- 一戸建てのメンテナンスは箇所ごとに必要な時期が異なる
- こまめにメンテナンスを行うことで建物自体を長持ちさせることができる
- 修繕計画を立て少しずつ行わないと、一度の出費が大きくなってしまう
中山編集者
浜崎編集長
中山編集者
一戸建ては自分で家のメンテナンスに対して手配や費用の負担を行わなければいけません。最適な時期にメンテナンスしなければ二重に費用がかかることもあります。
また傷んだまま時期を延ばしてしまいメンテナンスするときに余計な費用がかかることもあるのです。
では一戸建てのメンテナンスは時期や築年数においてどのような個所をメンテナンスすればいいのでしょうか?また、かかる費用はどれくらいかかるのでしょうか。
一戸建てのメンテナンスについて解説していきましょう。
一戸建てのメンテナンスが必要な箇所と時期
一戸建てのメンテナンスは多岐にわたります。色々な個所のメンテナンスに目を向けておかなければいけません。
しかし特に重要だと思われる箇所がいくつか考えられます。例えば外壁や屋根といった部分は最も風雨にさらされる場所です。
ほったらかしにしておくと雨漏れや木造住宅の場合、中の木材が傷む原因となってしまいます。
外壁や鉄部もほっておくと鉄部のサビや腐食の原因となってしまいますのでメンテナンスが必要となります。
内部に目を向けてみるとクロス関係の傷みが目立ち始めたら張り替えといった対応が必要ですね。また水廻り関係も一定期間が経過すると腐食やサビの原因となってしまいます。
外壁・屋根
外壁に必要なメンテナンスは外壁塗装やシーリングの打ちかえといったところでしょう。また木部や鉄部の塗装も行わなければいけません。外壁は材質によってメンテナンスの時期が異なります。
- モルタル・窯業系サイディング:10年程度で塗り替えが必要
- シーリング:5年から10年の間には打ちかえの必要がある
- 鉄部や木部の塗装:5年周期で行う
次に屋根に目を向けましょう。屋根は材質により葺き替えや塗装といったメンテナンスが必要です。
また屋上の防水工事が必要なケースや雨どいの交換なども行う必要があります。
- 瓦:10年から20年程度で葺き替えが必要
- トタン屋根:10年で塗装、20年で交換が目安となる
- 防水工事:10年ごとに防水シートの交換が必要
- 雨どい:10年で点検して20年を目安に交換する
他にも材質によって異なる時期がありますが主要な部分のメンテナンスは上記の通となります。
内装(クロス)
次に内装関係で一番スペースを多く占めるクロスを見てみましょう。クロスは10年程度で壁紙がはがれてくるような場合があります。特に結露が多い個所などは10年より早い時期に剥がれてしまうことも珍しくありません。
水回り(お風呂・トイレ・洗面所・キッチンなど)
水廻り関係は長く使うことにより、例えばキッチンはシンク廻りがさびてしまうことや腐食して水漏れの原因となることがあります。トイレは比較的頑丈ですがタンク内のレバーやくさりが劣化してしまっていますので、水廻りの交換と一緒に交換した方がいいでしょう。
お風呂や洗面所も10年も経過すると、あちこち傷んでいることが多いです。お風呂や洗面所も10年程度を目安に交換した方が良いでしょう。
床(畳・フローリング)
忘れがちなのが床下のメンテナンスです。シロアリを防ぐための防蟻処理を一定の周期で行わなければいけません。およそ5年程度をめどに防蟻処理を行いましょう。防蟻処理をせっかく行うので、あわせて床下点検も行うと効率的です。
築別で見る!注意したい一戸建てのメンテナンス箇所
中山編集者
浜崎編集長
中山編集者
先ほどまでは一戸建てのメンテナンスが必要な箇所と時期について説明しました。しかし場所ごとにメンテナンスの時期を覚えておくのは大変です。
そこで築年数ごとのメンテナンス箇所で分類してみましょう。
築5年〜10年の修繕箇所
築5年から10年程度では大規模な費用はかかりません。注意点としては外壁に使用されることが多い窯業系サイディングの塗替えの準備ですね。窯業系サイディングの修繕、塗り替え時期は10年前後です。清掃などで少しでも塗り替え時期が延ばせるならば、メンテナンスで塗り替え年数を延ばしましょう。
またクロスは10年程度で張り替えましょうと前述しましたが、5年を経過したあたりから汚れや目立つ時期に入ります。クロスも張り替え時期をできるだけ延ばしたいならば専用の洗剤などで清掃するなどで張り替え時期を延ばすことができます。
築10年〜15年の修繕箇所
築10年から15年程度の修繕箇所で一番気になるところは給排水管の劣化です。15年程度の耐用年数ですので一部交換や補修が必要となります。また10年程度で窯業系サイディングの塗り替えですのでこの時期には塗り替えを行いましょう。
あわせてシーリングの打ち直しも合わせて行うと効率的です。
