土地活用とは?王道の活用法と初期費用が抑えられる活用法、失敗しない活用法の選び方

この記事のざっくりしたポイント
  1. 王道の土地活用方法は、アパートやマンション、戸建などの賃貸経営と、駐車場経営や商業施設などの貸地経営
  2. 土地活用方法のなかでも初期費用がかからないのは、太陽光発電や等価交換
  3. 所有している土地の用途地域に合わせて選ぶのがポイント

「土地の活用をしたいけど、どんな種類ががあるんだろう?」「どうやったら失敗せずに活用していけるかな?」とお悩みではありませんか?自分にとって良い選択をしたいと思うほど、迷ってしまうことでしょう。この記事では土地の活用法について悩んでいる方に向けて、王道から初期費用をかけない土地活用法までをご紹介いたします!記事後半では土地活用で失敗しないための選び方についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

【王道】7種類の土地活用法

王道の土地活用法と呼ばれているものは以下の7つです。

7種類の土地活用法
  1. アパート経営
  2. マンション経営
  3. 賃貸併用住宅
  4. シェアハウス
  5. 戸建賃貸
  6. 駐車場経営
  7. その他(商業施設など)

ここからは、それぞれを詳しく解説していきます。

賃貸のニーズがあるなら「アパート経営」

アパート経営は土地に賃貸のアパートを建てる活用方法です。初期費用がかかりますが土地を持っている状態なので計画的におこなえば問題ないでしょう。敷地の面積に合わせて計画できるのが魅力。土地の固定資産税や都市計画税が安くなり、相続税も節税できるので、お得に土地活用したい方にぴったりの方法です。

 

借りたい人が多そうな場所に建てられると、安定した収益を得られそうですね!

 
 

場所をしっかり選ばないと、入居者が集まらないので気をつけましょう。

 

駅から徒歩圏内や、圏外でも環境が良い場所に土地を所有している方におすすめです。

高い収益が見込める「マンション経営」

マンション経営は土地に賃貸のマンションを建てる活用方法です。鉄筋コンクリート造なので建てる際の費用はアパートより高額になります。しかし建物自体の法定耐用年数が長いため、融資にも期待ができるでしょう。周りの音を感じたくない方や自分たちの音が気になるファミリーなどに需要があるため、高めの賃料を設定可能です。

 

しっかりと場所を選べば、安定して高収益を得られますね!

 
 

家賃が大幅に下がりにくいので、初期投資ができるならマンションも良いでしょう。

 

都心に通勤しやすい場所や人気の住宅地に土地を所有している方におすすめです。

自宅と賃貸が併用の「賃貸併用住宅」

賃貸併用住宅は自宅と賃貸を併設する活用方法で、1つの土地で賃貸にする部分と自分が住む部分が存在する状態です。賃貸併用住宅のメリットは、賃貸として貸し出した分から得られる家賃収入を自宅の住宅ローンにあてられること。

 

お得にマイホームを買えますね!

 

状況に応じて自宅部分を賃貸にすることも可能です。反対に賃貸部分を貸し出さずに二世帯住宅にする選択もできます。節税の観点から見ても、賃貸併用住宅はメリットが大きいです。

 

相続税や固定資産税の節税が期待できます。

 

住居部分が51%以上ならアパートより金利が低い住宅ローンを使用できる可能性もあるので、お得ですね。賃貸ニーズがミスマッチすると大幅に予定が狂ってしまうので、下調べや計画性が重要になる方法です。

共用施設を備えた賃貸住宅「シェアハウス」として活用する

シェアハウスは共用施設を備えた賃貸住宅を建てる活用方法です。1つの建物の中に複数の部屋があり、それぞれの部屋を賃貸として貸し出します。通常のアパートやマンションと異なる点はリビングやキッチン、浴室などの共有スペースを作ることです。若い世代を中心に人気を博しており、居住者同士の交流ができるのが魅力です

 

おしゃれなシェアハウスは、テレビでも取り上げられていますよね!

