固定資産税の家屋調査での裏ワザで税金が安くできる?

この記事のまとめ
  1. 新築戸建てを購入すると必ず発生する固定資産税って?
  2. 固定資産税を節税するためには家屋調査が重要
  3. 減税措置と固定資産税の節約ノウハウご紹介

固定資産税の支払いを効果的に削減するためには、家屋調査に特に注意が必要です。いつ、どこまで見るか、家の中の設備やカーポートの有無など、様々な要因が影響を与えます。また、調査での拒否や裏ワザを知ることも重要です。本記事では、安くするための裏ワザもお伝えし、節約のポイントを押さえて固定資産税を効果的に軽減しましょう。

固定資産税の家屋調査での裏ワザで税金が安くできる?

住宅や土地を購入する際に重要なのが、固定資産税です。これは所有している土地や建物にかかる税金で、支払いが憂鬱に感じることもあります。

固定資産税の額は決して小さくないため、その決定方法について知っておくことが重要です。具体的には、地方役所の担当者が行う家屋調査によって固定資産税が決まります。

この記事では、家屋調査や固定資産税に関するポイントをまとめました。固定資産税の支払いを抑えるための裏技や方法、計算方法、減額措置についても解説しています。ぜひ参考にしてください。

そもそも固定資産税とは何?

固定資産税は、住宅や土地などの不動産資産にかかる税金で、その所有者が毎年支払う義務があります。この税金は、不動産の評価額や地域の税率に基づいて算出され、所有者が所有する不動産の価値に応じて変動するため注意が必要です。

亜美解説員亜美解説員

固定資産税にはさまざまな要因が影響を与えるため、その仕組みや計算方法について理解しましょう。

住宅や土地の所有者が払う税金

固定資産税とは毎年1月1日時点で建物やマンション、土地などの不動産を所有してる場合に課される地方税のことです。(例外的に東京都23区のみ都税) 固定資産税について説明する際に一緒に登場するのが都市計画税です。 都市計画税とは「市街化区域」内に土地・建物を所有する人が納める税金です。

市街化区域内には総人口の8割が居住しているため、大半の方は都市計画税を納める必要があります。

(参照:国土交通省「都市計画に関する諸制度

固定資産税と都市計画税を合わせて「固都税」とも呼ばれます。 では固定資産税の概要を確認します。

対象土地・家屋・償却資産(*1)
納税場所銀行・コンビニ・口座振替・クレジット払いなど(市町村によって)
納税時期・年4回(市町村によって)例:東京都の場合、6月・9月・12月・2月の全4期・一括徴収が可能な場合も
課税割合固定資産税評価額 × 標準税率1.4%(都市計画税は0.3%)

(*1)償却資産とは機械・装置・船舶・航空機など事業用資産で、減価償却の対象となるもの。主に工場や商店などを経営している個人や会社に関わることが多い。

固定資産税の計算方法

「固定資産税=課税標準 ×税率 1.4%」

この式が基本となり土地や建物によっては軽減措置が取られることになります。

例えば簡単な例で見ていくと、

  • 新築戸建て(減税措置の条件に当てはまる)
  • 土地:1,500万円
  • 建物:2,000万円

だとした場合、

土地評価額=1,500万円 × 0.7 = 1,050万円

固定資産税=1,050万円 × 1/6 (特例措置) × 1.4% = 24,500円 

建物評価額=2,000万円 × 0.7 = 1,400万円

固定資産税=1,400万円 × 1/2 (特例措置) × 1.4% = 98,000円

つまりこの場合の固定資産税額は、122,00円(100円未満切り捨て)となります。

都市計画税の計算方法

「都市計画税=課税標準 × 税率0.3%」

固定資産税と都市計画税合わせて「固都税=課税標準(固定資産税評価額)× 1.7%」と理解しておきましょう。

マンションと一戸建ての固定資産税の違い

結論から言うとマンションの方が固定資産税額が高くなる傾向にあります。 その理由は2つあります。

マンションの方が固定資産税額が高くなる理由とは
  1. 土地にかかる固定資産税の軽減措置の方が大きいため
  2. マンションの方が建物の価値が減少するスピードが遅いため

