レインズとは?不動産情報を個人でも見る方法

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

レインズの情報を個人で見る方法まとめ
  1. レインズは不動産業者だけが見ることのできる不動産売買情報サイト
  2. 物件情報が悪用されたり売りに出したことがばれてしまうデメリットもある
  3. 不動産業者でなくても見ることのできる類似サイトを一挙紹介!

不動産に投資する方はレインズというサイト名を一度は聞いたことがあるでしょう。

レインズは不動産売買の情報が大量に掲載されていますが不動産業者だけしか見ることが出来ません。不動産業者にお願いして調べてもらう事は出来ますが、せっかくなら自分でも調べたいですよね。

この記事ではレインズと同程度の情報を見ることが出来るサイトを紹介しますお得な物件を見つけたい人は、この記事を最後まで読んで、不動産情報の調べ方を身に付けましょう!

不動産情報サイトのレインズとは

レインズとは不動産情報交換サイトです。不動産取引の適正化や円滑化を促す事を目的として、国土交通大臣に指定された全国4つの不動産流通機構が運営しています

レインズの正式名称は不動産流通標準情報システムの英語表記「REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM」の頭文字をとってREINSとなりました。

レインズは売買物件と賃貸物件の登録や検索をするだけでなく、成約情報を閲覧する事も可能です

レインズの仕組み

レインズが開発される以前はアナログな方法で物件情報を交換していました。

レインズ開発前の情報交換
  • 不動産会社が集まる会合に出席
  • 新聞や雑誌に広告を出す

レインズの登場により、不動産会社がウェブ上で不動産情報を見ることが出来るようになりました。

レインズの仕組み
  1. 不動産会社が顧客から売却依頼を受けた物件情報を登録する
  2. 顧客から購入依頼を受けた不動産会社が検索する

レインズは、売主から依頼を受けた不動産会社と買主から依頼を受けた不動産会社同士の情報交換がウェブ上で出来るシステムです。

レインズのデメリット

レインズには2つのデメリットがあります。

レインズのデメリット
  • 物件情報が悪用される
  • 周囲に知られてしまう可能性がある

物件情報の悪用

レインズには住所の掲載が必須項目となっており、その売却や賃貸募集情報が多くの人に知られてしまう為、空き家が犯罪に使われてしまったという事例が過去にあります。

周囲に認知される可能性

秘密裏に売却したい場合でも、レインズでは不動産会社を通して周囲に知られてしまう可能性があります。レインズに登録せず秘密裏に販売したい場合は、不動産会社との契約を一般媒介契約を結びましょう。

MEMO

媒介契約とは売主や買主が不動産会社に売却や購入の依頼をする際に締結する契約の事です。

レインズのメリット

レインズには3つのメリットがあります。

レインズのメリット
  • 適正な価格で売買が成立する
  • 早期に売買が成立する
  • 不動産のトレンドを知ることが出来る

適正な価格で売買が成立

レインズで不動産情報が公開されたことで、過去に成約した不動産情報も知ることが出来るようになりました。

そのため売主が過去の成約情報を参考にした価格で売り出すようになり、買主も過去の成約価格よりも高い価格で不動産を買わなくなりました。不動産会社や不動産の買主と売主が、適正な不動産相場を知ることが出来るようになったことで、適正価格で売買が成立するようになったのです。

早期に売買が成立

不動産情報がインターネットを通して不動産会社に拡散されることで、より多くの情報が交換されるようになりました。

そのため、レインズを利用する多くの不動産会社から買主を紹介してもらうことが出来て、早期に売買を成立させることが可能となったのです。

不動産のトレンドをキャッチ

過去の成約情報を見ることが出来るので、どういった物件が相場よりも高く、もしくは安く取引されているかが分かります。相場よりも高く取引されている場合は、エリアや間取りの人気が変わった可能性があります。不動産の成約情報を知ることで、自分がどういった物件に投資をすれば良いのかが分かります。

レインズにはどんな物件が登録されている?

レインズには買主や賃貸人を募集している物件が登録されています。

レインズに登録されている物件
  • 土地
  • 戸建て
  • マンション
  • 一棟アパート
  • 一棟マンション
  • ビル
  • 店舗

これらの物件は募集中の情報から成約済みの情報まで確認することが出来ます。

また、専属専任媒介契約は5営業日以内、専任媒介契約は7営業日以内にレインズへ登録をしなければならないと宅地建物取引業法で決められています。

しかし、登録されていないケースも少なからず存在します。また、一般媒介契約でも積極的に登録するようにと促されていますが、その義務はありません。

注意

そのため、レインズには全ての不動産情報が掲載されているわけではありません。

レインズは誰が使用できる?

残念ながらレインズは不動産会社(宅地建物取引業者)だけしか使用できません

なぜなら、レインズは不動産会社の情報交換を簡単にする事を目的に運営されているからです。また、レインズには住所などの個人情報が多く掲載されている為、守秘義務を法的に背負っている免許業者である不動産会社しか使用できないように制限されています。

レインズの不動産情報を個人でも見る方法

不動産会社はレインズの不動産情報を見ることが出来ますが、法的に守秘義務の制限がない個人はレインズを見る事は出来ません。しかし、現在はいくつかのサイトでレインズと同程度の情報を個人でも見ることが出来ます。

レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーションのWEBサイトの画像

レインズマーケットインフォメーションは、全国指定流通機構連絡協議会が運営しているレインズの取引情報提供サイトです。全国のマンションと戸建の売買価格を調べる事が出来る不動産情報サイトです。

注意

しかし、賃貸物件の情報は掲載されておらず売買に特化した不動産情報サイトになります。

調べられる項目は、沿線と最寄り駅・駅からの距離・所在地・成約価格・土地面積・建物面積・間取り・築年数・成約時期・用途地域です。どういった物件が、いくらで、いつ成約したかを把握できますし、検索結果では直近1年の取引情報の分布グラフを確認する事も出来ます。

不動産を売買しようと思っている方は、売買を検討している不動産に近い条件で成約物件を絞り込むことで、相場を知ることが出来ます。

注意

ただし、掲載されている不動産の成約情報は個人情報なので、個別取引の特定が出来ないようになっており、詳細までは掲載されていないのが実情です。

個人情報が特定されないために
  • 成約価格の十万円単位が四捨五入されている
  • 面積は20平米の幅を持たせている
  • 築年数も2年の幅を持たせている

なお、レインズの成約情報が全て掲載されているわけではなく、地域ごとに一定の件数以上の取引があった場合に取引情報が掲載されています。

そのため、レインズマーケットインフォメーションだけの情報では不動産市場のトレンドを正確に把握する事は容易ではありません。ただ、レインズを直接見る事が出来ない個人であれば、レインズマーケットインフォメーションはとても参考になる不動産情報サイトです。

不動産ジャパン

不動産ジャパンのWEBサイトの画像

不動産ジャパンは公益財団法人不動産流通推進センターが運営する不動産情報サイトで、多くの不動産流通業者が加入しており、4つの不動産情報サイトからの情報が掲載されています。

不動産ジャパンで統合されている情報元のサイトと運営会社
不動産ジャパンでは売却情報だけでなく賃貸情報も見ることが出来ます。

注意

しかし、掲載されている情報は買主や賃貸人を募集中の不動産情報だけで、成約情報は掲載されていません。

個人でも見られる不動産情報のまとめ

2022年5月現在に個人が見ることが出来る不動産情報サイトで、全ての不動産情報が掲載されているサイトはありません。そのため、見たい情報によって不動産情報サイトを使い分ける必要があります。

個人でも見ることが出来る不動産情報サイト