- 間取り図でよく見る略語の意味について
- 間取り図で使われるアルファベット一覧を紹介
- 間取り図でよくある「S」やユニットバスの本当の意味
賃貸も分譲も、物件探しの時には新生活の想像が膨らみワクワクするものですが、物件探しのためにインターネットから色々な物件情報を見ていると、何やら見慣れない記号や略語ばかりの間取り図を見かけることがよくあります。
事務員
浜崎編集長
【間取り図で使用される主な略語】
K | キッチン |
DK | ダイニングキッチン |
LDK | リビングダイ二ングキッチン |
㎡・畳・帖 | ㎡→平米の意味。畳は和室、帖は洋室に使用されることが多い |
UB | ユニットバス |
CL・WIC | クローゼット・ウォークインクローゼット(納戸をNと表記する場合もある) |
W/洗 | 洗濯機置場 |
R/冷 | 冷蔵庫置場 |
BR・MBR | ベッドルーム・メインベッドルーム |
Ent | エントランス(玄関) |
SB | シューズボックス |
HALL | ホール(玄関から居間までの廊下や広間) |
Sto | 収納 |
WC | トイレ |
CF | クッションフロア |
RF・LOFT | ルーフフロア・ロフト |
MB | メーターボックス |
PS | パイプスペース(配管スペース) |
Balcony | バルコニー |
RBL | ルーフバルコニー |
EV | エレベーター |
AC | エアコン |
アルコープ | 玄関前のスペース |
S | サービスルーム(採光や通風など建築基準法の基準を満たしていない部屋) |
【間取り図の読み方】初級編
これまであまり引っ越しの経験がなく、間取り図を見慣れていない方が知ってい置いた方がいい間取り図の略語をご紹介します。間取りの形や記号、略語を見れば直感的に何を指しているのか分かるものもありますが、ご自身の認識と相違ないかという意味でも一応確認してみてください。
間取り図略語「K」「DK」「LDK」
「K=キッチン」「DK=ダイニングキッチン」「LDK=リビングダイニングキッチン」という意味となります。「リビングとダイニングの線引きは?」「キッチンは何畳?」という質問をされる方がいらっしゃいますが、実はそれぞれに決まった畳数や仕切りのようなものはありません。
キッチンは対面型の独立したものや、廊下と居室が扉で仕切られた1Kであれば分かりやすいのですが、リビングダイニングはほとんどの場合で明確に分かれていません。感覚的にはLDKが1つのスペースにまとまった部屋で真ん中に廊下のあるマンション等であれば、廊下の延長線をリビングとダイニングの線引きの目安とされるケースが多いです。
間取り図略語「㎡」「畳」「帖」
部屋の広さを表す単位です。「㎡=平米」であり「1㎡=約0.64畳=0.3坪」となります。逆算すると、「約3.3㎡=約2畳=1坪」と考えることができます。なお「畳」と「帖」に明確な違いはありませんが、和室の場合は「〇畳」、フローリング等の洋室であれば「〇帖」と指すことが一般的です。
間取り図略語「UB」
こちらもご存知の方は多い「ユニットバス」の略です。ユニットバスというと、お風呂とトイレ、若しくは洗面がまとまったスペースをイメージされる方が多いと思うのですが、実は洗面とトイレが完全に独立したファミリータイプの部屋でもUBと記載されることがあります。
浜崎編集長
間取り図略語「CL」「WIC(WCL)」
どちらも「クローゼット」を意味します。正確には「CL=クローゼット」は服を掛けたり物を収納する広さ、「WIC=ウォークインクローゼット」は人が出入りできる広さのあるものという違いがあります。
間取り図略語「W」
間取り図によって表記は違いますが、洗濯機置き場を「W」と表記する場合があります。「洗」と記載しているケースも多いのですが、キッチン近くや洗面所、単身用アパートであればベランダに表記されている場合もあります。
