中古マンション購入・リフォーム時の補助金まとめ【2022年】

空き家の増加が顕著な現象になっている中、政府は中古マンションを含めた中古住宅の流通促進に力を注いでいます。

「安心R住宅」の創設など、これまでの中古住宅のイメージを刷新する制度なども出てきました。今回の記事では、中古マンションを購入するにあたり、家計や資金計画で役立つ減税や補助金の制度に重点を置き解説します。

購入・リフォーム時の補助金についてまとめ
  1. 住宅購入時に減税や給付金などが受けられる
  2. 控除や給付金には一定の条件があり満たした上で期間内に家を購入・リフォームした人が対象
  3. 住宅購入資金に関係した贈与税の対策条件
この記事の監修者
宅地建物取引士
三上 隆太郎

宅地建物取引士、2級FP技能士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士。

株式会社MKM代表取締役。 大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。 個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタント・インスペクターを経験し、中古+リノベーションのボランタリーチェーン展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。

政府の住宅購入支援策

 

様々な減税や補助金の制度があるみたいですが、整理して教えてください!

 
 

そうですね!減税と一言でいっても、所得税・住民税、登録免許税、贈与税、不動産取得税など様々な減税の種類があります。

 

中古マンション購入時の減税制度

中古マンション購入で適用できる減税制度をまとめると下表の通りです。

税金の種類 減税制度
所得税
住宅ローン控除
投資型減税
買換えのために住宅を売り、譲渡益が出た場合の長期譲渡所得の特例
住宅を買い換えた時の所得税の減税(譲渡損失が生じた場合の特例)
登録免許税
低炭素住宅の登録免許税の軽減
贈与税
住宅取得資金に係る贈与税の非課税措置
不動産取得税
中古住宅の不動産取得税の軽減措置

中古マンション購入時の補助金・ポイント制度

中古マンション購入で適用できる補助金・ポイント制度をまとめると下表の通りです。

補助金・ポイント
補助金制度・ポイント制度
補助金
市町村住宅関連補助金制度
すまい給付金
ネット・ゼロ・エネルギーハウス支援事業
住宅ストック循環支援事業
長期優良住宅リフォーム推進事業
若者の中古住宅購入時のエコリフォーム補助金
ポイント
次世代住宅ポイント制度(令和2年3月31日受付終了)
グリーン住宅ポイント(令和3年10月31日までの売買契約)

政府の消費税率引上げに伴う住宅取得支援策 ※1

令和元年10月1日に消費税率が10%に引上げられました。それに伴い、政府は住宅取得支援策として、主に4つの制度の拡充・創設を行いました。

支援制度 制度内容
住宅ローン控除
控除期間が10年から13年に延長
中古マンション購入価格の消費税2%減税
控除額が所得税よりも多い場合、住民税からも控除可
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
贈与税の非課税枠が最大1,200万円から最大3,000万円に拡大
すまい給付金
給付額が最大30万円から50万円に拡充
次世代住宅ポイント制度(令和2年3月31日受付終了)
中古マンション購入後、リフォーム工事を行う場合、最大60万ポイント(60万円相当)給付

今回は、上記4つの支援制度を中心に条件・注意点を解説します。

住宅ローン控除

 

住宅ローン控除の注意点は何でしょうか?

 
 

床面積と耐震性を証明する書類などが必要です。

 

住宅ローン控除とは?

住宅ローンを利用して住宅を取得する際、住宅ローンの金利負担を軽減する制度です。年末の住宅ローン残高または住宅取得価格を比較し、小さい金額の1%が所得税から10年間に亘り控除されます。消費税率10%の住宅を取得し、2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合、住宅ローン控除期間が13年間になります。

居住開始時期 2014/4/1~2019/9/30 2019/10/1~2020/12/31 2021/1/1~2021/12/31
消費税率 8% 10%
控除期間 10年 13年 10年
所得税からの
最大限度額
年末住宅ローン残高×1%(上限4,000万円) [1~10年目]年末住宅ローン残高×1%(上限4,000万円) 年末住宅ローン残高×1%(上限4,000万円)
[11~13年目]いずれか小さい金額①年末住宅ローン残高×1%(上限4,000万円)②建物購入価格×2%÷3
住民税からの控除限度額 136,500円/年と前年度課税所得×7%を
比較して小さい方の金額