 

運用は基本的に賃貸アパートやマンションと同じです。しかしながら共有施設と部屋を作るだけなので、建築時の費用を抑えることが可能。初期投資を落ち着かせたい方におすすめでしょう。

 

管理会社へのコストが高くなる傾向があるので、しっかり検討する必要があります。

 

賃貸用の一戸建てを新たに建てる「戸建賃貸」

戸建賃貸は賃貸用の一戸建てを建てる活用方法です。場所やニーズが合致すれば高収益が期待できます。

 

戸建賃貸は生活音を気にするファミリー層に需要がありそうですね!

 
 

庭いじりを楽しみたい方も多いようです。

 

競合が少ないので有利な賃貸経営が見込めるでしょう。借主が購入を希望することも少なくありません。一棟ずつ売却も可能なので、土地の形や面積に合わせて活用しやすい方法です。建てる住宅によっては1家族しか貸せなくなってしまうため、空室期間があると収入が得られなくなってしまうのがデメリットでしょう。

 

入念な下調べが必要そうですが自分が将来住むという選択もできそうですね!

 

立地が良ければ「駐車場経営(コインパーキング・月極駐車場)」

駐車場経営はコインパーキングや月極めの駐車場を作る活用方法。立地さえしっかり合えば、賃貸では活用しづらい土地の形状でも活用可能です。コインパーキングの場合は専門の会社に決まった額を毎月支払って土地を貸し出します。月極駐車場の場合は、自分で管理するか不動産会社に管理をお願いします。

アパートやマンションなどの賃貸経営と比べると、初期投資も抑えられて管理に手間もかかりません。活用したい土地が駅や商業施設の近くにある場合や住宅街の中など、近隣へ訪れる方の駐車利用が見込める場所であれば、価値を見いだせるでしょう。

 

思ったより手軽に始められそうですね!

 
 

費用が抑えられる分、アパートやマンションのような高収益を期待するのは難しいです。

 

ローリスクローリターンな土地活用方法だと言えるでしょう。

その他(商業施設や医療・福祉施設の建設)

最後の土地活用方法は商業施設や医療・福祉施設などの建設です。商業施設の場合、リースバック方式と事業用定期借地方式で分けられます。事業用定期借地方式なら、自己資金0円から経営可能です。リースバック方式であっても初期投資は抑えられます。

 

商業施設は、基本的に地代が収入です。

 

賃貸アパートやマンションと比べると大きな収益は期待できないと考えておきましょう。医療施設の場合、診療所と病院で分けられます。診療所ならベッド数0〜19床以内でコンパクトな施設になるので、キッチンや浴室の設備も必要なく建築費用を抑えることが可能です。

 

初期投資を抑えて、安定した収入が欲しい方にぴったりですね!

 

老人ホームなどの福祉施設は少子高齢化が進んでいる日本では、今後の市場の拡大が期待されています。

 

賃貸アパートやマンションのように、空室に悩まされることがないのは嬉しいですね!

 

初期費用をなるべくかけないで土地活用するなら?

ここからは初期費用をなるべくかけずに土地活用する方法を解説していきます。初期費用が抑えられる土地活用法は以下の3つです。

初期費用が抑えられる土地活用法
  1. 土地を売却したり、貸地にする
  2. 太陽光発電
  3. 等価交換

それぞれ詳しく解説していきます。

土地を売却したり、貸地にする

土地の売却をしたり貸地にしたりするのは初期費用を抑えた土地活用法です。売却後はまとまったお金を得られ、固定資産税を支払う必要もありません。土地の一部のみを売却する方法なら、初期投資の資金に回すことも可能です。

 

売却時には、仲介手数料や登記費用が必要です。

 

売却して得た費用に譲渡所得税もかかるため事前に計算して売却計画を立てましょう。貸地にする場合は借主に建物を建ててもらえるので建築費用がかかりません。商業施設や医療・福祉施設など幅広く活用してもらえるでしょう。

 

建築費用が発生しないのは、かなり初期費用を抑えられますね!

