- 固定資産税とは不動産を所有している人に課される地方税
- 10〜15万円が相場で、活用できる軽減措置がある
課税ミスは意外とあるので注意
マンションを購入すると、いくら固定資産税を支払わなければならないのか気になりませんか?特に賃貸住宅に住んでいた人は、今まで支払っていないので余計そう思うのではないでしょうか。
新築・中古を問わず、マンションを購入すると固定資産税を納める必要があります。
しかし、中古マンションは建てられてから一定の期日を経過しているため、資産価値が劣化し固定資産税も減額するのです。
そこで本記事では、「固定資産税とは」と言った基礎的な概要から、固定資産税の計算方法・軽減措置・築30年や築40年の中古マンション・団地の固定資産税のシミュレーション等について解説します。
中山編集者
浜崎編集長
中古マンションや団地の固定資産税とは|築40年の場合は?
浜崎編集長
そもそも固定資産税とは
固定資産税とは、1月1日時点で土地や建物などの不動産を所有している人に課せられる地方税のことです。毎年1月1日時点における土地や建物の評価額が算出され、その評価額に一定の税率が課せられます。
固定資産税の税額は、下記の式により算出できます。
固定資産税額 | 固定資産税評価額×1.4%(※標準税率) |
※各市町村の判断で税率の変更が可能
毎年5~6月頃の「固定資産税納税通知書」が郵送されてくるので、その通知書の内容にしたがって一括で支払うか、もしくは複数回に分けて支払うかを選択できます。また、固定資産税評価額は3年に1回のペースで見直されます。
固定資産税評価額と固定資産税課税標準額の違い
中山編集者
浜崎編集長
中山編集者
基本的に、固定資産税評価額と固定資産税課税標準額とは同じです。しかし、すべての不動産における固定資産税が、固定資産税評価額から算出されるわけではなく、中には固定資産税の軽減措置や負担調整率が設けられている場合があります。
例えば住宅地の場合だと、200平方メートルまでの部分は小規模宅地用地の特例措置が適用されるため、固定資産税の課税標準額は固定資産税評価額の6分の1になります。
よって、不動産の種類や条件によっては、固定資産税評価額と固定資産税課税標準額は必ずしも一致しないのです。
マンション・団地の固定資産税について
中古マンションを購入する場合は、売主が過去に支払った…もしくは今年請求されている固定資産税額が分かれば、自分の支払うべき税額を知ることが可能です。
マンションを所有している場合、土地を所有しているという感覚がない人が多く、固定資産税においても建物部分だけに目がいきがちになります。しかし、マンションを購入した場合は、当然ながら「土地」も保有していることになります。
なぜなら、マンションが建築されている土地は、そのマンションの所有者全員で共有しているという扱いになるからです。また土地の持ち分は、自分が所有する部屋の広さによって決まり、「土地の総面積×持ち分割合」という計算式で算出できます。したがって、マンションを購入した場合は、「土地の総面積にかかる固定資産税×持ち分割合」により固定資産税が課税されます。
また、マンションに加えて団地においても、土地の所有権に関する評価は、建物の共有持分に応じて全体の敷地から割り当てられたものとなります。築40年前後の中古の団地では、広々とした敷地や総容積率に余裕がある場合があります。そのため、建物の価格を上回る土地の資産価値が期待できます。
中山編集者
浜崎編集長
評価額が上がることもある
土地の価格が上昇すればそれだけ評価額も上がることがあります。土地の値上がりは資産が増加していることを意味しており好ましいことです。ただ、売却しない限り実現利益にはなりません。含み益のままだと固定資産税額が上がるデメリットもあると理解しておきましょう。建物部分については、築年数が経つにつれて評価額が着実に減少していくのが基本です。中古マンションの固定資産税が新築よりも安くなるのは、築年数の経過により評価額が下がるからです。
築年数ごとに評価額がどの程度減額されるのかが定められているため、仮に建物を丁寧に使っていたとしても評価額が高止まりすることはありません。そのため、築年数が経っていてもリノベーション工事がされて室内がきれいな中古マンションは固定資産税の観点からは購入する価値が高いと言えます。
浜崎編集長
新築マンションは固定資産税評価額に基づいて算出する
