土地の値引きはできる?交渉しやすい土地の特徴と時期、失敗しないための心得について

この記事のざっくりしたポイント
  1. 土地の値引き交渉は可能
  2. 値引き交渉を行うなら土地の値引きか仲介手数料の値引きかどちらかに絞るのが大切
  3. 一般的には10万円単位の端数程度の値引き、最大で1割程度の値引きとなる

 

自宅を建てたいので土地を購入しようと思っています。自宅まで建てるので、できれば土地は安く購入したいのですが土地の値引き交渉って可能ですか?

 
 

土地の状況によるのですべてが可能ではありません。でも値引き交渉も可能ですよ。

 
 

土地を購入するときの値引き交渉について知りたいです。

 

土地から購入してマイホームを建てる。多くの人が自分好みのマイホームを建てたいと思っています。しかし、土地の購入から住宅の建築となると建売住宅の購入や中古住宅の購入と比較しても大きな金額となるでしょう。土地の購入にあたり値引き交渉ができると経済的にも楽になり、もしかするとマイホームを建築するときに好きな設備が追加できるかもしれません。

では実際に土地の購入を行う場合、値引き交渉は可能なのでしょうか?また値引きに関して知恵袋に掲載される位の裏ワザのようなテクニックはあるのでしょうか?この記事では土地購入における値引き交渉や値引き交渉できそうな土地の特徴、時期などについて解説します。

土地の値引き交渉は可能

土地の値引き交渉はできるのか?最初に答えをいうと土地の値引き交渉は可能です。しかし、土地の内容や特徴などにもより値引きできる額に関しては大きく異なります。もちろん、一切値引き交渉ができない土地などもあるでしょう。どの程度の値引きが可能で、どのような土地が値引きしやすいのでしょうか?

1,000万などの大きな値下げは現実的に難しい

土地の値引き交渉についてどのくらいの値引きができるのかという点が、非常に興味がわくところですね。いくら値引きができるからと言って1,000万円もの値引きはまず難しいです。現実的ではありません。一般的な値引き交渉額は販売価格の1割程度を上限と考えておきましょう。3,300万円であれば上手く交渉できて300万円程度の値引きも夢ではありません。

しかし最も多いのは端数切り程度の値引きです。例えば1,560万円の販売価格であれば60万円値引きして1,500万円。2,250万円であれば50万円値引きして2,200万円程度の値引きが一般的です。

MEMO
あとは、さまざまな要因が重なってさらなる値引きも期待できますが、やはり1割程度が上限と考えておきましょう。

周辺の土地と比較して高ければ交渉の余地あり

インターネットで売買情報を検索していると売却価格が周辺土地と比較して高い土地が見受けられます。この場合、あらかじめ値引き交渉されることを見越して値引き分を上乗せしている可能性があるのです。値引き交渉を行う場合、あらかじめ周辺相場を理解したうえで値引き交渉を行うことをおすすめします。

周辺相場よりも高い土地の値引き交渉において、根拠を明確に示すことができる点や、値引き額があらかじめ上乗せされているので比較的容易に交渉が通る可能性が高いからです。周辺相場がわからなければ、購入しようとしている土地が高いか安いか比較になるものがないので、感覚的な値下げ交渉になってしまいます。感覚的な価格交渉は決裂する可能性が非常に高いです。

MEMO
周辺相場はインターネットでエリアの売買物件をくまなくチェックすることで自然と身につくので、いくつもの物件情報を確認しましょう。

値引き交渉がしやすい土地の特徴

 

あまり過度な値下げ交渉は止めた方がいいですね。

 
 

そうですね。土地の売却価格も根拠をもって算出してあるので大幅な値引き交渉は現実的ではありません。

 
 

値引きの上限を1割とすると、どのような土地が値引き交渉しやすいでしょうか?