間取り図略語「R」
ワンルームの部屋であれば居室スペースに「R」と表記されることが多く、場合によっては「冷蔵庫」を指す事もあります。
間取り図略語「BR」「MBR」
「BR」の意味は「BR=ベッドルーム」です。稀に「MBR」と書くこともあり「メインベッドルーム」という意味となります。寝室の中で最も広く寝室に適切なお部屋の場合に使われます。
【間取り図の読み方】中級編
初級編では頻繁にみられる略語を簡単に説明しました。続いては中級編は、「よく見るけど何の略?」と思われがちな間取り図の略語をご紹介します。
間取り図略語「Ent」と「SB」、「HALL」
「Ent」はエントランス(玄関)、「SB」はシューズボックスの略語です。シューズボックスは広めである場合は「SIC/SCL=シューズインクローゼット」と表記する場合もあります。また、玄関から居間までの廊下や広間のことをホールと呼び、「HALL」と記載されることがあります。
間取り図略語「Sto」
ストレージの略語です。キッチン横にあることが多いのですが、「ストレージ=収納」という意味で、ちょっとした収納スペースを指すことが多いようです。
間取り図略語「WC」
トイレのことを指します。トイレのタイプを表すために「和」「洋」という風に書かれることもあります。
間取り図略語「CF」
クッションフロアという、クッション性と防水性のある塩化ビニール素材で作られた床材のことを指します。あまり見かけなくなりましたが、「居室」や「洋室」と記載する代わりに「CF」と記載していることがあります。
間取り図略語「RF」
ロフトの事を指すルーフフロアの略語です。そのまま「LOFT」と記載されることもあります。
今度は、「全然何のことだか分からない…」と言われがちな間取り図の略語をご紹介します。あまり深く追求してしまうと建築用語などに関連してしまうため、あくまで一般的な間取り図で使用される略語で見る機会の少ないものという範囲のものです。
間取り図略語「MB」
メーターボックスです。昔の区分所有のマンションですと玄関入ってすぐに設置されていることもありましたが、今ではほとんど、玄関横に設置して、完全に居住スペースとは分離されています。
間取り図略語「PS」
パイプスペースのことを指し、水道管や電気の配線などが集まる場所で、通常は共用部の廊下に面した箇所におかれます。
浜崎編集長
間取り図略語「RBL」
ルーフバルコニーを意味します。周辺住民への日照を確保することを目的として段々型のマンションを見かけることがありますが、段になっている場所を広いバルコニーとして使用する場合に表記されます。
間取り図略語「EV」
エレベーターのことです。こちらも部屋の間取りの外に記載されることの多いものですが、バリアフリー住宅などでは家の中に簡易エレベーターが設置されていることもあり、戸建ての間取り図でも稀に見かける略語です。
間取り図略語「AC」
エアコンを指します。そこにエアコンが置いてあるという意味ではないので注意が必要です。
間取り図略語「アルコープ」
アルコープとは玄関ドアが共用部の通路から少し引っ込んだところにある玄関前のスペースのことをいいます。簡単な柵が玄関前に設けられていることがあり、子供の自転車や傘立てが置いてあることも多く、通路との間に空間を置くことでプライバシーを確保できることがメリットです。
間取り図の読み方【番外編】
事務員
浜崎編集長
窓の表現でよく使用される名称や記号
引き違い窓 | 左右2枚のガラス戸をスライドして開閉する窓。住宅で最もポピュラーに使用されている。換気・採光に有効。 |
片引き窓 | 1枚のガラス戸(サッシ)だけを横に引いて開閉する窓。片側が固定された窓や壁になっている。 |
片開き窓 | ドアのように左右どちらかを軸として開閉するタイプの窓。換気・採光に有効。 |
