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リノベーションの流れを把握しておこう!各工程の注意点も解説

この記事を書いた人
徳田 倫朗
宅地建物取引士

株式会社イーアライアンス代表取締役社長。 宅地建物取引士。 国内では、アパート・マンション、投資用不動産の売買や不動産ファンドの販売・運用を手掛けるほか、海外不動産(アメリカ・フランス)についても販売仲介業務を行うなど、不動産・リノベーションに関して幅広い経験と実績を有する。

この記事のざっくりとしたポイント
  1. 住まいのリノベーションは、大きく分けて3段階
  2. 複数のリノベーション会社に相談しながら比較検討することがおすすめ
  3. 事前に予算とスケジュールを決めておいて、段取り良く行うことが大切

住宅の質は年々向上し、一戸建て、マンションに限らず耐久性・耐震性がしっかりした建物が増えてきました。そのため、良い物件を前もって購入しリノベーションを行ったり、居住中の物件をリノベーションしたりする人が、以前に比べて多くなっているようです。

徳田編集長

今回はリノベーションの流れや契約・入居までの各手続きにおけるさまざまな注意点を紹介します。これからリノベーションを行おうとする人はぜひ参考にしてください。

リノベーションはどのような流れで行われるのか?

 

住まいのリノベーションは、大きく分けて以下の3段階に分かれます。

1.対象物件とリノベーション会社の選定

2.リノベーション契約手続き

3.リノベーション工事実施と入居

自宅をリノベーションして住む場合には物件探しをする必要がありませんが、そのほかの手続きは物件を購入してリノベーションする場合とほぼ同じ手続きとなります。不動産会社、リフォーム会社、金融機関などさまざまな会社に相談しながら進めていくことになりますので、段取りをきちんとしておくことが大切です。

それでは、大まかな手続きの流れを見ていきましょう。

1.対象物件とリノベーション会社の選定

まずは、リノベーションをするための物件を探しからスタートします。一般的には不動産会社に物件のエリアや広さ、マンション・戸建などの種別の希望を伝えて仲介を依頼します。

徳田編集長

不動産会社は、希望に合った物件を探索し、いくつかの候補物件を紹介してくれますので、目に留まる物件があったら内見や現地調査のアポイントを調整してもらうよう手配します。

物件の候補が絞られてきた段階で、リノベーション会社の選定に入ります。不動産会社によっては、提携するリノベーション会社を紹介してくれるところもありますし、リノベーション会社が物件探しから工事までを一貫しておこなうサービスもあります。

MEMO

リノベーション会社を決める基準には対応の良さ・工事内容・会社規模などがありますが、リフォーム費用が予算内に収まっているかが大切なポイントになってきます。そのため、複数の工事会社に見積もりを依頼し、内容や条件を比較検討して1社に絞り込んでいきます。

2.リノベーション契約手続き

リフォームローン会社と費用が決まったら、いよいよ契約手続きです。主な契約手続きには、ローン契約(金銭消費貸借契約)と請負工事契約があります。ローン契約をするときには、まずリノベーション会社が提携する金融機関や自分の取引金融機関などに、事前審査の申込を行います。必要書類を提出すれば1週間程度で事前審査の結果を受け取ることができます。

ローンの事前審査の承認が得られたら、いよいよ請負工事契約ですね。

事務員

工事金額や工事完了予定日などの契約条件を確認してリノベーション会社と工事契約を締結します。合わせて、金融機関とローン契約も締結します。

3.リノベーション工事実施と入居

請負工事契約後、リノベーション工事が実施されます。工事の工程やスケジュールについては事前に打ち合わせをしておきます。工事完了後は、見積もりの通りに工事が行われているかどうかを双方立ち合いの上で確認し、問題なければ引渡・入居となります。

リフォーム費用相場を徹底解説!安くするポイントと工事費以外にかかる費用、マンションのリフォーム相場について

物件選びのポイントと注意点

物件探しからリノベーション工事が完了し入居するまで、工事内容によっては半年以上の期間がかかります。そのため、入居スケジュールには余裕をもっておきましょう。転勤や子供の入学などに合わせて物件選びをするときには特に注意が必要です。

物件はどうやって選んだらいいのでしょうか?

