- オートロックとは、共用の玄関があり特定の暗証番号や部屋のカギを持っていなければ開けることができないシステムのこと
- ートロックはあるにしても不正に侵入する方法もあるし、勝手口のセキュリティが甘いマンションも見受けられる
- 賃が高くなる、鍵をなくした場合の不便さなどがデメリット
マンションを選ぶときに、防犯面を気にする人は非常に多いですよね。最も利用されている防犯設備は何でしょうか?
防犯カメラやディンプルキーなどさまざまな防犯設備がありますが、最も多く利用されているのはオートロックではないでしょうか?
そういえば、多くのマンションにオートロックが設置されていますね。オートロックについて詳しく知りたいです。
現在では標準設備のように設置されているのがオートロックです。オートロックも年々技術の進歩により、さまざまなタイプのオートロックが設置されています。今では日常生活の中で当たり前のように利用されているオートロックですが、実際にどのようなメリットやデメリットがあるのかまで考える人は少ないのではないでしょうか?この記事ではオートロックにスポットを当てて、オートロックの定義やメリット、デメリット。オートロックの種類などについて解説します。
オートロックとは
そもそもオートロックとは、共用の玄関があり特定の暗証番号や部屋のカギを持っていなければ開けることができないシステムのことを指します。戸建てにはないマンション独自の設備です。しかし近年は暗証番号や鍵だけではなく、のちほど詳しく解説しますがいろいろな媒体で開錠できるような設備も増えているのです。では、そのマンションに訪れてくる人は、どのようにしてオートロック内部に入ることができるのでしょうか?
来訪者が来ると共用玄関前に設置されているインターホンから部屋番号を押して来訪者の確認ができると、居住者が開錠し扉が開いて来訪者を招くようになっています。共用玄関部分で入居者のみ出入りできるように制限されている、多くのマンションについている設備です。中には建築当初はなかったオートロックが入居者の要望によって後付けされたといった例も見受けられます。オートロックとは自動の意味があるAutoと鍵の意味を持つLockが組み合わさって作られた言葉ですがすでに、違和感なく社会に溶け込んでいるといえるでしょう。
オートロックのメリット
オートロックってすでに当たり前のように設置されていますのであまり気にすることはなかったですね。
そうですね。しかし、そのように多くのマンションに設置されているということはやはりメリットが大きいからでしょうね。
もう一度オートロックのメリットをしっかりと理解しておきたいです。
何度か繰り返していますが、もはや標準といってもおかしくないほど近年のマンションにはオートロックが設置されています。これはやはりオートロックを設置する方が、メリットがあるからです。ではオートロックにはどのようなメリットがあるのでしょうか?オートロックのメリットについて解説します。
関係者以外入ることができない
最も大きなメリットは防犯面の強化に他なりません。オートロックがあることで基本的にオートロック内にいる人たちは入居者か入居者の関係者に限られます。不審者が入りにくいような状態がオートロックによってつくられるため、入居者は安心感を持って生活することができるでしょう。
訪問営業(新聞勧誘など)が断りやすい
入居者以外の人たちは自分たちの玄関前まで簡単に入ってくることができないという点においてもう一つ挙げることができるメリットがあります。訪問販売などの突然のセールスを断りやすいのです。玄関先までこられてしまうとどうしても対応いないといけないという心理になってしまうようなのですが、オートロックだと共用玄関からの対応となります。訪問販売の相手方とは音声のみでの対応となりますのでセールスを断りやすい環境となるのです。
オートロックと玄関で2つのロックがある安心感
オートロック付きの建物は極論すると玄関が二つあるすまいと考えていいでしょう。前述しましたがオートロックで一度入居者とそうでない人が区別された上で自分の住まいの玄関がありますので、いわば安心感は2倍といったところでしょうか。オートロックが多くのマンションに普及している要因のほとんどは、この安心感にあります。自分の住まいに関して防犯面で不安を抱えながら生活していくのは好ましくありません。オートロックによって玄関が2つあるという安心感は、入居者にとって非常に喜ばしいことなのです。
空き巣に入られにくい
空き巣にも非常に入られにくい点も挙げましょう。基本的に空き巣の心理としてどのような住まいを狙うかというと単純ですが、侵入しやすい住まいです。オートロックがあるというだけで、侵入するのにひと手間かかるので、空き巣はオートロックのマンションに侵入したがりません。これも大きなメリットといえるでしょう。
オートロックのデメリット
オートロックは入居者に安心感を与えるんですね。確かに、オートロックがあると防犯がしっかりしているマンションなんだなと思いますもんね。
しかし、オートロックに万全の信頼感を持ってはいけません。当然ながらデメリットもあるので、デメリットも理解しておきましょう。
確かにそうですね。ではオートロックのデメリットってどんなものがあるのでしょうか?