    住宅ローン控除の所得税・住民税からの控除額

住宅ローン控除の条件

中古マンションを購入する場合の住宅ローン控除の適用条件は下表の通りです。

項目 内容
居住条件
取得日から6ヵ月以内に居住し、住宅ローン控除の適用年の12月31まで住んでいること
床面積
50㎡以上(登記面積)※令和3年度の税制改正で40㎡に緩和
所得金額 3,000万円以下※40㎡~50㎡は所得1,000万円以下
借入金・負債
住宅ローンを返済期間10年以上組んでいること
課税の特例の適用
住宅を譲渡した際の長期譲渡所得の課税の特例などを受けていないこと
使用済住宅
既に使用された住宅であること
築年数
耐震性
①~④のいずれかに該当すること
①築20年以内:耐火建築物以外(木造など)
 築25年以内:耐火建築物
②耐震基準適合証明書を取得
③既存住宅性能評価書:耐震等級1以上
④既存受託売買瑕疵保険:付保証明書

住宅ローン控除の注意点

1.床面積

中古マンションの場合は内法寸法による床面積となります。壁芯寸法による床面積よりも若干小さくなりますので、中古マンションの壁芯寸法による床面積が52㎡位のときは、登記を行う司法書士に確認を取ることをお勧めします。

2.借入金・債務

勤務先からの借入金の場合、0.2%未満の利率は住宅ローン控除の対象外となります。

3.耐震性

上表の築年数・耐震性の項目にもあるように、耐震性を保証する書類①~④のいずれか一つの添付が必要となります。

令和4年度以降の住宅ローン減税

令和3年12月24日、令和4年度の税制改正において住宅ローン減税の延長等が盛り込まれた案が閣議決定されました。新型コロナで落ち込んだ経済の回復を図る狙いで、引き続き住宅ローン減税などの特例措置を受けることができます。(令和4年3月22日 関連税制法は国会で成立しました。)

期間の延長 令和7年の入居分まで4年間延長
控除率の引き下げ 年末時点のローン残高の控除率を1%から0.7%に引き下げ
控除を受けられる期間 新築住宅は13年間、中古住宅は10年間に変更
所得要件の変更 現在の3,000万円から2,000万円に引き下げ
控除対象の借り入れ限度額(再来年の入居分まで) 環境、バリアフリーに配慮した「認定住宅」は5,000万円、一定以上の省エネ対策をしている場合は、性能により4,500万円か4,000万円、その他の住宅は3,000万円が限度となる

参考:国土交通省HP

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

 
 

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の主な条件は何ですか?

 

 

受贈者が贈与者の直系卑属であることなどです。

 

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置とは?

直系尊属の父母や祖父母などから、住宅の取得もしくはリフォーム等の資金の贈与を受けた場合、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。

契約年
右記以外の方(※1)
消費税率10%が適用される方
質の高い住宅
左記以外の住宅
(一般住宅)
質の高い住宅
左記以外の住宅
(一般住宅)
平成28年1月~平成31年3月
1,200万円
700万円
平成31年4月~令和2年3月 3,000万円 2,500万円
令和2年4月~令和3年3月 1,000万円 500万円 1,500万円 1,000万円
令和3年4月~令和3年12月 800万円 300万円 1,200万円 700万円

*1住宅取得支援策: 右記以外の方 消費税率8%の適用を受けて住宅取得した方の他、個人間売買により住宅取得した方

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の条件

中古マンションを購入する場合の「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」の適用条件は下表の通りです。

対象 項目 内容
受贈者の条件
住民登録
贈与時に日本国内の住所にあること
血続
贈与時に贈与者の直系卑属であること
年齢
贈与年の1月1日の時点で20歳以上であること
所得金額
贈与年の合計所得が2,000万円以下であること
住宅取得期限
贈与年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を使い取得すること
居住条件
贈与年の翌年3月15日までに、取得した中古マンションに居住すること
住宅の条件
床面積
中古マンションの専有面積が50㎡以上240㎡以下で、床面積の2分の1以上が受贈者の居住されるものであること
①~③のいずれかに該当すること
①建築後未使用のもの
②建築後使用済のもので
 築20年以内(木造など)もしくは
 築25年以内(耐火建築物)に建築されたもの
③建築後使用済のもので、耐震性に適合するものとして
 耐震基準適合証明書(住宅取得2年以内に調査終了したもの)
 建築住宅製法評価書(住宅取得2年以内に評価、耐震等級1以上)
 既存住宅売買瑕疵保険付保証明書(住宅取得2年以内に締結)

