- 住宅ローンの審査基準や年収に対する適正な負担額、組める金額の範囲
- 住宅ローンの返済額を抑える4つのポイント
- ペアローンや収入合算で借入額は増やせるがリスクもある
「マイホームの購入」というのは一生に一度あるかないか、誰もが夢見る人生における大きな目標の一つです。
しかしながら当然金銭面の負担は大きく、後にも先にも一番大きな買い物であり、特に収入に不安のある方にとってはなかなか勇気が要るでしょう。
収入に余裕がある場合も、妥協しない夢のマイホーム作りのために、金銭面の補助として住宅ローンを組む方がほとんどだと思いますが、「自分の収入なら、いくらぐらいのローンが適正なのか?」と思う方や、「頭金を用意しなくても月々のローン支払いはいくらまで大丈夫なのか?」という方も大勢います。
そこでこの記事では、「収入に応じた適正な住宅ローンとは?」という疑問を解消するために徹底解説していきます。
今回は例として「月収30万円」の場合を想定し、「ボーナスありorなし」や「頭金の有無」、「金利に応じた利息額・総返済額」など、さまざまなケースにおける理想的な住宅ローン借入額をシミュレーションしていきましょう。手取り30万円の給与所得者が住宅ローンを組む場合に毎月の返済
さらに「年収と住宅ローンの関係」や「返済額を抑えるポイント」、「借入可能額を増やす方法」など、家を買うときに知っておきたいさまざまな知識についても触れていきます。
事務員
手取り月収30万で組める住宅ローンの範囲とは?
それでは実際に「手取り月収30万円(額面38万円)」の想定で、借入可能な住宅ローン金額や、理想的な借入額のシミュレーションをしていきましょう。
借入額のシミュレーションは「頭金の有無」と「頭金がある場合の割合ごと」でより細かくおこないます。
借入可能な住宅ローンの金額
手取り月収が30万円ということは額面だと38万円ほどですが、その手取り額の場合、借入可能な住宅ローン金額はいくらになるでしょうか。手取り月収が30万円であれば、手取りの年収は360万円です。35年ローンでの借入を想定し、金利は2%で計算すると、約2716万円となります。これはあくまでも単純計算によるシミュレーション結果に過ぎません。
歩合制やインセンティブにより、収入に毎月差が出る場合や、ボーナスが出た場合を加味することで、より正確なシミュレーションができます。
理想的な住宅ローンの借入額のシミュレーション(頭金なしの場合、頭金ありの場合)
続いて理想的な借入額をシミュレーションしてみましょう。
無理のない返済額は「手取り額の20%ほど」と先ほど学びました。今回の手取り額は30万円であるため、理想的な月々の返済額6万円となりますね。ここで毎月6万円の返済を前提とし、金利2%、35年ローンの場合の支払い金額を算出してみると、結果は1811万円です。
先ほど算出した借入限度額(2716万円)と比較して、900万円弱もの差が出ています。
あくまで返済額においての理想を想定すれば、借入限度額いっぱいまで借りるのは、金額が離れすぎているため現実的ではありません。そもそも手取り30万もあれば比較的収入は良い方といえるでしょう。
限度額いっぱいまで借りることなく、いい条件の物件作りができるはずです。
頭金なしのシミュレーション
それでは先ほど算出した金額をもとに、手取り月収30万(手取り年収360万)による、
- 借入額2716万
- 頭金なし
- ボーナス払いなし
- 35年ローン
- 金利2%
という条件で、月々の支払額をシミュレーションしてみます。
結果は以下の通りです。
元金 | 金利 | 月の支払額 |
6.5万/月 | 2.5万/月 | 9万/月 |
「家賃は手取りの3割程度」とよく言いますが、それを踏まえると手取り30万に対して月々11万は少しオーバー気味です。さらにここに日々の食費や光熱費、通信費などさまざまな固定費が加わってきます。
将来的なライフイベントなど、あらゆる事態を想定すれば家計が苦しくなってくる可能性は十分あります。
「頭金なし」が前提条件だとすれば、ボーナス払いの利用や、より金利の低いローン利用を検討するのも一つの手です。
頭金ありのシミュレーション(頭金1割、2割、3割)
次は反対に、頭金を用意する前提でのシミュレーションを実施していきます。頭金1割・2割・3割それぞれで計算し、それ以外の条件は先ほどと同様です。
頭金1割の場合(272万円)
