プチリノベーションとは?低予算で部屋の印象が大きく変える方法

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のざっくりとしたポイント
  1. プチリノベーションとは、お部屋の一部分をお手軽・低コストな手法で改修することを指す
  2. 壁は面積が広いため、壁紙を変えるだけで部屋の印象を大きく変えることが可能
  3. 内装関係のDIYは初心者でもとっつきやすく、手軽に部屋全体の雰囲気を変えることがでる
今の家に住み始めて早5年、少し飽きがきてしまいました。お手軽に部屋の印象を変えるにはどんな方法がありますか。

事務員

浜崎編集長

そういうことなら、いつものお部屋にちょっとした工夫を加える「プチリノベーション」がおすすめです。昨今、DIYのブームにより、素人でも簡単に部屋の雰囲気を変える商品が充実しています。それらを活用すれば、理想の家づくりに一歩近づくことができますよ。

今回は、リノベーションを検討している方に向けて、低予算でできるプチリノベーション手法を数々ご紹介します。後半では、実際のプチリノベーション事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

プチリノベーションとは?

プチリノベーションとは、お部屋の一部分をお手軽・低コストな手法で改修することを指します。安価にお部屋の雰囲気を良くすることができるので、マイホームにも投資用物件にもおすすめのリノベーション手法です。

浜崎編集長

プチリノベーションは、業者に依頼しなければできない水道・電気・ガスなどの設備の改修ではなく、DIYでもできるような内装の変更といったイメージで用いられることの多い言葉です。

初心者でもDIYできる!低予算で部屋の印象を大きく変える方法

初心者の私でもDIYでできるプチリノベーションにはどんなものがありますか?

事務員

浜崎編集長

部屋の印象を大きく変えたいなら、面積の広い壁と床をプチリノベーションするのがおすすめです。 初心者でもDIYできる内容として、壁ならクロスの張り替えや漆喰塗り、床ならクッションフロアやフロアタイルがあります。それぞれ詳しく説明していきましょう。

壁をプチリノベーションする方法

壁は面積が広いため、壁紙を変えるだけで部屋の印象を大きく変えることができます。今回は、クロスの張り替えと壁を漆喰で塗りなおす2つの方法をご紹介します。

◇クロスの張り替え

クロスの張り替えは、お手軽に部屋の雰囲気を変えることができるプチリノベーションです。近年は、 IKEAなどで北欧の壁紙が手軽に購入できるようになりました。北欧は日照時間が短く家の滞在時間が長いことから、壁紙も個性的なものが数多くあります。

部屋全体の壁紙を変更して統一感を出すのも良いですが、低予算で済ませるためには、施工面積を最小限にするために、壁の一面だけアクセントとなる壁紙を張り変える「アクセントクロス」がおすすめです。

DIYで壁紙を張り替える場合、まずは家具を移動させ、床やコンセントなどを新聞紙と養生テープで覆います。既存の壁紙を剥がした下地にローラーハケでのりを塗り、スムーサーで壁紙を圧着していきます。余った箇所はカッターで切り取り、完了です。

費用感としては、壁紙が約800円~1,500円/㎡程度壁紙のりや各種道具が入ったセットが1,500円程度別途養生材(養生テープや古新聞など)となります。セットにはローラーハケ、ローラーバケット(のりを入れる容器)、カッター、スムーサー(壁紙を壁に圧着するプラスチック製の道具)などが入っており、面積によりますが1万円程度でアクセントクロスの張り替えを行うことができます。

浜崎編集長

DIYが苦手な方には、賃貸物件にも使えるシールタイプの壁紙がおすすめです。ニトリの「貼ってはがせるシール壁紙」シリーズはお店で現物を確認できるので、一度チェックしてみてくださいね。

◇漆喰

持ち家にお住まいの場合で、こだわった壁にしたいのであれば、漆喰を壁に塗り付けるのもおすすめです。

漆喰を塗りつける場合の作業としては、クロス張り替えと同様に養生した後、壁紙をはがした下地に下地材と漆喰を順番に塗っていくだけです。

材料はコテ板の上でよく練り、コテで薄く延ばしていきます。商品にもよりますが、下地材を一度塗り乾かし、漆喰は二度塗りするとまんべんなくうまく塗ることができます。

費用感としては、漆喰が990〜1,600円/㎡程度(下地材を使用する場合は+1,000円/㎡程度)、コテとコテ板で3,000円程度別途養生材(養生テープや古新聞など)が必要になります。

浜崎編集長

漆喰でおすすめの商品は 、「漆喰うま~くヌレール」です。DIY用に設計された商品で、HPに初心者向けの塗り方が動画付きで紹介されています。壁紙をはがさなくとも使える商品もありますので、気になる方はチェックしてみてください。

床をプチリノベーションする方法

床のリノベーションも一見難しそうに見えますが、「クッションフロア」や「フロアタイル」を貼る方法であれば一人でも十分DIYが可能です。

◇クッションフロア

クッションフロアは、塩化ビニル素材のシート状の床材です。幅が180㎝あり、つなぎ目部分を少なくできるので、水回りなどで良く使われます。クッション性があり足音や足腰の負担を軽減してくれる効果もある為、そういった目的で採用するのも良いでしょう。

作業としては、既存の床をよく清掃した後、専用の接着剤で張り付け、余った部分をカッターで切り取ります。

費用感としては、クッションフロアが約2,500円~4,000円/㎡程度張るための各種道具が入ったセットが1,500円程度です。道具はクロス張り替えと同じものを流用することができます。

