マンション価格の高騰はいつまで?原因や住宅ローンの金利推移と安くマンションを購入する方法

この記事のざっくりしたポイント
  1. マンション価格は今後下がる可能性が高い
  2. 周辺のマンションがどのくらいで取引されているのかを知ることが大切
  3. マンションを安く購入できるタイミングはズバリ「決算期前」

マンションを買いたいけれど今が買いどきなのかどうかよくわからない、高値づかみするのが怖い……というお悩みをお持ちではありませんか? マンション価格が上昇傾向にあるとなかなか購入するタイミングが掴みづらいですし、迷ってしまいますよね。

実はマンション価格は今後下がる可能性が高いと考えられています。 今焦って買うのは禁物です。 今回の記事ではマンション価格がこれだけ高騰した理由と今後下がると考えられる理由を様々な統計資料をもとに解説していきたいと思います。

マンション価格が動く仕組みを知ればマンションを高値づかみするリスクを大幅に減らせます。このページをよく読んで、そのロジックをしっかりと把握してくださいね。

マンション価格が高騰している主な原因

近年、マンション価格が新築・中古ともに高騰しています。株式会社不動産経済研究所の発表によれば2013年に5283万円だった東京都区部の新築マンション価格は2019年には7644万円にまで上昇しています。

東京都下でも4318万円→5638万円、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)でも4540万円→6137万円と推移しており、少なくとも首都圏ではマンションの価格が急激に高騰していることがわかります。 一体なぜ首都圏でマンション価格は高騰したのでしょうか。 原因はいくつか考えられますが、その中でも主なものは以下の4つです。

2020年の東京オリンピックによる影響

マンションの価格高騰の大きな要因と考えられているのが2020年に開催される予定だった東京オリンピックの存在です。 東京オリンピックの開催確定後、特に東京都区部では観光客を受け入れるためのホテルや飲食店などの出店需要が増加し、それに応えるための建設ラッシュが続き、その結果資材の価格は高騰しました。

また「常に人手不足」と揶揄されることも多い建設業界は、建設ラッシュに耐えうるだけの人手を確保するために人件費を上げました。 これらの費用が上乗せされたことによりマンションの価格は高騰したと考えられます。

2013年1月に日本銀行が金融緩和をした影響

日本銀行は2013年1月に金融緩和を行いました。金融緩和の目的は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」であり、この際には消費者物価を前年比で2%増加させることが目標に掲げられました(適度な物価上昇=インフレは経済に良い影響を与えると考えられています)。

金融緩和によって住宅ローンの金利は下がり審査自体も以前よりはゆるくなりました。 その結果マンションを購入する人が増え需要の増加によってマンション価格は高騰したと考えられます。

駅から近いなどの生活しやすいマンションが増えた

マンションは一般的に一戸建てよりも駅から近い場所に建てられることが多いです(もちろん例外も多々あります)。 例えば近年発達が著しい神奈川県川崎市の武蔵小杉駅周辺、あるいは東京都中央区の勝どき駅周辺などではタワーマンションの建設が急速に進みました。

MEMO
これらの物件は駅チカということで人気が高く、ある程度の価格をつけても売れます。 その結果、マンション価格は高騰したと考えられます。

富裕層は一戸建てよりもマンションを好んでいる

「一戸建てvsマンション、どちらが優れているか?」という議論はよく行われますが富裕層はどちらかというとマンション(というか高級マンション)を好む傾向があるようです。

高級マンションのサービスはさながらホテルのようです。部屋自体の広さやリットの良さはもちろん、優れたサービス(クリーニングやタクシーの手配、メッセージ預かりなど)、高級感あふれるエクステリアやインテリアなど戸建住宅にはない様々なメリットがあります。

MEMO
こうした「価格は高いがサービスも優れた」マンションに惹かれる富裕層は多く、それがマンション価格を押し上げる要因となっています。

新築・中古マンションの価格推移と金利

前述の通り首都圏では新築・中古を問わず、マンションの価格は上昇傾向にあります。

新築マンションの価格推移

  東京都区部 都下 首都圏
2019年 7644万円 5638万円 6137万円
2018年 7142万円 5235万円 5871万円
2017年 7089万円 5054万円 5908万円
2016年 6629万円 4985万円 5490万円
2015年 6732万円 4564万円 5518万円
2014年 5994万円 4726万円 5060万円
2013年 5853万円 4238万円 4929万円
2012年 5283万円 4318万円 4540万円

