- お風呂はなんとなくで決めてしまった時に後悔しやすいポイント
- お風呂が2階にあると洗濯の動線やプライベート空間を確保しやすい
- 2階のお風呂は費用が高くスペース的配慮・下の階への配慮・洗面所の配慮も必要
新築一戸建てを建てるときに意外と意見が分かれやすいのが、水回りの位置。水道管の動線や生活スタイルを十分考慮する必要があり、なんとなくで決めてしまった時に後悔しやすいポイントです。
一般的には1階に設置することが多いお風呂ですが、最近では2階に設置する方や2階をメインの居住スペースにしている方も珍しくはありません。
浜崎編集長
事務員
お風呂を2階にするメリットは?
はじめに、お風呂を2階に設置するときのメリットからご紹介します。
2階にお風呂を設置するときのメリットというと、1階が広くなることくらいしかイメージしづらいですよね?しかし、実は他にもメリットがたくさんあるので、今回は2階にお風呂を設置するときの4つのメリットを徹底解説します。
メリットがあってもご家族の生活スタイルとマッチしていなければ後悔の元となりかねません。2階にお風呂を設置するメリットが、ご家族の理想の生活に適しているかをぜひご確認ください。
1階のリビングを広くできる
2階にお風呂を設置することによって、お風呂分のスペースをリビングや部屋として広く利用できます。
1日中生活するスペースであるリビング。夜しか入らないお風呂を作るよりは、日中に使用できるスペースにしたいと考えている方も多いです。
くつろぐスペースを広く設計することが出来る上に、キッチンを広くしたい・クローゼットを作りたいなど、スペースが広くなった分ご家族の要望を通しやすくなります。1階に和室を作る場合もリビングが狭くなってしまうので、お風呂を2階にすることが多いです。
メインで居住する1階のスペースを有効活用したいとお考えの方は、2階のお風呂を検討することをおすすめします。
浜崎編集長
お風呂の窓を開けても安心
お風呂が1階にあると、窓を開けにくいという問題があります。特に、通りに面している住宅なら限られたタイミングでしか窓を開けられないといったケースも少なくはありません。
しかし、お風呂が2階にあると安心。周りの目や時間帯を気にすることなく、窓を開けて涼んだり換気したりできるので、ノンストレスで使用できます。
また、狭い空間で音が反射しやすいお風呂は話し声や物音が響きやすいです。生活音は想像以上に周りに聞こえるため、戸建てであっても外に音が漏れやすいというデメリットがあります。
しかし、音は上に上がるという性質があることから、2階にお風呂があるとお風呂の音や話し声が外に漏れにくいです。2階のお風呂なら騒音という観点からも、安心してリラックスできますね。
生活の動線上にすることで効率よく暮らすことができる
お風呂を2階に設置して良かったという声の中で最も多い理由が「動線が便利」というメリットです。
新築のマイホームを建てる際に見落としてしまいがちな動線。実際に住んでみてから後悔しやすいポイントなのでイメージしにくいことは否めません。
しかし、2階にお風呂を設置した家では、洗濯の動線が効率的だと好評です。2階に洗濯機を設置できるので、「服を脱ぐ⇒洗濯⇒ベランダで干す」という動線が2階だけで完結し、ベランダまでの階段を往復する手間が省けます。
特に家事をする方は毎日行う洗濯がかなり楽になるので、実際に2階に風呂を設置して満足しているという声が多いです。
事務員
浜崎編集長
プライベートスペースを分けることにつながる
お風呂が2階にあることによって、2階がプライベートスペース・1階がリビング兼来客用として、プライベートスペースをしっかりと分けることができます。
メインの生活動線が1階である場合、1階は家族の出入りや来客などでバタバタしていることが多いですよね?また、洗面所とお風呂が同じ部屋にあるときは、日中に誰かがお風呂に入っていると、手洗いしづらいという問題点もあります。
しかし、お風呂を2階に設置すると人の出入りがなく安心してお風呂に入れる上に、来客中でも誰かに見られる心配がありません。
また、お風呂とは別で1階に洗面所を作るので、お子さんが成長した時に着替え中・入浴中は気を遣って洗面所を使えないという心配もなさそうですね。
浜崎編集長
お風呂を2階にしたときのデメリットとは?
