- 仲介手数料は審査後でも交渉できる?
- 仲介手数料の交渉をメールで行うコツとは(例文あり)
- 交渉を断られたら?他に抑えられる初期費用まとめ
「仲介手数料って審査後に交渉できる?」
「仲介手数料を値切るコツや注意点が知りたい…」
と、お悩みではないでしょうか。
仲介手数料は通常、賃料の1カ月分かかるため高いと感じる人も少なくないでしょう。
落解説員
山田編集者
お部屋探しで支払う仲介手数料とは?
お部屋探しで支払わないといけない仲介手数料とは何か、まずはその仕組みを理解しましょう。
不動産会社に支払う仲介手数料とは
仲介手数料とは、契約が完了した際にお部屋を紹介してもらった不動産会社に支払う報酬のことです。つまり、成功報酬であるため契約にいたらなかった場合は、不動産会社を利用していたとしても支払う必要はありません。
仲介手数料を支払うタイミング(賃貸借契約の流れ)
仲介手数料を支払うタイミングとしては、初期費用を支払うときに同時に支払うことがほとんどです。契約日(入居日)が決まれば「いつまでに初期費用を支払ってください」と不動産会社から案内があるため、その期日までに振込み等で初期費用を支払います。
山田編集者
初期費用の期日は、STEP.4の前後で設定されることが多いでしょう。
仲介手数料の相場
仲介手数料の相場は『賃料の1カ月分+消費税』です。賃料が7万円の場合は、7万円+7,000円(消費税が10%の場合)=7.7万円 となります。
なぜ、1カ月分が多いのかというと、消費税と併せて宅建業法の上限額が1.1カ月分だからです。
宅地建物取引業法46条に基づく国土交通省の通達では、仲介手数料は貸主・借主、両方から併せて1.1カ月分が上限とされています。
仲介手数料は審査後に交渉できる?
相場だと賃料の1カ月分はかかってしまう仲介手数料ですが、実は審査が通った後でも金額を交渉できます。
山田編集者
落解説員
審査後の交渉は可能
過度な値引きでなければ、審査通過後でも仲介手数料の値引き交渉はできます。仲介手数料は大家ではなく不動産会社に支払う金額であるため、初期費用の中で唯一、不動産会社の采配で決定できる名目です。
交渉しやすい物件(AD物件)がある
交渉しやすい物件とそうでない物件があります。交渉しやすい物件とは、AD=広告料(アドバタイズ)がある物件です。広告料とは、大家が不動産会社に支払う報酬のことで、成果報酬で賃料の1~2カ月分が支払われます。
つまり、不動産会社は広告料が支払われる物件に関しては、入居者側から仲介手数料をもらわなくても相応の報酬をもらえます。
始めから値引きしている不動産会社もある
近年では、空室対策に力を入れる大家が増え、大家が不動産会社に広告料を支払うケースはめずらしくなくなりました。そのため、入居者側からの報酬に頼ることなく、広告料を主な収入源とする不動産会社が増えています。
そのような不動産会社の場合、仲介手数料無料とアピールしていることがあるため、初期費用をできるだけ安くしたい場合は始めからそのような不動産会社に仲介を依頼することがおすすめです。
仲介手数料の交渉をメールで行うコツ(例文あり)
いざ、仲介手数料を交渉しようとしてもどのように交渉すべきか悩む人も多いでしょう。交渉内容は文面で残しておいた方が良いため、まずはメールで交渉してみるのがおすすめです。
- 交渉内容は文面で残しておいた方がいい
- 仲介手数料の交渉例(テンプレート)
山田編集者
落解説員
交渉内容は文面で残しておいた方がいい
後で「言った・言ってない」にならないよう、交渉ごとは文面で残しておくのが良いでしょう。最近では、不動産会社とチャットアプリやメールでやりとりすることも多いため、その中で、仲介手数料の交渉もできるだけ早めにしておくことをおすすめします。
仲介手数料の交渉例(テンプレート)
仲介手数料を交渉する際の例文(テンプレート)を用意しました。
