- マンションリフォームにかかる平均費用は540万円弱
- マンションのリフォームはその築年数や内容によって費用が大きく異なる
- リフォームも住宅ローン減税の対象になる
- 季節に左右されない内装リフォームの場合は冬や梅雨に依頼することをおすすめ
- マンションのリフォームではご近所さんへの配慮が必要
マンションのリフォームを検討する際、はじめに気にかかるのは費用のことでしょう。一口にリフォームと言っても、マンションの築年数やリフォームしたい箇所などによってかかる費用も異なります。そこでこの記事ではマンションのリフォーム費用の相場を、築年数やリフォーム箇所別に詳しく紹介します。また費用を安くするための5つの方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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マンションリフォームにかかる費用相場|200万円~600万円が目安
価格 | 割合 |
100万未満 | 6.9% |
100万~200万 | 8.8% |
200万~300万 | 11.3% |
300万~400万 | 17.8% |
400万~500万 | 16.1% |
500万~600万 | 11.5% |
600万~700万 | 8% |
700万~800万 | 6.9% |
800万~900万 | 4.6% |
900万~1000万 | 2.3% |
1000万以上 | 6% |
出典元:中古マンションリフォーム費用・相場をチェック|「ホームプロ」リフォーム会社紹介サイト
大手のリフォーム会社紹介サイトである「ホームプロ」によると、マンションリフォームの費用の相場の目安は200万円~600万円と言われています。
200万円~600万円の価格帯は10%を超えており、300万~400万は18%弱、400万~500万は16%強と特に多くなっています。
一方で1000万円以上の高額リフォームを施している方も6%ほどおり、とことんこだわる方も一部はいるようです。
ただ、リフォームの値段は施工業者やプラン、グレードによって左右されるので「リフォームするならこのぐらいかかるのか」という目安程度に考えておけばよいでしょう。
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「築年数別」マンションのリフォームにかかる費用相場
住み方によって違いはありますがリフォーム費用はマンションの築年数が古いほど高くなります。設備の老朽化が進みますし、使い勝手を良くするためにリフォームしたい箇所も増えるからです。では築年数によってリフォーム費用にどのくらいの違いがあるのでしょうか。築10年以内のマンションはリフォームの必要性が低いため、築11年以上のマンションで比較してみます。
築11~20年のマンションリフォーム相場
築20年未満のリフォーム費用の相場は10万円~50万円です。築20年未満のマンションは住み方によってはリフォームがいらない場合もあるでしょう。一方でクロスの汚れや剥がれ、畳の傷みが気になる場合は、張替えが必要です。現在の不具合を解消したいというよりも、長く住み続けるためのリフォームという意味合いが強いです。
築20~30年のマンションリフォーム相場
築20~30年のリフォーム費用の相場は225万円~270万円です。築20~30年のマンションは水回り設備が寿命を迎えます。そこで必要となるのが、水回り中心のリフォームです。トイレの便器、浴室ユニットバス、洗面台やキッチンなど、全水回り設備の交換が必要となります。
築30~40年のマンションリフォーム相場
築30~40年のリフォーム費用の相場は340万円~415万円です。築30~40年のマンションには一般的に次のような特徴があります。
- 水回り設備が寿命を迎える
- クロスやフローリング、カーペットの床の汚れが目立つ
- 間取りの使い勝手が悪い
そこで必要となるのが間取り変更も視野に入れたフルリフォームです。和室の洋室化、クロスやフローリングの張替え、全水回り設備の交換などが必要となるでしょう。
40年以上のマンションリフォーム相場
