戸建ての間取りでよくある失敗例と対策を解説!間取りを決める上で大事なこととは

この記事のざっくりしたポイント
  1. 将来の家族構成や実用性・機能性を踏まえた間取りにすることが重要
  2. 実際に暮らしていく上で負荷のかからない生活動線を決めることも重要
  3. 要点を絞った間取りにすることを意識することが大切

家族の希望や理想を反映した間取りが作れる戸建ての注文住宅
間取りを一から自由に設計することができる一方、理想や夢を詰め込みすぎて「使いにくい」「住みづらい」など失敗してしまったという声も少なくありません。

戸建ての間取りを決める際は理想や夢を具現化するだけでなく、将来の家族構成や実用性・機能性を踏まえた間取りにすることが重要です。本記事では戸建ての間取りを決める際に、よくある失敗例をはじめ間取りを決める上で大事なことについて解説します。

戸建ての間取りでよくある失敗例と対策

自由設計やオーダーメイド…

その言葉を聞くと家族や自分の理想や夢が叶えられると思いがちですが、アイデアの全てを取り入れた間取りを作るとなると、完成して住みづらいと言ったことも。以下では戸建ての間取りでよくある失敗例と、失敗が起こらないためにできる対策について紹介します。

収納スペースの失敗

リビングやキッチンなど生活に必要なスペースを広く取ろうとして陥りがちなのが、収納スペースが足りなくなったり使いづらくなるといった失敗です。

具体的には以下になります。

収納スペースの失敗例
  • リビングの広さには満足しているけど、収納スペースがなくて季節物がしまえない(実際に住み始めて感じる問題点が多い)
  • 収納スペースが日常生活の動線にあるため、使い勝手が悪い
  • 収納スペースを確保したものの、奥行きや幅が合わなくて無駄なスペースになってしまった

十分な収納スペースを確保するためには現在の収納量だけでなく収納する場所をどこにつくるか、なにを収納するのかといった目的やモノを出し入れするシーンを前提に収納スペースを検討する必要があります。

音の伝わり方を考えていなかった

室内での足音や話し声、テレビの音量、食洗機や洗濯機の音、外部からの騒音など、室内外から発生する音の伝わり方についても失敗したという事例が数多く上がっています。

具体的には以下になります。

音の伝わり方の失敗例
  • リビング(ダイニング)の上に子供部屋があるせいで、子供が走ったり何か落とすとリビングに響いてうるさく感じる
  • 交通量が多い道路側に寝室をおいてしまい、寝るときに車の騒音が気になる
  • リビング(ダイニング)の近くにトイレを配置してしまい、トイレの音が聞こえてしまう

音の伝わり方に関する失敗例は「住んでみてわかった」という意見も珍しくありません。このような失敗をなくすためには図面の段階から音の出る箇所をチェックしておくことや、足音のする通路や動線がリビングや寝室の上に配置されていないか、外的な音の発生源と配置を意識するようにしましょう。

プライバシーを考えていなかった

平面の間取り図や住むまで気づかなかったプライバシーや周囲からの視線についての失敗も数多く存在します。

具体的には以下のようになります。

ライバシーや周囲からの視線についての失敗例
  • 玄関からリビングまでの距離がとられてなく、部屋を開けているとリビングの中が丸見えになってしまって恥ずかしい
  • 隣の家や庭から家の中が丸見えのため、安易に窓やブラインドが開けられない
  • 風通しを良くするために各部屋のドアを開けておくと、たまった洗濯物や部屋が整頓されていないところが目についてしまう

このような失敗例をなくすためには自身の部屋の図面だけにフォーカスするのではなく、隣の家の窓の配置や外からの視線にも配慮した間取りにすることが重要です。

MEMO
また家の中でもドアの開閉によって見える箇所や見られたら困る場所にチェックをつけて、それらを隠す工夫や間取りにするようにしましょう。

窓の数や大きさ、位置を考えていなかった

理想的な間取りを追求して陥りがちなのが窓の数や大きさ、位置関係を意識しておらず部屋の明るさや暗さに影響を及ぼしてしまう失敗も数多く挙げられています。

具体的には以下のようになります。

部屋の明るさや暗さに影響を及ぼしてしまう失敗例
  • 部屋の位置関係と日光の向きを考えおらず、太陽の向きによって部屋の明暗がはっきり出てしまう
  • 開放的なリビングや大きな窓に憧れて設置してみたものの、光がまぶしすぎて生活しづらい

