- 賃貸の仮押さえは基本的に不可能
- 不動産会社や地域によっては可能のこともある
- 仮押さえが出来る日数や注意点をよく確認する必要がある
賃貸住宅を見ているときに魅力的な物件が複数あると、いずれかに即決するのが難しい場合もあります。
「他の人に取られたくない」、「もう少し検討したい」というときに仮押さえを検討する方もいます。
賃貸住宅では基本的に、正式な手続きをしない限り仮押さえはできません。
内見をしただけで「とりあえず仮押さえしておいて」というお願いは通らないことが多いので注意してください。
本記事では、賃貸住宅の仮押さえの手続きや仮押さえが可能な期間を解説します。
小室解説員
山口編集者
賃貸の仮押さえは基本できない
賃貸住宅の仮押さえは基本的にはできません。
仮押さえには申込書の記入、不動産屋、管理会社、オーナーの承諾が必要なため、正式な手続きを取らずキープしたいという要望は通りません。
一方で、地方によっては手続きなしで仮押さえが可能なケースもあります。
富山県などの北陸地方や、郊外、地方のエリアでは仮押さえを受け付けている不動産屋もあります。
ですがすべてのエリア、不動産屋で仮押さえに対応しているわけではありません。
仮押さえをしてくれる地域、不動産屋でも、人気の物件や新生活前の繁忙期には仮押さえができないこともあるため注意してください。
基本的には仮押さえはできないものと考え、どうしても仮押さえしたい場合は正式な手続きに進んでください。
賃貸の仮押さえには申し込みが必要な場合が多い
賃貸住宅を仮押さえするためには、不動産屋に申し込みをしなければならないケースがほとんどです。
不動産業界では仮押さえは「申し込み」と同じ意味を持っています。
契約のための申込書を作成し、その書類を管理会社、オーナーが確認して審査に合格するまでの数日のタイムラグを仮押さえと呼びます。
仮押さえ期間中に申し込みのキャンセルは可能ですが、それにも地域や不動産屋によって違った条件があるので事前の確認が必要です。
「どっちにするかもう少し悩みたいからキープしたい」という意味では扱われず、審査に通るとそのまま契約に進むケースがほとんどのため、仮押さえをしたい場合は不動産屋から説明を受けてシステムをよく確認してください。
内見前の仮押さえは不可能
基本的に、賃貸物件は内見前の仮押さえはできません。
仮押さえの手続きは契約の手続きと同義のため、審査が完了すると内見なしでその物件に入居することになってしまいます。
現在他の人が住んでいて内見できない場合でも、退去するまで待っていると別の人に先に契約されてしまう可能性があります。
どうしても内見せずに仮押さえしたい場合は別の階や別の部屋の空室を内見するなど、物件の雰囲気を把握し、後悔のない選択をしてください。
ですが不動産屋や地域によっては内見前の仮押さえができるところもあります。
山口編集者
小室解説員
賃貸の仮押さえができる期間一般的に3日〜5日程度
賃貸住宅の仮押さえの期間は3日から5日程度が一般的です。
契約の審査が通るまでの数日間なので、あまり日数は伸ばせません。
審査に通過すると次に宅建士による重要事項の説明がありますが、キャンセルしたい場合は説明を受ける前に申し出る必要があります。
複数の物件で迷っている場合は、この数日間の内に答えを出さなければなりません。
また、キャンセルする場合は解約のため別途手続きが必要です。
山口 編集者
賃貸の仮押さえをしたけどキャンセルできるケース
小室解説員
山口編集者
入居審査に落ちた場合は強制キャンセル
入居審査で家賃を支払い続ける能力がないとみなされると、仮押さえは強制的にキャンセルされます。
不動産屋がキャンセルの手続きを行うため、申し込みした本人が特別な手続きをする必要はありません。
支払い能力がないとみなされた場合は、別の物件の審査にも通らない可能性があります。
重要事項説明の前であればキャンセル可能