 

前述しましたが土地の値引き交渉は、その土地の状況によっても大きく異なるので、どの土地も一様に値引きができるわけではありません。ここからは値引き交渉がしやすい土地の特徴について解説します。

土地の販売開始から半年以上経っている

販売開始から時間がたっている土地は値引き交渉の狙い目です。なかなか売れないため、売主も不安になる点が挙げられます。また売主が不動産会社だった場合、継続的な広告費の投下や人件費などコストがどんどん圧迫し、利益が目減りすることに繋がるのです。このような土地ならば早く売却したいと感じるようになります。

MEMO
多少値引き幅を多くとっても売却した方がいいという考え方になりますので、販売開始から時間がたっている土地は値引き交渉がしやすいといえるでしょう。

分譲地の売れ残りは業者にとって無関心

宅地分譲販売の場合、複数の土地における売主である不動産会社は、ある程度の数が販売できるとすでに利益を確定します。残った分譲地については、そこまで関心が無くなってしまうので売れ残った物件を高く売る必要はないのです。このような分譲地の売れ残りも値引き交渉に期待が持てる土地といえます。

建築条件が外れた土地

建築条件が外れた土地も値引き交渉がしやすいのですが建築条件とは土地を購入した場合、この建築業者やハウスメーカーで建築することを条件とした土地のことを指します。建築条件が外れた土地というのは、なかなか売れない、余分な制限を外して早く現金化したいといった売主や不動産業者の事情による原因が考えられます。早く売りたいことが大きな原因である可能性が大きいことから、対応が変わっていることがあるのです。

MEMO
つまり値引き交渉にも柔軟に対応して早く売却したいといった心理から値引き交渉が行いやすいかもしれません。

土地の値引きをする時期と流れ

 

値引きしやすい土地の状況や時期について詳しくわかりました。

 
 

最初は値引き交渉が不可の土地でも、なかなか売れないとなると値引き交渉に応じるケースもありますので、気に入った土地はまめにチェックした方がいいですね。

 
 

では、どの段階で値引き交渉した方がいいのか値引き交渉までの流れが知りたいですね。

 

土地の値引き交渉は土地の状況のほかに、値引き交渉を行う時期も大きく影響します。どの時期に値引き交渉を行ったらいいかがわからないといった人も多いでしょう。ここからは値引き交渉を行う時期や交渉を行う流れについて解説します。

土地の値引き交渉は購入することが自分の中で確定した段階がベスト

値引き交渉ができたとしても購入するかどうか迷っている最中の値引き交渉は控えましょう。売主もその土地を扱っている不動産業者も値引き交渉が入るということは購入前提で交渉していると思っているからです。

せっかく不動産業者が売主と交渉して値引きができたのに、申し込みしないとなると売主と不動産業者の落ち込みは激しく、値引き交渉したあなたにあまりいい感情を持ちません。

土地の値引き交渉は値引きが成立したら購入するという気持ちが確定したときの交渉がおすすめです。値引きできたら購入するという条件をもって売主に交渉できると値引きの可能性が大幅に高まります。逆に値引きできたとしても購入するかどうかわからないようであれば交渉してもうまくいかないことが多いでしょう。

MEMO
購入することを前提とした値引き交渉を行いましょう。

土地の値引き交渉するまでの流れ

土地の購入方法は、まずは土地探しから始まり、気に入った土地が見つかると不動産会社に買付証明書を提出します。買付証明書には買主の購入する条件を記入する欄がありますので、そこに購入希望価格を記入して値引き交渉に入るといった流れです。買付証明書は一度しか出したらいけないというものではありませんが、何度も訂正して書き直すものでもありません。自分が購入したい現実的な金額を記載しましょう。

前述しましたが、あまりにも販売価格とかけ離れた金額を記載するはNGです。その金額が希望なら最初から申し込みは受け付けませんといったケースもあります。不動産業者はある程度売主の状況を理解していますので、この程度なら交渉できるかもしれないという金額を掴んでいるので、過度な値引き要求は交渉前に打ち切られるでしょう。

MEMO
前述しましたが最大でも1割程度の値引き交渉と考えておき、うまくできたとしても端数切りの値引きが現実的なところです。

土地の値引き交渉をするときに失敗しないためには?

 

値引き交渉の特徴や流れがよく理解できました。

 
 

値引き交渉には売主との信頼関係も非常に重要なポイントですので自分の希望ばかり主張しないこともポイントですね。

 

 

 

他に値引き交渉で気を付けることはありますか?

