- 23区の資産価値ランキングのまとめ
- マンション価格は今後値上がりする?
- マンションが値下がりする理由は?
中古マンションの成約価格が上昇しています。一時はコロナ禍により、不動産価格が下落するのでは?と考えられていましたが、むしろコロナ禍により上昇する局面を迎えています。
そんな状況下で「中古マンション価格は、今後も上昇するのだろうか?」「特に中古マンションの価格が上昇するのは、どこのエリアなのだろうか?」と心配されている方はいませんか?実は、水害が一つのポイントになります。
浜崎編集長
事務員
東京23区の中古マンション、資産価値が落ちない街ランキング
東京23区の中古マンションにおいて、専有面積70㎡の場合の平均価格を、資産価値が高い順に並べた資産価値が落ちない街ランキングは下表の通りです。
また、平均㎡単価も併記します。
東京23区 | 平均価格 (専有面積:70㎡) | 平均㎡単価 (平均価格÷70㎡) |
中央区 | 8,508万円 | 121.5万円/㎡ |
千代田区 | 8,459万円 | 120.8万円/㎡ |
港区 | 7,844万円 | 112.1万円/㎡ |
渋谷区 | 7,538万円 | 107.7万円/㎡ |
目黒区 | 6,612万円 | 94.5万円/㎡ |
新宿区 | 6,272万円 | 89.6万円/㎡ |
文京区 | 6,063万円 | 86.6万円/㎡ |
品川区 | 5,502万円 | 78.6万円/㎡ |
台東区 | 5,161万円 | 73.7万円/㎡ |
豊島区 | 4,989万円 | 71.3万円/㎡ |
中野区 | 4,959万円 | 70.8万円/㎡ |
墨田区 | 4,900万円 | 70.0万円/㎡ |
世田谷区 | 4,900万円 | 70.0万円/㎡ |
北区 | 4,743万円 | 67.8万円/㎡ |
江東区 | 4,661万円 | 66.6万円/㎡ |
大田区 | 4,524万円 | 64.6万円/㎡ |
荒川区 | 4,508万円 | 64.4万円/㎡ |
杉並区 | 4,506万円 | 64.4万円/㎡ |
練馬区 | 3,733万円 | 53.3万円/㎡ |
板橋区 | 3,723万円 | 53.2万円/㎡ |
江戸川区 | 3,622万円 | 51.7万円/㎡ |
葛飾区 | 3,233万円 | 46.2万円/㎡ |
足立区 | 3,071万円 | 43.9万円/㎡ |
東京23区の中古マンションの平均価格と㎡単価
引用:「東京都東京23区の中古マンション価格相場情報」:LIFULL HOME’S
*データは、「LIFULL HOME’S」に過去3ヶ月の間に掲載された物件の中から、抽出したものの平均価格です。
一番高い中央区と一番安い足立区との平均価格は、約2.8倍となります。
地域ごとの平均価格は、同じ東京東部低地帯(概ねJR京浜東北線以東)に属していても都心3区と江東5区とでは、大きな価格差があります。
都心3区(隅田川以西) | 千代田区・中央区・港区 |
江東5区(隅田川・荒川沿線) | 江東区・墨田区・足立区・荒川区・葛飾区 |
上表の区別の平均価格から、単純に都心3区の平均価格と江東5区の平均価格を算出すると下記のようになり、2.1倍の価格差が生じます。
都心3区(隅田川以西) | 8,270万円 |
江東5区(隅田川・荒川沿線) | 3,897万円 |
【東京23区】間取り別中古マンション価格相場について
東京23区の中古マンションにおいて、間取り別の平均価格は、下表の通りです。また、平均㎡単価も併記します。
東京23区 | 1LDK~2DK | 2LDK~3DK | 3LDK~4DK | |||
平均価格 | ㎡単価 | 平均価格 | ㎡単価 | 平均価格 | ㎡単価 | |
千代田区 | 7,318万円 | 174万円/㎡ | 11,791万円 | 163万円/㎡ | 14,936万円 | 161万円/㎡ |
中央区 | 4.812万円 | 109万円/㎡ | 7,545万円 | 110万円/㎡ | 9,831万円 | 125万円/㎡ |