宅地建物取引業法46条に基づく国土交通省の通達では、仲介手数料は貸主・借主、両方から併せて1.1カ月分(消費税含む)が上限とされています。そのため、本来は大家側・入居者側で半額ずつ支払うのがベストです。
慣習では入居者側がすべて負担することが多くなっていますが、この点を理解し、実際に半額で対応しようとしている不動産会社がいることをアピールしましょう(実際には相見積もりをとっていなくてもOK)。
株式会社(会社名)
(ご担当者)様
先日お世話になりました、
(氏名)です。
早急にお見積書を作成いただき誠にありがとうございます。
大変申し上げにくいのですが、他社様より相見積もりをいただきましたところ、
仲介手数料が家賃の半額でご対応いただけるとの旨でした。
仲介手数料をさらにお安くしていただくことは可能でしょうか。
それでは、ご検討よろしくお願いいたします。
落解説員
審査後に仲介手数料を交渉する7つのコツ
審査後に仲介手数料を交渉する7つのコツを紹介します。どれも具体的な内容で実践しやすいため、初期費用を安く抑えたい人はぜひ試してみてください。
①始めから仲介手数料がない不動産会社に依頼する
仲介手数料を安くしたい場合、始めから仲介手数料がない不動産会社を利用するのが最も手軽で実践しやすい方法です。
不動産会社は、仲介手数料とは別に大家から広告料をもらっているケースが多く、広告料がある物件に関しては仲介手数料を無料にしている会社もあります。
そのような不動産会社を見つけ仲介を依頼することで、面倒な交渉ごとなく仲介手数料を安くできるでしょう。
②自社管理物件を紹介してもらう
不動産会社は、自社で物件を管理しているケースがあります。大家からアパート一棟やマンション一室などの管理を任せてもらい、毎月の管理料を報酬(賃料の3~5%)としてもらっています。
そのような自社で管理している物件であれば、仲介手数料を安くしてでも早く空室を埋めたいと考えている担当者もいるため、仲介手数料の交渉がしやすい場合があります。
③閑散期に部屋を探す(7~8月・11~12月)
仲介手数料を安く交渉したい場合は、忙しい時期を避け、不動産会社の仕事が少なくなる閑散期を狙ってお部屋探しすることがおすすめです。
閑散期であれば、不動産会社は反響が少ない中で、少しでも多くの契約を取りたいと思っています。そのため、仲介手数料の交渉にも応じてくれることが多いでしょう。
不動産会社の閑散期は、夏の7~8月、冬の11~12月です。初期費用を少しでも安くしたい人は、この時期にお部屋探しを始めてみましょう。
④相見積もりをとる
入居したい物件が決まった時点で、複数の不動産会社で初期費用の相見積もりをとることをおすすめします。中には、始めから仲介手数料を半額や無料にしている会社もあるため、相見積もりをとることにより初期費用で損することを防げます。
また、無料にならなかったとしても、その相見積もりの内容を持って、金額をさらに交渉しやすくもできます。少し面倒ですが、初期費用を抑えたい人は必ず試してみてください。
⑤申込み前に交渉する
仲介手数料の交渉は早いにこしたことはありません。できれば、物件の入居申込みをする前に相見積もりをとって交渉するようにしましょう。
⑥下げたい額を具体的に伝える
初期費用の見積もりをもらった段階で、いくら下げれば支払えるのかを明確に伝えることが重要です。不動産会社の担当者も仲介手数料を下げようとする際には、会社から了承を得なければなりません。その際に、具体的な金額を提示できる方が会社と交渉しやすくなります。
⑦誠実な対応を心がける
初期費用を安くしたい、仲介手数料を下げたいと思っている人は、不動産会社には誠実な姿勢で接することを心がけましょう。なぜなら、契約締結後にトラブルになりやすい人とはできるだけ取引を避けたいと考えるからです。
審査後に仲介手数料を交渉するときの3つの注意点
山田編集者
落解説員
①言い方に注意!無理に値切ろうとするのは逆効果
