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ヘリンボーン床でインパクトを出そう!後悔・失敗しないために知っておきたい基礎知識

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のざっくりとしたポイント
  1. 見た目にこだわりたい人は無垢材、賃貸ではプラスチックタイルやクッションフロアがおすすめ
  2. 使用する床材やカラーが豊富なので、好みのテイストに変えられる
  3. デザイン性が高いため、家具や内装とのバランスに注意

部屋の中で床や壁は大きな面積を占めるため、どのような素材、デザインを使用するかで部屋の印象が大きくかわります。

中でもヘリンボーンは人気のあるデザインのひとつ。高級感のあるデザインと見た目のインパクトの強さがその理由です。

少しオシャレな雰囲気の部屋にしたい、ダサい部屋から卒業したい、他とは変わった個性的な部屋にしたいといった理由で取り入れている方も多くいます。

しかし反面、ヘリンボーンの床にして失敗してしまった、思っていた印象と違ってしまったといった後悔の声があるのも事実。

浜崎編集長

今回は、ヘリンボーン床の導入を検討している人に向けて、メリットやデメリット、施工費用の相場などについて解説していきます。

ヘリンボーン床とは?

ヘリンボーンは、その形がニシン(ヘリン)の骨(ボーン)のように見えることからつけられた名前です。

ベルサイユ宮殿が発祥と言われており、人気のある施工方法です。

一般的なフローリングは何枚もの床材を平行に組み合わせていくのに対し、ヘリンボーンは細かい床材を垂直に組み合わせていくため熟練した技術を必要とします。

また細かい作業であるため、施工時間も長期にわたるのが特徴。それだけ出来上がりは美しいものとなり、部屋の印象に大きな影響を与えます。




使用される素材は主に4つ

ヘリンボーンには次の4つの素材が使用されています。それぞれの特徴を解説します。

集成材 細かい複数の木片を集めた素材。安価で手入れもしやすい点に人気はありますが、反面美しさはやや劣ってしまいます。
無垢材 天然の木材。ヘリンボーンの床材の中で最も高価。木のぬくもり、触り心地、美しさは一番。ただし天然素材であるため手入れは大変です。
プラスチックタイル プラスチック素材。軽くて薄いため自由にカットできるのが特徴。
クッションフロア ビニール素材。木目調のものを使用すると、見た目はかなり無垢材に近くなります。しかし観察すればすぐにプリントしたものだと分かってしまうので、安っぽい印象を与えてしまうことも。

コストを抑えたい人で集成材、見た目や美しさ重視なら無垢材がおすすめ。

あまりコストをかけず、雰囲気を楽しみたい、賃貸などで大きなリフォームはできないといった場合は、プラスチックタイルやクッションフロアがおすすめです。

賃貸でヘリンボーンを取り入れたいのですが、難しいのでしょうか?

事務員

浜崎編集長

無垢材など本格的なヘリンボーンは難しいですね。でも、クッションフロアのものなら可能です。ただしクッションフロアを張る前に大家さんに確認してから実施してください。退去の際にきれいに剥がせなかった、なんて事もありますからね。
なるほど、確かに事前に確認してから張替えしたほうが安心ですね。しっかり確認してからやってみます!

事務員

★ヘリンボーンの床材を取り扱っているメーカーの例★



張り方の特徴

ヘリンボーンの張り方には大きく分けて2つあります。

  • ヘリンボーン張り
  • フレンチヘリンボーン張り

ヘリンボーン張りとフレンチヘリンボーン張りの解説画像

左がヘリンボーン(シングル)、右がフレンチヘリンボーンです。

フレンチヘリンボーンは、ヘリンボーン張りよりさらに細かくカットした床材を使用していくため、できあがりはさらに美しいものとなっているのがおわかりいただけるのではないでしょうか。

ミラノサローネ国際家具見本市にてフレンチヘリンボーンの床が取り入れられたことにより、さらに人気が高まってきている施工方法です。

またヘリンボーン張りは、「シングル」「ダブル」「トリプル」といった張り方に分かれていきます。

ヘリンボーンのダブルはさらにインパクトが増します。

ヘリンボーンのダブルタイプの解説画像

ヘリンボーンのトリプルになると、重厚感が強くなりますね。

ヘリンボーンのトリプルタイプの解説画像

画像で見るだけでも複雑そうな張り方ですね……。

事務員

浜崎編集長

少しでもすき間が出来てしまったり、ズレてしまうと、すき間が生じてしまいきれいな仕上がりになりません。そのため、ヘリンボーンは熟練した職人技が必要とされています。



ヘリンボーン床のメリット

床の印象はインテリアに大きく影響します。ヘリンボーンはデザイン性の高さから部屋の中のあらゆる場所にマッチします。

例えばトイレに使用するなんてこともできますし、玄関の廊下に使用している方もいらっしゃいます。こうしたヘリンボーンの特徴を活かすことのメリットを解説します。




高級感を出せる

例えば、高級感を出したいなら北欧風やアンティーク風はいかがでしょう?