港区 | 7,104万円 | 157万円/㎡ | 12,069万円 | 158万円/㎡ | 16,837万円 | 193万円/㎡ |
新宿区 | 4,110万円 | 96万円/㎡ | 6,216万円 | 108万円/㎡ | 6,616万円 | 89万円/㎡ |
文京区 | 4,457万円 | 117万円/㎡ | 4,738万円 | 77万円/㎡ | 7,740万円 | 103万円/㎡ |
台東区 | 3,521万円 | 85万円/㎡ | 5,071万円 | 86万円/㎡ | 5,607万円 | 75万円/㎡ |
墨田区 | 3,337万円 | 76万円/㎡ | 4,168万円 | 70万円/㎡ | 4,987万円 | 70万円/㎡ |
江東区 | 3,494万円 | 68万円/㎡ | 4,507万円 | 72万円/㎡ | 5,317万円 | 71万円/㎡ |
品川区 | 4,259万円 | 100万円/㎡ | 6,145万円 | 100万円/㎡ | 7,717万円 | 102万円/㎡ |
目黒区 | 5,183万円 | 121万円/㎡ | 6,793万円 | 126万円/㎡ | 12,976万円 | 129万円/㎡ |
大田区 | 2,826万円 | 62万円/㎡ | 3,859万円 | 77万円/㎡ | 4,888万円 | 64万円/㎡ |
世田谷区 | 3,627万円 | 76万円/㎡ | 5,664万円 | 96万円/㎡ | 6,012万円 | 78万円/㎡ |
東京23区 | 1LDK~2DK | 2LDK~3DK | 3LDK~4DK | |||
平均価格 | ㎡単価 | 平均価格 | ㎡単価 | 平均価格 | ㎡単価 | |
渋谷区 | 6,046万円 | 107万円/㎡ | 8,910万円 | 143万円/㎡ | 11,767万円 | 140万円/㎡ |
中野区 | 3,338万円 | 81万円/㎡ | 5,290万円 | 85万円/㎡ | 6,450万円 | 80万円/㎡ |
杉並区 | 3,032万円 | 72万円/㎡ | 3,869万円 | 69万円/㎡ | 5,785万円 | 76万円/㎡ |
豊島区 | 3,975万円 | 79万円/㎡ | 4,948万円 | 88万円/㎡ | 5,761万円 | 79万円/㎡ |
北区 | 3,545万円 | 74万円/㎡ | 4,092万円 | 69万円/㎡ | 4,760万円 | 77万円/㎡ |
荒川区 | 3,030万円 | 67万円/㎡ | 3,742万円 | 71万円/㎡ | 4,458万円 | 58万円/㎡ |
板橋区 | 2,612万円 | 59万円/㎡ | 3,226万円 | 60万円/㎡ | 3,876万円 | 55万円/㎡ |
練馬区 | 2,923万円 | 64万円/㎡ | 3,505万円 | 59万円/㎡ | 4,560万円 | 68万円/㎡ |
足立区 | 2,297万円 | 48万円/㎡ | 2,751万円 | 44万円/㎡ | 3,273万円 | 50万円/㎡ |
葛飾区 | 2,383万円 | 53万円/㎡ | 2,859万円 | 53万円/㎡ | 3,559万円 | 54万円/㎡ |
江戸川区 | 2,256万円 | 45万円/㎡ | 4,015万円 | 61万円/㎡ | 4,027万円 | 56万円/㎡ |
東京23区の中古マンションにおける間取り別の平均価格と㎡単価
出所:「東京都の中古マンションの価格相場比較 [エリア×間取り]」:HOME4U
1LDK~2DK
1LDK~2DKの間取りの場合、23区内で一番平均価格が高い区と低い区とを比較すると平均価格は3.2倍、㎡単価は3.9倍の差が生じます。
千代田区 | 平均価格:7,318万円 ㎡単価:174万円/㎡ |
江戸川区 | 平均価格:2,256万円 ㎡単価:45万円/㎡ |
2LDK~3DK
2LDK~3DKの間取りの場合、23区内で一番平均価格が高い区と低い区とを比較すると平均価格は4.4倍、㎡単価は3.6倍の差が生じます。
港区 | 平均価格:12,069万円 ㎡単価:158万円/㎡ |
