- 銀行は個人信用情報を調べれば他社借入状況をすぐに把握できる
- 申込者が自身の借入を正確に把握しているかどうかを確認している
- 嘘の申告は「信用できない人」というレッテルを貼られマイナスになる
住宅ローンの事前審査申込書では借入履歴を申告する欄があります。 「どこから」「いくら借りていて」「毎月いくら返済しているのか」ということを申告しなければならないので、記入はそれなりに面倒です。
小島社長
事務員
多くの人は他社借入を過少に申告する
まず銀行が顧客のことをどのような目線で見ているのかご説明していきたいと思います。
銀行は顧客に対して「性悪説」で審査を行っています。 つまり「顧客は審査に通過するために嘘をつくもの」という目線です。 そして実際に筆者の経験上、多くの顧客が住宅ローンやその他のローンの申込時には他社借入を実態よりも少なく過少申告する傾向にあります。
銀行は顧客が「嘘をつく可能性が高い」と分かった上で他社借入の自己申告を行わせているのです。 また、そもそも他社借入は闇金や個人的な借入以外にはすべて個人信用情報に記録されており、事前審査では個人信用情報に照会を行いそこから「他社借入がどれくらいあるのか」というチェックを行っています。
小島社長
事務員
- 自分の借金を把握できているかの確認
- 審査に通過できそうな人かどうかを銀行員が判断するため
自分の借金を把握できているかの確認
事前審査の際に他社借入を申告させる最も大きな理由は「自分の借金を把握できている人かどうか」ということです。 借金の実態と申告金額が合致している人は「自分の借金の把握ができている計画性の高い人」などとプラスの評価になります。 一方で申告した借金の内容と借金の実態が全く異なる人は「自分の借金すら把握できていないルーズな人」というネガティブ評価になります。
もしくは明らかに意図的に嘘をついていると思われるような規模の大きな過少申告をする人に対しては「都合の悪いことは嘘でごまかす信用できない人」というさらにネガティブな評価も加わります。
小島社長
審査に通過できそうな人かどうかを銀行員が判断するため
この他、銀行の実務上の理由という点も挙げられるでしょう。 ネットバンクなど、ネットで申し込みをした事前審査の内容がすぐに審査システムに反映されるのであれば事前審査に銀行側の手間はほとんどかかりません。
しかし地方銀行などの店舗型の銀行の住宅ローン審査の現場では、顧客から受け付けた事前審査申込書に簡単な資料をつけて保証会社にFAXなどで審査依頼を出します。 この手間がそこそこ面倒で時間もかかります。
そこで事前審査申込書を受け付けた段階で、申込書に記載された他社借入や年収から「この人は審査に通過できそうな人かどうか」ということを銀行員が判断しているのです。
事務員
まとめ
住宅ローンの審査では個人信用情報の照会を行いますので、ここで「どこから」「どのローンを」「いくら」借りているのかということは丸裸になってしまいます。 事前審査申込書の他社借入欄を過少に申告することは意味がないばかりかマイナスです。
銀行は「自分の借金を把握しているか」ということをこの部分でチェックしています。 住宅ローン審査では、申込内容全ての裏をとります。 他社借入だけでなく、その他の情報についても嘘はマイナスにしかなりませんので、必ず正直に申告するようにしましょう。