事務員

徳田編集長

実は、リノベーションに向く物件と向かない物件があるんだ。例えば、構造上壁が壊せなかったり間取りに制限があったりする物件もあるよ。また、あまりに築年数が古い物件は耐震性に問題があることがあるから、ローンが通りづらいこともあるんだ
築古の物件は割安だから狙い目だと思ってたけど、落とし穴があるんですね。

事務員

また、特にマンションのリノベーションを考えているときには、管理規約の内容をきちんと把握しておきましょう。マンションによっては管理規約でリノベーションが制限されていることもあります。加えて、管理組合がどのような状況かも大切なチェックポイントです。特に、建て替えの議論が進んでいる場合は大規模なリノベーションを行ってもその費用が無駄になってしまうため、築年数の経った物件を検討している場合は注意が必要です。

注意

物件探しの時には、住宅ローンとリフォームローンをどうするのかということも気に留めておきましょう。住宅ローンとリフォームローンを一本化したい場合には、手続き上リノベーションプランを確定させてから物件を購入する必要がありますが、プラン確定まで時間がかかるのが難点です。

リノベーション会社の選び方と注意点

リノベーションの提案内容や費用は、リノベーション会社によってさまざまです。できれば複数のリノベーション会社に相談しながら比較検討したうえで候補を絞っていきましょう。ホームページでは、施工例が掲載されている会社もありますので参考になります。

徳田編集長

リフォーム会社を選ぶ基準としては、以下のようなものが考えられます。最初に明確な基準を設定しておくと、スムーズに選定することができるでしょう。

・リノベーションの実績が豊富か?施工例は充実しているか?

・希望のエリアに対応しているか?

・リノベーションのグレードや費用は希望に合っているか?

・担当者は懇切丁寧な対応・説明をしてくれたか?

・施工後のアフターサービスは充実しているか?

・大手企業か地域密着の会社か?

このほかにもさまざまな基準が考えられると思いますが、最後には誠実さや丁寧さが感じられるかという視点で選ぶ人も多いようです。

現地調査時のチェックポイントと注意点

現地調査をするときには、事前に場所、図面、チェックするポイントをまとめておきます。時間が限られていますので、漫然と物件を見に行くのではなく項目に沿って段取り良く調査することが大切です。

現地調査でチェックするポイントは主に次の2つです。

 ・物件のサイズに関すること

・物件の状況とリノベーションのイメージ

物件のサイズについては、現在の家具が入るのかはもちろん、リノベーションによって希望の間取りや高さが実現できるのかという点を念頭において寸法を測っていきます。次のような項目を採寸し、現在の住まいの寸法を比べながらイメージしてみることをおすすめします。

・天井高

・各部屋の壁の幅

・窓の大きさ

・ドアの幅、部屋の入口の大きさ

・キッチンの幅

・梁・柱やでっぱりの幅や高さ

・収納の間口・奥行・高さ

加えて、リノベーション前後の状況がわかるように写真や動画を撮影しておきます。全体の写真も重要ですが、照明やコンセントの位置、水回りの蛇口や配管の位置も大切なポイントです。

相見積もりの取り方の注意点

リノベーション工事を依頼するときには、相見積もりをとることについて事前に工事会社に伝えておきましょう。その際には、以下のような点を確認しておきます。

・希望するプランを全て盛り込んだものか?それとも予算内に収めたものか?

・見積もりと一緒に提案資料をもらえるか?それはどのような資料か?

・見積もりはいつ出してもらえるか?その見積もりの有効期限はいつか?

