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駐車場付きでマンションは売却できる?売却価格への影響と引き継ぎの可否、失敗しない売り方を解説

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のざっくりしたポイント
  1. マンション売却で駐車場は基本引き継ぎができない
  2. 新たに中古マンションを購入する買主は新たに契約を締結することが必須
  3. マンションに駐車場がないからといって安易に値引きしない

今所有しているマンションと駐車場をセットに売却を行いたい。

しかし一般的には駐車場の権利はマンション管理組合にあるため、マンションと併せて売却できないことをご存知でしょうか? そのため新たにマンションを購入する人は前所有者の駐車場を引き継ぐことはできません。

そこで本記事ではマンション売却にあたって駐車場の有無を踏まえた売却価格の影響と、マンションを売却する時のポイントや注意点について解説します。 あらかじめ駐車場付きマンションの売却方法を知ることで影響を最小限にしたマンション売却を実現させることが可能です。

マンション売却で駐車場は基本引き継ぎができない

所有しているマンションにある駐車場は売却によって使用権利を買主に引き継ぐことが基本的にはできません。 そのためマンションと駐車場の価値を上乗せして売却することは難しいのです。

よくあるケースとしては購入時点などに割り当てられた駐車場を自身の所有物として誤解する人が見受けられますが、駐車場はマンションの共用部分に該当するため所有者の資産ではありません

注意
仮にこの内容を知らずに情報を記載してしまうと誤情報を伝えることになり後のトラブルや問題を招くことに繋がりますのでやめておきましょう。

マンション売却時に駐車場の所有権を失うので再契約が必須

現在多くのマンションには居住する人向けの駐車場が付帯されています。 しかしマンションの駐車場利用に関する権利は管理組合にあるため、基本的にはマンションの所有者の権限で売買に含めたり新たな所有者に引き継ぐことはできません。 あくまでもマンションの所有者(賃借含む)はマンションの組合員の資格を有するため、駐車場の使用が可能でした。

 

しかしマンション売却によって権利を失効した場合は元の権利を有する管理組合に戻る形になります。 詳細はマンション管理規約に基準が定めてありますので、あらかじめ確認しておきましょう。 そのため新たに中古マンションを購入する買主は新たに契約を締結することが必須になります。

ただしマンションによっては分譲時に駐車場の所有権を一緒に購入する「所有権分譲型」や、駐車場を共用部分とカウントして使用権利を付与して購入している「専用使用権分譲型」のような契約体系もあるため、この点についても売却する際には確認しておくことをおすすめします。

マンション売却では駐車場がないと売りにくいケースもある

車を必要とする生活圏に建設されたマンションの場合、駐車場の有無はマンションの売却に大きな影響を及ぼします

そのうえ大都市以外の地方エリアやファミリー層や新婚の方などを対象にマンションを売却するとなると、マンション内に複数台駐車できるかどうかはマンションの売却価格を左右する要素に当てはまるため、売りにくくなるケースに該当することも想定されます。

車をあまり必要としない都市部ではそこまで影響しない

しかしマンション内の駐車場の有無が該当するのは、あくまでも地方や車を必須とする生活圏にあるマンションのみです。

大都市や都市部になると交通機関が発達していたり、徒歩圏内に生活必需品が揃う施設があるため、駐車場の有無についてもマンション売却に及ぼす影響は軽微なものになります。 そのため都市部のマンション売却を検討している人であれば、駐車場の有無は気にすることはないでしょう。

地方で駐車場がないマンションを売却するときのポイント

都市部であれば駐車場の有無は売却価格に影響を及ぼさない可能性もありますが、やはり車を必要とする地方のマンションでは駐車場の有無はマイナス要素。 しかしマンション内に駐車場が用意できないからと言って売却自体を諦めてしまうのは時期尚早です。

以下では地方で駐車場がないマンションを売却する際のポイントについて解説します。

マンション内の駐車場に空きがないか確認する

駐車場の引き継ぎができなくても管理組合に対してマンション内の駐車場に空きがないかを確認することで、確保しやすい環境を作ることは可能です。 戸数より駐車場が少ないマンションでは駐車場契約は基本的に抽選または先着順になります。

MEMO
取り決めについては、あらかじめ管理組合へ確認をとったり規約を読んでおくようにしましょう。

マンション近隣の月極駐車場を確保しておく

マンション内の駐車場が確保できない場合は近隣の月極駐車場をあらかじめ確保しておくことも一つの手段です。 理想的な立地としてはマンションから徒歩5分以内であれば、利便性に不利を感じない距離になります。

仮に近くに月極駐車場があれば「マンション売却中」などの旨を伝えて、事前に月極駐車場を予約して確保しておくこともおすすめです。

ただし、あまりにもマンション売却までに時間がかかってしまうと、月極駐車場の管理側にも迷惑がかかってしまうため、あらかじめ確度の高い見込みを獲得したら聞いてみるようにしましょう。 そうすることで不要なリスクやコストなく駐車場を確保することができます。

マンションに駐車場がないからといって安易に値引きしない

マンション売却までのプロセスを早期に終わらせたいからといって、安易にマンション価格の値下げをするのは避けましょう。 特に初めから駐車場の要素を加味してマンション価格を下げるのはやめてください。

マンションによっては戸数より駐車場数の方が少ないことがあるため、前提として全員が駐車できるわけではないのです。 また駐車場は状況や時期に応じて空きが出てくるものです。

MEMO
そのため、はなからマンション価格を下げて売却をするのではなく状況を見極めながら対応するようにしましょう。

駐車場付きマンションを売却する際の注意点

最後に解説するのは駐車場付きのマンションを売却する際の注意点になります。 これまでは管理を有するため車は停めておけましたが、気をつけないと最悪の場合、車を停められなくなったり売却しなければならない事態に繋がりかねません

以下では押さえるべき注意点についてお伝えします。

駐車場を引き継ぎできないので自分の車も駐車できない

マンションの所有権がなくなった場合、使用契約そのものが失効してしまうため自分の車も駐車することができなくなります。 そのためあらかじめ元々停めていた自分の車をどこに移すかも決めておきましょう。

注意
仮にマンションの売却が早期に締結してしまい自分の車が停められなくなってしまっては意味がありません。

駐車場がなくなった時、自分の車をどうするかきめておく

これまでは新たなマンションの所有者の車の所在について記載してきましたが、マンションの売却が成立した場合、自分の車も駐車できなくなるため自身の車をどうするかを決めておくことも大切です。

マンションの売却は売却価格全てが収入に反映されるわけではなく、あらゆる税金やコストが発生します。そのため車を維持するといった選択だけでなく、手放すなどあらゆる事態を想定した上で車をどうするか決めていきましょう。

まとめ

車の使用頻度が高いエリアではマンションを売却する価格に駐車場の有無は影響を及ぼす可能性があります。 しかし所有するマンションの大半は、駐車場の権限がマンションの管理組合に付帯されているためマンションの所有者の権限では引き継ぐことができません。

そのためマンションの売却価格に影響を出さずに売却を進めるためには、本記事で解説したポイントや注意点を意識して売却を行うようにしましょう。