住宅ローンの仮審査・事前審査とは?チェックされる内容と融資までの期限と流れ、必要書類や審査待ちの原因と対処法を解説

この記事を書いた人
平野 直樹
不動産コンサルタント・一級建築士

関西大学工学部卒業後、首都高速道路の設計や戸建設計など建設コンサルタントとして活躍。川を活かした街づくりや土地有効活用を掲げるシンクタンクを経た後、現在は有限会社エクセイト研究所の取締役を務める。 保有資格:1級建築士、1級土木施工管理技士、宅地建物取引士

住宅ローンの仮審査・事前審査のまとめ
  1. 審査に通過するためには審査項目に対して概ねクリアしておく必要がある
  2. 住宅ローンの借換えにも審査はある
  3. コンサルタント機能を有する不動産会社などに相談し申込をされることがお勧め

住宅ローンを申込む場合、仮審査・事前審査についてどの様な審査なのか?疑問に感じられた方はいませんか?審査の中身について何を調査されるのか?不安に感じられた方はいませんか?実は審査項目をある程度わかっていれば、事前に対処できることが多々あります。

住宅に関する多くの相談事や悩みを解決してきた不動産コンサルタントが住宅ローンの仮審査・事前審査の概要や審査項目、融資までの流れと期間、落ちた場合の対処法、借換えローンなどについて解説します。

この記事を参考にして住宅ローンの仮審査・事前審査に対して、数ある審査項目にある程度対処しながら申込をすることができます。

住宅ローンの仮審査・事前審査とは?

住宅ローンの仮審査・事前審査は、住宅ローン申込者が提出した必要書類に基づき、申込者の返済能力などを調査します。住宅物件価格に対してどこまでの割合まで融資可能か?具体的な融資可能金額はいくらか?などを調査に基づき決めていきます。事前審査を通過すれば希望する住宅物件の売手との売買契約や建築会社との建築請負契約を締結することができます。

MEMO
この場合、ローン特約を契約書の中に付加し、本審査で万が一落ちた場合に備えるのが一般です。

住宅ローン本審査との違い

仮審査・事前審査を通過すれば本審査へ進むことができます。本審査になりますと、事前審査よりも詳細な審査に入ります。それに伴い提出を求められる書類の数が多くなり時間もかかります。仮審査・事前審査に要する期間は3~4日ですが本審査に要する期間は約1週間程度となります。

MEMO
審査には時間を要しますので住宅購入スケジュールに余裕を持たせることが大切です。

順調に住宅を購入するために

順調に住宅を購入するために金融機関に対して事前に住宅ローン融資可能額を把握してから、希望住宅物件を探す方法もあります。融資可能額を把握できていますので、その範囲内で住宅物件を探しますと審査も通過し易く時間短縮に繋がります。

最近では、おおよその融資可能額をWEBサイト上において書類を準備せずに算出するサービスも増えています。融資額の大枠を知りたい場合には便利なアプリです。

住宅ローンの仮審査・事前審査でチェックしている主な項目

 

金融機関が仮審査・事前審査でチェックしている項目は何ですか?

 
 

主に融資可能金額や申込者の属性、個人信用情報、担保評価となります。

 

希望融資金額の審査と融資可能金額の計算方法について

融資可能金額に大きく影響するのが「返済負担率」です。「返済負担率」は、年間返済額の年収に対する割合となります。金融機関が無理のないと考える一般的な返済負担率は20%~25%です。

融資可能金額の計算方法

年収500万円の人が返済負担率を20%で審査される場合

年間返済額:500万円 × 20% = 100万円

融資期間が35年間の場合

100万円 × 35年間 = 3,500万円

融資可能金額の計算方法

年収500万円の人が返済負担率を25%で審査される場合

年間返済額:500万円 × 25% = 125万円

融資期間が35年間の場合

125万円 × 35年間 = 4,375万円

つまり年収500万円の人の融資可能額の目安は、3,500万円~4,375万円となります。

同様に年収による融資可能金額の目安をまとめますと下表の通りです。

年収
返負担率:20% 返清負担率:25%
年間返済額 融資可能額(目安) 年間返済額
融資可能額(目安)
300万 60万円 2,100万円 75万円 2,625万円
400万 80万円 2,800万円 100万円 3,500万円
500万 100万円 3,500万円 125万円 4,375万円
600万 120万円 4,200万円 150万円 5,250万円
700万 140万円 4,900万円 175万円 6,125万円
800万 160万円 5,600万円 200万円 7,000万円
900万 180万円 6,300万円 225万円 7,875万円
1000万 200万円 7,000万円 250万円 8,750万円