足立区 | 平均価格: 2,751万円 ㎡単価: 44万円/㎡ |
3LDK~4DK
3LDK~4DKの間取りの場合、23区内で一番平均価格が高い区と低い区とを比較すると平均価格は5.1倍、㎡単価は3.9倍の差が生じます。
港区 | 平均価格:16,837万円 ㎡単価:193万円/㎡ |
足立区 | 平均価格: 3,273万円 ㎡単価: 50万円/㎡ |
千代田区や港区は、中央区と併せて都心3区となります。政治・経済・文化の中心地となりますので、居住地域としては、超人気エリアとなります。
地価や建築費は高騰しますが、居住に対する需要が高いため、新築分譲マンションはすぐに完売し、賃貸マンションはすぐに満室になる人気エリアでもあるため、中古マンションといえども高い価格帯を維持しており、物件によっては、新築時よりも高騰しているケースもあります。
一方、江戸川区や足立区は、荒川沿いにあります。近年、大型台風による降雨量の増加に伴う洪水により、荒川の氾濫が懸念されるようになりました。
江戸川区や足立区は、いわゆるゼロメートル地帯であり、荒川の氾濫が生じますと、水深数メートルの高さまで、水没する地域が広く存在します。
事務員
浜崎編集長
とはいえ、上記は23区内の状況であり、江戸川区や足立区は、23区外の郊外と比較しますと、高い価格帯を維持しています。
マンション価格が値上がりする要因とは
マンションの購入を検討するにあたり、購入価格の高低も大事な要素の1つになりますが、その他にも購入を検討するにあたり必要不可欠な要素が存在します。
実際マンション価格を決める上で、下記で列挙するいくつかの要素が複合的に重なる形で不動産相場を形成しており、そのエリアおよび不動産の価値を決めています。
浜崎編集長
- 居住に適した環境を持続的に提供することが可能
- 地政学リスクや経済情勢に強い
- 定期的に地域内で再開発が予定されている
- 外国の資本流入が見込める
居住に適した環境を持続的に提供することが可能
マンション価格の値上がりを期待するには、不動産の資産価値の一つである「利便性」について考慮する必要があります。利便性とひとくくりに言っても多岐にわたるため、項目を細分化して解説していきます。
都心までのアクセス及び交通の利便性
近年不動産業界ではライフスタイルの変化に伴う消費者のニーズやITなどのテクノロジー(施工技術)を駆使して「職住近隣」や「コンパクトシティ化」といったキーワードを基に、不動産開発戦略を行っています。特に近年では都心までの通勤通学の距離や、ターミナル駅へのアクセスが良いほど利便性が高いとされており、この点に着目して不動産の購入が検討されている傾向があります。
今回挙げた3つのエリアは東京の中でも中心部に位置しており、立地的にどのターミナル駅でもアクセスは良好と言えるため、交通の利便性については最適と言えます。
生活の利便性の確保
生活の利便性とは、主にスーパーやコンビニ、商店街など、日常生活の買い物に不自由しない、質の高い医療機関や教育機関があるか、飲食店や娯楽施設があるかなどの項目が挙げられます。
この記事を読まれる方の中には、3つのエリアに対して、生活という側面より仕事や娯楽といったイメージを持たれている人も多いと思います。事実、このエリアには六本木や赤坂、新橋、東京、銀座といった都内の名所やオフィスの集積地としての地位を確立しているエリアもあります。しかしエリア全体を俯瞰してみると、居住に適しているエリアや、高度な医療や教育が受けられるエリアなどが点在しているため、日常生活をスムーズに送ることが可能です。
居住する上での快適性
同エリア内でマンションを検討する場合は、建物自体の快適性や信頼性についても考慮する必要があります。一生とは言わないものの、長い時間をその場所で過ごすことになるため、普段の生活が快適に過ごせるかどうか、それに適した設備は整っているか、そのエリアの安全性は担保されているかについては重要です。
またその中でも、特に重要視してほしいポイントとしては近隣の学校の質や周辺に高い建物が建っていないか(立つ予定がないか)など、自分の力では変えることのできない要素を入念に確認すべきです。