元金 | 金利 | 月の支払額 |
5.8万円/月 | 2.3万円/月 | 8.1万円/月 |
頭金2割の場合(543万円)
元金 | 金利 | 月の支払額 |
5.2万円/月 | 2.0万円/月 | 7.2万円/月 |
頭金3割の場合(814万円)
元金 | 金利 | 月の支払額 |
4.5万円/月 | 1.8万円/月 | 6.3万円/月 |
頭金が用意できれば毎月の負担額が大きく変わってきます。今回の場合では頭金が3割で、頭金なしの返済額より3万円以上も安くできるのは注目すべき点です。手取り30万円における理想の返済額、6万に当てはめると理想にかなり近づきました。
頭金の用意には時間と労力がかかりますが、その後のランニングコストを考えると、用意できるに越したことはありません。
金銭的な負担が軽くなるほど、「理想のマイホーム」を実現しやすくなるでしょう。
住宅ローンと年収の関係とは
まずは住宅ローンと年収にどのような関係があるのかについてです。
住宅ローン申請の際の審査基準と、年収に応じたローンの適正割合から解説していきます。
住宅ローンの審査基準
住宅ローンの審査には、「事前審査」と「本審査」の2段階があります。金融機関によって異なりますが、審査にかかる期間は事前審査に3〜4日、本審査に1〜2週間程度です。
まず事前審査においては、以下の5項目が審査の基準となります。
健康状態 | ・一般的な前提条件として、団体信用生命保険(団信)への加入 ・疾病や生活習慣病のリスクが高いと団信に加入できないため、審査につまずく可能性がある |
年齢・勤続年数 | ・「完済時年齢」と「借入時年齢」が重視される(前者は80歳未満であること、後者は若すぎると通りづらいという点) ・雇用形態が不安定な場合や、勤続年数が短い場合は審査に通りづらく、個人事業主であったり転職後間もない時期であったりすると審査に不利に働く |
物件の担保評価 | ・ローンの支払いが滞った際に行使されるのが「抵当権」 ・返済不能となった場合は物件が売りに出され、返済に充てられる ・そのためどれだけ物件価値があるかで審査の評価も上がる |
個人の信用情報 | ・過去のクレジットカード返済遅延歴などの情報 ・金融機関が日本信用情報機構などに照会・調査 ・顧客の信用を判断する材料として使用 |
返済負担率 | ・「年収に占める年間返済額の割合」 ・割合が高ければ滞納の可能性も高いと判断され、審査に不利に働く ・一般的に無理のない返済負担率は「20~25%」 |
これらが事前審査の基準であり、ここが通れば次が本審査で、物件の担保評価がより詳しく審査されます。
また本審査の際の提出書類と、事前審査時の申告内容に相違がないかチェックされるため、例えば審査途中で転職をしており収入が減った場合などには、希望額を借りられなくなったり、そもそも審査に通らなくなったりするケースもあり要注意です。
「年収」についても当然重要な審査基準であり、収入が十分になければ将来的に返済が困難になっていく恐れがあるため、「収入の安定性」という意味で勤続年数も大きく関わってきます。
同様の意味で、例えば個人事業主や経営者の方は審査が若干不利になる傾向があるため覚えておきましょう。
適正な割合は手取り月収の20%
一般的に、住宅ローン返済額の適正割合は手取り月収の「20%以内」と言われており、また借入額で言い換えれば、手取り年収の「4〜6倍」になるように設定するのが最適です。これを上回ると、いつか返済に無理が生じるだろうと判断されてしまいます。
マイホームの購入にあたって、住宅ローンでいくらまで借りられるのかが気になりがちですが、それよりも大切な判断ポイントが「どうすれば無理のない返済を続けていけるか」です。
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浜崎編集長
また、返済額のシミュレーションにおいて忘れてはいけない重要な要素が「完済時年齢」です。
目安として、定年となる65歳までに返済し終えるよう設定するのが一般的であるため、例えば30歳でローンを組むなら35年ローン、35歳で組むなら30年ローンとなります。
中には退職金をあてにして65歳以降にも払い続ける想定をする方もいるのですが、企業によっては退職金の額もバラバラな上そもそも無いケースも考えられますし、平均寿命が延びた今の日本で老後をより豊かに暮らすためにも、退職金をローン返済のあてにするのはおすすめしません。
