遺品整理の料金相場とは?東京の相場や価格の決まり方、安くするポイントと業者の選び方完全ガイド

この記事を書いた人
平野 直樹
不動産コンサルタント・一級建築士

関西大学工学部卒業後、首都高速道路の設計や戸建設計など建設コンサルタントとして活躍。川を活かした街づくりや土地有効活用を掲げるシンクタンクを経た後、現在は有限会社エクセイト研究所の取締役を務める。 保有資格:1級建築士、1級土木施工管理技士、宅地建物取引士

この記事のざっくりしたポイント
  1. 同じ間取りでも料金に差が出る理由は、処分する物品の量に違いが生じるから
  2. 親切・丁寧な遺品整理業者の選択が必要
  3. 遺品整理に時間を割くことが困難な人や、業者を探すのが面倒な人であれば、紹介業者を通して優秀な業者の選択をされることをお勧め

家族などの大切な方が亡くなられた際、残された方は遺品整理を行う必要があります。しかし、その方の所有物が多い場合、「どこから手を付けていいのかわからない」と、お困りの方はおられませんか?実は遺品整理を専門に扱う業者がいます。

多くの住宅に関する相談事や悩み事を解決してきた不動産コンサルタントが、遺品整理の相場や料金の決まり方、遺品整理業者の選び方、遺品整理の紹介業者を解説します。遺品整理料金の目安を知ることができ、事前に買取りサービスなどを活用することにより、料金を安く抑えるノウハウを理解することができます。

遺品整理の相場を間取り別にまとめました!

遺品整理は亡くなられた方が生前に所有・使用されていた物品を整理し、不要物を処理して家の中を綺麗にすることです。しかし遺品整理に直面した場合、どこから手を付けていけば良いのかわからず、途方に暮れることもあります。遺品といいましても、有形物や無形物(パソコン・スマホデータなど)があります。少なくとも有形物の整理・処理だけでも済ませたいところです。そこで頼りになる存在が遺品整理業者です。遺品整理業者は、遺品の整理・処理作業を代行してくれるサービス業者です。しかし遺品整理業者に依頼するにしても、料金がいくらになるのか気になります。

【全国】遺品整理業者の相場

そこで遺品整理の料金相場を表1にまとめました。遺品整理料金は間取りや部屋の大きさ(面積)により設定されているケースが一般的となります。もしくは処分品を運搬するトラックの大きさや台数にて設定されているケースもあります。下表は、全国の主な遺品整理業者のWEBサイト上に掲載されている料金表を基にしてまとめたものです。

間取り料金相場作業人数
1R・1K25,000円~80,000円1~2名
1DK45,000円~110,000円2~3名
1LDK60,000円~200,000円2~3名
2DK80,000円~250,000円2~4名
2LDK100,000円~300,000円3~5名
3DK130,000円~400,000円3~6名
3LDK150,000円~500,000円4~7名
4LDK~200,000円~600,000円4~8名

同じ間取りでも料金に差が出る理由は、処分する物品の量に違いが生じるからです。処分品の運搬量が多ければ料金は高くなりますし、運搬量が少なければ料金は安くなります。なお、遺品整理にかかる料金の作業内容は以下の通りです。

遺品整理にかかる料金の作業内容
  • 使用・残す物と不用品の仕分け
  • 重要書類(遺言書・契約書・権利書など)などの探索
  • 不用品の搬出・処分
  • 買取り品などの査定
  • 整理・運搬後の清掃

詳細事項は業者により異なりますので確認が必要です。

【東京】遺品整理業者の相場

表1は全国の遺品整理の料金相場ですが、東京における遺品整理の料金相場をまとめますと表2の通りです。東京都内の主な遺品整理業者のWEBサイト上に掲載されている料金表を基にしてまとめました。

間取り料金相場作業人数
1R・1K35,000円~1~2名
1DK55,000円~2~3名
1LDK70,000円~2~3名
2DK100,000円~2~4名
2LDK120,000円~3~5名
3DK150,000円~3~6名
3LDK170,000円~4~7名
4LDK210,000円~4~8名

全国の料金相場と比較しますと東京の料金相場は若干高くなるのがわかります。しかし23区内になりますと、遺品整理業者の数も多くなり、業者同士の価格競争が激化する地域もあります。その様な地域の場合、全国の料金相場よりも下がることがあります。

遺品整理にかかる料金の決まり方

 

 

遺品整理にかかる料金は、どのように決まりますか?