自然災害リスクに対する安全性の確保
近年では全国各地で甚大な自然災害が発生しています。マンションを購入する上でも、他人事ではなく当事者意識を持って考えなければなりません。そのため、埋立地などで地盤が弱いエリアや、海抜が低く地震や津波等に不安を抱えるエリアの選定は避けるのが無難です。
実際今回挙げたエリアは、地盤が強固で震災にも強いエリアが大半を占めます。(港区や中央区の一部エリアが、液状化するエリア津波を警戒するエリアも含まれるため注意が必要です。)
そのエリア(マンション)に住む上での独自性(ステータスやメリットなど)
- 住む上でのステータスが付与される
- 資産性が高い
- 利便性に優れている
「そこに住むことでメリットやステータスがある」ため、これらの要素を多く兼ね備えているエリアほど、今後もマンション価格の値上がりを期待することができます。
現在マンションは都心や地方問わず、どのエリアでも分譲がされており、その中で差別化を図るためには、上記で記した項目を網羅しているか、資産価値が高い街である必要があります。また投資の観点から値上がりするマンションを選ぶ場合は「自分が欲しいマンション」ではなく、「次に住む人(買う人)が欲しがるマンションを選ぶ」視点も必要です。マンションは住居する場所であると同時に資産でもあります。
浜崎編集長
今回挙げたエリアには、一部再開発が基になって人気となったエリアも含まれますが、その多くは従来より人気として名前が挙がるエリアでもあり、時代に左右されることなく高い需要を保っています。よって上記に挙げてきた項目を多く含むマンションは今後も値上がりを期待することができると考えます。
地政学リスクや経済情勢に強い
近年のマンションの上昇相場は一過性の要因もありますが、その多くはアベノミクスによる金融緩和の影響が大きいと感じます。異次元とも言われる金融緩和や超低金利政策の実施、金融機関の融資に対する緩和、不動産投資の活況、海外投資家によるマネーの流入など、さまざまな要因が並行して挙げられます。
しかしこれらの要因は各国の経済情勢や地政学リスクによって、一瞬にして変化しますし、ここに記載のないその他のリスクを誘発する可能性も伴います。そのため、価格変動要因とされる金利上昇や需給バランスが崩れにくいエリアを購入段階から見極めておく必要があります。
定期的に地域内で再開発が予定されている
そして近年では、地方自治体が人口流入を図るため、行政・ディベロッパー・教育機関が恊働した「公・民・学連携」による街作りが積極的に行われています。駅から徒歩圏内にはシンボル的なタワーマンションが建設され、その周辺には商業施設や教育機関を並べることでコンパクトでかつ機能的な街並みが形成されており、そこに居住する人たちの利便性を向上させています。
浜崎編集長
また東洋経済(2019.6.29号/東洋経済新報社)が調査した「再開発駅の上昇率ランキング」(駅名・順位)によると、この10年ほどで港区(六本木一丁目/1・虎ノ門/2・赤羽橋/5・赤坂/6など)や千代田区(東京/4・淡路町/8)、中央区(浜町/10・勝ちどき/24)といった再開発が活発に行われているエリアの資産価値は上昇しており、かつその他のエリアと比較してもランキング上位を占めます。
そのため、今後も市街地再開発が活発に行われる3つのエリアの資産価値(ブランド)は、現時点より一層の上昇(維持も含む)が見込めるという好循環にあるということが言えるためプラス要因に挙げられます。
外国の資本流入が見込める
正確な統計からの確認ではありませんが、実感として現在の不動産取引の約5%程度は外国籍の人や法人が買主となっています。
さらに、日本人が躊躇する高値の物件を購入しマーケットの価格帯を引き上げているのも外国の買主で、港区、中央区などの大型の新築物件の場合は外国人投資家の購入の割合は20%程度になると大手の不動産ディベロッパーやマンション管理会社の担当者は話をしています。
今後日本のアベノミクス相場が落ち着き、不動産市場も値下がり傾向になることも十分考えられますが、その場合でも特に中国からの需要は今後も継続するので、エリアの価格を押し上げる要因になります。