固定資産税は、地方自治体が定める固定資産税評価額に基づいて算出されます。しかし新築マンションの場合は建物の調査が済んでいないので、固定資産税評価額が確定していない場合が多いです。そのため正確な固定資産税評価額は入居した後に決まりますが、概算額については、モデルルームで尋ねれば教えてもらえます。
中古マンションは固定資産税台帳を見れば分かる
中古マンションの場合は、市町村の固定資産税台帳を閲覧することにより、固定資産税評価額が分かります。また縦覧制度によりほかの土地や家屋の価格を比較、し適正かどうかを判断できます。また1月1日時点の所有者に対して、市町村から固定資産税課税明細書が送られてくるのでこれを見て知ることができます。
中古住宅を購入する場合、固定資産税評価額はすでに決まっているので、不動産仲介会社に聞いてみましょう。
戸建てよりもマンションの方が耐用年数が長い
固定資産税評価額は築年数が経つと減少することはすでに示しました。 そこで中古マンションは新築と比べて固定資産税負担が軽くなりますが、耐用年数が比較的短い戸建てと比べて築年数の経過に伴う評価額の減少が限定的です。 マンションの場合はその大半がSRCやRC構造であり47年と法定耐用年数が長めに設定されているのがその理由となります。
これは木造住宅の22年と比べて2倍以上の長さです。築30年の中古住宅の場合、戸建てなら耐用年数が過ぎているのに対してマンションなら耐用年数までまだ15年以上あることになります。耐用年数が長ければ1年当たりの評価額減少率が小さくなり税の負担はその分おもくなります。
中古マンションと中古戸建ての評価額を同じ築年数で比較した場合、戸建てのほうが新築時からの下落率が大きいのです。
浜崎編集長
中山編集者
中古マンションの固定資産税の計算方法
マンションの固定資産税の計算方法について解説します。
下記の計算方法は一般的な計算式になります。
土地や建物について一定の条件を満たしている場合は、さらに軽減措置が適用されます。
土地 | 固定資産税評価額×1.4% |
建物 | 固定資産税評価額×1.4% |
土地の固定資産税の評価は次のように行われます。
- 地価公示価格
- 不動産鑑定士などによる評価額
土地の固定資産税の評価は国土交通省のホームページでも確認できますので参考にしてみてください。
浜崎編集長
中山編集者
土地の軽減措置
条件 | 軽減措置の内容 |
一戸当たり200㎡以下 | 固定資産税評価額を1/6に軽減 |
一戸当たり200㎡を超える | 固定資産税評価額を1/3に軽減 |
建物の軽減措置
条件 | 軽減措置の内容 |
築5年以内のマンションの場合 | 固定資産税評価額を1/2に軽減 |
浜崎編集長
土地評価額 | 建物評価額 | 専有面積 | 築年数 | |
Aマンション | 2,000万円 | 500万円 | 90㎡ | 7年 |
Bマンション | 2,000万円 | 500万円 | 90㎡ | 3年 |
Aマンションの場合
土地の固定資産税 | 2,000万円×1/6×1.4 % = 約4.6万円 |
建物の固定資産税 | 500万円×1.4 % = 7万円 |
合計 | 約11.6万円 |
Bマンションの場合(築5年以内のため建物の固定資産評価額を1/2に軽減)
土地の固定資産税 | 2,000万円×1/6×1.4 % = 約4.6万円 |
建物の固定資産税 | 500万円×1/2×1.4 % = 3.5万円 |
合計 | 約8.1万円 |
浜崎編集長
マンションの固定資産税をシミュレーション【築30年・築40年など】
固定資産税の税額は、すでに述べましたが下記の式により算出します。
固定資産税額 | 固定資産税評価額×1.4%(※標準税率) |
中古物件の場合経年減価補正率を掛けて算出します。
中古物件の固定資産税額 | 固定資産税評価額×経年減価補正率×1.4% |
中山編集者
浜崎編集長
中山編集者
浜崎編集長
非木造建物減価補正率
なお木造建物の減価補正率は10年で0.50%・20年で0.26%・27年以降は0.20%で大きく下落します。
中山編集者
浜崎編集長
それではマンションの固定資産税は、築年数でどのように変わってくるのが例を挙げてシミュレーションしてみましょう。
専有面積:70㎡(所在地:東京都)
土地の固定資産税評価額:2,400万円(土地の評価額は毎年変わらないものとします)
新築時建物の固定資産税評価額:1,000万円
新築マンションの固定資産税
計算のポイントは、5年間の軽減措置と建物の「経年減価補正率」の適用です。
■土地
200㎡以下なので1/6になる軽減措置が適用されます。
