マンション購入価格の年収別目安

マンションは非常に高額な買い物になるので、いくらのマンションを購入するか迷う人も多いと思います。結論からいうと、全員に共通するマンション購入価格の明確な目安価格はありません。

というのも、人によって支出額も違えば、家族数も違うからです。ただ、基準がなければ購入予算額を決めにくいと思いますので、今回は色々な角度から購入価格の目安を解説していきます。

特に、年収別の目安価格、およびローンの借入上限額は予算を決める参考になるので、ぜひチェックしてみてください。

マンション購入価格の考え方

マンション購入価格はいくらが適正か?は、年収が同じでも「子供の数と教育費用」「共働きか否か」「会社の福利厚生」「今後の給与の伸び」「老後にいくら蓄えておきたいか」などの違いによって異なります。

つまり、人によって支出や将来の考え方が異なるので、一概に「年収○○万円は××万円のマンションが適正」とはいえません。そのため、この記事ではマンション購入価格の年収別目安を計算するために、以下の順番で目安価格を探っていきます。

この記事のざっくりしたポイント
  1. 適性といわれている年収の5~7倍のマンションを購入したと仮定
  2. 住宅ローンの支払い額+ランニングコストを計算
  3. 返済比率的に上限金額を計算
  4. ライフプランによる支出を知る
確かに、年収が同じでも家族の数や生活レベルが違うから、一概に適正価格がいくらとはいえないですね…。

そうだね。ただ、この順番で年収別のマンション価格を見ていくことで、自分はどのくらいの金額のマンションを買えば良いか?の目安は分かると思いますよ。

住宅ローンの支払い額+ランニングコストを計算

まずは、年収の5~7倍のマンションを購入したときに、月々支払い額を比較していきましょう。今回は、ローン支払い額だけでなく、マンションは管理費・修繕積立金も加味して考えます。

マンションの管理費・修繕積立金の合計額については、東京都全体の平均値である22,352円で計算しています。また、住宅ローンの条件は以下の通りです。

想定する住宅ローン条件
  • 頭金:ゼロ
  • 金利:0.525%
  • 借入期間:35年
  • 元利均等返済

一般的には年収の5~7倍が適正といわれていますが、大事なのは月々の返済額です。以下で年収別の表をつくるので、その表を見ていくらの物件の月々返済なら支払えそうか?を考えてみましょう。

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年収300万円

年収300万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

年収400万円

年収400万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

年収500万円

年収500万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

年収600万円

年収600万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

年収700万円

年収700万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

年収800万円

年収800万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

年収900万円

年収900万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

年収1000万円

年収1000万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

年収1500万円

年収1500万円の方の場合、条件に照らし合わせると以下の通りです。

これが、一般的な適正価格といわれている年収の5倍~7倍のマンションを購入したとき、どのくらいの返済負担になるか?を一覧にした表です。
なるほど!まずは今の家賃と比較しつつ、住居費としていくらくらい月々負担できるかを考えれば、自分の適正価格が分かってきますね!

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返済比率的に上限金額を計算

次に、返済比率的に上限金額はいくらか?という点から、年収別のマンション購入価格の目安を考えていきましょう。

まずは、そもそも返済比率とは何か?ついて解説してから、年収別の目安価格の解説をしていきます。

今回は「ローンを組める上限はいくら?」という点だね。いくら月々返済額から目安が分かっても、そもそもローンが組めなければマンションは買えないからね。

返済比率とは?

そもそも返済比率とは、一般的にローンに関連して使われる言です返済比率は、年収に占める返済額の割合なので、「年間返済額÷年収」で計算します。つまり、年収のうちローンに使われる金額は何%か?という指標です。金融機関ではローンを貸し出すとき、以下の返済比率で設定していることが多いです。

返済比率の区分
  • 年収400万円未満:30%以内
  • 年収400万円以上:35%以内

この返済比率をオーバーする場合は審査の土台に乗らないため、ローンを借り入れることができません。

もちろん、返済比率以外にも審査項目はあるので、返済比率をクリアしているから借入できるというわけではないよ。ただ、借入の上限金額の目安を知る上では、返済比率が一番分かりやすいね。

