- リフォームで仕上がりに不満があったらどこに相談すれば良い?
- リフォームのよくあるトラブル事例は「施工不良」「予算超過」「工事の遅延」
- トラブルが発生したら「住まいダイヤル」で専門家に相談を!
リフォームは大規模な工事になるケースが多く、解体後に新しい事実が判明するなど、見積もり以上に費用がかかったり、希望した工事ができなかったり、トラブルが起きやすいのが事実です。
相談者
櫻井弁護士
リフォームのトラブル事例1:仕上がりに不満!
事前に決めていた塗料を実際に塗ってみたら、まったく違った印象になってしまった。図面で決めた設備の位置が、取り付けてみたら使いにくかった。
細かなところで、イメージと違ってしまい、仕上がりに不満を持つケースがあります。どのように対処したらいいでしょうか。
仕上がりに不満があるときの対処法
リフォームの仕上がりに不満があったとしても、すでに施工してしまっていれば、やむを得ないケースが多いでしょう。
ただ稀に「注文と違う施工になった」「現場で最終確認する約束だったのに勝手に進められた」という場合もあります。
リフォーム会社側に落ち度がある場合は、時間が経ってこじれないようにすみやかに交渉をしましょう。
イメージと違う施工を回避するポイント
リフォームは注文住宅などと異なり、事前に細かいところまでイメージを決めきれないケースも多々あります。
塗料や、設備の位置については、現場で確認しながら決めていく方針にしておき、リフォーム会社と相談しながら、臨機応変に対応できるようにすると良いでしょう。
リフォーム会社と事例の写真、3Dパース、図面を共有しておくことで、イメージ通りの施工に近づけられます。
着工前にイメージの共有を積極的に行い、イメージと違う施工を回避するように心がけましょう。
リフォームのトラブル事例2:施工不良、施工ミス
リフォームにおいては、雨漏り、破損、ちゃんと機能しない、要望した発注と違うなど、様々な施工不良、施工ミスがあり得ます。
例えば雨漏りの場合、その箇所だけでなく、湿気で周辺部材まで悪影響を及ぼすなど、大きな問題となるケースが多く、きちんとした対処が必要です。
施工不良が起きたときの対処法
施工不良や施工ミスは、契約通りに工事を完了していないわけですので、原則としてリフォーム会社の責任で対処するべきものです。
相談者
櫻井弁護士
施工不良が発覚するタイミングが早ければ早いほど、修繕もしやすくなります。
現場監督から送られる進捗、現場の写真は当日中に確認を行うことがおすすめです。
工事が完了し、入居後に施工不良が発覚した場合に対処してもらえるかは、契約内容によって異なります。契約前に保証内容をしっかり確認しておきましょう。
施工不良を回避するポイント
実績、技術力の確かなリフォーム会社を選ぶことで、トラブルの可能性を少なくできます。
依頼する前にホームページ、資料、口コミサイトで実績や技術力について細かくチェックしておきましょう。
ただ、それでも施工不良が起きる可能性はゼロではないのが事実です。
施工不良が発生してしまった場合は、時間が経って言うとこじれやすいので、面倒でもすぐにチェックして早めに会社側に報告するように意識しましょう。
リフォームのトラブル事例3:見積もりと違う、予算超過
相談者
櫻井弁護士
工事を進めてみて新しい事実が判明し、工事費用がかさんでしまうケースは、リフォームにおいては珍しくないからです。予算オーバーにならないための注意点を解説していきます。
工事費が増加してしまったときの対処法
リフォームは解体してみないとわからないことが多いのが事実です。
リフォーム会社側が事前に問題点をピックアップしてくれますが、解体後に新たな問題点が発生する可能性も考慮しておく必要があります。
特に築年数が長い建物については、見えない部分で経年劣化が発生していることも多く、追加工事が発生する可能性が高くなります。
なお、明らかに見積もり金額がおかしいと感じたり、納得できなかったりするときは、住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいダイヤル」へ相談してみるのも手段の1つです。
予算超過を回避するポイント
予算超過を回避する場合においても会社選びが大切です。解体後に新たな問題点が発生する可能性についても十分に説明を行ってくれます。
新たな問題点が発生する場合はやむを得ないケースが多いので、最初から予算ギリギリの発注をするのはおすすめできません。