土地の固定資産税額 | 2,400万円×1.4%×1/6 =56,000円 |
■建物
新築から5年間は1/2軽減措置が適用されます。
建物の固定資産税額 | 1,000万円×1.4%×1/2 =70,000円 |
よって、マンションの固定資産税納税額は126,000円となります。
築6年中古マンションの固定資産税
■土地
土地の固定資産税額 | 2,400万円×1.4%×1/6 =56,000円 |
■建物
新築から5年間を過ぎるので建物の軽減措置はなくなります。ただし築6年の建物減価補正率0.8335が適用。
建物の固定資産税額 | 1,000万円×0.8335×1.4% =116,690円 |
よって、築6年の中古マンションの固定資産税納税額は172,690円となります。
浜崎編集長
築15年中古マンションの固定資産税
■土地
土地の固定資産税額 | 2,400万円×1.4%×1/6 =56,000円 |
■建物
築15年の建物減価補正率0.6225が適用されます。
建物の固定資産税額 | 1,000万円×0.6225×1.4% =87,150円 |
よって、築15年の中古マンションの固定資産税納税額は143,150円となります。
築25年中古マンションの固定資産税
■土地
土地の固定資産税額 | 2,400万円×1.4%×1/6 =56,000円 |
■建物
築25年の建物減価補正率0.3992が適用されます。
建物の固定資産税額 | 1,000万円×0.3992×1.4% =55,888円 |
よって、築25年の中古マンションの固定資産税納税額は111,888円となります。
中山編集者
築30年中古マンションの固定資産税
■土地
土地の固定資産税額 | 2,400万円×1.4%×1/6 =56,000円 |
■建物
築30年の建物減価補正率0.3059が適用されます。
建物の固定資産税額 | 1,000万円×0.3059×1.4% =42,826円 |
よって、築30年の中古マンションの固定資産税納税額は98,826円となります。
築40年中古マンションの固定資産税
■土地
土地の固定資産税額 | 2,400万円×1.4%×1/6 =56,000円 |
■建物
築40年の建物減価補正率0.2089が適用されます。
建物の固定資産税額 | 1,000万円×0.2089×1.4% =29,246円 |
よって、築40年の中古マンションの固定資産税納税額は85,246円となります。
今回シミュレーションした固定資産税の早見表
今回シミュレーションした固定資産税の築年数別固定資産税は次表のとおりです。
これを見ると、新築時は特例により固定資産税が大きく軽減されているのが分かります。
築年数 | 土地固定資産税 | 建物固定資産税 | 固定資産税合計 |
新築時 | 56,000円 | 70,000円 | 126,000円 |
6年 | 56,000円 | 116,690円 | 172,690円 |
15年 | 56,000円 | 87,150円 | 143,150円 |
25年 | 56,000円 | 55,888円 | 111,888円 |
30年 | 56,000円 | 42,826円 | 98,826円 |
40年 | 56,000円 | 29,246円 | 85,246円 |
新築マンションは、建物部分の軽減措置が大きいので、税額を低く抑えられます。また20年経つと固定資産税は新築時とほぼ同額、25年で新築時よりも安くなります。
中古マンションの固定資産税の相場は?
中古マンションの固定資産税は、およそ10〜15万円が相場とされています。ただし、マンションによって固定資産税は異なるため、明確な相場を導き出すことはあまり現実的ではありません。
また、毎年1月1日時点で元々の所有者がその年の固定資産税を支払っている場合がほとんどです。そのため、元々の所有者に固定資産税について確認できるのであれば、事前に確認しておくことをおすすめします。
浜崎編集長
マンションの固定資産税はいつどのように払う?
各種税金は突然支払納付書が送られてくるため、 急な出費にあたふたしてしまうことがあります。
この章ではマンションの固定資産税について「いつ納付書が届き」「いつまでにどのような形で支払う必要があるのか」について解説します。
固定資産税はいつ払う?
固定資産税はその年の1月1日の時点で家屋を持ってる人に課税されます。固定資産税の納税通知は4月から6月に届き、一括納付か4回に分けて納付することも可能です。
浜崎編集長
PayPayでも払えるって本当?ポイントは?
