おすすめの断熱材ランキング!最強の種類や実際は何がいいかを解説

断熱材のおすすめランキング

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のまとめ
  1. 断熱材ランキングを紹介!
  2. 断熱材のおすすめってある?
  3. 断熱材の素材や工法について解説

住宅の過ごしやすさに大きく影響するのが「断熱性」ですよね。

高気密・高断熱の家なら、外の空気を通しにくいので、夏は涼しく冬は暖かい家が実現できます。

そこで、どんな断熱材を導入するかは非常に重要。

コストや機能面を比較しながら、マイホームにぴったりの断熱材を見つける必要があります。

この記事では、おすすめの断熱材ランキングをご紹介!断熱材の工法や選び方についても解説するので、どの断熱材を導入するかお困りの方はぜひ参考にしてください。

断熱材とは?グラスウールとは?|断熱材の種類・ランキング

断熱材とは?グラスウールとは?|断熱材の種類・ランキング

一括りに断熱材といっても、どんな材料からできているかはもちろん、性能や価格帯が種類ごとに大きく違います。

そのため、マイホームのこだわりや理想の快適性を実現できる断熱材を選ぶことが大切。機能面やマイホームとの相性を見極めることがポイントです。

断熱材の種類によって価格も大きく異なるため、住宅全体に施工する必要がある断熱材は予算面でも慎重に選ぶことをおすすめします。

ここからは、代表的な断熱材の4種類の素材について、メリットデメリットや特徴をランキング形式でご紹介します。

断熱材の素材によっては工法が限られることもあるので、マイホームを建設する工務店やリフォーム会社とも事前に相談しておきましょう!

事務員

1位:発泡プラスチック系

おすすめの断熱材ランキング第1位は、ポリスチレンやウレタンを使用した発泡プラスチック系断熱材です。

素材のバリエーションが豊かで、同じ発泡プラスチック系に分類される断熱材でも、価格帯や特徴に大きな違いがあります。

発泡プラスチック系の特徴
  • 素材が軽く自由に形成しやすい
  • 耐水性があり結露に強い
  • 劣化が少なく長持ち
  • 外張りと充填どちらの工法にも対応
  • 耐火性が少なく燃えやすい

一般的にはポリスチレンを使用したものが多めで、発泡スチロールとほとんど同じ素材なので、重さが軽く施工が簡単です。

外張り工法と充填工法のどちらにも対応でき、場所を選ばず活躍。

自由に変形しやすいことから、どんな形の部屋にも隙間なく断熱材を敷き詰めることが可能です。

耐水性に優れていることから、結露にも強いだけでなく、耐久性が高く長持ちするのも大きなメリットだと言えます。

火に弱いのがデメリットで、燃えると有毒ガスが発生する素材もあるので、選ぶ際は慎重にご検討ください!

事務員

2位:天然素材系

おすすめの断熱材ランキング第2位は、天然の素材を利用した天然素材系の断熱材です。

羊の毛を原料とした「ウールプレス」やワインの栓でも使用されている樹の皮を原料とした「炭化コルク」などが挙げられます。

天然素材系の特徴
  • 体にやさしい
  • 湿度を調整するのに優れている
  • ダニなどの防虫効果がある
  • 価格が高い
  • 取り扱い業者が少ない

体にやさしい天然の素材を使用していることから、シックハウス症候群でも安心して過ごせます。

空気をためて断熱できるので、どちらも湿気を吸ったり放出したりして調整する調湿力に優れており、結露対策はバッチリ。空気には吸音する特徴もあるので、防音性も高めです。

また、自然の防虫効果があるので、ダニなどの害虫を寄せ付けにくいのも大きなメリットだと言えます。

浜崎編集長

一方で、羊毛・コルクともに、日本では流通量が少なく、海外からの輸入になるケースが多いので、コストが高く取り扱い業者が少ないという懸念点もあります。

3位:無機繊維系

おすすめの断熱材ランキング第3位は、ガラスや砂などの鉱物を原材料とする​​無機繊維系の断熱材(グラスウール・ロックウールなど)です。

グラスウールはガラスが繊維状になったものが原料で、ロックウールは玄武岩などの石が原料。

どちらも燃えにくいので、耐火性は抜群です。

無機繊維系の特徴
  • 価格が安く流通量が多い
  • 燃えにくい
  • シロアリなどの害虫被害に強い
  • 湿気に弱く結露ができやすい
  • 充填工法以外では設置できないことが多い

ロックウールよりもグラスウールは価格が安いため、日本での流通量が多いオーソドックスな断熱材だと言えます。

ガラスや石が原料であることから、燃えにくいだけでなく、害虫被害が少ないのも嬉しいポイント。

一方で、どちらも湿気に弱いことが大きなデメリットで、無機繊維系の断熱材を使用する場合は、必ず結露対策が必要になります。

充填工法以外では設置できないことが多いので、マイホームの施工方法を確認する必要があります!