装飾窓(FIX) | 窓枠にガラスが固定された開閉することができない窓。採光に有効で、防犯や防音に優れている。 |
縦すべり窓 | 縦方向を回転軸に、窓枠の上下に設けられた溝に沿って左右どちらかに開閉する窓。通風に優れている。 |
面格子付窓 | 防犯やプライバシーの確保のために格子が取り付けられた窓。浴室やトイレなどの小窓に設置されることが多い。 |
シャッター | 自然災害対策や防犯を目的として窓の外側に取り付けられる主に金属製の建具。 |
雨戸 | 雨や風を遮る目的で窓の外側に取り付けられる建具。昔は木製が主流だったが、現在はシャッター同様に金属製が多く、防犯目的で設置されることも多い。 |
扉の表現でよく使用される名称や記号
片開き戸 | 1枚の戸が左右どちらかを軸にして開閉する最もポピュラーな扉。外開きと内開きがある。 |
両開き戸 | 左右2枚の戸が中央で開閉する扉。 |
引き違い戸 | 2枚以上の引き戸を水平移動させて開閉させる引き戸。押入れやクローゼットなど幅広く使用されている。 |
片引き戸 | 1枚の引き戸を水平移動させて開閉させる引き戸。開閉にスペースをとらないため幅広く使用されている。 |
引き込み戸 | 壁に戸を収納する戸袋を作り、戸を水平移動させて戸袋に引き込み、しまうことができる。見た目の印象がすっきりしているのが特徴。 |
アコーディオンカーテン | 横方向に伸縮できる蛇腹または折りたたみ式の扉。天井面にレールを設置して吊り下げて使用する。 |
折戸 | 開閉時に折りたたみができる戸。扉は蝶番で連結されており、戸の数を増やせる。 |
2枚折戸 | 2枚の戸を折りたたみながら横に滑らせて開く戸。クローゼットや浴室に使用されることが多い。 |
SLDKの「S」って何?
さて、間取り図の略語を駆け足で見てきましたが、間取り図でちょっと気になる疑問を取り上げてみたいと思います。
まずは「SLDKのSって何?」という疑問です。
事務員
浜崎編集長
その理由は、採光や空気を取り入れる窓が無い場合は建築基準法で居室として認められないために、自由に使えるスペースという意味で「S=SR=納戸」という表記をするのです。
浜崎編集長
ユニットバスの本当の意味
本記事の初級編にて、トイレと風呂が別であっても「UB(ユニットバス)」と表記することがあると解説しました。これは非常に多い誤解なのですが、ユニットバスの意味は「トイレ、洗面、風呂などが一体型(3点ユニット)」ということではありません。
浜崎編集長
一時、ワンルームの多くでそれらをひとまとめにした3点ユニットを採用することが多かったため、「ユニットバス=3点ユニット」という認識が広まってしまったのですが、正確には「部品(ユニット)」を持ってきて組み立てた「風呂(バス)」のことをユニットバスと言うのです。よって、ユニットバスと一口に言っても、風呂だけのユニットバスもありますし、洗面台と風呂の2点ユニットもあります。
ただ、「UB=3点ユニット」ではないことをマメ知識として覚えておくと、バストイレ別の物件も探しやすくなるかもしれません。
まとめ
今回は間取り図に見られる略語の説明とよくある質問と誤解について解説しました。こうしてみると「なんでわざわざ、理解しづらい略語で書くの?」と思われるかもしれませんが、これは間取り図のスペースと文字の大きさに理由があります。
もし「下駄箱」という文字を玄関横の小さなスペースに書こうと思ったら、文字の大きさを小さくしなければならず、文字が小さくなれば漢字は潰れて読めなってしまいます。そのような理由から下駄箱を「SB」と書いたり、収納を「CL」と書いて見やすくするのです。
大きなスペースの居室には「洋室」「キッチン」と書かれていることもありますが、お洒落で洗練された建物ですと、略語や英語で書いたほうが見栄えが良いという理由もあるようです。間取り図を見た時に勘違いはしないよう、基本的な略語は理解しておきたいものですね。