注意
ただし金利によっても異なりますので確認が必要です。また返済負担には、住宅ローン以外にも車や教育ローンなどの返済も含まれますので注意が必要です。

申込者の属性

「3.住宅ローンの審査で重要視されている項目の割合」を見ますと最も多く採用されている審査項目は「完済時年齢」であり、「借入時年齢」とも関係します。多くの金融機関では完済時年齢を75歳~80歳に設定していますので、最長融資期間35年を利用するためには、借入時年齢が40歳~45歳までに制限されます。

次に多く採用されている審査項目は「健康状態」です。大半の金融機関が、住宅ローンを利用する条件として「団体信用生命保険」に加入することを挙げています。持病がある場合には、その時点で審査通過が困難になる可能性があります。

信用情報

「3.住宅ローンの審査で重要視されている項目の割合」を見ますと「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」の審査項目は61.8%の金融機関が採用しています。個人信用情報は各種ローンやクレジットカードなどに対する取引実績を記録した情報です。住宅ローンの申込を金融機関が受付けますと、個人信用情報を管理している「日本信用情報機構」(出典1)などに照会して、申込者の過去の取引実績などを調査します。

申込者のローン返済などに対する信用を判断する参考資料として活用しています。ローン申込者がクレジットカードの支払い遅延などを過去に一度でも起こしていた場合には仮審査・事前審査の段階で不可となる可能性が高まります。

注意
意外と気づかずに忘れている場合がありますので仮審査・事前審査に申込をする前に、「日本信用情報機構」(出典1)などに確認を取る必要があります。

出典1:株式会社日本信用情報機構|「信用情報の確認 信用情報開示制度について」 

金融機関との過去の取引実績

「3.住宅ローンの審査で重要視されている項目の割合」を見ますと「申込人との取引状況」の審査項目は採用する金融機関は減少する傾向(42.6%)にあり、ランキングも下位に属します。したがって金融機関全体的には以前のように重要視しない傾向にあります。

MEMO
とはいえ、426.6%の金融機関は採用していますので過去の取引実績がありますと有利になることはあっても不利になることはありません。

住宅ローンの審査で重要視されている項目の割合

住宅ローンの審査で重要視されている項目の割合を令和元年度に国土交通省住宅局が調査した時点において、高い順に挙げたグラフが下図です。その下に数値をまとめた表を挙げます。

融資審査項目
各項目の割合
平成30年度 令和元年度 令和2年度
完済時年齢 97.7% 99.0% 99.1%
健康状態 98.6% 98.5% 98.2%
担保評価 97.2% 98.2% 98.2%
借入時年齢 98.3% 96.8% 97.8%
年収 95.6% 95.7% 95.7%
勤続年数 95.7% 95.6% 95.3%
連帯保証 94.9% 94.2% 95.1%
金融機関の営業エリア 90.3% 90.8% 91.0%
返済負担率 90.7% 89.2% 92.1%
融資可能額(融資率) ①購入の場合 79.6% 77.1% 74.3%
雇用形態 75.7% 76.6% 76.4%
融資可能額(融資率) ②借換の場合 73.1% 69.8% 69.4%
国籍 68.9% 67.8% 69.3%
カードローン等の他の債務の状況や返済履歴 63.1% 61.8% 64.2%
申込人との取引状況 47.2% 42.6% 45.8%
業種 29.1% 27.1% 30.1%
家族構成 21.7% 20.1% 23.7%
雇用先の規模 20.0% 17.9% 21.6%
所有資産 18.9% 17.1% 21.0%
性別 15.1% 14.0% 17.5%
その他 3.9% 4.3% 4.1%

上表より令和元年度において約9割の民間金融機関が「完済時年齢」「健康状態」「担保評価」「借入時年齢」「年収」「勤続年数」「連帯保証」「金融機関の営業エリア」「返済負担率」の9項目を審査項目にしています。

3年間の統計を見ましても、最も重要視している項目が「完済時年齢」「健康状態」「担保評価」「借入時年齢」の4項目であることがわかります。

MEMO
一方「融資可能額(融資率)②借換えの場合」「申込人との取引状況」については審査項目としての割合が減少しています。

住宅ローンの仮審査・事前審査が設けられている理由

 

住宅ローンはどうして、仮審査・事前審査が設けられているのですか?