事務員

4位:木質繊維系

おすすめの断熱材ランキング第4位は、古紙や木材のくずなどを使用した木質繊維系の断熱材(セルロースファイバーなど)です。

環境評価が高い断熱材とも言われていて、ヨーロッパ地方のエコハウスでは普及率が高い断熱材です。

廃棄されたものをリサイクルすることが可能なので、人にも環境にもやさしい素材だと言えます。

木質繊維系
  • 環境にやさしい
  • 防音効果がある
  • 結露が発生しにくい
  • 価格が高い
  • 施工できる業者が少ない

使用されなくなった新聞紙や木のくずを再利用した原料かつ隙間を作らない充填工法で施工するので、断熱材の密度が高いことがポイント。

断熱性だけでなく、防音効果も期待できます。

さらに、木質系の素材は、水蒸気を吸収するという特徴があることから、内部に結露が発生しにくいというメリットもあります。

浜崎編集長

価格は少し高いですが、マイホームに木の素材を使ってこだわっている方にはぴったり!

なお、日本では流通量が少ないことから、施工できる業者を探す手間がかかる可能性が高いです。

床下におすすめの断熱材は何が最強?

床下におすすめの断熱材は何が最強?

床下に断熱材を入れることで、冷たい空気が地面から伝わってくるのを防止できます。特におすすめで最強の断熱材は、繊維系もしくは発泡系です。それぞれの種類でおすすめの断熱材についてまとめています。

繊維系発泡系
グラスウール
ロックウール
セルロース
ウール
コルク
ポリスチレンフォーム(押出・ビーズ法)
フェノールフォーム
ウレタンフォーム

この中でも発砲ウレタンは人気があり、現場発泡吹き付けウレタンフォーム、吹き付けウレタンフォームとも呼ばれています。

また床下の断熱には「床断熱工法」と「基礎断熱工法」の2種類があることを覚えておいてください。床断熱工法とは、床下に直接断熱材を施す工法のことです。対して基礎断熱工法は、基礎の段階で断熱を施す工法を指します。

浜崎編集長

家を建てる際は、2種類の断熱工法があることを前提に、断熱材を選んでください。

断熱材の工法について

おすすめの断熱材のランキング!工法について

おすすめの断熱材ランキングをご紹介してきましたが、「工法についてよくわからない」という方も多いのではないでしょうか?

簡単にいうと、断熱材を取り付ける工事には2種類の工法があるのです。

断熱材の工法
  • 外張り(そとばり)工法
  • 充填(じゅうてん)工法

ここからは、2つの工法の特徴やメリット・デメリットについてご紹介していきます。

建物の構造や断熱材を施工する業者によって、どちらの工法を採用するかは異なるので、あらかじめチェックしておくことをおすすめします。

浜崎編集長

断熱材の種類の中には、どちらかの工法にしか対応していないケースもあるので、マイホームはどちらの工法で断熱材を施工するか確認しましょう!

外張り工法とは?

外張り工法とは、壁の外側に断熱材を貼り付けるタイプ。

柱や壁の外側で断熱するため、壁の中も室内と同じ気温に保ちやすく、壁の中で結露ができてしまう心配が少ないというメリットがあります。

さらに、外側からつなぎ目に気密性のあるテープを貼るため、隙間ができにくく湿気の侵入も防げます。

壁などの隙間を埋めないということは、配線や配管も設置しやすいということですね!

事務員

浜崎編集長

しかし、外から追加で断熱材を貼る工事が必要となるので、「充填工法よりもコストがかかる」というデメリットにはご注意ください。

充填工法とは?

充填工法とは、柱や壁の間に断熱材を挟み込むタイプ。

無機繊維系などの充填工法にしか対応していない断熱材も多く、どんな形状でも比較的施工しやすいことがメリットですが、隙間ができやすいという懸念点もあります。

空いている空間を利用するため、低コストで断熱材を導入できるのが嬉しいポイント。木造住宅で用いられることが多く、日本では主流の断熱工法です。

注意

厚みのある断熱材も入れられますが、結露対策として防湿・気密シートなどを設置しなければならないケースが多いので注意が必要です。

断熱材は何がいい?選び方

おすすめの断熱材の選び方

おすすめの断熱材ランキングをご紹介してきましたが、「まだマイホームに合った断熱材は何がいいのか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実際に、人それぞれの断熱材に求める条件やマイホームのこだわりによって最適な断熱材は異なるので、慎重に選ぶ必要があります。

コスト重視や性能重視など「断熱材に求めるもの」をご家族などとあらかじめ相談しておくと、断熱材選びの際に参考にしやすいです。

浜崎編集長

ここからは、どんな人にどの断熱材がおすすめかをご紹介するので、断熱材の種類で迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
まずは、コスト面で種類を絞ってから、熱伝導率や耐湿性などの特徴を比較していくと、スムーズに断熱材を決められます!