住宅ローンの返済額を抑える4つのポイント
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①金利タイプを選択
住宅ローンの返済額を抑えるにあたって、はじめに選択する金利のタイプが非常に重要です。
住宅ローンの金利タイプには、大きく分けて「固定金利タイプ」と「変動金利タイプ」の2種があり、さらに細かくすると、固定金利タイプは「全期間固定金利型」、変動金利タイプは「変動金利型」と「固定金利期間選択型」に分かれています。
つまり住宅ローンの金利タイプは、合計で3種類あることを覚えておきましょう。
以下が住宅ローンの金利タイプについて、それぞれの特徴・メリット・デメリットをまとめたものです。
特徴 | メリット | デメリット | |
全期間固定 金利型 | 借入期間中の金利変動がない | ・市場金利に左右されない ・返済額が常に一定で安心 ・借り入れの時点で返済計画が完成する | ・市場金利が下がったとしても低い支払額に変更できない |
変動金利型 | 市場金利に応じて金利が変動する | ・市場金利が下がれば返済額も減少する | ・市場金利が上がってしまうと返済額も増えてしまう ・返済計画が立てにくい ・金利が急上昇した場合に未払利息が発生する |
固定金利期間選択型 | 所定の固定金利が期間中適用される | ・固定期間中は返済額が一定で計算しやすい ・市場金利が下がれば返済額も減少する | ・市場金利が上がってしまうと返済額も増えてしまう ・返済計画が立てにくい |
金利のタイプごとにメリット・デメリットがあるため、ローンを組む際は自身に合う金利がどれなのかを慎重に検討すべきです。
例えば固定金利は安定感が売りであり、返済期間が長い世帯や、将来的に子供の教育費などライフイベントで出費が増える見込みのある世帯が向いています。
反対に変動金利は、返済期間が短い世帯や、金利変動によって返済額が増えても対応可能であるような、比較的収入に余裕のある世帯におすすめです。
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②住宅ローン控除を利用
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して家を買った場合に、「年末時点での住宅ローン残高から1%の金額」が所得税や住民税から控除される制度のことです。
控除期間は住宅ローンを組んでから10年間でしたが、消費税額が10%に引き上げられた令和元年を機に、住宅ローン控除の内容も変化し、令和元年10月1日〜令和2年12月31日までに入居した場合は控除期間が13年間に延長されます。
それでは実際の住宅ローン控除の適用条件を以下にまとめていきます。
住宅ローン返済期間が10年以上ある | ・金融機関による一般的な住宅ローンやフラット35が対象で、親ローンなどは対象外 ・勤務先から借入れている場合は利率が1%以上 |
物件取得後6ヶ月以内に入居し、 かつ控除を受ける年の12月31日まで 居住し続けている | ・本人の入居・居住が条件 ・親族や子供だけでは対象外 |
登記上の面積が50㎡以上 | ・店舗などでの利用の場合は半分以上が居住用であること |
年間の合計所得が3000万円以下 | ・年収ではなく「所得」 ・「年収から控除などを引いた額」が3000万円以下であれば控除適用が可 |
たった1%と思うかもしれませんが、その控除金額は非常に高額になるため、年間の負担額に大きな差が出てきます。ローンを組んだ方が自動的に控除されるわけではなく、申告しない限り利用はできません。
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③返済額軽減型の繰り上げ返済を利用
毎月の返済額にプラスして、余分にローン返済を行うことを繰り上げ返済と言います。その方法の一つとして「返済額軽減型」の繰り上げ返済があるのですが、これは返済期間を変えることなく返済金額を減少させる返済方法です。例を挙げると、子供の進学など直近のお金がかかるライフイベントに対応するために、少し余裕のあるタイミングで返済額軽減型の繰り上げ返済が活用されます。
期間を変えることなく返済額を減少できるため、当面の負担が軽くなるという点でおすすめの方法ですが、安定した生活を維持するためにも、生活資金を崩したり貯蓄を回したりせずに、あくまで無理のない返済をしていきましょう。