 
 

融資可否の目途を早めに見極め、関係者の手間を省くために、設けられています。

 

 

住宅ローンの仮審査・事前審査が設けられている理由
  1. 融資可否の目途を早めに見極めるために
  2. 関係者の手間を省くために

理由1:融資可否の目途を早めに見極めるために

融資可否の目途を早めに見極めるために仮審査・事前審査が設けられています。住宅ローンはローン申込人が住宅の売手と売買契約を締結後に、金融機関と金消契約(ローン契約)を締結します。しかし住宅の売買契約締結後に住宅ローンの審査が通らずに金消契約を締結できない事態になりますと、本人はおろか売手や仲介をした不動産会社にも損害を与えることになります。

MEMO
その様な事態を避けるために、仮審査・事前審査を行い住宅ローンの審査項目を通過する基準をクリアするかの目途を立てます。

理由2:関係者の手間を省くために

最低限度の基本的な提出書類による情報により融資の見込みの可否を大枠で判断し、関係者への手間を省くために設けられています。ローン申込者の中には明確に早い段階で融資は困難であると判断できる人もいます。その人に数多くの書類提出を求めても双方共に無駄になるからです。

MEMO
不動産会社などの関係者へも早い段階で通知を行うことが余分の労力をかけずに済みます。

住宅ローンの申込から融資までの流れと期間

住宅ローンの申込から融資までの流れと期間を下表にまとめます。

手順1
審査項目 事前申込
必要書類提出 
手順2
仮審査・事前審査
3~4日程度
手順3
正式申込
手順4
本審査
1週間程度
手順4
住宅ローン金消契約
2週間~1か月程度
手順5
借入れ
住宅引渡し時 

必要書類と入手方法について

必要書類と入手方法について解説します。必要書類を下表にまとめます。

対象者
必要書類
書類名 内容・部数
給与所得者
(サラリーマン、公務員)
源泉徴収票 前年分~直近3期分
※金融機関により異なります。
個人事業主 確定申告書 直近3期分
法人代表者
源泉徴収票 直近3期分
確定申告書 直近3期分
法人の決算報告書 直近3期分
他に借入がある人
返済予定表 原本照合、写し1部
残高証明書 原本照合、写し1部
住宅ローン借換えの場合
住宅ローンの返済予定表 原本照合、写し1部
住宅ローンの残高証明書 原本照合、写し1部
住宅ローンの返済口座通帳 原本照合、写し1部
共通
住宅ローン申込書  
印鑑 認印でも可能
本人確認書類
運転免許証、健康保険被保険者証、 パスポートなど、いずれか一つ
※表裏両面写し必須
住宅物件資料
物件販売チラシ、配置図、平面図、 立面図、間取り図、見積書、土地公図、土地全部事項証明書、 建物全部事項証明書など

必要書類の入手先を下表にまとめます。

書類名 入手先
住宅ローン申込書 金融機関の店舗窓口より配布もしくは
金融機関WEBサイトからダウンロード
住宅物件資料 仲介先の不動産会社、
新築工事を行う建築会社
源泉徴収票 勤務先
法人の決算報告書 会社

申込と仮審査・事前審査の実施(平均3日~4日)

住宅ローンの仮審査・事前審査に要する期間は事前申込(必要書類提出)をしてから概ね3日~4日となります。金融機関によっては事前申込の翌日に審査結果が出る場合もあれば、1週間以上かかる場合もあります。金融機関へ事前申込を行う際、融資担当者に審査結果日を確認することが大切です。

不動産会社へ購入申込をしている住宅の仮押さえ期間は1週間前後が一般的となるためです。審査結果が遅れますと申込をした住宅は他人へ流れる可能性があるため、その前に審査結果を出してもらう必要があります。

仮審査・事前審査の申込をするにあたり、「5-1-1.必要書類」の項目で挙げた書類が必要になります。不動産会社や建築会社などにも協力(住宅物件資料など)を依頼し書類の準備や作成などを行います。