例えば以下のような違いを想定します。

  • 一戸建て:土地広い・建物評価低い(木造)
  • マンション:土地狭い・建物評価高い(鉄筋コンクリート)

このような条件の時は土地にはより大きい減税措置があるため、一戸建ての方が多く減免措置を受けられます。 建物ではマンションは耐用年数が長く価値が減るスピードが遅いため、固定資産税が高くなってしまうのです。

MEMO
耐用年数は一戸建て22年、マンション47年と設定されている。

結果的にマンションの方が高い固定資産税額になってしまいます。

家屋調査の流れ

新築や増改築などを行うと、翌年の固定資産税の基準となる家屋の価格(評価額)を決定するために家屋調査が行われます。

家屋調査は市区町村の区役所から担当者が訪ねてきて家の中と外とで調査をします。家主のいない間に勝手に行われることはありません。

そんな調査があるなんて初めて知った方も多いのではないでしょうか。家の中も見られるとなると、どこまで見るのか不安に思う方もいるでしょう。これから新築戸建ての購入を検討している方は流れを知っておくと安心です。詳しく見て行きましょう。

山口編集者山口編集者

家屋調査が実施される日時と条件

新築物件を購入した人はランダムに家屋調査の通知が来ることもあり、自治体によっては注文住宅のみが対象となる場合や行われないこともあります。そのため、家屋調査がいつなのか定められた日にちはありません。

しかし、通常は家屋調査の日時連絡は新居に入居してから1~3か月後に自治体から書面にて通達されます。送られてきた日時で都合が悪い場合は自治体に連絡すれば日程変更も可能ですので、安心してください。

家屋調査に必要な書類

家屋調査の前に、必要な書類を用意しておきましょう。自治体によって異なりますが、一般的には下記のものが必要です。

揃えておきたい必要書類

・平面図や立面図
・契約書
・工事見積書
・仕上げ表
・建築確認申請書
・認印
・長期優良住宅認定通知書(該当者)

家屋調査の実施当日

市区町村の自治体から派遣された調査員が訪れ、家屋調査を行います。調査員の人数は自治体により異なりますが、通常は1~2人です。

家屋調査は一般的に30分~1時間ほどで終わり、最初に調査員が図面を確認し、その後屋内と屋外での調査が行われます。

調査では、建築額などの標準額に0.5~0.7を掛けて算出が行われます。そして、調査後には床暖房や太陽光発電システムの有無などに関する簡単な質問が行われることがあります。

家屋調査で価格が上がるポイント

戸建て住宅を建てた際に発生する固定資産税は、土地や建物の規模だけでなく、設備によっても金額が変動します

毎年の固定資産税をできるだけ削減したい場合、どのような設備を導入すると税金が高くなるかを理解しておくことが重要です。

基本的な生活に必要なものについては固定資産税の加算の対象にはならず、豪華な仕様や設備を備えたものを導入するほど、固定資産税は増加します。下記は固定資産税が上がるポイントの一部の紹介となります。

価格が上がるチェックリスト
  • 開閉可能な天窓
  • 鉄骨構造の建物
  • 床暖房設備
  • 一種換気システム
  • 3m以上のシステムキッチン
  • 天井埋め込み型エアコン
  • タイルや漆喰の外壁材 など

尚、カーポートも固定資産税の加点されるポイントとして捉えられがちですが、じつはカーポートは加算のポイントにはなりません。

もっと詳しく知りたい方は総務省のHPで確認してみて下さい。

固定資産税を安くする裏ワザ

固定資産税をできるだけ節約するために重要なポイントを4つ紹介していきます。

家屋調査には必ず協力しよう

新しい家に住み始めた後、通常1~3ヶ月程度で自治体から調査の連絡が入ります。 立ち入り調査にて固定資産税を確定します。この立ち入り調査を拒否してしまうと書類のみでの判断となり、一般的に税額が高くなってしまう可能性があります。

自治体から送られてきた立会の日時で都合がつかない場合は、日にちの変更も受け付けてくれます。必ず家屋調査には立ち会うようにしましょう。

固定資産税の減税措置を必ず利用する

この記事でも紹介した通り固定資産税には減税措置があり、節約のための非常に重要です。 ですが自治体によって減税措置の種類や対応が異なります。 自治体で計算してくれる場合もあれば、自身で申告が必要になる場合もあります。 きちんと確認するようにしましょう。

