- 防音室を導入する方法は、リフォームや市販で購入した防音室の組み立て、遮音シートの貼り付けなどがある
- 原状回復と大家さんの許可は必須。防音対策はしていても音を出す時間帯に配慮が必要。
- 防音室付きマンションは専用不動産サイトか音楽大学周辺から探すのがおすすめ
「マンションに防音室を設置したい」
「防音性の高い物件に住みたい」「分譲マンションで防音室を設置したいけど、自由に設置していいの?リフォーム費用は?」
このように悩んでいませんか?
大音量で音楽を聴きたい方や楽器の練習がしたい方などにとって、住まいの防音性は欠かせないポイントです。
音の問題は賃貸でトラブルの原因になりやすい項目の一つなので、解決しておきたいですよね。
今回この記事では、防音室付きマンションの特徴やユニットなどの種類、導入する場合の費用、探し方などについてご紹介します。
浜崎編集長
防音室付きマンションはどんな建物?
防音室付きのマンションは名称の通り、部屋ごとに防音性が備わっている物件です。
鉄筋コンクリート造の場合が多く、壁や窓を中心にして防音に特化した素材や構造を取り入れています。
高い遮音性を持つ石膏ボードや、防音用の資材でもある制震ボードが使用されているのも、防音製の高い建物の特徴です。床や天井には吸音材を使用しています。
そのほかには「中間二重構造」を取り入れた壁も特徴の一つです。
壁の内側に空間を作り、その中に吸音材を敷き詰めることで防音性を高めます。コンクリート壁に壁紙を直接貼り付けるマンションとは異なり、より高い防音性が期待できるのです。
また、音漏れ防止の効果がある「二重サッシ」も使用されています。
窓ガラスの内側にもう1枚ガラスを追加することで、防音効果や気密性がアップ。窓ガラスが1枚増えるだけで室内の音が響きにくくなり、屋外の騒音も遮断する効果が期待できます。
マンションによっては「三重サッシ」を取り入れている防音室もあるため、より高い防音性を求める方は注目してみてください。
事務員
分譲マンションで防音室は作れる?
分譲は賃貸とは違い、オーナーは自分自身のため、自由に改造して問題ないと思っている方も多いでしょう。
結論を先に言うと分譲マンションの防音室は勝手気ままに設置はできません。手順を見て行きましょう。
分譲マンションでも自由に工事はできない
賃貸マンションではなく、分譲マンションを購入しているのであれば自由に防音室を作って良いのでは?と思うかもしれません。
しかし、たとえ分譲で購入したとしても、管理規約や組合の掲示する条件によっては防音室の設置が認められないことがあります。
事務員
浜崎編集長
マンションに防音室を作る方法
事務員
浜崎編集長
ここでは、マンションに防音室を作る方法について以下の3つを紹介します。
- リフォーム
- 防音室の設置
- 吸音材などの対策
防音室にリフォームをする
リフォーム業者に依頼して、部屋そのものを防音室にリフォームしてしまう方法です。
住んでいる部屋の床・天井・壁・窓などを、遮音性が優れた素材や構造に変更することで、防音室へと生まれ変わります。
使用したい楽器に応じた防音性を備えられるのも、リフォームの特徴でありメリットです。先ほど紹介した「楽器相談可物件」では許可が出なかった楽器でも、それに備えた防音性を備えることで部屋での演奏が可能になります。
どのマンションでもリフォームができるとは限りません。構造上の理由などで防音にできない場合もあります。
防音室を設置する
ユニットタイプの防音室を設置する方法です。
ユニットタイプの防音室は市販されているため入手がしやすく、簡単に組み立てられるものもあります。
住んでいるマンションから引っ越す可能性がある場合にも、現状復帰がしやすいという理由から市販の防音室はおすすめです。
市販の防音室は工事が不要な反面、防音室の購入に費用がかかります。
安いものであれば10万円台から購入できますが、防音性能に差が出てしまうため注意が必要です。
耐荷重などの問題から防音室の導入を禁止されることもあります。リフォームと同様、導入前には大家さんの許可が必要です。
吸音素材などで防音対策をする