正式申込の受付と本審査(平均1週間)

住宅ローンの本審査に要する期間は正式申込をしてから概ね1週間となります。金融機関によっては正式申込をしてから3日で審査結果が出る場合もあれば、2週間以上かかる場合もあります。関連会社にも連絡を要しますので審査結果日を確認することが大切です。

仮審査・事前審査を通過したからといって、必ず本審査が通過する訳ではありません。融資担当者が提出した書類に基づいてくまなく調査を行います。現地確認も行い問題点がないかなど専門家にも依頼して行いますので、気を抜くことはできません。

住宅ローンの契約と借入(平均2週間~1か月)

住宅ローンの本審査を通過すれば金消契約の締結となります。実際に借入れが起こるのは住宅引渡し日となりますので、金消契約日から概ね2週間~1か月となります。住宅引渡し日により借入れ日は左右しますので、不動産会社、建築会社、金融機関との連絡を密に行う必要があります。以上が住宅ローン審査の流れと期間になります。

住宅ローンは新規借入以外にも借換えのケースもある

 

住宅ローンは新規借入しかメニューがないのですか?

 
 

他にも借換えローンがあります。しかし、新規借入と同様に借換えにも審査がありますので、注意が必要です。

 

住宅ローンの借換えとは?

住宅ローンは新規借入ばかりではなく既に金消契約済の住宅ローン残高を他の金融機関のローンで組み直す「借換え」といわれる方法もあります。住宅ローンの金利や返済額の見直しによく利用する方法です。

借換えの目的

借換えの目的は金利を見直して利息を減らし、毎月の返済額を抑えることです。現時点での住宅ローン金利よりも他行の住宅ローン金利の方が低く借換えに伴う諸経費を加味しても、ローン返済額が少なくなるようであれば、試みる価値はあります。

借換えにも審査がある

次の項目で詳しく解説しますが借換えをする場合、借換え先金融機関の審査を通過しなければなりません。現時点での住宅ローンの審査が通ったからといって、必ずしも他行の借換えローン審査が通る訳ではありません。

借換え審査を通過した場合、毎月のローン返済額が多少なりとも減額し、その分余裕が生じます。しかし現行の住宅ローン通過時よりも、資産状況や担保力、返済状況などが悪化していれば、借換え審査の通過は困難になります。

注意
困難であれば現行の住宅ローンにて返済を続けなければなりませんので注意が必要です。

借換えの場合、仮審査・事前審査で注意したいこと

 

借換えの場合、仮審査・事前審査の注意点は何ですか?

 
 

住宅ローン以外の他のローン残高や健康状態、ローン返済遅延事実などとなります。

 

 

借換えの場合の仮審査・事前審査の注意点
  1. 住宅ローン以外に車や教育ローンが増えていると、審査が通りにくい
  2. 健康状態が悪くなっていると団体信用生命保険に加入ができない
  3. これまでの住宅ローン返済で遅延したことがある

住宅ローン以外に車や教育ローンが増えていると、審査が通りにくい

車や教育ローンの残高が大きい場合、住宅ローンの返済と並行する形となり、返済負担率の評価から融資審査に不利に働く可能性があります。またキャッシングローンなどのカードローンも融資審査に不利に働きます。さらに住宅や他の試算の担保評価からそれらの残債額を差し引かれるため、融資額がその分少なくなります。

そうなりますと自己資金の割合が増加するため自己資金を準備できなければ、資金計画が成り立たなくなり借換えを断念せざるを得なくなります。そうならないために車や教育、カードローンなどの残債はできる限り完済して、借換えの審査に臨むことが大切です。

健康状態が悪くなっていると団体信用生命保険に加入ができない

住宅ローンは基本的に団体信用生命保険(団信)に加入することが条件となり、融資を受けることができます。高血圧・投入病・心不全などの持病を抱えていますと団体信用生命保険に加入できなくなる可能性があり、借換え融資を受けられなくなります。先ずは健康状態を改善するところから取組む必要があります。