オートロックがあるから防犯面は全く心配しなくていいというわけではありません。またオートロックがあるために不便さを感じることもあります。ここからはオートロックのデメリットについて解説しましょう。
オートロックだから安心というわけでない
オートロックは最高の防犯設備というわけではありません。例えばオートロックがあるからといって自分の住まいの玄関に鍵をかけない生活などを送ると空き巣に入られる可能性もあります。またオートロックがある安心感を逆手にとって空き巣などに入るケースもあるでしょう。オートロックからなぜか入ってきて、訪問販売を行っているケースも少なくありません。
オートロック設備は家賃が高い
一般的にオートロックなしのマンションとオートロック有りのマンション。家賃が高いのはどちらのマンションでしょうか?家賃が高いのはオートロック有りのマンションです。オートロックを設置するにあたり賃貸の場合だと貸主は何十万円かの費用を支出しています。最新の技術を使ったオートロックなら100万円単位になるかもしれません。つまりその費用を回収するためにも家賃がどうしても高くなってしまいます。どの位高いのかはそのマンションによって異なりますが、比較した場合は、オートロック付きのマンションが家賃は高くなることはほとんど確実でしょう。
鍵を無くす・忘れると締め出しをくらう
入居者がオートロックに入る場合、ほとんどのマンションは自宅のカギを使って中に入ります。ということは、鍵をなくしてしまうと自分の玄関どころかオートロックの中にも入れなくなるのです。よくあるケースが、共働きで日中誰もいない場合、子供さんが鍵を忘れてしまい、長時間締め出しになり部屋に入れなかったということがあります。またゴミ捨てに行った際、鍵を忘れてゴミ捨てに出てしまい、オートロックの中に入れないといった事例もあるでしょう。鍵を必ず持ち歩かなければいけない点もデメリットとして挙げられます。
スマートキーは充電が切れると使えない
近年、技術の進歩によりスマートフォンをかざすだけでオートロックが開錠するスマートキー対応のオートロックがあります。鍵をわざわざ取り出す必要がありません。しかし、このスマートキーにも注意点があります。充電が切れてしまうと使えなくなるのです。帰宅前にきちんと充電されているかどうかの確認や予備としてのカギを持ち歩く必要があるかもしれません。
オートロックの種類
確かにオートロックとはいえデメリットもあるので、メリットばかり見ていてはいけませんね。
とはいえオートロックは、入居者に人気のある設備です。しかも最近では、鍵を使う必要がないオートロックなどもありますよ。
オートロックにはどのような種類があるのでしょうか?
一概にオートロックとはいえ、さまざまな種類のオートロックがあります。特に近年は前述したスマートキーなど新たなタイプのオートロックも増えているのです。ここからは、オートロックの種類について解説します。
差し込み型の「集合キー式」
最も多くのマンションで利用されているのが集合キー式です。オートロックのインターホン部分に鍵穴がありますので、そこに自分の鍵を廻して開錠します。基本的にマンション住戸のすべての鍵に対応していますので、セキュリティはそう高くはありません。合鍵などを作製したとしてもその鍵でオートロックも開錠することができます。
暗証番号を入力して開錠する「暗証番号式」
鍵ではなく暗証番号によってオートロックを開錠するものが暗証番号式です。オートロックの前にはマンションの来訪者用に部屋番号を押すテンキーが設置されています。そのテンキーで暗証番号を入力するとオートロックが開き、中に入れるというシステムです。鍵を使う必要がないので非常に便利ですが、反面、入居者でもない人が暗証番号をのぞき見するといったデメリットも考えられます。また子供さんが友達に勝手に暗証番号を教えることもあり、オートロックとして意味がないようなマンションも散見されるのです。また、ふと暗証番号を忘れてしまうと中に入れなくなるでしょう。このような点が暗証番号式の特徴です。
カードを使って開錠する「カードキー式・非接触型IC式」
カードキーやスマートフォンなどで開錠するのがカードキー式・非接触型IC式です。カードキーやスマートフォンをかざすだけで共用玄関が開錠されます。カードキー型の特徴は集合キー式と異なり複製がやりにくい点です。セキュリティは非常に高くなりますが、反面カードキーの破損や紛失などの際、すぐに複製できないため注意が必要といえるでしょう。
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指紋や顔をセンサーにかざして開錠する「指紋認証式・顔認証式(生体認証)」
近年、最先端の設備として見られるのが指紋認証式や顔認証式のオートロックです。指紋や顔をかざすだけで開錠ができますので非常に便利な点と複製もできにくい点がメリットです。家族全員の指紋と顔を認証しておけばいいので、小さな子供さんがいるご家庭でも安心の設備といえます。
オートロック物件で侵入されるパターン
いろいろなタイプのオートロックがあり、最新設備のオートロックに関しては本当に入居者のみしか入れないようなシステムになっているんですね。
そうですね。ただし前述しましたがオートロックは万全の防犯設備ではありません。いろいろな方法で外部の人が入り込もうとしますので不正侵入のパターンをしっかりと理解しておきましょう。
不正侵入のパターンを詳しく知りたいですね。
オートロックは共用玄関先で入居者しか入れないような防犯面に優れた設備です。とはいえ何かしらの方法でオートロックの内部に入居者以外の人が侵入してくる場合もあります。では、どのようなケースにおいて入居者以外の人が侵入するのでしょうか?不正侵入のパターンについて解説します。