間取りや窓の数や大きさひとつで光の入り方は大きく変わってきます。また周囲の建物や季節によっても異なるため部屋の印象に重きをおく場合は、さまざまなシーンを想像して位置関係を検討するようにしましょう。

そのためには設計段階から光の入り方を計算して窓を配置したり、自然光を無理なく取り入れるための工夫をこらしたり、普段のライフスタイルに合わせて窓を考えることで、理想と実用性を兼ね備えたものにすることが可能です。

四季を考えた間取りを考えていなかった

日本で戸建てを建てる際に意識すべき要素の一つに、日本特有の四季に対する考え方が存在します。戸建てを建てる場所によっては寒暖差の激しさや日照時間の長短、湿気や風通りの有無など、様々な要素に気を配ることが重要です。

特に近年の住宅市場では住宅自体の高性能(機密性や断熱性など)や高品質化が進み冷暖房効率も高まりつつあります。四季を考えた間取りを考えていないと、以下のようになります。

四季に関する失敗例
  • 広いリビングにしたため夏は暑く、冬は寒い。冷暖房をつけても部屋の隅々まで空気が行き渡らないため、効率的に部屋の温度を変えることが難しい
  • 採光や風通しを優先して窓を大きくしたが日照りが凄くて暑い

四季を踏まえた間取りにするためには家自体の高性能に頼るのではなく室内の日差しや風がどのように入るか、熱や冷気を逃す工夫はされているか、また寒暖に対処すべき器具の設置はどうかなど、その立地や環境に不可欠な要素を含めた間取りにするようにしましょう。

戸建ての間取りを考える上で大事なこと

多くの時間を過ごすことになる戸建ての間取りは現在のライフスタイルだけだなく、将来を見据えた設計にすることが重要です。以下では戸建ての間取りを考える上で大事なことについて解説します。

家族構成で間取りを考える

戸建ての間取りを決める上では今の家族構成だけでなく、将来のライフプランやスタイルを見据えた設計をすることが大切です。今が家族2人でも将来的に子供が増えれば、必然的により広い居住空間が必要になります。また子供の成長過程や夫婦のライフプラン・生活スタイルによっては、家を柔軟に対応することも求められます。

そのため理想や快適な間取りを描くだけでなく要望や優先順位を固めて、さまざまな事態をシュミレーションした間取りにすることで、より暮らしやすい空間にすることができます。

どういう家にするか決める(将来的な意味合い)

戸建での間取りを考える際は建築基準法で定められている用途地域や建ぺい率、容積率についても理解しておくことが重要です。住宅(戸建て)は土地の広さ目一杯に建築できるわけではありません。そのため法律によって決められた面積や制限、眺望の中で家のタイプを決めることになります。

したがって平屋または複数階建て(2階、3階など)なのか、二世帯住宅なのかなど、どういう家にするかによっては、確保すべき居住面積が異なるため、あらかじめ話し合いを深めておくようにしましょう。

居間や寝室、キッチン、玄関など部屋の構図を考える

どういう家にするかを決めたら次に部屋の構図を考えましょう
具体的に部屋の配置を決める際は家族のやりたいことや普段の居場所がどこかなど、1日の流れを想定して居間や寝室、キッチン、玄関などの配置を決めていく方法がおすすめです。

生活動線を決める

間取りを考える際は理想的な配置だけではなく、実際に暮らしていく上で負荷のかからない生活動線を決めることが重要です。正しい生活動線を考慮することは暮らしやすい居住空間を作り出す第一歩であり、長期にわたって負荷がかかることなく生活することができます

MEMO
具体的には日常的に使うキッチンの動線や、家電・家具の配置、収納スペースの位置など細部にわたって間取りをつくることで、より住みやすい空間にすることが可能です。

まとめ

新築の戸建てを作る際に多くの人が頭を悩ませるのが理想的な間取りができるかどうかですよね。しかし理想や夢の空間など、あれこれ要素を詰め込みすぎると、かえって使いにくい・住みづらい家になってしまいます。

そうならないためにも家族の優先順位や要望、生活動線など、先人たちの失敗を踏まえて、要点を絞った間取りにすることを意識しましょう。