④物件価格と金利はセットで考える
前提の心掛けとしてですが、物件価格と金利は分けて考えず、二つセットで捉えましょう。土地の価格や物件価格だけで計算しローンを組んでしまった場合、金利が将来上がった際に想定外の出費になり困窮する恐れがあるためです。金利が上がれば月々のローン返済額、将来的な総返済額も増えてしまいます。
金利が変動する可能性もしっかり見通した上で、余裕を持ったローン作成をしましょう。
手取り月収30万で3000万円の住宅ローンを組んだ場合の総利息額とは
さて、利息額についても忘れてはいけません。ここで「月収30万円で3000万円の住宅ローンを組んだ」と想定した場合の利息額をシミュレーションしてみましょう。
「返済期間」「金利タイプ」ごとに分けて、それぞれの総返済額を見ていきます。
【返済期間別】総利息額と総返済額
それではまず、借入金額を3000万円、返済期間を20年・30年・35年と仮定し、金利を2%に固定した場合です。
20年 | 30年 | 35年 | |
月の返済額 | 5万/月 | 7.5万/月 | 8.8万/月 |
総利息額 | 12,009,863円 | 18,014,794円 | 21,016,438円 |
総返済額 | 42,009,863円 | 48,014,794円 | 51,016,438円 |
同じ金利であれば、返済期間が短ければ短いほど、利息も安くなる傾向にあることが分かります。
【金利タイプ別】総利息額と総返済額
次に金利タイプ別でシミュレーションした場合です。今回はフラット35・20・50それぞれから、最も多い金利として掲示されているもので計算しています。
フラット35 (金利1.300%) | フラット20 (1.180%) | フラット50 (1.810%) | |
月の返済額 | 5.7万/月 | 2.9万/月 | 11.3万/月 |
総利息額 | 13,660,684円 | 7,085,819円 | 27,170,827円 |
総返済額 | 43,660,684円 | 37,085,819円 | 57,170,827円 |
こちらも返済期間の時同様、金利が変わったとしても、やはり返済期間が長いほど利息額は高くなります。
手取り月収30万円で借入可能額を増やす方法
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浜崎編集長
今回は例として、「ペアローン」と「収入合算」についてご紹介します。
ペアローン
ペアローンとは、物件一つに対して複数の借り入れ人がローン契約を行う借入方法のことで、主に夫婦で利用されることが多く、お互いが連帯保証人になる方法を指します。
借入金額の増大がペアローンのメリットであり、例えば月収が20万円しかない場合でも、同じ月収の夫婦がそれぞれペアローンを組めば、単純計算で月収40万円扱いになります。「自分の今の収入では毎月の返済額が現実的ではなく厳しそう」という場合や、「もう少し借入額が増えれば希望の条件で物件を買えるのに」といった問題を解消できるのが、ペアローンの特徴です。
その一方、ペアローンには登記費用や司法書士の報酬といった、諸費用も2人分になってしまうというデメリットがあります。また借入額が大きくなる分、単純に返済額も多くなります。
夫婦のどちらかが亡くなった場合でも、死亡した方の残債にしか団体信用生命保険からの充当がないのもデメリットです。
収入合算
収入合算とは、ローンを組む本人の収入に、配偶者・親族・子供の収入を合わせることを指します。世帯としての収入を上げられるため、ペアローンと同様に借入金額の増額が可能です。
「住宅ローンの契約としては一つのもの」という点がペアローンとは異なり、諸費用を抑えられるメリットがありますが、デメリットとしては、連帯債務者の方が団体信用生命保険に加入できないという側面があります。ここで再度、ペアローンと収入合算の違いを整理してみましょう。
今回は、夫婦での申し込みを仮定しています。
ペアローン | 収入合算 | |
契約者 | 夫・妻 | 夫 |
連帯保証人 | 夫・妻 | 妻 |
返済者 | 夫・妻 | 夫 |
団体信用生命保険の加入者 | 夫・妻 | 夫 |
住宅ローンの控除対象 | 夫・妻 | 夫 |
どちらも夫が主たる債務者として仮定していますが、もし債務者が妻になる場合は、上記がそのまま入れ替わるようなイメージです。