年収別のローン借入上限金額

金融機関がローン審査する際は高めの金利で読み込むので、ここでは一旦審査金利を3%において計算します。その審査金利と前項の返済比率を加味すると、借入の上限金額は以下の通りです。

年収別の借入の上限金額
  • 年収300万円 :約1,940万円
  • 年収400万円 :約3,030万円
  • 年収500万円 :約3,780万円
  • 年収600万円 :約4,530万円
  • 年収700万円 :約5,280万円
  • 年収800万円 :約6,030万円
  • 年収900万円 :約6,780万円
  • 年収1,000万円:約7,530万円
  • 年収1,500万円:約11,280万円
たとえば、月々返済的に3,500万円が予算だけど、ローンの上限は3,200万円くらいの場合は、どうすれば良いのですか?

その場合はマンション購入価格の予算を下げる…もしくは頭金として300万円入れれば借入可能だよ。

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ライフプランによる支出を知る

前項までで、月々返済額から計算する年収別のマンション購入価格、そして返済比率からみるローンを組める上限価格が分かった思います。最後に、イフプランに関する以下の支出を紹介します。

主なライフイベント
  • 教育
  • 結婚
  • 介護
  • 老後資金

この支出額は各家庭で違います。そのため、最終的には前項までの情報と将来発生するであろう以下の支出額を加味して予算を決めましょう。

教育

まずは教育資金からです。文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」と、日本政策日本政策金融公庫のデータによると、幼稚園~大学までの費用は以下の通りです。

仮に、幼稚園~大学まで私立に通わせた場合、学費だけで約1,260万円(子ども1人)かかります。全て公立だとしても約680万円です

さらに、上記はあくまで入学費用や年間の授業料だけなので、そのほかにも課外活動(部活など))や習い事などの費用もかかるのです。

教育資金ってこんなにかかるんですね!

そうだね。だからこそ、マンション購入の目安金額を考えるときは、切っても切り離せない要素なんですよ。

結婚

リクルートのゼクシィによると、結婚に関する費用は以下の通りです。

前項の教育費用や、次項の介護費用もそうですが、基本的に上記の金額は目安であり、人によって変わります。ただ、一旦の目安としては参考になる金額です。

将来の支出を全く考えていない人は、マンションの購入価格を決めるときに改めて考えることをおすすめします。

介護

次に親の介護費用です。介護費用もケースバイケースですが、生命保険文化センターのデータによると、有料老人ホームに関する費用相場は以下の通りです。

介護費用の相場
  • 入居一時金方式(全部) 2,500万円
  • 入居一時期方式(一部) 500万円
  • 月額管理料 10~30万円

仮に、上記の金額を捻出するのが在宅介護をするとします。その場合、ベネッセスタイルケアによると要介護1の方でも、在宅介護費用は12万円(月額)ほどです。

老後の必要資金

最後に老後の必要資金です。最近では「老後破産」という言葉も出てきているくらい、老後にお金が足りなくなくて困っている人は多いです。

さらに、金融庁が「老後には2,000万円必要」と主張するくらい、将来受給できる年金額は不透明といえるでしょう。

その上で、生命保険文化センターが行った意識調査によると、老後(夫婦2人)の生活資金は以下の通りです。

老後の生活資金
  • 最低日常生活費:月額22万円(年間264万円)
  • ゆとりある老後生活:月額34.9万円(年間418.8万円)
家を買って…ローンを組んで…教育資金や結婚資金を加味して…さらに老後の必要資金まで考えるんですね…。

必ずしも完璧にシミュレーションする必要はないし、そもそも未来のことだから完璧に読むことはできないね。ただし、ザックリとでも良いから将来の支出を加味した上で、マンションの購入価格は決めた方が良いね自分1人で分からなければ、FPに無料相談会などに出席すると良いよ。

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まとめ

このように、まずは「年収の5倍~7倍が適正価格」を鵜呑みにせず、住宅ローンとランニングコストを踏まえた月々返済額で考えましょう。

そして、返済比率からみるローンの上限金額をチェックし、さいごに支出を加味してマンションの購入価格を決めるという流れです。

2018年版の記事

そろそろマンションを購入しようと思っていますが、私と同じぐらいの年収の人がどのぐらいの価格のマンションを購入しているのかが気になります。

その辺りは最初は検討もつかないので、今日はそれについて書いていくね。

不動産の購入には何千万円の費用がかかってしまうので、年収に見合わない高額の物件を購入してしまうと、先々住宅ローン返済に苦労することになってしまいます。そこで、どのくらいの価格のマンションが自分にふさわしいのか、大雑把ですが年収別に目安を確認していきます。