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居住者の後に続けて侵入する
入居者がオートロックを開錠し扉があくと、すぐに閉まるわけではありません。そう長い時間ではありませんが数十秒は空きっぱなしの状態になります。これは、すぐに閉まってしまうと、一緒に入る人が挟まれてしまう事故を回避するためです。しかし、この状況を逆手にとって、入居者がオートロックを開錠し、玄関が開いている間に入り込むケースが見られます。
暗証番号を盗み見される
暗証番号式によくみられるのですが暗証番号の盗み見です。基本的には4つの数字の入力で開錠されるオートロックが多いので、完全に盗み見することが出来なくても腕の動きなどで大まかな位置を確認し暗証番号を押して侵入します。特に世帯が多いマンションなどは共用玄関に知らない人がいても不思議ではなく、暗証番号の盗み見がしやすいといえるでしょう。
合鍵を作って侵入するケースもある
合鍵による侵入も考えられます。集合キー式は、どの部屋の鍵でもオートロックの開錠ができるようになっていなければいけません。そのため、どの部屋の鍵でも合鍵ができれば簡単にオートロックの中に入り込むことが可能です。この場合は頻繁に中に入り込むことを目的とした侵入となりますのでストーカーや空き巣など犯罪者のレベルにまでなってしまうでしょう。
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センサーの誤作動を利用して侵入される
オートロックセンサーは外部の場合は鍵を廻す、暗所番号、スマートキーなどで開錠しなければドアは開きません。しかし内側から開ける場合は基本的に入居者しかいませんので自動ドアのように自動で開錠します。この内部の人が外に出たときに開くのを見計らい中に侵入するのです。また外からチラシを投げ込んでセンサーを反応させて入り込む、誤作動を利用した侵入方法もあります。内部のセンサーを誤作動させて侵入するといった方法も不正侵入のパターンです。
オートロック物件の内見で確認すべきポイント
オートロックとはいえこのような不正侵入方法があるんですね。種類によっても不正侵入方法が変わる点もあるみたいですね。
そうですねオートロックの力を過信せずにしっかりと事前内見などでもセキュリティの状況をしっかりと確認しておかなきといけません
オートロック物件の内見確認ポイントを教えてください。
オートロックとはいえいくつかの不正侵入方法があることを解説しました。オートロックがせっかく設備としてあるのに管理内容の不備などで意味をなしていないような場合もあります。内見で事前にしっかりと確認しておく必要がありますが、オートロック物件の事前確認ポイントはどのような点なのでしょうか?オートロック物件の確認ポイントについて解説します。
オートロックの構造をチェックする
先ほどオートロックの種類について解説しました。オートロックには複数のタイプがありますので、タイプによって不正侵入の方法や気を付けるべきポイントが異なります。最も多いのは集合キータイプですが、新築マンションなどの場合は、カードキータイプや認証タイプなども多いでしょう。オートロックの種類ごとの注意点をしっかりと認識し内見の時にチェックしなければいけません。
集合ドア・共用玄関以外に侵入経路がないか
集合ドア以外の侵入口にも気を付けておきましょう。駐車場からオートロックを経由せずに内部に入ることができるマンションなども多いし、複数個所に、出入口があるマンションもあります。オートロックだけに注意するだけではなく、その他の出入口がどのような状況になっているのかといった点もチェックポイントです。
勝手口が住民によって開けっ放しになっていないか
先ほどのオートロック以外の侵入経路と重なる部分もありますがマンションによっては勝手口が開けっ放しになっている場合があります。オートロックのマンションは勝手口もホテル錠タイプになっており、鍵を廻さなければ中に入ることができません。その動作が面倒なため、勝手口を開けっぱなしにしているケースが見受けられます。こうなると、せっかくオートロックでセキュリティを高めても勝手口から誰でも入れるようになってしまい意味ないということになるでしょう。
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訪問販売員や空き巣が使うマーキングがないか
空き巣や訪問販売員がよく利用する方法としてマーキングという方法があります。入居者の玄関に特定の数字やマークを使い頻繁に留守にしている。14時だったら在宅している可能性が高いなど、わかるように記しているのです。玄関に変な記号が入っていたら要注意です。空き巣や訪問販売員が中に入って何かしている可能性が高いといえます。自分の家の玄関もよく注意してみておきましょう。
まとめ
今回はオートロックについてまとめてみました。すでに世の中に浸透しており、オートロック付きのマンションでなければ入居しないといった声も聞かれます。それだけ防犯面の設備として世の中に浸透しているといえるでしょう。実際に入居者とそれ以外の人を明確に分けることができますし、入居者の安心感にも繋がります。反面、家賃が高くなる、鍵をなくした場合の不便さなどのデメリットも挙げられるのです。
またオートロックはあるにしても不正に侵入する方法もあるし、勝手口のセキュリティが甘いマンションも見受けられます。内見時にはオートロックやセキュリティに関するいくつかのポイントをチェックし入居後に後悔がないようにすることが大切です。この記事がマンション選びの手助けとなれば幸いです。