審査通過後、宅建士から重要事項説明を受けた後のキャンセルは基本的にはできません。
重要事項説明の前に別の物件を選びたくなった、どうしても引っ越しができなくなったなどの理由があればキャンセルは可能です。
事前に申し込み金を支払っている場合はこのタイミングで返金されます。
賃貸物件の契約は、審査に通ったあとに宅建士から重要事項説明を受けるという流れがあります。
重要事項説明を受けてから賃貸借契約書に署名、捺印し、初期費用を支払って正式な契約とします。
山口編集者
小室解説員
重要事項説明後はキャンセルではなく解約扱いとなるので、手続き方法や必要なお金も大きく変わることに注意してください。
賃貸の申し込みで注意すること
賃貸住宅は基本的に仮押さえができず、契約の手続きをしなければなりません。
どうしても検討したい場合には、正式な手続きを行うことで仮押さえをすることが可能ですが、注意点もあるので解説していきます。
- 複数の物件で仮押さえしない
- 仮押さえにかかる申し込み金に注意する
- キャンセルは早めに連絡する
- 仮押さえ前に別の人に契約される可能性もある
この4つの点を意識して仮押さえに進んでください。
賃貸の仮押さえを複数物件でしない
正式な手続きさえすれば賃貸物件の仮押さえは可能ですが、複数の物件での仮押さえは控えてください。
違う物件、違う管理会社の物件であっても、保証会社が同じだと多重契約の疑いがかけられてしまいます。
審査に通りにくくなり、支払い能力が充分にあっても不合格になる可能性があります。
山口 編集者
小室解説員
賃貸の仮押さえでは預かり証(申込金)の費用が必要になることも
賃貸物件を仮押さえする際に、申込金を支払って預かり証を発行しなければならないこともあります。
申込金はキャンセル時や契約成立時には返還されますが、すぐに資金を用意できない場合は仮押さえの手続き自体ができません。
申込金の返却は法律で定められていますが、中には返還しない悪質な不動産屋も少なくありません。
申込金を支払ったことを証明するための預かり証は必ず発行してもらい、キャンセルか契約成立時まで大切に保管してください。
仮押さえのキャンセル連絡は早めに!
別の物件の方が魅力的だった、引っ越しできない理由ができたなどでキャンセルが決まった場合はできるだけ早く連絡してください。
入居のための審査や書類の作成、保険の手続き、入居前のハウスクリーニング、鍵の交換など、多くの人が契約のために動いています。
連絡が早ければ多くの手間を省くことができますが、連絡が遅くなると不動産屋以外にも多くの人の努力が無駄になります。
賃貸物件のオーナーは1日でも早く入居者を入れたいと考えているため、連絡が遅くなるとそれだけ迷惑をかけてしまいます。
不動産業界にとっては重要事項説明前のキャンセルは珍しいことではなく、スムーズに対応してくれます。
迷惑がられるのでは、嫌味を言われるのではとためらわず、早めの連絡を心がけてください。
仮押さえ前だと、横取りされる可能性も
契約書を作成してから審査に合格するまでの期間を仮押さえと呼びますが、この仮押さえ前に別の人が契約を進めていると横取りされる可能性があります。
不動産業界は基本的に早いもの勝ちなので、少しでも先に別の人の契約が決まってしまった場合は諦めるしかありません。
不動産会社によっては連絡が遅れる可能性もあり、やっと決めた物件も諦めて一から探し直さなければなりません。
山口編集者
賃貸の仮押さえまとめ
- 賃貸の仮押さえは基本的に不可能
- 不動産会社や地域によっては可能のこともある
- 仮押さえが出来る日数や注意点をよく確認する必要がある
不動産業界では、申込から契約成立までの期間を仮押さえと呼ぶのが一般的です。
複数の賃貸物件をキープしたいという考えは通用しないことがほとんどなので注意してください。
仮押さえは数日間という短い期間ですが、重要事項説明の前であれば無料でキャンセルが可能です。
小室解説員
山口編集者