北欧の夜はとても長く、快適に落ち着いて家族が過ごすために生まれたテイスト。北欧風はシンプルでありながら、白を基調としたカラーリングは清潔感と高級感を醸し出します。

また木のぬくもりを楽しむアンティーク調は、流行に関わらず丈夫で長持ちする木材を使用しています。

一般的な家具に比べると高めなのも特徴です。どちらも人気のあるテイスト。 

一枚一枚丁寧に張り巡らされているヘリンボーンは施工の難しさもあり、高級感のある印象になります。

MEMO

部屋に合わせて、床材の色や種類を使い分けることで、いままでと別の部屋にうまれ変わることでしょう。 

印象的なアクセントにできる

使用する床材やカラーが豊富にあるのも、ヘリンボーン床の特徴です。そのため部屋に合わせてテイストを変えられるメリットがあります。

北欧風、アンティーク風だけにとどまらずナチュラル風やビンテージ風に仕上げることも可能。

ヘリンボーンのデザインと床材、カラーの組み合わせでインパクトの強い印象的な部屋に様変わりすること間違いなし。

浜崎編集長

自分の好みと部屋の印象から、どのようなテイストにするか考えていくのも楽しみの一つですね。



ヘリンボーン床のデメリット・注意点

そんなヘリンボーンの床ですが、いくつかデメリットもあります。もしこれからヘリンボーンの床の導入を考えているならば、デメリットについても把握しておきましょう。

部屋が狭く見えることがある

ヘリンボーンの床は、デザイン性が高いため視線が集まりやすい特徴があります。なぜなら、デザイン性が高く、細かなデザインということで床が乱雑に見えてしまいがちだからです。

床の上に物を置きっぱなしにしていると部屋が狭く感じてしまう経験はありませんか?ヘリンボーンの床もそのような視覚効果を感じ、部屋が狭く見えてしまうという人もいます。

狭い場所・部屋に張る場合には、幅広ではなく細めの材料を細かく組むような張り方にするのがおすすめです。

事務員




他の家具や内装とのバランスに注意する

見た目が細かいデザインのため広い部屋なら優雅に見えますが、部屋によっては乱雑な印象になります。

インテリアが多い部屋だと、ヘリンボーン床の細かい柄とはミスマッチ。柄物のカーテンなどの組み合わせも、部屋の解放感を損ない全体的に狭く見えてしまうこともあります。

またヘリンボーンは単体のデザイン性が強いため、インテリア選びは注意する必要があります。部屋全体を豪華に見せようと着飾ってしまうと、せっかくのヘリンボーンの豪華さが損なわれてしまう可能性があります。

家具や壁紙などは出来るだけシンプルなものを使用し、全体のバランスを取っていくと飽きの来ない快適な部屋になることでしょう。

他には、床暖房との相性にも注意が必要です。水分を多く含んだ無垢材は床暖房により急激に水分を失ってしまったり、施工段階で1枚多く床材を使用したりするため、暖房の効きが悪くなってしまう場合があります。

注意

床暖房と併用する場合には、床暖房に対応した材料を使用することをおすすめします。 




工期・コストがかかる

ヘリンボーンは一辺数十cmのとても小さな床材を組み合わせて作り上げていきます。何枚もの床板を張り合わせていくため、張り合わせに失敗してしまうとズレが生じいびつな形になってしまいます。

一般的なフローリングにくらべ工期やコストがかかってしまうデメリットもあります。

しかし諦めてしまう必要はありません。

床全体にヘリンボーンを施工するのではなく、部屋の一部に施工するのもおすすめです。

たとえば、トイレの床や玄関の廊下。壁の一部をヘリンボーン調にするというのも素敵ですね。無垢材を使用せず、フロアクッションなら工期もコストも削減できますし、何より自分の手で仕上げることも可能です。

ヘリンボーンは、床だけではないのですね ! 部屋の一部に張ってみるなら私にもできそうです!

事務員

浜崎編集長

そうですね。まずは部屋の一部にヘリンボーンのデザインを使用して、気に入ったら他の場所にも張っていくのも良い方法です。



施工費用の相場は1m2あたり10,500~22,500円ほど

ヘリンボーンの施工費用を表にしてみます。

フローリングの場合ですと、材料費と施工費の合計は、1m2あたり6,000~14,000円が相場です。ヘリンボーンとは1.5倍強の価格差があります。

【ヘリンボーン施工費用】

材料費 施工費 合計
1m2 6,000~15,000円 4,500~7,500円 10,500~22,500円
10m2 (約6畳) 60,000~150,000円 45,000~75,000円 105,000~225,000円
15m2(約8畳) 90,000~225,000円 67,500~112,500円  157,500~337,500円
18m2(約10畳) 108,000~270,000円 81,000~135,000円 189,000~405,000円
施工費用が高いですね。これってDIYのように自分で施工できないのでしょうか?

事務員

浜崎編集長

うーん、DIYキットを販売しているお店もあります。ただそれでも価格は高めですね。例えば以下の動画を参考にしてみてはいかがでしょう?部屋の間取りに合わせて設計したヘリンボーンキットを送ってもらえます。設計書通りにヘリンボーン床材を組み合わせて行けば個人でもできます。

まとめ

ヘリンボーンの床にはデザイン性が高い、見た目のインパクトが強いといった特徴があります。ちょっと人と違った部屋作りをしたい、高級感のあるデザインにしたいという人にとっては魅力のあるデザインです。

白を基調とした北欧風、木のぬくもりを生かしたアンティーク調。材質も、天然木材の無垢、集成材やプラスチックタイル、クッションフロアと様々です。

部屋の雰囲気に合わせて、床材を選んでみるなど楽しみ方もひとそれぞれ。

しかし、施工期間が長くかかってしまう、コストが高くなるといったデメリットもありました。導入を検討する場合、施工期間やコストが気になる人は、部屋の一部に利用する、無垢材だけでなく集成材や安価なクッションフロアなども検討してみるのをおすすめします。

浜崎編集長

一度張ると簡単には剥がせないので、メリットとデメリットを把握した上で後悔のないように慎重に検討しましょう。