事務員
浜崎編集長
マンション価格が値下がり・下落する要因|値下がりしにくい駅とは
今後新築・中古を問わず、マンションの購入を検討する場合はマンション価格の値上がりが期待できる一方で、値下がりする要因も考慮しなければなりません。以下では、マンション価格が値下がりする要因について解説します。
- 生産緑地問題(2022年問題)
- 少子高齢化による人口減少
- マンションの供給量の問題
生産緑地問題(2022年問題)
不動産価格の値下がりを検討する上で「2022年問題」という言葉があり、これは「生産緑地」に指定されている都市部の農地が指定解除され2022年に大量放出されることを言います。
浜崎編集長
この制度のメリットとしては都市部の一部にある農地を生産緑地として指定するかわりに、固定資産税や相続税について優遇措置をとるという点です。ただし一方で、生産緑地に指定されるには農地以外での使用は認められておらず「契約する30年間は営農継続の意志がある場合」に限られており、それに満たない場合は宅地並みの課税を受けていました。
そしてこの法律が整備されてから30年後が2022年になるわけです。不動産業界で騒がれている「2022年問題」とは、2022年に都市部に存在する生産緑地が、市区町村に対して買い取りの申し出ができるようになり、自治体が買い取りを行わない場合は市場に放出され宅地開発が可能になるのです。
事務員
浜崎編集長
その理由を読み解くには「生産緑地の規模」について知る必要があり、もし仮に現在、生産緑地が放出されると東京23区で「東京ドーム95個分」、都内全域では「東京ドーム712個分」にもなると言われています。
また国土交通省の「平成29年都市計画現況調査」の結果によると「東京ドーム約3000個分」にも相当する1万3,000ヘクタール(ha)ほどの生産緑地が全国で指定されているとの調査結果が出ており、そのうちの約8割の生産緑地が三大都市圏と言われる首都圏、近畿圏、中部圏に集中していると言われています。ちなみに東京都だけで3,000ヘクタール以上が存在し23区では練馬区(187ha)、世田谷区(91ha)が上位にランクインしています。
これだけ多くの土地が不動産市場に流れ込めば、今後ますます宅地化が推し進められたり、生産緑地を持つ地主による賃貸経営などが活発に起こることが予想されます。これによってさらに物件の供給数が増し、現段階で既に供給過多と言われる賃貸不動産市場においては、購入価格及び資産価値の下落を引き起こす可能性が高くなります。
少子高齢化による人口減少
ここでは客間的なデータを用いて値下がり要因についてみていきますが、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」によると、平成27年(2015年)の日本の総人口は、同年の国勢調査によると、「1億2709万人」とされています。この総人口の数値を起点とすると、今後は減少過程に入ると言われており、平成52年(2040年)には「1億1092万人」、平成65年(2053年)には1億人を割ると言われています。
この人口減少および高齢化の影響は首都圏でも2021年以降加速する要因となり、特に新規の住宅需要を支えてきた20〜49歳の人口が大きく減少するのです。同機関の推計によれば、2025年の首都圏総人口は2015年比0.3%増ですが、20〜49歳だけで見ると同12%減とかなりの減少が見られます。
さらにこの数値を区別に見ていくと、2025年時点では、値上がりする区として挙げた港区(4%増)、中央区(3%増)、千代田区(5%増)がプラスであるのに対し、同じ23区内でも大田区(4%減)や練馬区(7%減)、豊島区や杉並区等では10%減、23区外ともなると10%以上の減少となることがわかっています。
マンションの供給量の問題
さらに値下がりの要因として決定的なのがマンションの供給量の問題です。