 
 

初期費用が抑えられる分、収益はあまり高くないというデメリットもあります。

 

20年安定収入が見込める「太陽光発電」

太陽光発電は初期費用が抑えられる土地活用方法です。所有している土地に太陽光発電システムを設置して、売った電力で収益を得ます。事業用の太陽光発電システムであれば20年間売電価格が固定されるメリットがあるので、周りに高い建物がないような広い土地を所有している方に、ぴったりです。

 

20年間の安定した収入は、大きなメリットですね!

 
 

設置する自治体によっては、国からの補助金制度なども充実しています。

 

経年劣化による発電効率の低下や破損のリスクは考慮しておかなければなりません。

建物の一部を交換する「等価交換」

建物の一部を交換する等価交換も初期費用が抑えられる土地活用方法です。等価交換は提供した土地に建築会社が費用を負担して建物を建てます。建物が完成すると土地の所有権が建築会社のものに。そして等価になるように建物の一部が土地所有者に渡されます。取得したマンションに自分が住んだり賃貸として貸し出して収益を得たりなど、様々な活用が可能です。たとえば1億円の土地に3億円の建物を建てた場合、土地所有者の割合は1/4なので土地の2,500万円分、建物の7,500万円分が交換されます。

 

思い出が詰まった場所を離れたくない方に良さそうです!

 
 

家系として土地を譲り受けている場合にも良いですね。

 

等価交換は譲渡税の優遇措置も認められているので節税対策を重視したい人にもおすすめです!等価交換の場合、建物の用途制限はないものの、オフィスやマンションが選ばれることが多いです。

 

郊外よりも、都市部の方が向いていそうですね!

 

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土地活用で失敗しないための選び方

ここからは土地活用で失敗しないための選び方について解説していきます。大切なポイントは以下の4つです。

土地活用で失敗しないための大切なポイント
  1. 収益性と安定収入のどちらを重視するか考えて選ぶ
  2. 初期投資の金額を考慮して選ぶ
  3. 節税対策を意識して選ぶ
  4. 土地の用途地域に合わせて選ぶ

それぞれ詳しく解説していきます。

収益性を重視するか、安定収入を重視するかで選ぶ

土地活用を選ぶとき収益性か安定収入のどちらを重視するかを考えましょう。土地活用は多くの収益を期待できる賃貸アパートやマンションの経営などと、継続的に安定した収入が得られる駐車場や医療・福祉施設などの経営で分かれます。自分のリスク許容範囲や、どのくらいの収益をあげていきたいのかをじっくり考えて選ぶと良いでしょう。

初期投資をいくら用意できるかで選ぶ

土地活用を選ぶとき初期投資は大きな判断基準でしょう。どの選択をしても初期投資は必ずついて回ることなので、自分の状況とよく相談しておく必要があります。

 

初期投資をあまりかけずに土地活用したい場合は、駐車場経営がおすすめです。

 

月極め駐車場なら機械の導入も必要ありません。

節税対策も意識して選ぶ

土地活用を選ぶとき節税対策も意識しておきましょう。土地活用は大きな費用となるため、税額に大きな差が出てしまいます。

 

なるべく節税したいなら、賃貸アパートやマンションなどでしょう。

 

他にも補助金が見込める福祉施設や太陽光発電も選択肢に入れていいかもしれません。

所有している土地の用途地域に合わせて選ぶ

土地活用を選ぶとき土地の用途地域に合わせて選びましょう。土地は利用できる用途が決まっているので、土地の用途地域を調べておくのは重要です。

 

好きなように建物を建てられるわけではないのですね!

 
 

場所ごとに建物の大きさなどが決められているため、事前の下調べはしっかりしておく必要があります。

 

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まとめ

この記事では土地の活用法について悩んでいる方に向けて、土地の活用方法を解説してきました。王道の土地活用方法は、アパートやマンション、戸建などの賃貸経営と、駐車場経営や商業施設などの貸地経営です。土地活用方法のなかでも初期費用がかからないのは、太陽光発電や等価交換でした。土地活用を選ぶときは自分が何を重視しているのかを明確にしたうえで取り掛かりましょう。この機会に有意義な土地活用を始めてみてはいかがでしょうか?