続いて、お風呂を2階に設置したときのデメリットをご紹介します。
一般的には1階に設置することが多いお風呂だからこそ、2階に設置したときのデメリットや生活がイメージしずらいはず。お風呂を2階に設置した後に後悔しないためにも、デメリットは必ず把握しておいてくださいね。
生活スタイルによっては、デメリットが問題ないケースやデメリットよりもメリットが大きいケースがあるので、家族の要望とのバランスを見極めることが重要です。
下の階への配慮が必要な場合がある
1階のお風呂が水漏れしたとしても被害はお風呂周辺だけで抑えられますが、2階のお風呂の場合は1階まで水が浸入するので被害が大きくなります。
1階にお風呂を設置するとき以上に厳重な水漏れ対策が必要だと言えます。また、シャワーの音や水が排水管を通る音が下の階に響く可能性があるというデメリットも。
真下を部屋として利用してしまうと、万が一水漏れした際の被害が大きい上に排水の音が聞こえてしまうため、下の階は収納スペースなどにするのがおすすめです。
電気温水器の場合は水圧が弱くなる
最近の新築住宅なら大きな差はありませんが、1階と比べると2階の方が水圧が弱くなる可能性があります。
特に、以下の住宅では注意が必要です。
- 電気温水器を使用して沸かしている
- オール電化で貯湯タンクにお湯を貯めている
- 細い水道管を使用している
住宅設備によっては水圧が弱くなってしまうことがあるので、ご自身の住宅や設計予定の住宅設備を把握しておくことが大切です。
水圧に関してはそこまで重要視されているデメリットではなく、実際に2階のお風呂を使用している方も「水圧が弱いとは感じない」という意見が多いです。
設計の時点で水圧に問題がないかをしっかりと確認したら十分な対策ができるため、そこまで心配する問題ではありません。
1階に配置する時よりも配管のスペースが余分に必要になり、費用も高い
2階に排水設備を作るためには配管を1階から2階に通さなければならず、1階にお風呂を設置するときに比べると費用が高くなります。
2階に通す配管を設置するパイプスペースの分1階が狭くなってしまう上に、通常より長い配管を通す工夫も必要です。費用は住宅によって大きく異なりますが「1階にお風呂を設置する費用+10万~40万円ほど」です。
下の階への配慮が必要なことから、水漏れや騒音の対策がいるケースも。1階から2階に太い配管を通すスペースを考慮すると、1階の間取りが制限される可能性があるのでご注意ください。
事務員
浜崎編集長
帰宅時に使う手洗い場を別途考える必要がある
1階にお風呂がある住宅では洗面所と配管を同じにして、お風呂・脱衣所・洗濯機・洗面所が同一の部屋になっていることが多いですよね?
しかし、お風呂・洗面所が2階にあると帰宅時にすぐ使える手洗い場が1階にはないため、1階の居住スペースにもう1つ洗面所を作らなければなりません。
お子様の手洗いや散歩から帰ってきたペットの洗い場など、洗面所はないと不便なものです。ぜひ、しっかりと洗面所の配置について、生活スタイルに合わせて検討してみてください。
事務員
浜崎編集長
コスト面では高くなってしまいますが、家族が多い場合は朝の忙しい時間帯などに洗面所が2つあるとメリットになるとも言えますね。
お風呂を2階に設置できるおすすめの家
ここまではお風呂を2階に設置するときのメリット・デメリットをご紹介しましたが、最後にどんな家ならお風呂を2階に設置するのに適しているのかをご紹介します。
快適な家や住みやすい家の条件はご家族の生活スタイルによって大きく変わります。2階にお風呂を設置したい方は、今後のライフプランや生活スタイルを考慮してご検討ください。
マイホームを購入してから後悔することがないように、購入予定の家が2階のお風呂に向いているのかをぜひチェックしてみてくださいね。
鉄骨やRC構造で防音・水漏れ対策ができている家
2階にお風呂を設置するときのデメリットで水漏れや下の階への騒音があるとお伝えしましたが、鉄骨やRC構造の住宅ならそれらの心配がありません。
水漏れ対策や防音環境の整備を特別にする必要がないことも多いため、コスト面を抑えることができる上に、下の階への配慮も神経質になる必要はありません。
各階にお風呂を設置しても問題がないマンションに例えると分かりやすいですね。鉄骨やRC構造の住宅は、木造住宅に比べると2階にお風呂を設置しやすい構造だと言えます。
事務員
浜崎編集長
来客が多い場合やお風呂にも開放感が欲しいといった、お風呂時間を大切にしたい人
2階にお風呂と脱衣所があると、来客時でもプライベート空間でお風呂を楽しむことができ、ドライヤーの音なども聞こえにくいので安心して過ごせます。
また、落ち着いてゆっくりできるだけでなく、天窓をつけて開放感のあるお風呂にするといったカスタマイズも可能。2階だからこそ広々とした空間をお風呂に使うことができます。
- 自営業などで来客が多い
- 家に人を呼ぶことが多い
- 子供が多くママ友や友達がよく来る
2階のお風呂なら1階と2階でプライベート空間を分けやすいので、来客が多い方やお風呂時間を大切にしたい方にピッタリの構造だと言えますね。
子供が遊びや部活で汚れたときは帰宅後にすぐお風呂に入ってほしいといった場合は、お風呂が2階にあるとかなり不便になります。子供の将来設計なども考えながら、2階にお風呂を設置するのかは慎重にご検討ください。
まとめ
お風呂を2階に設置する住宅のメリット・デメリットをご紹介しました。コストはかかるもののメリットも多く、特にお風呂が好きな方には最適な設計です。
1階が広くなるというメリットだけではなく、洗濯の動線が確保しやすい・プライベート空間を確保できるなど、日々の生活においてもメリットが多い2階のお風呂。
一方で、費用が高くスペース的な配慮などが必要というデメリットもあるため、2階にお風呂を設置する場合はご家族の生活スタイルを十分に考慮してください。
ずっと住み続けるマイホームだからこそ、家族が増える・子供が成長する・親と同居するなど、目まぐるしく環境が変わっていくはず。後悔しないように長いスパンの人生設計を見ながら、慎重にマイホームを作る必要がありますね。