不動産経済研究所の調査によると、2018年以降に完成予定の超高層マンション(20階建以上)が全国で294棟・10万8757戸(2018年3月末時点)、このうち東京23区には123棟・5万5570戸と約5割強のマンションが集中しています。また直近のデータとなる総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」をみても、既に空き家数は848万9,000戸と、2013年と比べて29万3,000戸増加しています。
また国土交通省「平成29年度 住宅経済関連データ」からこの数値を空き家率(総住宅数に占める割合)に変換すると13.6%と、前回の調査で過去最高と言われた水準を0.1ポイント上昇しています。しかし一方で、総住宅数は6240万戸と2013年の時と比べ約178万戸増加しているなど、人口の減少と住宅の増加数が反比例しているのです。
事務員
浜崎編集長
値下がりしにくい駅とは
値下がりが懸念されていく中、逆に値下がりしにくい駅とはあるのでしょうか。
値下がりしにくい駅は、良く話題になる「住みたい街ランキング」のような記事に名前が上がりやすい人気の街はまず値下がりしにくい駅と言えます。
街として人気の街であるという事はもちろん重要ですし、もしくは都心部(港区、中央区、渋谷区、新宿区等)に近い、アクセスしやすい立地も値下がりしにくい駅と言えます。
値下がりしにくいマンションの特徴としては駅ももちろんですが、駅からの距離も重要になってきます。
駅から徒歩10分を超えると駅近のマンションよりも値下がりしやすくなると思われます。
値下がりしにくい駅とは駅そのものはもちろんですが、そのエリアの人気、駅からの距離など総合的に判断することをおすすめします。
東京23区の中古マンション価格相場はコロナでも上がり続けている
コロナ禍が長期化する状況下におきまして、東京23区の中古マンション価格相場が、上がり続けています。不動産仲介会社間においても、「売却物件が不足気味」などとささやかれており、価格上昇の異常事態が続いています。
浜崎編集長
一つは、住み替えに不安を抱く人が多くなり、自宅の売却を控える人が、多くなっていることです。
一つは、世界的な金融緩和により余剰資金が大量に発生し、その矛先が住宅市場に向けられ、不動産市場が高騰していることです。
この需要と供給のアンバランスにより、特に、都心に立地する中古マンション市場が高騰する原因になっています。
中古マンション在庫数
中古マンションの在庫数は、2019年12月から2021年3月まで、16か月連続で前年在庫数を下回っています。2021年3月の首都圏中古マンション在庫数は、34,701件です。
- 2020年3月比:24.9%減少
- 2021年2月比: 4.5%減少
逆に言えば、それだけ中古マンションが、売れているということです。
中古マンション価格
中古マンション価格は、前年同月を上回る価格となるのは、11か月連続です。中古マンションの成約価格単価は、59.02万円/㎡となり、前年同月比で9.2%上昇しています。
まとめ|マンションの価格相場は値上がり中!資産価値が下がりにくい街を選ぼう
以上、マンション価格が値上がりする要因や値下がりする要因、コロナ禍による影響、東京23区の中古マンション価格相場ランキング、間取り別中古マンション価格相場について解説しました。
コロナ禍により、リモートワークが推進し、自宅での業務が増加したことに伴い、住宅への需要が高まっています。通勤時間を気にしなくて良いのであれば、今後は居住地を郊外へ求める人が増加します。
一方、あくまでも利便性を重視し、都心への居住にこだわる人も増加し、二極化することが想定されます。
しかし、近年頻発する水害による対策を講じる必要があります。大型台風による津波の影響を考慮しますと、23区内に限っていえば、JR京浜東北線以西の台地にある居住エリアが求められます。また、荒川や多摩川、隅田川沿いや中小河川沿いは、洪水による氾濫のリスクがあるため、居住エリアとしては、相応しくありません。
以上を鑑みますと、海岸沿いや河川沿いから離れた台地上に位置し、ターミナル駅に近いエリアのマンションに人気が出て、価格も上昇するものと想定されます。