◇フロアタイル

フロアタイルはピースに分かれた床材です。クッションフロアのようにシート状ではなく、フローリングのように並べて貼っていくのが特徴です。柄は木目のものからタイル調のものまで様々あり、フローリングの代替としても利用されます。フロアタイルは表面が傷つきにくく、耐久性に優れているので、子供部屋などに採用するのも良いでしょう。

作業としては、クッションフロア同様清掃した既存の床の上に張り付けていき、余った箇所はカッターで切り取るだけです。DIY初心者用に、置くだけのタイプやシールをはがして張るタイプもあります。

費用感としては、約1,500円~4,000円/㎡程度です。シール付けがされているものが多く、専用の道具が不要なのが嬉しいところです。

浜崎編集長

クッションフロア・フロアタイルともに、元の床の上に剝がれやすいマスキングテープ貼って、その上から両面テープ等を使って固定することで、剥がす時に跡が残りづらく賃貸物件でも使用することができます。

その他、少しハードルは高いですが、フローリングの張り替えをDIY でする方もいます。

フローリングを張り替えるためには、道具と手間がかかります。既存の床を剥がし、下地の調整をし、釘とボンドでフローリングをはめ込みながら固定していきます。フローリングのカットにはノコギリを使う必要がありますし、既存の床が畳や絨毯の場合は剥がした後の断熱材などを仕込む必要がある場合もあります。

非常に手間はかかりますが、クッションフロアでは表現できない木の自然な味わいを低予算で導入したい場合は、挑戦してみるのもよいかもしれません。

収納をプチリノベーションする方法

壁面収納も、ツーバイフォー材と「ディアウォール」や「ラブリコ」などの便利グッズを用いてDIYすることができます。

ツーバイフォー材とは、2インチ(50.8㎜)x4インチ(101.6㎜)の角材を指します。安価で大量に流通していることから建築にもよく使用され、ホームセンターで好きな長さにカットして購入できます。

「ディアウォール」や「ラブリコ」は、ツーバイフォー材の上下に取り付け、突っ張り棒の要領で天井と床面を傷つけることなく柱を作ることができる便利グッズです。できた柱に引っ掛け型の収納をつけ、自転車やギターなどの重量のあるものでも収納することができます。

浜崎編集長

壁に穴を開ける必要がないため、賃貸物件でも使用することができるのが良いですね。

予算100万円で機能性を大幅に高めるプチリノベーションとは?

なんだか、自分でもできそうな気がしてきました!設備関係のDIYは少しハードルが高いのですが、予算100万円程度で業者に頼めるプチリノベーションにはどんなものがありますか?

事務員

浜崎編集長

電気・ガス・水道も関わる設備関係の工事は、内容によっては危険があるため、業者に依頼する場合がほとんどでしょう。

業者に低予算で頼める人気のプチリノベーション事例として、照明とキッチンのプチリノベーション事例をご紹介します。

照明をプチリノベーションする方法

低予算で人気の照明プチリノベーションは、天井に「ダクトレール」を設置することです。

ダクトレールとは、スポットライトなどの照明器具を取り付けるためのレールです。ダクトは「導管」の意味で、レール上に流れる電流により好きな箇所に好みの照明を取り付けることができます。また、ダクトレールには専用のS字フックも取り付けることができ、ドライフラワーなどの天井から吊るすインテリアを飾る人もいます。

最近は暖色系のLEDの種類も増えたことから、LEDの間接照明を取り付けるとムーディな雰囲気を演出できます。

ダクトレールの取り付けの費用感としては、で4,000円~10,000円/m程度です。

キッチンをプチリノベーションする方法

毎日使用するキッチンは、予算が少なくともリフォームしたいところです。予算100万円があれば、使い勝手の良いシステムキッチンに変更することができます。

トクラスのシステムキッチン「Bb」シリーズは、I型2,550mmで約78.3万円(税抜)から購入することができます。

また、リクシルの「シエラS」シリーズは、同じI型2,550㎜で約66万円(税抜)から購入できます。施工費用含めても100万円程度で収めることができるので、一度検討されてみてはいかがでしょうか。

浜崎編集長

もっと手軽に雰囲気だけ変えたい!という方は、キッチンの壁面にDIY でインテリアシートを貼るのもおすすめです。ニトリの「簡単DIYリフォームができるタイルシール」は、カラフルな細かいタイル模様のシールで、水回りをかわいく見せることができますよ。

低予算でもできた!プチリノベーション事例

浜崎編集長

ここでは、100万円程度でできたプチリノベーション事例をご紹介します。

リビングの壁面&収納プチリノベーション

費用:123万円

この事例では、間取りを一切変えずに壁面のクロス張り替えと収納の追加のみを行うことで、低予算でイメージを大きく変えています。リビングの壁紙はかわいらしい水色のアクセントクロスにその壁には「魅せる収納」としてオリジナルシェルフを取り付けました。一体感を出すため、キッチン側にも同じくオリジナルシェルフを設置しています。

参考サイト:nuリノベーション

予算が少なくても理想の住まいは手に入る!

今回は、低予算でできるプチリノベーション事例についてご紹介しました。

内装関係のDIYは初心者でもとっつきやすく、手軽に部屋全体の雰囲気を変えることができます。

昨今 DIY がブームということもあり、初心者向けに手軽にプチリノベーションができる商品が充実しています。YouTubeなどでもDIYのやり方を見ることができるようになりましたので、初心者の方でも、思い切って挑戦してみてはいかがでしょうか。

予算が少なくとも、工夫次第で理想の住まいを手に入れることは十分可能です。プチリノベーションで理想の住まいを手に入れましょう。