- 住宅ローン審査で本人以外の同居人の構成を申告する理由
- 家族の信用情報は住宅ローンの審査に影響する?
- 住宅ローンの審査項目についても紹介
住宅ローンの事前審査では本人以外の同居人・家族の構成や職業や年齢まで申告しなければなりません。
住宅ローンの事前審査では家族状況からどのような判断をしているのでしょうか?
家族、同居人の信用情報は審査に影響するのでしょうか?元銀行員が詳しく解説していきます。
住宅ローン審査で本人以外の同居人の構成を申告する理由
住宅ローンの審査では、本人以外の同居人や家族構成も申告する必要があります。それはいったいなぜなのでしょうか?
3つに絞ってご紹介します。
- 返済に対する姿勢を審査するため
- 返済を支援してくれる家族がいるかチェックするため
- 今後のライフプランを審査するため
返済に対する姿勢を審査するため
家族状況から住宅ローン申込者の返済に対する姿勢や、購入する住宅の重要性を判断することができます。
家族がいる人の方が返済に励む
家族にとって住宅は非常に重要です。 もしも住宅ローンの返済ができずに住宅が差し押さえられてしまったら、家族が住む家が失われてしまいます。 このため、一般的に家族がいる人の方が大切な家族の居場所を失わないために返済に励む傾向があります。
独身1人暮らしでは返済から逃げることは容易
逆に独身の1人暮らしでは返済が苦しくなった時に住宅を捨てて逃げてしまうことは、間違いなく家族がいる人よりも簡単です。 実際に筆者が見てきた住宅ローンが不良債権化している人は、独身か子供がいない家庭の人の方が割合的に多かったという印象があります。 また独身の人の方が家族を養うという責任がないので、仕事も比較的簡単に辞めてしまう傾向があります。
住宅ローン審査で最も重要なことは、現在の収入が住宅ローン完済まで継続するという見込みができるかどうかです。
返済を支援してくれる家族がいるかチェックするため
住宅ローンの事前審査で家族状況を申告する理由の2点目が「返済を支援してくれる家族がいるかどうか」を判断するためです。
親が同居の場合は審査で有利
一般的に親と同居している人の方が審査では有利になります。 親に給与や年金収入がある場合には、借主の収入が減った場合でも返済を支援してくれる可能性が高いためです。
共働きの方が審査で有利
また夫婦共働きの場合には夫の収入で住宅ローンを返済することができなくても、妻の収入で返済をカバーすることができる可能性が高いので審査では有利になります。 妻が専業主婦であったとしても生活が苦しくなった時にパートなどで家計を補うことができるので、独身者よりも審査で有利になる傾向があります。
今後のライフプランを審査するため
住宅ローン事前審査で子供の年齢まで申告させる理由は、今後のライフプランをある程度把握するためと言われています。 例えば子供が数年後に大学進学を控えているような場合には、教育費や仕送りによって家計の支出が増大することが予想されます。
そのようなタイミングで、返済負担率ギリギリまで住宅ローンを組んでしまったら、住宅ローンの返済が危ぶまれてしまいます。
住宅ローン審査で家族や同居人の信用情報は照会される?
個人信用情報とは、クレジットカードのリボ払いやカードローンなどの借入や返済に関する情報のことです。
住宅ローン審査を行う際に、金融機関は貸し借りの履歴や返済の実績、借り手の収入等を見て申込者の信用力を評価します。
信用が高ければ、低金利での融資が期待できますが、逆に信用が低い場合は融資が難しくなる可能性があるので、個人信用情報はとても重要です。
この章では、本人以外の同居人や家族の個人信用情報は、住宅ローン審査に影響するのかについて解説します。
住宅ローンの審査で妻の借金がバレる?家族の信用情報は照会されるのか
住宅ローン審査において、「住宅ローンの審査で妻の借金がバレるのでは?」「妻の収入は不安定だけど大丈夫?」「妻にクレジットカードローンがある」「収入合算の場合、妻の信用情報も審査する?その内容は?」などと、本人以外の家族の信用情報に不安がある人もいるのではないでしょうか。
しかし、住宅ローンの審査において、個人信用情報の確認が必要なのは申し込み者本人のみです。
そのため、妻や夫の借金がバレる心配や妻や家族のクレジットカードの情報が見られる心配はしなくて大丈夫でしょう。
住宅ローン審査で収入合算やペアローンの場合は要注意!妻(夫)の信用情報の内容も対象
先ほど住宅ローン審査では、個人信用情報を見られるのは申込者本人のみとお伝えしましたが、ペアローンや収益合算タイプのローンを組む方は要注意です。
収入合算やペアローンの場合、一緒に組む相手の個人信用情報も確認されます。
住宅ローンでペアローンにしたことで、「妻(夫)の借金がバレる」「妻(夫)のクレジットカードローンが発覚した」などということで揉める場合もあるようです。
住宅ローンの審査基準・項目は?
- 完済時と借入時の年齢
- 健康状態
- 担保評価
- 勤続年数
- 連帯保証
- 返済負担率
- 年収
- 金融機関の営業エリア
- 国籍
- 融資可能額
- 雇用形態
- 債務状況・返済履歴
- 申込者の取引状況
- 業種
- 家族構成
- 所有する資産
- 雇用先の規模
- 性別
上記をみて分かる通り、住宅ローン審査では様々な内容を評価されます。
年齢が若い・かつ健康状態が良い方が有利であり、勤務先は安定した企業でかつ年収が高い方が審査においては有利になるでしょう。
また債務状況や返済履歴もしっかり確認されるので、借金や過去の返済遅延などの履歴がある方は要注意です。
まとめ
家族がいない独身1人暮らしの人でも、本人の信用に問題がなければ住宅ローンの審査に通過することはできます。 しかし本人の信用が住宅ローン審査の当落線上のような場合には、家族がいる人の方が審査で有利になることがあります。 家族がいる人の方が住宅を失うわけにいかないので返済に励む傾向があり、家族が返済を支援してくれる可能性も高いためです。