内装も10年程度でクロスの張り替えですのでこの時期に張り替えを行います。
築15年〜20年の修繕箇所
築15年を経過してくると給排水設備が傷んでしまい入れ替えが必要になってくる時期です。また、あわせて内装関係の入れ替えが必要になってきます。大幅な入れ替えが必要となるので、それだけ費用が必要となります。しかし修繕のコストが莫大になってしまい住宅ローンが終わらないのに修繕のために新たなローン組まなければいけないといった事態になってしまいます。
築20年までの間は目視の範囲でどうしても交換しなければいけない部分のみ交換しましょう。それだけでも費用を大幅に削減することができます。そろそろ大掛かりなメンテナンス費用がかかってきますが、見積もりは複数社、できるなら3社程度から見積もりを取って交換などを行いましょう。
築20年〜25年の修繕箇所
築20年を超えると、ある程度設備の交換が落ち着いてくる頃です。定期的なメンテナンスは忘れないように周期を守って行いましょう。
もしも外壁や内装において修繕をしていなかったとすると、この時期には修繕が必要になります。ただし、ここまでメンテナンスを怠っていたとすると、最大数千万単位の費用がかかります。またここまでメンテナンスを行っていないと建物自体の傷みも激しく、耐用年数が短くなります。
一戸建てのメンテナンス箇所と修繕・交換時期・費用がわかる早見表、スケジュール表
中山編集者
浜崎編集長
中山編集者
ここからは先ほどまで解説してきたメンテナンス箇所や時期をメンテナンススケジュール表としてまとめました。
場所 | 部位 | メンテナンス内容 | 周期 | 費用 |
外壁 | 窯業系 サイディング | 塗替え | 10年 | 200万円 程度 |
外壁 | シーリング | 打ち直し | 10年前後 | 20万程度 |
屋根 | 瓦 | 交換 | 20年 | 150万円 程度 |
屋根 | トタン | 取り換え | 20年 | 150万円 程度 |
屋根 | 雨どい | 交換 | 20年 | 60万円 |
屋根 | 防水シート | 張り替え | 10年 | 85万円程度 |
内装 | 水廻り | 交換 | 20年 | 数百万円 |
内装 | クロス | 張り替え | 10年 | 60万円程度 |
内装 | 床 | 防蟻処理 | 5年 | 50万円 |
設備 | 給湯器 | 交換 | 10年 | 1台10万円 |
設備 | 給排水 | 交換 | 20年 | 程度次第 |
※外壁は150㎡程度、内装壁150㎡程度で算出しています。
この表を見てみると一番早い周期で5年サイクル、交換等は20年前後のケースが多いですね。かかる費用が高いものになると200万円から数百万円の費用がかかるケースもあります。
すべてを交換するのか一時的に少しずつ行うのかといった修繕計画を立てながら計画的に行うことが必要です。
一戸建てのメンテナンスに置ける注意点
中山編集者
浜崎編集長
中山編集者
一戸建てのメンテナンスは所有している人の判断ひとつで行いますので、マンション等に比べると自由ではありますがあわせて責任も伴います。
一戸建てのメンテナンスにおいて注意する点はあるのでしょうか?一戸建てのメンテナンスにおける注意点について解説していきましょう。
一戸建てのメンテナンスをサボると売却にも影響する
一戸建てのメンテナンスを怠ると耐用年数が下がるというデメリットに合わせて、売却するときの障害になるケースがあります。例えば改修工事が満足に行われていなかったら、売却の際に金額交渉される可能性が高まります。
金額交渉があるならまだいいのですが見栄えや初期費用が高くなることを購入希望者から嫌がられて購入希望者がいなくなるといったことも考えられるのです。
一戸建てのメンテナンスは基本自費になる
一戸建てのメンテナンスは当然にことながら所有者が自費で支払って行うことになります。いつ行っても構わないのですがメンテナンス時期を延ばしすぎると一気に費用がかかってしまうことも考えられます。
分譲マンションなどに住んでいる場合は管理組合が長期修繕計画を建てて、日ごろから修繕積立金を集めていますので大きな費用負担をあまり感じません。
まとめ
一戸建てのメンテナンスはたくさんの箇所があり箇所ごとにメンテナンスの時期が異なりますので、きちんと把握しておく必要があります。
場所別や築年数別のメンテナンス時期や箇所、費用を図表にまとめていますので参考にされてみてはいかがでしょうか?
一気にメンテナンスを行うと大きな費用負担になるケースもあり、こまめに行うことで建物自体長持ちさせることも可能です。
基本的にメンテナンス費用は自費で行わなければいけません。費用を惜しんでなかなかメンテナンスにとりかからなかったら、結局大きな費用を負担しないといけなくなります。また建物が長持ちしないといった二重のデメリットが降りかかるのです。
中山編集者