PayPayでも固定資産税を支払うことは可能ですが、ポイントがつくのは2022年3月で終了しています。
中山編集者
浜崎編集長
PayPay で払うメリットはクレジットカードのように決済手数料がかからないという点です。
一方デメリットは次の通りになります。
- PayPay残高のみ支払いが可能
- 領収書や納税証明書は発行されない
- 自治体によってはPayPayが使えない場合もあり
決済手数料のかからないPayPayで払うか分割などにも対応しているクレジットカードで払うかどちらがお得か検討してから支払うようにしましょう。
中山編集者
固定資産税の軽減措置について
中山編集者
浜崎編集長
固定資産税は、一定の条件を満たせば軽減措置の対象になります。次に固定資産税の軽減措置の種類について解説します。
土地で活用できる軽減措置
居住用の土地については、次表のような軽減措置があります。
浜崎編集長
◎住宅用地の特例
区分 | 軽減措置 |
敷地面積200㎡以下 | 固定資産評価額×1/6×1.4% |
敷地面積200㎡ | 固定資産評価額×1/3×1.4% |
ただし、建物の課税床面積の10倍が上限になります。
なおマンションは、土地を所有者全員で「共有している」という扱いになるため、区分所有が200㎡を超えるケースは少ないです。
建物に対して活用できる軽減措置
築5年以内のマンションを購入した場合、要件に合致すれば固定資産税評価額の1/2が減額されます。しかし築6年以上のマンションは、固定資産税の軽減措置はありません。
新築住宅の特例
区分 | 軽減措置 |
築5年以内 | 固定資産評価額×1/2×1.4% |
- 2022年3月31日までに建てられたもの
- 床面積50㎡以上280㎡以下
- 居住用部分が1/2以上
- 3階建て以上で耐火/準耐火構造・準耐火構造
浜崎編集長
長期優良住宅認定による軽減措置について
長期優良住宅とは、2009年6月施行の「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づいた基準をクリアしている住宅を指します。クリアする基準は、劣化対策やバリアフリー性、耐震性、省エネルギー性などです。
認定を受けるためには、建物の工事着工前の申請や完成してからの点検といったさまざまな手間がかかるため、主に申請されるのは戸建てが多いですが、認定を受けているマンションもあります。
浜崎編集長
タワーマンションの例外措置について
タワーマンションの分譲価格は、高層階の方が高く低層階は安く設定されていますが、固定資産税は階数に影響されず、面積が同じならば同じ税額でした。そこで2017年に税制が改正され、高さが60m以上(20階相当)のタワーマンションの固定資産税は、高層階ほど高く、低層階は安く補正されました。
タワーマンションの課税見直しを図ることで、実際どれくらいの差が生じるかを試算してみます。改正後の算出方法は、フロアごとに課税率のパーセンテージが変わってくる仕組みです。
中間階を基準とし、階が1つあがるだけで約0.256%の増税となります。逆に階が1つ下がると約0.256%減税され、課税金額が少なく済むことになります。例えば40階建てのタワーマンションの場合、20階を基準とし最上階の40階では約5%の増税、最下部の1階では約5%の減税になります。1階と40階とでは約10%の課税金額の差が発生し、20階建てのタワーマンションでは最大約3.5%程度の差が見込まれます。
なお2017年以前に売買契約が結ばれたタワーマンションについては対象外となります。
中山編集者
浜崎編集長
負担調整措置について
中山編集者
浜崎編集長
しかし、評価額に変わりがないにもかかわらず、固定資産税の額が上がることがあります。これは、負担調整措置を取っているためです。
負担調整措置とは、急激に固定資産税が上がるのを防ぐために設けられています。例えば、地価が急に上がった場合を想定してみましょう。そのままだと固定資産税も急増することになるため、納税者の負担が大きくなってしまいます。そこで、次の図のように課税標準額を段階的に引き上げることで、固定資産税の増額が少しずつにすることができるというのが、負担調整措置の仕組みです。
総務省『宅地等に対する固定資産税の課税の仕組み(令和3年度~令和5年度)』より引用
なお、2021年(令和3年)度に限り、負担調整措置などによって固定資産税が増額する場合、前年度の額に据え置くという特別措置が講じられています。
都市計画税について
中山編集者
浜崎編集長
先に述べたような、すでに開発されている市街化区域に土地や家といった不動産を所有している人に固定資産税と共に毎年課せられる地方税です。都市計画税の税額は、固定資産税課税標準額に都市計画税の税率を乗じて算出されます。税率は自治体によって異なりますが、0.3%の制限税率を超えることはありません。
固定資産税・都市計画税がかからない場合はある?