最後に価格別にマンションごとの具体例を紹介しています。中古マンション選びのイメージをより具体化させることができると思いますので、自分の年収で他の人がどの価格帯のマンションを買っているか参考にしてください。

年収からローン返済がスムーズにできるかどうかをチェック

マンション購入価格が適切かどうかを判断する際には、ローン返済が先々スムーズにできるかどうかをチェックする必要があります。ローン返済が家計を圧迫するようだと、その他の支出が制限されかねません。幼い子供がいる世帯では教育費がかさんでいく傾向が見られます。子育てがかなり進んでいる世帯では、退職年齢が近づいて年収が減ることも想定する必要があるでしょう。今の家計だけでなく、将来のライフプランも考慮に入れながら返済計画を立ててください。

マンションの購入価格の目安は年収の5倍程度

年収800万円であれば4,000万円前後のマンションがふさわしい計算になります。

もっとも、住宅ローンを組んでマンションを購入する場合は住宅ローンの金利によって借入可能総額が変わってきます。

現在の日本は歴史的に見ても非常に低金利なので、固定金利であれば年収の約10倍、変動金利でも年収の8倍の借入が可能です。

ただ、ローン返済額は毎月のお給料のうち30%以内に抑えたいところです。

具体的には年収800万円なら年間240万円、月々20万円をローン返済に抑えた方が毎日の生活に支障が出ません。
そして、35年ローンであれば総額240万円×35年=8,400万円のローンを返済できることになります。8,400万円と聞くとかなり高額のマンションを変えると感じるかもしれませんが、この額はマンション価格ではなく、ローンの35年間の返済総額です。

金利を含めた額となっているため、実際に購入できるマンション価格は8,400万円よりも低くなる点に注意してください。

数%の金利でも住宅ローンは高額の借り入れとなるため金利額は膨らむ

例えば金利1%で5,000万円を借り入れると、初年度だけで50万円の金利が発生します。そして、35年の返済期間でローンを組むと最初の数年はほとんど金利を返済しており、元本に充てられる金額はほんのわずかとなります。

この前住宅ローンの相談に行って、返済予定表のプランをもらいましたが、毎年払うことになる利子の多さにびっくりしました。

 

築年数の経った中古物件ならローン完済までに建て替えの可能性も

広さがあるお部屋や立地が良くても築年数の経った中古マンションなら価格を抑えることができますので、予算内で希望のエリアに購入したい場合には中古マンションが主に候補となるでしょう。ところが、築30年以上などのマンションの場合、ローン完済までに建て替えの必要が出てくる可能性があります。建て替えとなればマンションを売却して新しい不動産を探さなければなりません。

購入したマンションが建て替えになるとどうなるんですか。

これはいくつかの選択肢があり、建て替えによりマンションの延床面積が増える場合は、自分が持っている持ち分が高く売却できたり、少ない建て替え費用を支払うだけで済む場合があります。

では延べ床面積が減ってしまう場合はどうなりますか。

この場合は建て替えのハードルは高く、毎月の修繕積立金を増やしてでも建物の壊れたところを直してマンションを存続させることが多いです。

中古マンションの重要事項説明書には建替え時に延べ床面積が減る場合にはその旨の記載がされますが、さらに何パーセント減るのかも敷地面積や指定されている容積率等から確認する必要があります。実務では15%以上容積率が減ってしまうマンションが築年数が古いもので時々あり、売買価格にも大きく影響をします。

ローン返済額と合わせて維持費や駐車場代、教育費等にも要注意

中古マンションを購入する際、ついつい背伸びしてローン返済額を多くしてしまいがちです。

マンションを購入すると家賃がなくなるだけに、賃貸暮らしからの住み替えを検討している人は特に要注意です。

もちろん不動産を購入すれば、それまで支払っていた家賃をローン返済に回すことができます。しかし、管理費や修繕積立金と言った維持費やガス器具等の設備交換費用などは自分で負担する必要があります。

