- マンションの遮音等級の調べ方を解説
- フローリングの種類と音の伝わり方とは
- 床の衝撃音の値とは?遮音等級の目安を知っておこう
マンションは住空間としての快適性に優れているため、特に大都市では人気の不動産になっています。ただ仮にそれが新築で立派なマンションとは言っても、欠点がゼロかと言うとなかなかそうは行きません。
マンションには例えば「音」の問題があります。特に上の階から響いて来る音が神経に触る人も多いことでしょう。
そこで、ここでは特にマンションのフローリングを取り上げ、音の伝わりや遮音、そして遮音等級について解説します。
事務員
浜崎編集長
遮音等級について
それでは遮音等級とは何でしょうか?
遮音等級とは?
遮音等級は上の階からの音の伝わりをどれくらい遮蔽するかを段階的に表した物です。表現としては前述のL値と級数を使います。
L値は30から80くらいまでが一般に使われます。また級数は特級から3級までの区分です。特級が性能が良く、3級は性能が落ちてしまいます。
遮音等級の目安
では、遮音等級の目安はどのような物でしょうか?
日本建築学会の「建築物の遮音性能基準と設計指針」によると、次の表の通りとなります。
浜崎編集長
事務員
マンションのフローリングにはどの様な物があるか?
まずはフローリングにはどの様な物があり構造がどうなっているかについて説明します。
フローリングの分類
マンションなどで使われているフローリング材は大きく分けて2つに分類することが出来ます。「単層フローリング」と「複合フローリング」です。
防音フローリングの構造
防音フローリングの構造は基本的に通常のフローリングの裏面に緩衝材を着けた構造となります。
浜崎編集長
床の音の伝わり方
次に音の伝わり方について説明します。
空気音と固定音
音は空気の振動と言われますが厳密に言うと空気だけの振動とは言えません。と言うのも空気では無く固体を伝わる音もあるからなのです。空気中を伝わる物を「空気音」、固体を伝わる物を「固体音」と呼びます。
床の音の伝わり方
それでは音の伝わり方について例を挙げて具体的に説明します。
空気音の代表例としては、人の声などが挙げられます。声は相手の耳まで空気を伝わって行くからです。
一方の固体音はマンションなどでのフローリングの打音やピアノの演奏などが良い例として挙げられます。大きな物を床に「ドスン」と落とすと下の階には床材やその下の構造材を伝わって、下の階に届きます。またピアノの場合は脚部から床に伝わり、そこからマンションの構造材を経由して下の階に届きます。
浜崎編集長
床衝撃音の考え方
次に床の衝撃音の考え方について説明します。
床などの打音の状況を表す言い方としては「L値」という物が使われます。ここでは「L値」 について解説します。
L値とは?
L値とは遮音性能の呼び方です。マンションなどで上の階の人が床に物を落とした時に発生した音が、どのレベルになって下に聞こえるかを表します。
L値には2種類あり比較的軽い物を落とした時に使われるLLと、重い物を落とした時のLHがあります。
L値の高さの意味
L値はL-30、40、50…といった具合に数字を付けて表現します。この数字はどれくらいの音を遮断する能力があるかを表す数値で小さければそれだけ遮音性能がアップします。
L値は推定値
L値は実際の床を使った実験値では無く推定値です。そのためL値を使っては保証が出来ません。
L値はJIS(日本産業規格)で取り決めた試験で得たデータから現場と照らし合わせて推定されます。そのため床の構造や床下の構造材によっても、バラつきが発生してしまいます。
まとめ
床の遮音等級についてフローリング材の構造や床の音の伝わり方なども取り上げながら説明して来ました。これによりフローリングの遮音等級がどの様な物か分かったと思います。
マンションは内覧が出来ても音の確認は難しいです。しかし遮音等級の知識があれば新居での生活状況も推測し得ます。マンションの閲覧の際に、もしも上からの音が気になった場合には遮音等級について聞いてみることをおすすめします。より良い家選びの貴重な情報として、有用となるでしょう。