収入合算に関しては、ペアローンに比べて連帯債務者になりうる方の範囲が広いことも覚えておきましょう。
手取り月収30万で最大限の借入をするリスク
浜崎編集長
事務員
希望通りの住宅が手に入れば入居後の満足度も高く、まさに「帰りたくなる家」となり、家族団らんにつながることでしょう。少々高いなと思う物件に関しても、将来的に資産価値が上がるという可能性も期待できるため、そういった観点でも限度額いっぱいに借り入れて物件を選ぶというのは大きなメリットです。
そうはいっても最大限の借り入れには多くのリスクが存在します。今回は例として、以下の4点を解説していきます。
貯蓄などが影響する場合がある
借入額を決める際に、月々の目標貯蓄額も考慮しなければ、将来的に不安が付き物でしょう。
貯蓄額の設定を後回しにして、借入額・ローンの返済割合を先に決めてしまうと、月々の返済と日々の食費や光熱費などで思った以上に貯蓄ができないというケースが出てきます。貯蓄が想定通りにできないと、急な出費に対応できなかったり老後の生活資金などがまかなえなかったりと、なにかと大変なことになりかねません。
特に最大限借り入れていればそれだけ総返済額も多くなっているため、月々の貯蓄に回せるだけのお金が残るか不安なところです。
支払いが困難になり貯蓄に手をつけなくては行けなくなる
繰り返しですが、最大限度額いっぱいに借り入れることは、それだけ最終的な返済額も多くなり、月々の返済の負担も大きくなります。返済に決して余裕がない場合、ライフイベントや突発的なイレギュラーが起きて急な出費があった月には、計画的に貯めていた貯蓄を切り崩す必要が出てくるかもしれません。
貯蓄はこういったイレギュラーに対応できるようにという面もあるでしょうが、老後の自分たちの生活や、将来の子供・孫たちのためにも切り崩さずにしっかり貯めていきたいというのが本音でしょう。収入に対する最大限度の借り入れは必然的に余裕がなくなるため、貯蓄に手を出さざるをえなくなる可能性を考慮すべきです。
共働きに関する収入の変動に対応できない
夫婦共働きで、二人の収入を考えた上での限度額いっぱいの借り入れは、その収入に変動があった場合に対応できず、生活が一気に苦しくなるリスクがあります。二人の収入ベースでローンを限度額で設定しているということは、収入が増える分には問題ありませんが、減ってしまった場合には当然返済が厳しくなるでしょう。
転職や退職、あらゆるケースが収入の変動には想定されるため、限度額いっぱいの借り入れは大きなリスクがあることを頭に入れておいてください。
収入合算・ペアローンの相手が働かなくなったら一人で高額のローンを払わなければならない
上と似ていますが、収入合算屋ペアローンを組んでいる場合、一方が何かしらの理由で働かなくなると、必然的に一人の負担が大きくなります。病気や怪我で働けなくなる、あるいは女性が出産・育児で休職や退職したような場合など、特別イレギュラーなことでもなく、一人の収入がなくなるということはよくあるケースです。
こうなることも想定に入れた上でローンは組むべきであり、最大限の借り入れはなにかとリスキーであることを覚えておきましょう。
まとめ
今回は、手取り月収30万円で住宅ローンを借り入れる場合を想定して、さまざまな条件でのシミュレーションを実施してきました。
また住宅ローンの審査基準や適正な割合、年収との関係性といった、住宅ローンについての基礎知識についても解説しながら、手取り月収に応じた借入可能な金額、頭金の有無それぞれでのシミュレーション、利息の総返済額など、住宅ローンを組む際に理解しておくべきポイントを多数解説しましたが、参考になりましたか?
住宅ローン返済の負担を減らすためには、金利タイプの選択や住宅ローン控除の利用、返済額軽減型の繰上げ返済実施など、さまざまな観点で考え、メリット・デメリットを知っておく必要があります。
また完済時年齢を見越して家を建てるタイミングを考えたり、適正なローン金額や期間などを検討したり、自身の手取り月収に見合ったシミュレーションが大切です。
自身の収入に余裕がないと自覚しながら無理な住宅ローンを組んでしまうと、月々の負担はもちろんのこと、老後の負担も大きくなってしまいます。
老後を不安なく過ごすためにも、ペアローンや収入合算といった方法で、借入額を増額させる方法も効果的です。
事務員
浜崎編集長