 
 

間取りの大きさにより作業人数やトラック運搬量の目安がつき、料金が決まります。また、建物や道路状況にも料金は左右されます。

 

料金の決まり方① トラックの積載量

遺品整理の料金は処理する物品の量により決まります。特にタンスやベッドといった大型家具類の処分量が増えますと、積載量が大きいトラック(4t車)やトラック台数(2t車×2台以上)を増やす必要があるため、料金は増加します。特にゴミ屋敷状態になりますと、4tトラック1台では到底間に合わない処分量となりますので、料金も跳ね上がることになります。

料金の決まり方② 間取りと作業人数

表1、表2を見ますと間取りの違いにより作業人数にも違いが生じ、遺品整理料金も大きな違いが生じます。間取りが大きくなるほど、処分する家具や家電製品、衣類などの量が増加するため、運び出す作業者の人数も多くなります。その結果、遺品整理料金も高くなります。ただし4LDKの間取りであっても、処分する部屋が1室のみの場合、1R・1Kの料金と同等となります。

料金の決まり方③ 作業日程や対応期日

作業日数に余裕のある場合や対応期日がない場合の方が遺品整理料金は安くなります。例えば一戸建ての借家に住んでいた方がお亡くなりになった場合、遺品整理に要する期間が月をまたぐと、1か月分の家賃を払う必要がある場合です。明日までに全てを処分しないといけない状況になりますと、遺品整理に多くのスタッフが必要になります。また、搬出用トラックを1日に何度も往復させるか、数台のトラックの準備が必要になることもあります。スタッフ人件費とトラック運搬費が重なりますので、場合によっては70万円~80万円の料金になることもあります。

MEMO
結果として1か月分の家賃を支払い、数日を費やして遺品整理をする方が安くあがる場合もあります。したがって、1日で処分をする場合と数日をかけて処分をする場合と、どちらが安価になるかのシミュレーションも必要になります。

料金の決まり方④ 処分品の種類と買取り品の有無

処分品の種類によっては遺品整理業者と提携しているリサイクル業者に対して、売却できるものもあります。例えば、金属類・紙・段ボール・布類などです。その分、遺品整理料金から差し引くことができますので、料金は安くなります。また遺品整理業者が住宅に来た際、使用・残す物と不用品の仕分けを行います。

不用品の中には、以下などの中に、買取りできるものも意外と多くあります。

買取できるもの
  • 家具や家電製品(桐の箪笥など)
  • 衣類(着物など)
  • 骨董品(壺・器・掛け軸など)
  • 趣味などで収集したコレクション(カメラ・おもちゃ・切手・カードなど)
  • スポーツ・音楽関連商品(有名選手サイン入りグッズ・楽器など)

極端なケースの場合、遺品整理費用よりも買取り金額の方が上回る事例もあります。その場合、お金を支払うどころか、もらえるケースも出てきますので、遺品を簡単に整理・処分することなく、しっかりとした買取り業者に見極めてもらう必要があります。

料金の決まり方⑤ 周辺環境(建物や道路状況等)

一戸建ての住宅で敷地内に処分品を運搬するトラックの駐車スペースがある場合、処分品を移動させる動線が短くなり、作業時間は短縮する傾向にあります。一方、高層マンションなどの場合、上階のエレベーターから離れた住戸になりますと、駐車場に停めたトラックまでの移動距離が長くなり、作業時間が長くなる傾向にあります。そうなりますと、同じ処分量であったとしても、料金は高くなります。