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の注意点

1.「質の高い住宅」の基準

「質の高い住宅」は、下記いずれかの基準を満たす住宅です。

「質の高い住宅」

  1. 断熱等性能等級4もしくは1次エネルギー消費量等級4以上の住宅
  2. 耐震等級2以上もしくは免震建築物の住宅
  3. 高齢者等配慮対策等級3以上の住宅

2.中古マンションの「質の高い住宅」の必要書類

下記のいずれかの書類が必要です。

認定に必要な書類

  1. 住宅性能証明書
  2. 既存住宅に係る建設住宅性能評価書の写し

3.東日本大震災の被災者

東日本大震災の被災者には、床面積の上限240㎡は適用されません。

令和4年度以降の住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置

住宅ローン減税と同様に、住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置についても下記のとおり延長案が発表されています。こちらも今後の国会での関連税制法案が成立することが前提となりますので、ご注意ください。

適用期限延長
(令和4~5年)2年間延長
非課税限度額 良質な住宅 1,000万円
その他の住宅 500万円
既存住宅の築年数要件
昭和57年以降に建築された住宅(新耐震基準適合住宅)に緩和

参考:国土交通省HP

すまい給付金

 

すまい給付金の注意点は何ですか?

 

 

売主と床面積などです。

 

すまい給付金とは?

消費税増税による住宅取得者の負担軽減のため創設された制度です。住宅ローン控除は所得税・住民税から控除する仕組みですが、収入が低い層の場合、効果は薄れますそれを補うために補助金を給付するものです。

すまい給付金の条件

中古マンションを購入する場合のすまい給付金の適用条件は下表の通りです。

項目 内容
居住条件
住民票において取得した住宅への居住が確認できること
所得金額
消費税率8%の場合:収入目安が510万円以下
 給付基礎額は10~30万円
消費税率10%の場合:収入目安が775万円以下
 給付基礎額は10~50万円
床面積
50㎡以上(登記面積)
借入金・債務
住宅ローンを返済期間で5年以上組んでいること
消費税率
引き上げ後の消費税率(8%もしくは10%)が適用されること
築年数
耐震性
第三者機関の検査に合格した住宅であること(いずれか一つに該当すること)
①既存住宅売買瑕疵保険へ加入した住宅
②既存住宅性能表示制度において耐震等級1以上獲得した住宅
③住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅:建設後10年以内
④建設住宅性能表示制度を利用している住宅:建設後10年以内

すまい給付金の注意点

1.売主

中古マンションの売主は、宅地建物取引業者が条件となります。個人の場合、売買契約した場合の消費税がかかりませんので、すまい給付金の対象外となります。

売主 消費税 すまい給付金
宅地建物取引業者 課税対象 給付対象
個人 非課税 給付対象外

2.実施期間

すまい給付金は、消費税率が8%に引上げられる2014年4月に引渡しされた住宅から、2021年12月までに引渡し・入居した住宅が対象です。

引渡し・入居期間 ~2014年3月 2014年4月~2019年9月 2019年10月~2021年12月 2022年1月~
消費税率 5% 8% 10%
すまい給付金 対象外 対象 対象外

※分譲住宅・中古住宅の取得の場合:令和2年12月1日から令和3年11月30日までに契約をした場合、令和4年12月までに引渡しされ入居が完了した住宅までが対象。

3.床面積

中古マンションの場合は内法寸法による床面積となります。壁芯寸法による床面積よりも若干小さくなります。中古マンションの壁芯寸法による床面積が52㎡位のときは、登記面積が50㎡以上になるか、未満になるか判断の難しい点ですので、司法書士に確認を取ることをお勧めします。

次世代住宅ポイント(令和2年3月31日で申請受付は終了しました)

 

次世代住宅ポイントの注意点は何ですか?

 

 

売買契約締結から3か月以内にリフォーム工事請負契約締結です。

 

次世代住宅ポイントとは?