MEMO
しかし困難な場合には団体信用生命保険への加入が任意条件となっているフラット35などを検討してみるのも良策といえます。

これまでの住宅ローン返済で遅延したことがある

過去に住宅ローン返済で遅延した事実が1度でもありますと記録に残り借換え審査に不利となります。「2-3.信用情報」でも解説しましたが、「日本信用情報機構」などに過去の住宅ローン返済記録やカードローン返済記録などが保存されています。金融機関は、そこを通して照会し調査を行いますので、遅延事実は致命的となります。

住宅ローンの仮審査・事前審査に落ちてしまう理由は申込者に問題があるケースが大きい

「3.住宅ローンの審査で重要視されている項目の割合」でも解説しましたが申込者が融資審査項目にそぐわないと、仮審査・事前審査に落ちてしまいます。

完済時年齢・借入時年齢

令和元年度の1位と4位にランキングされている融資審査項目は完済時年齢(99.0%)と借入時年齢(96.8%)です。先ずここに抵触しますと、仮審査・事前審査の段階で落ちる可能性は高くなります。

完済時年齢制限が75歳の場合、40歳の人であれば最長ローン期間である35年を利用することができますが、50歳の人であればローン期間は25年となります。短くなる分、毎月の返済額は増えます。

注意
借入時年齢制限が60歳の場合、60歳の人であればローン期間は15年となり相当の自己資金を出さないと返済できなくなります。

本審査に落ちる理由は物件に問題があるケースが多い

仮審査・事前審査を通過しても本審査で落ちることもあり、その理由は物件に問題がある場合が多くなります。例えば住宅は必ず道路に面して建築されなければなりませんが、その道路が建築基準法上の道路として未判定の場合です。未判定であれば建築基準法上の道路か否かを判定しなければなりませんが、未判定状態が発覚しますと本審査で落ちる可能性があります。

注意
現地確認には融資担当者以外にも専門家が同行する場合もありますので目に見えない瑕疵を指摘される可能性があります。

住宅ローンの仮審査・事前審査に落ちてしまった場合の対処法

 

仮審査・事前審査に落ちた場合の対処法を教えてください。

 
 

すかさず別の金融機関に申し込むことや、あらかじめ複数行に同時に申込を行うことです。

 

 

住宅ローンの仮審査・事前審査に落ちてしまった場合の対処法
  1. 別の金融機関に申し込む
  2. クレジットカードのキャッシング枠を解除する
  3. クレジットカードと違って複数申込ができる

別の金融機関に申し込む

ローン申込をした金融機関で仮審査・事前審査に落ちた場合には、すかさず他行のローン申込をします。金融機関によって融資審査の項目や条件が異なりますので、ある程度の数の金融機関に対して同時にローン申込をするのが良策といえます。

クレジットカードのキャッシング枠を解除する

審査に落ちた場合には先ずクレジットカードのキャッシング枠を解除することをお勧めします。金融機関の融資審査において申込者の他のローン状況の調査が行われます。その中の一つがクレジットカードを利用してのキャッシングローンです。仮に利用していなくても申込者が将来において利用する可能性があると判断し、その利用枠分を担保評価から差し引かれることになります。そうなりますと融資額が減少し、最悪の場合には審査が通らない結果となります。

クレジットカードと違って複数申込ができる

住宅ローン申込は同時に複数の金融機関に対して行うことができます。単発のローン申込で済ませていますと落ちた場合に改めて一からやり直さなければならず、ローンを組むまでの期間がかかりすぎる結果になります。
建売住宅を購入する場合には仲介を行う不動産会社新築する場合には建築会社に必要書類の準備を依頼しますと手間が省けます。

MEMO
しかし少なくとも申込書などへの記名押印はローン申込者本人が行う必要があります。また複数の金融機関に一括で申込できるWEBサイトを利用しますと手間を大幅に省けます。

まとめ

以上、住宅ローンの仮審査・事前審査の概要や審査項目、融資までの流れと期間、落ちた場合の対処法、借換えローンなどについて解説しました。仮審査・事前審査を通過するためには「3.住宅ローンの審査で重要視されている項目の割合」で解説しましたが約9割以上の金融機関が採用している審査項目に対して概ねクリアしておく必要があります。

それに加えて提出書類の記載事項も重要になります。金融機関の融資担当者に対して、わかりやすく的確に伝わる資料作りが必要になります。そのためにもコンサルタント機能を有する不動産会社などに相談されながら、住宅ローンの申込をされることをお勧めいたします。