築40年以上のリフォーム費用の相場は670~820万円です。築40年以上のマンションは内装が全体的に傷んでいることがほとんどです。
- 内装がボロボロになっている
- 給排水管が老朽化している
- 間取りが和室中心で時代に遅れている
そこで必要となるのが、すべてを作り直すフルリフォームです。スケルトンリフォームと呼ばれることもあります。奥まったキッチンを対面式にする、キッチンなどの水回りにこだわりハイグレードなものを導入する、洗面スペースの横にユーティリティースペースを設けるなどのリフォームです。
何か…築30年以降は間取り変更が入るので、リノベーションと言っても良い気がしますね。
そうだね。この辺りはさっき言ったように曖昧だね。1部屋くらいの間取り変更ならリフォーム…すべてを作り直すフルリフォームなら「リノベーション」という言葉を使うことが多いイメージかな。
マンションのリフォーム箇所別で費用相場を解説
マンションのリフォーム費用は上述したマンションの築年数だけでなくリフォーム箇所によっても変わります。リフォーム箇所別の費用相場について具体的に見てみましょう。
キッチンのリフォーム費用相場
キッチンのリフォーム費用の相場は20万円~50万円程度です。ただしこの金額は古くなった新しい設備に交換するだけの場合です。システムキッチンに変更したりオール電化へ切り替えたりするなど、大規模なリフォームになると30万円~200万円程度と幅が広くなります。
浴室のリフォーム費用相場
浴室のリフォーム費用の相場は50万円~150万円程度です。多くの場合は100万円以内のリフォームで、65万円~80万円程度が目安です。ユニットバスはサイズやグレードにより価格に幅があります。同じ商品であってもサイズが大きくなれば価格が上がりますし、デザインや材質によって価格が変わります。
トイレのリフォーム費用相場
トイレのリフォーム費用の相場は20万円~60万円程度です。これはタンク式トイレへの交換やタンクレストイレへ変更する場合の金額です。便器だけの交換ならば20万円以下ですみますし、便座だけの交換ならば通販など自分で用意し交換することで費用を抑えることができます。
洗面所のリフォーム費用相場
洗面所のリフォーム費用の相場は20万円~50万円程度です。洗面台だけを新しいものに交換する場合は20万円以下でも可能です。洗面台の交換に加えてクロスや床などの内装も買える場合は20万円以上みておく必要があります。
リビングダイニングのリフォーム費用相場
リビングダイニングのリフォーム費用の相場は、その内容によって大きく異なります。クロスを交換するだけの内装リフォームの場合は、20畳の部屋であれば15万円~25万円程度です(クロスの種類によっても変わります)。一方で間取り変更などを含む大規模なリフォームの場合は、100万円~300万円程度必要になります。
寝室のリフォーム費用相場
寝室のリフォーム費用の相場は20万円~50万円程度です。寝室は面積がそれほど広くなく簡易なリフォームですむことが多いため50万円を超えることはあまりありません。寝室のリフォームの中で人気のあるリフォームに「和室である寝室を洋室に変える(もしくは洋室である寝室を和室に変える)リフォーム」と「部屋に間仕切りを設置するリフォーム」があります。
玄関のリフォーム費用相場
玄関のリフォーム費用の相場は10万円~50万円程度です。玄関リフォームで多いのはドアの鍵の交換や追加、玄関ドアの交換などです。1日で完了する比較的かんたんな工事であれば費用は25万円~50万円ほどになるでしょう。
ベランダ・バルコニーのリフォーム費用相場
ベランダ・バルコニーのリフォーム費用の相場は50万円以下です。床の防水工事やサビ防止などのようなメンテナンス程度であれば、10~20万円ほどで実施できます。しかし新たにベランダやバルコニーを吐き出し窓の外に設置したり、既存のベランダを拡張したり、新しいものに交換したりする場合は50万円前後の費用がかかるでしょう。新しく作るベランダの面積が広くなると、100万円以上かかることもあります。
こんなにリフォーム費用が違うんですね!
そうだね。上述したリフォーム費用もあくまで目安なので、実際の金額は見積もりを取ってみないと分からないね!