中古マンションの価格推移(70㎡あたり)

  東京都区部 東京都 首都圏
2019年 5494万円 4962万円 3712万円
2018年 5385万円 4884万円 3638万円
2017年 5319万円 4825万円 3577万円
2016年 5249万円 4764万円 3476万円
2015年 4748万年 4252万円 3070万年
2014年 4203万円 3813万円 2851万円
2013年 3995万円 3683万円  2791万円

上記の通りマンション価格は高騰している一方で住宅ローンは低下傾向にあります。 住宅ローンには「固定金利」と「変動金利」があります。

固定金利とは、融資を受けた時点で支払い終了まで金利が固定され、その後一切替わらない金利のことです。 契約を結んだあとに金融情勢がどのように変化しようが影響されないため資金計画が立てやすいというメリットがあります。

注意
一方で市中金利が下がってもメリットがない、変動金利よりも高めに設定されているなどのデメリットもあります。

変動金利とは金融情勢の変化に伴い金利が見直される金利のことです。見直しは半年に1度ですが実際に金利に反映されるのは5年に1回です。 金利が上昇すれば返済額が多くなりますし下落すれば返済額は少なくなります

平成7年以降、2%台のまま横ばい

民間の金融機関が提供する住宅ローンの金利は平成3年に8%強の数字を付けたのをピークに下落傾向にあり、平成7年以降は2%台中盤と低水準で安定しています。 固定金利はそれよりもほんの少しだけ高いですが、それでも2%台後半~3%台前半程度と低水準です。

住宅ローン金利が低水準であるということは、これ以上下がりづらいということでもあります。 このような状況下では変動金利にはあまりメリットがなく、逆に固定金利のメリットは大きいと言えます。

参考:https://www.flat35.com/loan/atoz/06.html

過去の不動産価格の高騰と暴落、今後について

マンション価格は過去にも高騰と暴落を繰り返しています。 最もその傾向が顕著だったのは1980年代のバブル経済到来に伴う高騰と、バブル崩壊後の暴落です。 暴落の原因は1989年5月の金融引締めにあると考えられています。

MEMO
金融引締を行うと金利が上昇し住宅ローンが借りづらくなるので住宅の需要は低下し、その結果価格が下がったのです。

マンション価格は今後下がる傾向にある

現在の都心部でも上記と似たような現象が起きつつあります。 現在はまだ金融引締は行われていませんが、長期的な低金利が続いていた昨今、いつ引締に転じるかは未知数です。

また都内のマンションは価格上昇によってすでに一般的な勤め人が購入するのは難しくなってきており、需要の増加が見込めなくなりつつあります。 このような状況下では、おそらくマンション価格は下がるのではないかと推測できます。

マンションを安く購入する方法とタイミング

このような不安定な市場でマンションを安く購入するためにはどうすればいいのでしょうか。 いちばん大切なのはやはり相場を知っておくことです。実際に周辺のマンションがどのくらいで取引されているのかを知ることができれば、高値づかみのリスクを大きく減らすことができます。

MEMO
物件の情報価格はREINSで調査可能ですので、検索してみましょう。

事前審査を済ませておくと値引きしやすくなる

マンションを実際に購入する際には住宅ローンの事前審査を済ませておくことをおすすめします。実際にマンションを購入する意思がある、という意思表示になるからです。 強い意志を見せておけば値引きも引き出しやすくなります

マンションを安く購入するタイミングとは

マンションを安く購入できるタイミングはズバリ「決算期前」です。 企業の決算期は一般的に3月、6月、9月、12月のいずれかです(企業によって異なります)。

決算期前はどこの業者も売上を伸ばすために多少無理のある値引きにも対応してくれることが多いです。 また、売り出し期間を分けて販売しているマンションの場合は当然前期よりも後期のほうが安く買いやすいです。

まとめ

これまでマンション価格は様々な要因によって上昇してきましたが、2020年以降はその傾向が反転しやがて下落に転じると考えられます。 今マンションを買うのはわざわざ高値づかみするようなものであり、厳に慎むべきです。 マンションを安く買うコツも合わせて実践して、安くマンションを手に入れましょう。