 

ここまでは値引き交渉が行いやすい土地の特徴や、値引き交渉における時期などを解説してきました。値引き交渉において最も大切なポイントは売主や不動産会社の気分を害した交渉は行わないということです。では、どのような値引き交渉を行うと、売主や不動産会社の気分を害するのでしょうか?ここからは値引き交渉における失敗しないコツについて解説します。

大幅な値引き金額を提示しない

何度か解説しましたが大幅な値引き交渉は行ってはいけません。1,000万円台の値引き交渉は最初から受け付けられませんし、その後にあなたが低めの値下げ交渉をしても受け入れられない可能性もあります。基本的には販売価格イコール購入価格ですので、値引きは売主の好意と考えましょう。

あくまでも現実的な値引き範囲にとどめておき、大幅な値引きをしなければ買えないような土地はそもそも、希望から外さなければいけません。自分の希望ばっかり通すような購入希望者には売りたくないという心理も働きます

注意
大幅な値引き提示が断られ現実的な値引き交渉したとしてもそれすら受け入れられないかもしれません。

土地以外に仲介手数料の値引きをしない

売主のほかに感情を害すと値引き交渉がうまくいかなくなるのが不動産会社です。ではどのようなケースにおいて不動産会社の心証を害すかというと仲介手数料の減額交渉です。不動産会社は仲介手数料を得るために土地の売却にあたり広告や案内などを行っています。仲介手数料の値引きはそのまま利益の減額に繋がりますのでなるべく控えましょう。

とはいえ絶対に交渉してはいけないものではありません。行ってはいけないのは土地の値引きに加え仲介手数料を減額することです。値引き交渉という余分な仕事を与えた上に不動産会社の収入を減らすことを要求しても不動産会社もこの人に買ってもらいたいとは思いません。

MEMO
値引き交渉を行うなら土地の値引きか仲介手数料の値引きかどちらかに絞りましょう。

値引きしない買い主が他にいるときは買えなくなる恐れも

値引き交渉したら購入しようと思っている土地には他に購入希望者がいて、その人は値引き交渉がないとすると売主はどちらを選ぶでしょうか?当然ながら値引き交渉なしの買主を選びますね。つまり値引き交渉前提で土地の購入を検討している場合、値引き交渉なしの購入希望者がいる場合や新たに値引き交渉がない購入希望者が現れた場合には希望している土地を買えなくなる場合があるということを理解しておきましょう。

注意
あなたが先に値引き交渉の問い合わせ中だったとしても、交渉中に能引交渉なしの購入希望者が現れたら値引き交渉を断られます。

売買価格の5%〜10%の手付金を準備しておく

手付金の準備も忘れずにしておかなければいけません。手付金とは売買契約を行うときに売買契約後にキャンセルした場合は、手付金を没収されてもいいですよと売買契約における保証金のような位置づけです。手付金は販売価格の5%~10%とされているのが一般的で売買契約後引き渡しまで問題なく進んでいくと、この手付金は購入金額の一部に充当されます。

売買契約においてきちんと手付金を収めたうえで契約を交わすとなると、購入の意思が非常に強く伝わるでしょう。契約後に解約すると手付金は戻ってきませんので購入の意思を伝えるには非常に効果的です。

値引き成功後に土地を購入しないのは失礼に値する

これも前述しましたが値引き交渉を行って、成功したのに土地を購入しないのは売主や不動産会社の気分を害します。実は失礼にも値する行為だとも思われているのです。値下げ交渉を行って成功したのに購入しないとなると、その後、やっぱり購入しようと思っても、もう値下げ交渉を受けてくれないかもしれません。それどころかあなたには売らないと購入すら受け入れてくれない可能性もあります。

値引き交渉は売主にとってあまり気持ちのいい話ではないのです。せっかく好意で値下げを受け入れたのに申し込みしないとなると冷やかされたと感じます。さらに値下げ交渉を受け入れたわけだから当然申し込むだろうといった気持ちを無駄にする行為でもあるということを注意しておきたいものです。

まとめ

土地購入はその後のマイホーム建築などを考えている場合、できるだけ安く抑えておきたいと考えます。値下げ交渉が成立すると経済的にも買主には大きなメリットです。しかし経済的に助かるといって過度な値引き交渉は絶対に控えましょう。

一般的には10万円単位の端数程度の値引き、最大で1割程度の値引きと考えたなかで土地を選ぶ必要があります。さまざまな値引き交渉に関する時期や交渉しやすい土地の特徴を述べましたが、売主との良好な関係性を築くことを忘れてはいけません。

信頼に足らない人だと印象を持たれてしまうと値引き交渉どころか、そもそもあなたには売却しないとなってしまいます。値引き交渉は相手も尊重し、良好な関係を築きながら要求をかなえるといった点がポイントといるでしょう。