仲介手数料を無理に値切ろうとするのは逆効果です。不動産会社の担当者も人であるため、この人のためなら動きたいと思ってもらうことが大切です。
仲介手数料の交渉は会社の上司から承諾を得なくてはならないため、担当者にも負荷がかかります。横柄な態度を取ったり無理に安くしようとする人には協力したいと思ってくれません。
②重要事項説明書の読み合わせ時の交渉では遅い
契約書の捺印前に、物件の重要事項説明を受けます。その際に交渉しようとしても、契約書等に仲介手数料が額が記載されていることがあるため、変えられないことがほとんどです。
仲介手数料を安くしたい場合は、物件の申込みをする前、初期費用の見積もりをもらった段階でするのが良いでしょう。
③仲介手数料0円の不動産会社は紹介できる物件が限定的
中には、大家からもらえる広告料のみで運営している不動産会社があります。そのような会社の場合、仲介手数料は無料ですが、紹介される物件は大家からの報酬がある物件のみとなるため、紹介できる物件が限定されます。
交渉を断られたら?初期費用以外で交渉できる費用
仲介手数料の交渉を断られた場合は、他の費用を抑えることで初期費用を安くできる可能性があります。仲介手数料の他に安くできる費用を紹介します。
敷金・礼金なしの物件を選ぶ
初期費用を抑えたい人は、まずは敷金・礼金がない物件を選びましょう。敷金と礼金は、それぞれ賃料の数ヵ月分と表記されることが多く、安いものではありません。
ポータルサイトなどでも条件設定として選択できるため、初期費用を抑えたい人はまずはこの敷金・礼金がない物件から探してみるのが良いでしょう。
フリーレント期間を付けてもらう
フリーレント期間とは、賃料の発生しない期間のことです。例えば、月の中ばから入居開始する場合、始めに発生する日割家賃をフリーレント期間としてもらうことで、初期費用を安くできます。
フリーレント期間は、日割家賃や始めの1カ月などが相場です。それ以上の交渉は難しいケースが多く、また3月・4月などの繁忙期にはより交渉は厳しくなることを理解しておきましょう。
火災保険は自分で選んで加入する
賃貸物件に入居する際には、借家人賠償付きの火災保険に加入しなくてはなりません。不動産会社から提案される火災保険に加入する場合、2年毎の更新で20,000円などが相場です(加入金)。
自分でネット保険などを探し加入する場合は、同じ保証条件でも半額以下に抑えられるため、指定の火災保険がない場合は自分で探してみるようにしましょう。
室内消毒・害虫駆除費用・消火器代などの不要な費用を省く
室内消毒や害虫駆除費用、消火器代金など、不要なものが初期費用の見積もりに入っている場合は、それらが除けないか不動産会社に交渉してみましょう。
多くの場合、専門業者を入れて消毒や害虫駆除を行うようなことはしません。市販のスプレーなどを利用し、不動産会社の担当者が行うだけのケースも少なくないため、外せるのであれば外してしまう方が良いでしょう。
キャッシュバックキャンペーン中の不動産会社を探す
キャッシュバックは、不動産ポータルサイトや不動産会社が行っているキャンペーンです。家賃1カ月分や、お祝い金などの名目で数万円に設定されています。契約締結後、指定の期間内に申請すると、指定しておいた口座へキャッシュバック金額が振り込まれる流れになっています。
落解説員
まとめ
仲介手数料は上手く交渉することで値切ることができます。
ポイントをまとめると、できるだけ早いタイミングでいくら下げてほしいのかを明確に伝えることが大切です。そのために、初期費用の見積もりをもらった段階で、相見積もりをとり交渉材料をそろえましょう。
また、横柄な態度はとらずに不動産会社はあくまでも、お部屋探しのパートナーであると認識した上で、誠実に向き合うことも忘れないようにしなくてはなりません。
この記事を参考にしていただき、ぜひお得なお部屋探しを実現してください。