事務員

コストを抑えるなら無機繊維系がおすすめ

とにかくコスト重視で断熱材を導入したいという方には、無機繊維系がおすすめです。

ガラスや石などを原料とした無機繊維系の断熱材は、流通量が多く断熱材の中で最も安いことからコストパフォーマンスが高め。

さらに、充填工法で施工するので、工法のみで比較してもコストを抑えやすいと言えます。

注意

無機繊維系の断熱材は湿気に弱いため、湿度が高い場所や地域によっては推奨されていない可能性があります。

湿気対策が必要となるので、コスト重視で取り入れる方は、湿気対策シートなどの値段も考慮することが大切です。

実際に無機繊維系の断熱材を導入を検討している方は、必ず上記の注意点を確認してから最終決定をしてください。

断熱材のコストを抑えられるということは、余った予算を他のこだわりたい場所に充てられますね。

事務員

浜崎編集長

断熱材はリフォームで入れ直すこともできるので、一旦コストが安い断熱材を導入しておくという選択肢もあります。

熱の効果をより高めたいなら発泡プラスチック系

断熱材おすすめランキング第1位の発泡プラスチック系は、他の断熱材と比べて低い熱伝導率を持っていることが特徴です。

熱伝導率が低いということは、外の冷たい(熱い)空気の影響を受けにくいということ。

室内を常に快適に保つ機能性で選ぶ場合は、発泡プラスチック系の断熱材が圧倒的におすすめです。

代表的な発泡プラスチック系の断熱材
  • 押出法ポリスチレンフォーム
  • ビーズ法ポリスチレン
  • 硬質ウレタンフォーム
  • 吹付け硬質ウレタンフォーム
  • フェノールフォーム

種類が多いことも特徴で、一般的に火に弱いとされている発泡プラスチック系ですが、高価なフェノールフォームなら燃えにくいという特性も持っています。

外張り工法と充填工法のどちらでも施工でき、さまざまな価格帯や特徴から選べますが、素材によっては非常に高価になっているためご注意ください。

浜崎編集長

もちろん性能が高ければ高いほど費用がかかるので、「いくらまでの予算で最低どのくらいの性能が欲しいのか」のバランスを見極めることが重要です。

防虫や結露対策も完璧にしたいなら天然素材系

断熱性能だけでなく、防虫効果や結露対策までバッチリの断熱材が良いという方は、天然素材系がおすすめです。

羽毛や炭化コルクなど自然由来の原料を使用することから、体にやさしく持続力が長い防虫処理が施されているケースや素材本来に防虫効果があるケースが多め。

さらに、湿気を吸ったり放出したりして湿度を調節できる性能も持ち合わせていることから、結露対策もほとんど必要ありません。

ここまで性能が高いのに、なぜおすすめの断熱材ランキングで2位となっているのですか?

事務員

浜崎編集長

断熱材の中では、圧倒的にコストがかかるというデメリットがあるからです!

断熱材の原料となる天然素材は海外から輸入することが多く、高額な輸入コストも加算されるため、予算に余裕がなければ導入が難しいと言えます。

注意

天然素材系の断熱材は、日本での流通量が少なめ。

つまり、日本では取り扱っている専門業者が少なく、希望の天然素材を輸入している業者を探す手間もかかります。

まとめ|おすすめの断熱材ランキング!素材によってポイントは様々

おすすめの断熱材ランキングと素材の特徴についてご紹介しましたが、マイホームに導入する断熱材は決まりましたでしょうか?

マイホームの快適性を大きく左右する断熱材だからこそ、希望の性能やこだわりにマッチした種類を慎重にご検討ください。

断熱材選びのポイント
  • マイホーム周辺の環境(湿度・雨の多さなど)
  • 熱伝導率の低さ(断熱性能)
  • 湿度調整機能(吸湿・放湿)
  • 防虫効果
  • 水に対する強さ
  • 燃えにくさ
  • コストパフォーマンス

断熱材を選ぶときは、上記のポイントの中から優先したい項目をまとめておくとスムーズに決めやすいです。

また、外張り工法と充填工法の特徴も比較して、どちらの工法を採用するかも大切。

施工方法別に、選べる断熱材の種類も限られてくるのでご注意ください。

住宅の周辺環境や構造によっては、すでに工法が決まっているケースがあることから、建築士や施工会社の方に、工法を確認しておくことをおすすめします。

※リフォームの場合は、新築を担当したハウスメーカー

断熱材は部屋の過ごしやすさに大きく影響するものなので、納得のいく素材を選んで夏も冬も快適なマイホームを手に入れてくださいね。