床や壁に市販の吸音材や遮音シートを貼り付け、簡易的な防音室を作る方法です。
楽器の演奏のような大きな音は出さないけど、お子様の声などが気になるという方におすすめ。
寝室やシアタールームなど、音が気になる箇所だけに設置できるのもメリットです。防音性能ではリフォームや市販の防音室に劣りますが、費用や工数を抑えて手軽に導入できます。
マンション周りの生活音が気になる場合にも、吸音素材や遮音シートの貼り付けは効果的です。
窓に貼り付けることで結露の防止になるため、生活をより便利にするためのグッズとして導入するのもおすすめです。
防音室付きマンションの費用
事務員
浜崎編集長
先ほど紹介した、リフォーム・防音室の設置・吸音材などの対策を施した場合の費用相場を紹介します。
防音室の種類 | 費用相場 |
リフォーム | 100~500万円台 |
市販の防音室 | 15~300万円台 |
吸音材・遮音シート | 数千円~30万円台 |
事務員
浜崎編集長
防音室付きマンションの注意点
防音室付きマンションに住むためには、事前に把握しておかなければならない注意点がいくつかあります。ここでは、防音室付きマンションに関する、以下の注意点について解説します。
- 完全に音を防げるとは限らない
- 密室なので湿度が高くなる
- ルールを守らないとトラブルになる
- 分譲マンションでも自由に工事はできない
- 防音の目的をはっきりさせる
- 大家さんの許可を取らなければいけない
- 退去時には原状回復が必要
- 大型の楽器は搬入できない場合も
防音室付きのマンションへの引っ越しを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
完全に音を防げるとは限らない
防音室付きでも、すべての音を完全にシャットアウトできるわけではありません。平均的な遮音性の防音室だと、管楽器やドラムなどの大きな音を発する楽器には対応しきれない場合もあります。
防音性能を確認するには、遮音等級という数値を参考にしてみてください。
遮音等級はD-15~の数値で表されます。
住宅の遮音等級は木造住宅でD-30・D-40、楽器可能物件でD-60・D-70、平均的な装備の防音室でD-75・D-95ほどです。
管楽器やドラムの音を遮音するには、D-80以上の遮音等級が必要とされるため、防音室が備わっているからといって完全に防音できるとは限りません。
事務員
浜崎編集長
密室なので湿度が高くなる
防音室は、音を外に逃がさないよう密室空間になっていることがほとんどです。そのため、空気の循環が悪く湿度も高くなります。
湿度が高くなると、カビの発生や体調不良の原因になるので注意しなければいけません。
また、楽器や音響機材は湿気に弱いため、傷んでしまう可能性があります。
防音室を導入・設置する場合は、換気や湿度調整についても意識を向けることが大切です。
ルールを守らないとトラブルになる
防音室が備わっているからといって、24時間常に音を出しても良いかというとそうではありません。
マンションは多くの人が生活をする空間であるため、ルールやマナーを守ることが必要不可欠です。
マンションによっては音を出して良い時間が決められているため、ルールとして定められた時間内で防音室を利用するよう配慮が必要です。
事務員
浜崎編集長
防音の目的をはっきりさせる
防音室を使う目的によって、必要な費用や工程などが変わってきます。
たとえば楽器を演奏するのであれば、楽器ごとに適した遮音等級の防音室が必要です。遮音等級が高いほど工事費用も高くなります。
外の音を遮音したいだけ、音楽を聴きたいだけであれば、大掛かりな工事は不要な場合も。
工事が不要であれば、市販の防音室を導入したり、遮音シートの貼り付けだけで済んだりと費用を安く抑えられます。
事務員
浜崎編集長
大家さんの許可を取らなければいけない
賃貸マンションの場合、管理規約の確認などはもちろんのこと、大家さんに許可を取る必要があります。
管理規約上問題なくても、大家さんからNGが出てしまうと、当然防音室は導入できません。