マンションのリフォーム費用を安くするには
ここまで築年数とリフォーム箇所による費用の相場を確認してきました。相場がわかったら、気になるのはリフォーム費用を安くする方法ではないでしょうか?ここからはマンションのリフォーム費用を安くする以下4つの方法をご紹介します。
- 掛け率と割引率を理解する
- 自分で用意できる部品を支給する
- 住宅ローンの課税制度を活用する
- リフォーム業者複数業者から見積もりをとる
掛け率と割引率を理解する
掛け率とは商品を仕入れる際の値引き率のことです。この値引き率(掛け率)は、リフォーム会社の販売実績や仕入れ数などによって異なります。また製品ごとによっても掛け率は異なり製造量の多い普及品ほど値引きされやすい傾向にあります。
自分で用意できる部品を支給する
マンションのリフォーム費用を安くするにはリフォームに必要な設備や資材を自分で用意するという方法もあります。これを施主支給といいます。設備や資材をインターネットやホームセンターなど自分で購入し、リフォーム会社に支給して工事してもらうのです。このことにより、リフォーム会社を通すよりも費用が安くなる可能性があります。
住宅ローンの課税制度を活用する
実はリフォームも住宅ローン減税の対象になります。住宅ローンを利用して100万円を超える対象のリフォーム工事をした場合には住宅ローンが減税されるのです。具体的には入居した年から10年間、ローン残高の1%が所得税額から控除されます。所得税を超える金額については、住民税からも一部控除を受けることができます。
住宅ローン減税を利用するには入居した翌年に確定申告が必要です。忘れないようにしましょう。また住宅ローン減税の制度は頻繁に変更されます。利用前にかならず、国交省のホームページで内容を確認しましょう。
リフォーム業者複数業者から見積もりをとる
もうひとつリフォーム費用を安くするために重要なことは複数業者から見積もりをとることです。少なくとも2社、できれば3社以上は比較することをおすすめします。比較することでリフォーム費用の相場がわかるからです。相場より費用が高い会社はもとより、正当な理由がないにも関わらず費用が安すぎる会社も避けたほうが良いでしょう。
またリフォーム工事を行う業者はリフォーム専門会社や地元の工務店、住宅メーカーなどさまざまです。希望するリフォームが内装工事なのか外壁工事なのか、水回り工事なのかなどといった内容をはっきりさせ、適切な業者を選びましょう。
マンション設備の需要とリフォーム時期
リフォームに使用されるマンション設備がモデルチェンジされる前後、または真冬や梅雨の時期などはリフォーム費用が安くなります。
マンション設備がモデルチェンジされる前後
家電と同じようにマンション設備もメーカーが新商品をリリースすると型落ちモデルの価格は安くなります。そのためモデルチェンジ前後にはセールが行われることが多くねらい目です。
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冬や梅雨の時期
春先や秋口などはリフォームの繁忙期です。繁忙期はたくさんの注文が集まるため費用は高めに設定されています。一方で冬や梅雨の時期は雪や雨のせいで天候が安定せずリフォーム工事の需要が減り、費用が安くなるのです。季節に左右されない内装リフォームの場合は冬や梅雨に依頼することをおすすめします。
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マンションリフォームは専有部分のみ
マンションのリフォームは集合住宅ならではの気を付けるべき点があります。
それはマンションのリフォームは専有部分のみ可能で、ドアや窓などの共用部の交換はできません。
そもそも専有部分とは一般的に「コンクリートで囲まれた居住スペース」のことを指しており、所有している物件の部屋などが該当します。
しかし、専有部分と共有部分の境目は曖昧なので、各マンションの規約によって異なっている場合が多いです。
実は専有部分だと思ってリフォームしたら共有部分だったのでトラブルに発展したという例も過去に存在します。
ご近所さんへの連絡や配慮も忘れずに
さらに気をつけなければならないのは、マンションが集合住宅であるがゆえに工事の音などが発生して近隣住民とトラブルに発展する可能性も少なからずあるという点です。
マンションでリフォームをする際に注意するべき点は以下の通りです。
- 休日・早朝・夜間の工事は実施しない
- ご近所さんへの事前の周知
- 共用部分の養生
- クレーム対応
- 上記の配慮ができるリフォーム業者の選定
プランや費用について考えるのも大切ですが、ご近所さんとの良好な関係を築くためにも最低限の配慮はしましょう。
まとめ
以上マンションリフォームにかかる費用相場について紹介しました。上述のとおりマンションのリフォームはその築年数や内容によって費用が大きく異なります。スケルトンリフォームのようなフルリフォームでは、1000万円を超えることもあるのです。
高くなりがちなリフォーム費用を抑えるためには費用相場を知り、適正だと思われるリフォーム業者を選ぶこと、リフォーム費用を安く抑える方法を活用することが必要です。ただし、費用を安く抑える方法には注意点もあります。必ず注意点を確認した上で活用しましょう。
また、マンションリフォームは費用・プランも大切ですが「周辺住民への配慮」も重要です。いくら良いリフォームをしたとしても何の周知もなしにリフォーム工事をされた場合ご近所さんは良い気分はしません。
最後に解説した通り、リフォーム工事をする際は必ずご近所さんへ工事の周知を行って理解を得ることも忘れずにしてください!
この記事を参考に、マンションリフォームを検討してみてはいかがでしょうか?