特に注意すべき点としては、相見積もりをとるときには、「リノベーション工事一式」などのような簡略化された見積書ではなくて、工事の項目に沿った明細ごとの見積もりを提出してもらうことです。複数の見積もりを比較検討するためには、項目ごとに費用や工事内容を比べてみることが大切です。

徳田編集長

同じような工事内容でも見積もりが大きく違うことがあります。工事のグレードや設備内容がどのようなものかを考慮しつつどの提案内容が自分の希望に合っているかを見定める必要があります。わからないことは遠慮せずに工事会社に質問してみましょう。

リノベーション会社を1社に絞った後は、他の会社にお断わりの連絡をします。この時には、費用面やグレードなど他社を選んだ理由を正直に話すことが大切です。こうすることで、お互いに納得しつつ断ることができます。

住宅ローンとリフォームローンの違いと注意点

住宅ローンとリフォームローンの大きな違いは以下のような点にあります。

・返済期間の長さ(住宅ローンは最長35年、リフォームローンは多くの場合15年)

・借入金利の違い(リフォームローンの方が若干高め)

・借入可能額の違い(住宅ローンは住宅購入資金と合わせて1億円まで、リフォームローンは多くの場合1,500万円まで)

このように両者には大きな違いがあります。持家をリフォームするときにはリフォームローンを利用することになりますが、物件を購入してリフォームする場合には住宅ローンに一本化したほうが手数料や毎月の返済額の点で有利です。

注意

もっとも、住宅ローンを組むときにリノベーションプランと費用が確定していなければならないことから、物件の選定とリフォームプランの決定を同時並行でタイミングよく行う必要があります。

リノベーション契約の注意点

リノベーション契約(請負工事契約)は必ず書面でかわします。契約条項において、工事内容、工事費用、決済・引渡予定日などの基本事項を確認するのはもちろんですが、以下のような項目については特に注意して内容を確認しましょう。

・契約不適合責任(瑕疵担保責任)に関する事項

・工事遅延・遅延損害金に関する事項

・工事内容の変更・金額の変更に関する事項

契約条項でトラブルになりやすいのは、工事完了後やスケジュールの点で希望通りでなかった場合です。そのようなときにもアフターサービスがしっかりしているか、対応がきちんと明示されているかということを事前に確認しておきましょう。

リノベーション契約の後にローン契約(金銭消費貸借契約)も締結します。その際には次のような書類が必要になってきますで、用意しておきます。

・請負工事契約書の写し

・工事見積書(資金使途証明書類)

・住民票の写し

・本人確認書類(運転免許証・パスポートなどのコピー)

・印鑑証明書

・収入を証明する書類(源泉徴収票・確定申告書)

・土地建物の登記簿謄本(必要に応じて)

・優遇税制を利用するときには税制関連書類

工事期間中に気を付けたいこと

工事期間中は工事がスケジュール通りに進んでいるか、リノベーション会社の担当者とこまめに連絡を取り合って確認します。時には現場に足を運んでみて、担当者の報告通りに工事が進んでいるのかチェックすることも大切です。

スケジュールや工事内容についての連絡は、工事会社の担当者とするのが鉄則です。現場の職人さんは工事全体を把握しているとは限りません。工事の変更やクレームについても担当者を通じて行いましょう。

MEMO

工事期間中は仮住まいとなるために、そのための住居や予算を確保しておく必要があります。中には、家財道具の保管場所を別に借りる人もいるようです。

入居前後で気を付けたいこと

リノベーション工事完了後に、担当者の立会いの下に工事内容について一つ一つ確認していきます。施工が甘い部分については、その場で修補の依頼をします。入居してからでは、責任の所在があいまいになってしまうからです。リノベーション工事に変更があった場合には、工事金額の差額を精算します。

全ての手続きが終了したら、いよいよ引っ越しです。隣人やご近所さんへのご挨拶も忘れないようにしましょう。

事務員

リフォーム・リノベーションの違いをわかりやすく解説!費用相場や施工期間、メリット・デメリット

まとめ

物件を購入してリノベーションする場合には、単に住まいを購入する場合に比べて打ち合わせや決定事項が多くなります。スムーズに進めるためには、事前に予算とスケジュールを決めておいて、段取り良く行うことが大切です。わからないことは専門家や物件の担当者に相談して、理想の住まいを手に入れましょう。