後から費用が増えるにしても、どれくらい増える可能性があるのか、リフォーム会社にしっかり確認しておきましょう。
また、見積もりを取る場合は配管、床、水まわりなど、劣化しやすく、寿命がある部位の項目が含まれているかどうかのチェックも必要です。
新たな問題点が見つかりやすい部分なので、リスク軽減のためにも見積もり時に入念に確認を行いましょう。
リフォームのトラブル事例4:工事の遅延
リフォームは大規模な工事となるため、予定より工事が長引いてしまうケースもあり得ます。
また、仮住まいを用意するケースが多く、遅延してしまうと費用の負担が増加してしまう点にも注意が必要です。
工事遅延の対処法
ある程度の工事の遅延は仕方がないケースが多いので、余裕を持って予算、スケジュールを考えておきましょう。
なるべく工事の遅延を防ぎたいという場合は、工事を行う前に工程表をもらう必要があります。
工事中は現場から工事の進捗を共有を受け、現場の写真を送ってもらって常に状況を確認しましょう。
遅延での費用負担増を回避するポイント
相談者
櫻井弁護士
それでは、リフォーム会社側の不手際で工事が遅れた場合でも、仮住まい費用を負担してもらうことは難しいのでしょうか。
天候や災害の影響での遅延は仕方がないケースが多いですが、リフォーム会社側の落ち度での遅延ならば、仮住まい費用を負担してほしいと感じるケースがあるでしょう。
こうしたときに、誰が費用負担するのかは、契約時に定めるケースがほとんどです。
リフォームのトラブル事例5:近隣住民からのクレーム
リフォーム時に見落としやすいのが、近隣住民からのクレームです。
工事の音、駐車マナー、タバコの煙、ゴミや資材の散乱などは特にトラブルの元になります。
近隣住民からの印象が悪くなると、入居後に住みづらくなるケースもあります。対処法や回避するポイントをあらかじめ把握しておきましょう。
ご近所クレームへの対処法
工期中のクレームは、現場監督の責任で対処してもらいましょう。
下手に施主がクレーム対応に関わってしまうと、責任の所在が曖昧になり、話がこじれるケースもありますから、しっかり現場監督に前面に出てもらうことが大切です。
ご近所クレームを回避するポイント
良質な会社であれば、そもそもクレームが発生しないように、事前の挨拶はもちろん、マナーや工事時間の厳守など、細やかに配慮しながら工事を進めてくれます。問題があっても、すみやかに対処してくれるはずです。
相談者
櫻井弁護士
仕上がりに不満があったら住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住まいダイヤル」へ
トラブルが発生するかどうかは、リフォーム会社選びに掛かっていると言っても過言ではありません。
質の高い会社は、技術力、提案力に優れるだけでなく、トラブルが起きやすいポイントを十分に把握しており、トラブルにならないように配慮しつつ契約および工事を進めてくれるからです。
ただ、どんなにいい会社を選んだとしても、ミスや行き違いが起こる可能性を想定する必要があります。
トラブルが起きてしまい、個人では解決が難しいと感じたら、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが運営する「住まいダイヤル」に相談を行い、スムーズな解決を図りましょう。
「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」とは?
相談者
櫻井弁護士
電話相談では、一級建築士が対応し、契約前の疑問解消から、実際にリフォームを行っている最中のトラブル相談まで行うことができます。
また、法律的な問題は、必要であれば弁護士の助言を受けて回答するなど頼りになります。
また、弁護士・建築士に、対面(またはWEB会議システム)で相談することもできます。
1時間と時間に限りはあるものの、無料ですので、必要に応じて活用しましょう。
トラブルになりやすい、リノベーションやリフォームの見積書については、セルフチェックリストを無料公開しており、契約前の見積書を送ってアドバイスをもらうこともできます。
まとめ
リフォームにまつわるトラブルの大半は、リフォーム会社が豊富な経験を持っており、技術力、提案力、コミュニケーション力などが優れていれば、回避できる可能性が高くなります。
良質なリフォーム会社を見つけるためにも、複数の会社に見積りを依頼するのはもちろん、対応に違和感があったり、説明不足を感じたりしたときは、安易に妥協しないことが大切になってきます。
相談者
櫻井弁護士