省エネ性能、バリアフリー性能、耐震性能などを備えた住宅や家事負担の軽減に貢献するリフォームに対してポイントを発行し、様々な商品と交換できる制度です。中古マンションを購入してリフォームする場合の獲得ポイント(上限)は下表の通りです。

若者世帯あるいは子育て世帯の該当有無 既存住宅購入の有無 居住用件 上限ポイント数
若者世帯あるいは
子育て世帯の該当有無
既存住宅購入
リフォームを行う場合
自ら居住
60万ポイント/戸
自ら居住する住宅でリフォームを行う場合
45万ポイント/戸
若者世帯あるいは
子育て世帯以外の世帯
「安心R住宅」購入
リフォームを行う場合
45万ポイント/戸
上記以外のリフォームを行う場合 全ての住宅
30万ポイント/戸

次世代住宅ポイントの条件

中古マンションを購入する場合の次世代住宅ポイントの適用条件は、下表のいずれかのリフォーム工事を行った場合です。

対象となるリフォーム工事
1 開口部断熱改修
2
外壁、屋根・天井、床の断熱改修
3
エコ住宅設備の設置
4
バリアフリー改修
5 耐震改修
6
家事負担軽減に役立つ設備の設置
7
リフォーム瑕疵保険の加入
8
インスペクション(建物状況調査)の実施
9
若者・子育て世帯が中古マンションを購入して行う一定規模以上のリフォーム

次世代住宅ポイントの注意点!

1.リフォーム工事請負契約締結

中古マンションを購入しただけでは、次世代住宅ポイントの対象になりません。売買契約締結後3か月以内にリフォーム工事の請負契約締結が条件となります。

2.事業予算枠

リフォームの場合、事業予算枠が268億円と決められていますので、申込みが事業予算に達した段階で終了します。

3.ポイント発行申請

ポイント発行申請の最低限のポイント数は、20,000ポイントです。それ以上になるリフォーム工事が必要です。

4.登録商品

事前に次世代住宅ポイント事務局に登録された商品を使用したリフォーム工事だけが、対象になります。

中古マンション購入後に利用できる補助金・助成金

こどもみらい住宅支援事業NEW!!

子育て支援及び2050年カーボンニュートラルの実現の観点から、​子育て世帯や若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や​住宅の省エネ改修等に対して補助することにで、住宅取得に伴う​負担軽減を図り、省エネ性能を有する住宅ストックの形成を図ることを目的としています。

事業名
こどもみらい住宅支援事業
予算額 600億円(令和4年度予備費等による)
補助事業と対象者​
① 注文住宅の新築(建築主)② 新築分譲住宅の購入(購入者)③ リフォーム(工事発注者)
※①注文住宅の新築および②新築分譲住宅の購入については、子育て世帯又は若者夫婦世帯が取得する場合に限ります。
補助額
①注文住宅の新築 ②新築分譲住宅の購入
住宅の省エネ性能等に応じて60万円から100万円
③リフォーム
実施する補助対象工事および発注者の属性等に応じて5万円から60万円
事業内容
省エネ効果(15%)以上が見込まれる回収率を満たす高性能建材(断熱材、窓、ガラス)を用いた既存住宅の断熱リフォーム事業
対象期間
契約期間 2023年3月31日 (一定の省エネ性能を有する住宅については、2022630
着工期間 事業者登録以降
交付申請期間 2023331日※
(交付申請の予約期間 2023228日※)

※締め切りは、予算の執行状況に応じて公表されます。

参考:国土交通省こどもみらい住宅支援事業HP

補助対象者や申請などは様々な細かい決まりがあるため、利用を希望される方は国土交通省こどもみらい住宅支援事業HPをよく読み込んだうえ、工事を依頼する事業者にも工事が対象になるかなどきちんど確認することが大切です。

まとめ

以上、減税や補助金の主とした制度の概略を説明しました。条件が整えば、これらの制度の併用も可能です。それぞれの制度には期限が設けられていますが、景気判断により延長する可能性もあります。まめに住宅支援制度をチェックして、中古マンションの購入を検討されることをお勧めします。

出所

※1 「消費税率引上げに伴う住宅取得に係る対応について」 国土交通省住宅局