているサイトです。大家さんが仲介手数料を負担するため、全物件の仲介手数料が無料になります。
スマ部屋【仲介手数料無料or半額】
来店不要のオンライン型店舗です。東京の賃貸物件のなかでも高級物件を中心に取り扱っているのが特徴といえます。
仲介手数料無料の賃貸は東京にはどのくらいある?不動産ポータルサイトで調査
不動産ポータルサイトを参考に、東京都内にある仲介手数料無料の賃貸物件についても調べてみました。
サイト名 | 東京都内の掲載物件数※ | 東京都内の |
SUUMO | ||
ホームズ | ||
goo不動産※2 | ||
Yahoo!不動産※2 |
(2023年7月26日現在)
※1 不動産会社が登録している掲載物件総数(主要項目が同一の物件あり)
※2 2次掲載の情報含む
※3 掲載物件総数か同一物件を除いた物件数か不明
平松編集者
岸田解説員
仲介手数料を賃貸(東京)で無料にしてもらうには?
平松編集者
岸田解説員
希望物件がはっきりしており、仲介手数料を無料または安くしてほしい場合は、物件の募集情報(図面)をよく見てみましょう。図面の右下には、以下のように仲介手数料の負担割合が記載されています。
【負担割合の一例】
手数料 | 負担割合 | 貸主 | 0% | 借主 | 100% |
配分割合 | 元付 | 0% | 客付 | 100% |
上記の元付は管理会社、客付は仲介会社です。この場合、入居者(借主)が仲介手数料を全額支払うことになります。
もしも客付が50%であれば、仲介会社の売上がほぼ残らないため仲介手数料の値引き交渉が難しいです。一方、最初から貸主負担がある賃貸物件なら会社のルールで負担割合より値引けない不動産会社が多いため、仲介手数料について交渉しやすくなります。
また、仲介手数料は不動産会社の判断で無料もしくは安くしてもらえるため、複数の不動産会社で見積もりを取れば仲介手数料を割引いてもらえる可能性があります。ADのついている物件を狙うのも、仲介手数料の交渉がしやすいでしょう。
岸田解説員
仲介手数料の負担割合について交渉する際は、申し込みする前にするのがベターです。不動産会社は、仲介手数料を含む契約条件に承諾してもらい、記録をしてから申し込みを進めます。申し込んだ後に“承諾していない”といっても受け付けてもらえません。
仲介手数料無料以外の方法で初期費用が抑えられることも
仲介手数料は家賃の金額に応じて変動するため、家賃の高い東京では仲介手数料の金額も大きくなりがちです。ただ、初期費用を抑えることが目的なら仲介手数料にこだわる必要もありません。
たとえば敷金や礼金は、仲介手数料と同じく家賃の金額で変動します。仲介手数料無料はもちろん、敷金や礼金なしの物件を選ぶ、フリーレント付きの物件を選ぶことでも初期費用を大幅に抑えることが可能です。
また、突然の引っ越しで初期費用が準備できなくても、クレジットカード払いができる不動産会社がいくつもあります。一括ではなく分割払いすれば一度にかかる負担を抑えることができ、無理なく新生活を始めることができます。
仲介手数料無料&安い賃貸不動産会社のメリット・デメリット
最後に、仲介手数料が無料になることで得られるメリット・デメリットを紹介します。
仲介手数料無料&安い不動産会社のメリット
仲介手数料が抑えられれば、当然初期費用の負担が少なくなります。たとえば東京で家賃10万円の物件を選ぶ際、仲介手数料が無料なら最大で11万円の初期費用を抑えることができます。初期費用が抑えられれば、家具家電の購入費用に当てることもできるでしょう。
仲介手数料無料&安い不動産会社のデメリット
仲介手数料を無料にすることで、不動産会社や大家さんにとっても借り手が見つかりやすくなります。一方で、メリット以上にデメリットが多いのも事実です。
たとえば、仲介手数料を無料にする代わりに家賃が高く設定されていたり、別名目で請求されてたりする可能性もゼロではありません。この場合、最終的に初期費用が高くつくこともあるので注意が必要です。
また、仲介手数料を払わなければサービスが手薄になるということではありませんが、仲介手数料がつく物件を選ぶ方がサービスや対応が良くなることもあります。
岸田解説員
仲介手数料無料or安い不動産会社ランキング
この記事では、東京で仲介手数料無料の賃貸物件を捜す方法や無料のからくりなどについて解説してきました。
下記記事では仲介手数料無料の会社や安い会社をランキングで紹介していますので、是非ご確認ください。
まとめ:仲介手数料無料の賃貸物件は東京にも数多くある
- 仲介手数料無料の賃貸物件は東京にある?
- 東京の賃貸物件で仲介手数料が無料になるからくりとは
- 東京にある仲介手数料無料&安い賃貸不動産会社を紹介
地方よりも家賃が高い東京ですが、仲介手数料無料の賃貸物件はいくつもあります。初期費用を抑えたいなら、仲介手数料無料もしくは安い不動産会社に部屋探しを依頼するか、不動産ポータルサイトを利用して仲介手数料無料の物件を探し出すと良いでしょう。
また、仲介手数料が必要な物件でも交渉次第で無料もしくは安くできる可能性もあります。交渉の際は、申し込む前に不動産会社へ申し入れましょう。