このほかにも、駐車場代がかさむケースなどもあり得ます。ローン返済と合わせて発生する費用を支払いながらも家計に余裕があるかどうかを検討する必要があるでしょう。

また、子供の教育費等に十分なお金をかけられるかどうかもチェックポイントです。中古マンション購入で背伸びをすれば、他の支出を切り詰めなければならないことも考えられます。

予算よりも少し価格を抑えた中古マンションを選択しておけば、他の項目に費用を多めにかけることができます。どの部分に費用を優先的に回すのかを、家族の間でしっかり話し合っておくべきですね。

年収アップを見越した購入はハイリスク

実際にマンションを購入している世帯を見てみると、目安とされる年収の5倍以内に物件価格が収まっていないケースが少なくありません。

背伸びをして不動産購入するケースが多いのです。この中には、年収アップを見越した購入もあるでしょう。

購入当初は5倍以上の値でも、年収が上がれば5倍以内に収まることがあるからです。しかし、年収アップを見越した購入はハイリスクと言えます。年収は必ずしも上がるとは限りません。

年収がほとんど上がらない場合や、逆に下がる場合、最悪のケースだとリストラに遭うなどして年収がゼロになることも考えられるのです。

住宅ローンの返済が滞れば、せっかく買った不動産を差し押さえられてしまいます。

年収アップを見越さず余裕を持ったローン借り入れをしていれば、貯蓄を取り崩したり、失業給付を活用したりして返済を続けられる確率が高まります。

無理のある「背伸び購入」は避けるようにしてください。

目安とされる「年収の5倍」で購入できる中古マンションの具体例

自分の年収に合った部分をチェックし、希望条件を考えるうえで参考にしてください。
価格はいずれも2019年5月30日時点です。

年収800万円クラス―都内4,000万円マンションの例

【府中八幡町ダイヤモンドマンション(3,780万円)】

築年月:1996年3月
専有面積:61.91㎡
間取り:3LDK
交通アクセス:京王線「府中」駅(特急停車駅)徒歩6分
管理費:12,760円/月
修繕積立金:12,780円/月

都心部への通勤に便利な特急停車駅の3LDKマンションです。

築20年を超えていますが、大規模修繕を実施しているため安心です。

維持費がやや高い点が気になりますが、

4,000万円マンションでもファミリーで住むことができる交通利便性の高い物件です。

年収1,000万円クラス―都内5,000万円マンションの例

【目黒青葉台グランドハイツ(5,200万円)】

築年月:1995年9月
専有面積:60.89㎡
間取り:2LDK
交通アクセス:JR山手線「渋谷」駅徒歩12分、京王井の頭線「神泉」駅徒歩3分
管理費:11,600円/月
修繕積立金:8,120円/月

オートロック、宅配ボックス有で渋谷駅徒歩圏内のマンションです。

子育て世帯はもちろん、子供のいない世帯にもオススメできますね。

先述の4,000万円マンションと専有面積や築年数はほぼ同じですが、都心部への距離が近いと言えます。

年収1,500万円クラス都内7,500万円マンションの例

【オープンレジデンシア南青山骨董通り(7,580万円)】

築年月:2013年9月
専有面積:57.91㎡
間取り:2LDK+DEN
交通アクセス:各線「表参道」駅徒歩10分
管理費:12,415円/月

修繕積立金:3,760円/月

年収1,500万円ともなれば、人気エリアの築浅マンションが手に入ります。複数の地下鉄路線を利用できるため、通勤・通学利便性も高いですね。築浅であるため修繕積立金が安く、維持コストを抑えられるメリットもあります。オートロック、宅配ボックスはもちろん、ゴミ出しを24時間行うことができるなど忙しい世帯でも暮らしやすい物件です。

いかがでしたか。ここで取り上げた物件はほんの一部にすぎませんが、年収ごとにどの程度のランクのマンションを購入できるのかを感じていただけたかと思います。

どうしても年収よりも良い物件を購入したい、という場合でも無理なローンを組むよりもまず、早目に不動産探しを始めてお得な中古マンションとの出会いを待ってみると良いでしょう。