また住宅までの道路幅員が狭い場合や曲がり角が直角に折れ曲がっている場合、大型車両(4t車)が入れないケースが生じます。そうなりますと、料金は高くなります。その様な状況下になりますと、2t車2台以上を準備するか、軽トラックを4台以上準備する必要が生じるため、割高となります。

料金の決まり方⑥ 各業者のオプションサービスと特徴

遺品整理業者は幅広いオプションサービスを準備しています。ただし業者によりサービス内容は異なりますので、事前の確認が必要です。例えば以下などです。

幅広いオプションサービス
  • オンライン見積りや訪問見積り
  • 決済方法:クレジットカード・ポイント払い
  • 女性スタッフの指名
  • スタッフのマスク着用・消毒の徹底
  • 依頼者立会無しでの遺品整理作業
  • ハウスクリーニング
  • エアコンの取外し
  • 消臭作業
  • 原状回復工事(リフォーム)
  • 害虫駆除
  • 新型コロナウィルス除菌作業
  • 相続専門家の紹介

事前にオプションサービスについても見積りを取り費用対効果を考慮して決める必要があります。また、遺品整理業者は、それぞれ特徴を有し得意とする分野があります。例えば以下などです。

徴を有し得意とする分野のある例
  • 買取り・リサイクルに強い業者
  • 依頼者の要望に対してきめ細かなヒアリングを行う業者
  • パソコンやスマホのパスワード解除などのデジタル遺品サービスに強い業者

要望に応じた遺品整理業者を選択する必要があります。

遺品整理にかかる費用をなるべく安くするポイント

 

自分たちで遺品をできる限り処分することや買取りサービスの利用、3社以上の合い見積もりを取ることです。

 

なるべく自分たちで遺品を整理し、業者の仕事を減らす

遺品整理費用を安くするポイントは自分たちで整理・処理できる物品を事前に片付け、業者の作業量を減らすことです。家具類なども、粗大ごみで処分できる自治体がありますので、利用できる住民サービスを活用して処分する物品の減量化を図るのも良策といえます。

表1、表2に掲げた料金は、あくまでも相場で、処理する必要のある物品量が少なければ、当然にして見積額は下がります。しかし高齢者や女性の場合、重量のある物品の移動は怪我の原因にもなりますので、業者に依頼した方が無難といえます。

買取りサービスを活用して料金を安くする

遺品整理業者の中には買取りサービスを行う業者もあります。上記でも触れましたが買取り・リサイクルに強い業者も存在します。その様な業者に依頼することができますと同じ物品でも買取り価格に差が生じ、高く買取ってもらうことができます。遺品整理業者がWEB上にて公開している遺品買取り価格の事例を下表にまとめます。

遺品整理にて処分する物品買取り金額の事例
家具や家電製品1,000円~100,000円
衣類(普段着・着物など)1,000円~100,000円
骨董品(壺・器・掛け軸など)1,000円~20,000円
美術品(絵画・彫刻など)1,000円~100,000円
ブランド品(鞄・靴など)1,000円~30,000円
書籍(大量にある場合)1,000円~30,000円
コレクション(カメラ・おもちゃ・切手)1,000円~50,000円
スポーツ・音楽関連商品(有名選手サイン入りグッズ・楽器など)1,000円~100,000円

その他にも多数の買取り事例があります。ただし傷み具合によっては値段の付かない物もあります。買取り金額については遺品整理業者に買取りを依頼するよりも、フリマアプリやネットオークション、買取り専門店に出品・買取りしてもらう方が高くなる傾向にあります。

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3社を目安に複数社から見積もりをとる

遺品整理費用の見積もりを3社を目安にして取寄せ、比較する方法もあります。提示される見積書の内容を吟味し、不明点は必ず質問をして解消するようにします。単に金額だけで判断しますと、悪徳業者を選択してしまう可能性もありますので、注意が必要です。

遺品整理業者の選び方

 