また計算が間違っていた場合、無駄に支払わなければなりません。 申告が必要な場合は減税措置を怠らず、自分が支払う税額が合っているかどうか確認しましょう。

マイホームを購入すると不動産の費用だけでなく、様々な諸費用がかかり負担が大きくなってしまいます。 固定資産税もそのうちの一つですが新築戸建の場合、税減免措置の対象になります。

土地や建物の税減免措置とは税負担の軽減を目的に設けられた特例措置です。 減免措置の対象条件は以下の2つになります。

減免措置の対象条件
  1. 新築であること
  2. 床面積が50㎡以上、280㎡以下/li>

このような条件を満たした場合、課税床面積120㎡までは3年間または5年間(または7年間)、固定資産税額が「1/2」に減額されます。

条件減額年数
① 3階建以上の耐火構造・準耐火構造5年間
② 認定長期優良住宅5年間
③ 上記①②両方を満たす住宅7年間
④ 一般の住宅(上記以外)3年間

MEMO
課税床面積とは複数階建ての一戸建ての場合、登記簿謄本上の床面積を足し合わせたもの。

家だけでなく土地にも税減免措置があります

住宅用地にも負担軽減の目的で減免措置が設けられています。

住宅用地の減免措置
  1. 200㎡までの小規模住宅用地:課税標準×1/6
  2. 小規模住宅用地以外の住宅用地:課税標準×1/3

MEMO
課税標準とは税金を計算する際の基準のようなもの。固定資産税の場合には通常「固定資産税評価額」が課税標準となる。納税通知書で金額を確認することができる。

物置は家屋調査後に購入する

固定資産税を節約する裏技で、家屋調査後に物置を購入する方法があります。

小さな物置やブロックの上に設置したものは移動可能で税金の対象外ですが、基礎やアンカーボルトで固定されたものは課税対象になります。新築に入居後に、物置の設置を考えている場合は、家屋調査が終わった後に購入することをおススメします。

注意
ただし、一部地域では調査が行われないこともあるため、慎重に検討しましょう。

評価基準や相場を把握する

固定資産税は資産価値(評価額)が高いものに多くかかるようになっています。 課税標準である固定資産税評価額は、インターネットや各市町村で調べることができます。

細かくきっちり計算することは非常に難しいですが大まかな評価基準や相場を知っておくことで、万が一ミスがあった時に気づくことができます。 家屋調査の調査員や不動産業者に聞き全体像を把握することも、固定資産税の節約につながります。

クレジットカード払いだと決済手数料がかかる

わざわざ銀行やコンビニに行くのが面倒な場合、クレジットカード払いは便利ですよね。 しかし決済手数料を取られてしまうので、あまりおすすめはしません。

例えば東京都でいうと 25,000円の固定資産税をクレジット決済にした場合、1件につき税込240円の手数料がかかります。 固定資産税は1年で4期あるので4回分で考えると960円もの手数料がかかってしまいます。 少しもったいない気がしますよね。

銀行やコンビニに行きキャッシュで支払うのが良いかもしれません。 また口座振替では振替依頼書の記入が必要ですが、毎回確実に引き落としできるので特におすすめです。

注意
ただ基本的に領収書が発行されないので、気をつけましょう。

まとめ

この記事では固定資産税について解説してきましたが、簡単にまとめます。

  • 固定資産税と都市計画税があり、ほとんどの方はどちらの税金も納める
  • マンションの固定資産税の方が、一戸建てよりも高い傾向にある
  • 一戸建てを購入した場合、購入時期によって売主と買主で清算する
  • 条件を満たせば、減免措置を受けることができる
  • 固定資産税の税率は1.4%、都市計画税は0.3%、合わせて1.7%の税率を課税標準にかける
  • 固定資産税をできるだけ節約するには4つの方法がある

永続的に支払う必要のある固定資産税に関して知っておいて損はありません。 これを知った上で不動産購入やその後の生活を過ごしていきましょう。