しっかりした設備の防音室を導入するには工事が必須であるため、大家さんに許可を取ることは必要不可欠です。工事が発生しない市販の防音室でも、基本的には確認しなければいけません。
事務員
浜崎編集長
退去時には原状回復が必要
賃貸マンションには「原状回復義務」があるため、防音室を導入した場合は退去時に原状回復が必須になります。
仮に防音室の工事に許可が降りたとしても、退去時には元に戻さないといけません。
事務員
浜崎編集長
大型の楽器は搬入できない場合も
マンションの構造によっては、グランドピアノなどの大型楽器が搬入できない場合があります。
部屋を防音室にできても、入り口が小さい場合などは、そもそも搬入が不可能です。
部屋の入口だけでなく、通路などの搬入経路が通れるかも確認しておかなければいけません。
事務員
浜崎編集長
防音室付きマンションの種類
防音室付きの賃貸マンションは、以下の3種類に分類されます。
- 防音設備が備わった防音室付き物件
- 防音設備がない楽器相談可物件
- 防音の共有スペースがある物件
以下では、それぞれの特徴について解説します。
防音設備が備わった防音室付き物件
建物全体や各部屋に防音設備が備わっている物件です。
もとから防音タイプの建物なので、高い防音性が期待できます。
音を出すのに時間制限がない物件なら、24時間いつでも気兼ねなく楽器の練習や映画の視聴を楽しめますね。
防音設備がない楽器相談可物件
マンション自体に防音設備がないのが楽器相談可物件の特徴です。
もしくは、防音性能が低いものの、ある程度の音を出すことが許可されているタイプの物件もあります。
すべての楽器が許可されるわけではなく、特別大きな音が鳴る楽器に関しては許可がでない場合もあります。
楽器相談可物件を選択する場合は、入居を決める前に使用できる楽器の種類や、音を出せる時間帯を確認してください。
防音の共有スペースがある物件
各部屋には防音設備がなく、住民が共有して使えるようなスペースがある物件です。
楽器の練習ができるような小型の防音室や、シアタールームのような防音室が備わっている場合もあります。
プールやジムが設置されているマンションをイメージすればわかりやすいかもしれません。
利用時間が限られている点や、同じ時間に利用する住民同士の気遣いが必要になります。
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防音室付きマンションの探し方
では、防音室が付いたマンションは、どのように見つければ良いのでしょうか。
主な方法としては、以下の2パターンがあります。
- 専用の不動産サイトで探す
- 音楽大学の近くで探す
これらの方法について解説します。
専用の不動産サイトで探す
不動産サイトの中には、防音・楽器相談可の物件だけを取り扱っているサイトがあります。
防音の物件だけに絞って掲載しているので、どんな楽器なら許可されているのか、何時まで大丈夫かなど、細かい情報が記載されているので探しやすいですよ。
不動産サイトによっては、防音室付きや楽器相談可を検索で絞れるサイトもあります。検索機能の充実した不動産サイトなら、防音室付き物件を探しやすいです。
音楽大学の近くで探す
音楽大学の周辺は、音大生向けの物件が多くあります。
音大生向けとして防音性能に配慮した物件もあるため、音楽大学の周辺で物件を探すのもおすすめです。
防音室付きの物件を探すには、居住予定のエリアにある音楽大学を調べるのも有効ですね。
まとめ
今回は、マンションの防音性にこだわりたい方に向けて、防音室について紹介しました。防音室付きマンションの特徴や種類といった基本的な観点から、自室を防音室にするための方法についても解説しています。
お住まいのマンションに防音室を導入するには、リフォームや市販で購入した防音室の設置、遮音シートの貼り付けなどが方法として挙げられます。
どの方法も、防音性能にこだわるほど費用が高くなるため十分な予算が必要です。
防音室の遮音性能やマンションのルールなど、把握しておくべきことも多数あります。入居後にトラブルにならないよう、事前に確認して置くことが大切です。
事務員
浜崎編集長