遺品整理業者の選び方を教えてください。

 
 

遺品整理士の在籍有無や一般廃棄物収集運搬許可証の取得有無などとなります。

 

遺品整理士の資格を保有している業者を選ぶ

遺品整理士は民間資格となりますが、一般社団法人遺品整理士認定協会(以下、協会)が発行しています。協会は2011年から活動を開始しており、現在約3万名の遺品整理士が登録されています。協会の特徴は遺品整理士とその所属する業者を定期的に点検・確認を行っている点です。そうすることで、業者が廃棄物処理法に基づき不用品を適切に処分しているか否かの点検を、遺品整理士と協力機関が確認しています。また遺品整理士に法令違反や悪質なクレームなどが寄せられていることが発覚しますと、資格を取り消されます。協会は消費者の立場にたった運営を行っていますので、遺品整理士の在籍有無は業者選択の判断基準となります。

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訪問見積もりをしてくれる業者を選ぶ

訪問見積りをしてくれる業者を選択することが大切です。実際に現地を確認し不用品の処分量や搬出に要する移動距離、駐車料金の有無などに基づいて遺品整理の料金を見積りすることができます。その事前確認・調査を含めた見積書作成を拒むような業者は選択しない方が賢明です。その様な業者は、電話連絡やメールなどで提示した見積金額に加え、遺品整理当日になって別途追加請求をする可能性が高くなります。中には追加請求を目的として、訪問見積りをしない業者が存在します。訪問見積りの有無は業者をふるいにかける手段の一つと心掛けて間違いないです。

納得できる見積もり書を出してくる業者を選ぶ

上記で記した訪問見積りをしてくれる業者の中から見積書の提示依頼をします。次に提出された見積書の内容を点検・確認をし、作業内容や単価の確認を行います。良心的な業者の見積内容は、大項目・中項目・小項目と細部にわたり記載され、小項目ごとに単価が記載されています。悪質な業者の見積内容は大項目しか記載されておらず、一式〇〇〇円という表現になります。これでは細部の作業内容が不明になり、作業後に追加請求をされる可能性もあります。

MEMO
処分してほしい物品を全て処分できるか否かの確認は事前に必須となります。

一般廃棄物収集運搬許可証を持っているか、または委託できるかで選ぶ

遺品整理業者が回収した処分品は一般廃棄物となります。したがって業者が不要な遺品を回収・運搬・処分をするには、「一般廃棄物収集運搬許可証」を有している必要があります。もしくは許可証を有している別の業者に委託できる体制を整えている必要があります。許可証を有さず別の許可証を有する業者に委託できる体制もできていない業者の場合、不法投棄を行っている可能性があります。

MEMO
この様な業者は「高額な遺品整理料金を請求します」と環境省も警告をしています。

電話や訪問時の対応の良さで選ぶ

電話による対応や訪問見積りによる対応の良否により選択の判断基準とするのも良策といえます。質問に対して明確にわかりやすく応え、納得のいくまで説明を行う業者を選択するようにします。曖昧な受答えや、強引に契約をさせようとする業者は、外す方が賢明です。

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  • 業者は第三者機関の審査を要し、登録後も業者は点検される体制を整えていますので、安心して遺品整理を依頼することができます。

まとめ

以上、遺品整理の相場や料金の決まり方、遺品整理業者の選び方、遺品整理の紹介業者を解説しました。遺品整理は亡くなられた方の思いが入った物品を扱うため、慎重に行う必要があります。よくあるケースが処理した箪笥の引き出しの中に、高価な貴重品が入っていたなど、整理がずさんになりますと、思わぬ事態が発生します。そのためにも親切・丁寧な遺品整理業者の選択が必要となります。

しかし数ある遺品整理業者の中から優秀な業者の選択は困難を要します。その際、役立つのが紹介業者となります。特に遺品整理に時間を割くことが困難な人や、業者を探すのが面倒な人であれば、紹介業者を通して優秀な業者の選択をされることをお勧めいたします。