固定資産税や都市計画税について解説済みですが、この章では固定資産税や都市計画税について「税金がかからないケースがあるのかどうか」について解説します。
固定資産税がかからないケース
マンションの場合、固定資産税がかからないケースは賃貸物件の場合のみです。
また中古のマンションを購入した場合、いずれ固定資産税がなくなるのではないかと思う場合があるかもしれませんが、 建物の評価額は最低値20%までと決まっているためそれ以上下がることはありません。
浜崎編集長
都市計画税がかからないケース
都市計画税がかからない区域を一覧としてまとめましたので参考にしてください。
概要 | 都市計画税 | |
市街化区域 | すでに市街として発展していて区域や、今後10年以内に市街化が図られる予定の区域 | かかる |
市街化調整区域 | もう家や森林を守るための地域で家を建てられない区域 | かからない |
都市計画区外の区域 | 市街化区域にも市街化調整区域にも当てはまらない区域 | かからない |
浜崎編集長
マンションと固定資産税に関するよくあるQ&A
中山編集者
浜崎編集長
Q:マンションの固定資産税はいつ払う?
固定資産税は、1月1日時点の不動産所有者に対し課税されますが、支払い時期は各市町村によって異なります。一般的には6月・9月・12月・2月の年4回に分けて支払いますが、一括支払いもできます。ただし一括支払いしても特典はありません。
Q:マンションの固定資産税を滞納するとどうなる?
固定資産税を滞納してしまうと、物件が所在する市町村から督促状が届きます。文書や訪問などで催告され、督促には数%の延滞金も含まれていますので、当初の納税額よりも多めの税額を負担しなければなりません。最終的には不動産を差し押さえられてしまい、差し押さえられた物件は競売にかけられてしまう可能性があります。
固定資産税の支払いをうっかり忘れてしまうこともあるかもしれませんが、延滞に気づいたら速やかに支払うようにしましょう。
Q:中古マンションの固定資産税は誰が払うの?
固定資産税の支払いは1月1日の所有者なので、年の途中で売却をした場合でも、売主に納付書が送付されます。そのため年の途中で中古住宅を取得した場合は、引き渡し日を基準に、固定資産税を売主と買主で日割りにして分担するのが一般的です。売主は日割りした納税額を、あらかじめ買主から受け取っておく必要があります。
Q:リフォームしたら固定資産税も上がる?
家をリフォームすることで資産価値が変わると、固定資産税評価額も変わることがあるため注意が必要です。リフォームで家の資産価値が高くなれば、固定資産税も上がります。
リフォームをすることで固定資産税が上がるのは、次のような場合です。
- 家の延床面積が増える
- 基礎部分以外に部分の大規模リフォーム
- 利用目的を変更するためのリフォーム
延床面積は、固定資産税額を算出する際の基準になるため、リフォームで延床面積が増えると固定資産税の増額につながります。また、建物の資産価値が高まるような大規模リフォームや店舗や事務所といった新しい利用目的を付加するようなリフォームを施した場合も、固定資産税が増える可能性があることを覚えておきましょう。
一方、建築確認申請をする必要がない程度の基礎部分に影響しないリフォームや間取りが変わらないリフォーム、耐震補強のためのリフォームなどの場合は、固定資産税が変わらないことが多いです。
Q:固定資産税は一戸建てとマンションならどっちが安い?
固定資産税は、住まいのある立地・建物の構造や規模によって変わってくるので、どちらか安いか一概には言えません。
マンションの土地の所有区分は、敷地面積を戸数で割ったものです。したがって固定資産税総額に占める割合は建物の比重が高くなります。また建物の耐用年数は、一戸建てが22年に対してマンションは47年と長く設定されています。したがってマンションの方が減価償却期間が長くなるので、固定資産税の支払いが多くなると言ってよいでしょう。
まとめ
- 固定資産税とは不動産を所有している人に課される地方税
- 10〜15万円が相場で、活用できる軽減措置がある
課税ミスは意外とあるので注意
マンションを購入すると、一般住宅より建物の比重が高いので、通常固定資産税を多く支払わなければなりません。しかし固定資産税の仕組みや計算方法・軽減措置などについてあらかじめ知っておけば、余分な税金を支払わずに済みます。
特に中古マンションの築年数によって、納税する金額が変わるため、きちんとシミュレーションし適切な税額を支払うようにしましょう。