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不動産番号とは?不動産所在事項との違いや調べ方

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

不動産番号のまとめ
  1. 不動産番号が利用できるのはオンライン申請のみ
  2. 不動産番号を記入することで事務手続きの簡略化が可能
  3. 不動産番号を取得するかどうかは自由

家の購入により登記を行うときに不動産番号という項目を目にします。 不動産登記法の改正により不動産番号を使って申請できる手続きがあります。

不動産についている不動産番号はどのような状況で必要になるのでしょうか。不動産購入により登記を行うにあたって不動産番号が必要になるシーン、調べ方などを解説します。

不動産番号とは

登記事項証明書を交付請求することがありますが不動産所在事項又は不動産番号により手続きが可能です。

このとき「不動産所在事項」により物件を特定し交付請求する方法がありますが、不動産所在事項は土地(所在+地番)、建物(所在+地番+家屋番号)の情報で成立しています。

もうひとつ「不動産番号」により交付請求が可能ですが、この「不動産番号」とは何でしょうか? 不動産番号とは不動産を区別するために付与されている番号です。

土地一筆、建物一戸に対して必ずつけられている番号であり登記簿謄本(登記事項証明書)や登記事項要約書に記載されています。 登記事項証明書の表題部につけられています。不動産番号が記載され確認できるのはオンライン指定庁です。

MEMO
オンライン化が進んでいる法務局では確実に不動産番号が使われており、それを利用した手続きが可能となっています。

不動産登記手続きに関しては不動産登記法という法律で定められている項目が多数あります。 この不動産登記法の改正によって不動産番号の記載で簡略化できる手続きが増えました。

旧不動産登記法では登記の時に記載する項目が多かったのです。 土地の場合は以下の記載が必要でした。

旧不動産登記法:土地の場合の記載項目
  1. 所在
  2. 地番
  3. 地目
  4. 地積

建物は以下の記載が必要でした。

旧不動産登記法:建物の場合の記載項目
  1. 所在
  2. 家屋番号
  3. 種類
  4. 構造
  5. 床面積

新不動産登記法により不動産番号が付与されました。 この不動産番号により手続きに従来必要であった情報を記載せず、不動産番号の記入で不動産の情報が伝えられるようになりました。

オンラインによる登記情報検索サービスがあります。 こちらでは 以下から検索方法を選ぶことができます。

オンラインによる登記情報検索サービスの検索方法
  1. 所在指定
  2. 不動産番号指定
  3. 土地からの建物検索指定

このとき不動産番号を知っておくと入力する項目が少なくて済みます。 ただし不動産番号が利用できるのはオンライン申請のときです。

法務局に直接出向いて登記事項証明書等を取得するとき郵送によって取得するときには交付申請書に記入となり、取得したい不動産を所在する地番や建物番号により特定する必要があります。

注意
このときには不動産番号を使う方法ではありません。

不動産番号はオンライン申請に特化したものであり、オンライン申請で事務処理を簡略化するに良い方法といえます。

不動産所在事項とは

不動産所在事項とは、登記事項証明書の交付を請求する際に使用されるものです。冒頭でも触れましたが、土地(所在+地番)建物(所在+地番+家屋番号)の情報で成立しているのが特徴です。

不動産番号との違いがわからないと、混乱してしまう方もいるでしょう。不動産所在事項が土地や建物の「情報」を表すのに対し、不動産番号は13桁の数字で不動産を識別するために使用されます。

不動産所在事項を交付請求する場合は、書面・オンラインどちらかを選択しましょう。書面だと「所在+地番」もしくは「所在+地番+家屋番号」を記載して申請します。オンラインの場合は、登記情報システムを活用します。「所在+地番」もしくは「所在+家屋番号」を入力することで申請が可能です。

不動産番号と登記識別情報の違い

2004年に不動産登記法が100年ぶりに改正されていますが、このときオンライン化での手続きで事務を簡略化する方法が進んで取り入れられています。

改正前には登記が完了すると登記済証が交付されていました。 これが権利証です。 権利証を持っていることにより不動産の所有者と判断されてきました。 改正によりこの登記済証は発行されなくなりました。

改正前の登記済証に代わる制度がやはり番号として取り入れられています。 登記する時「登記完了証」と同時に知らせられるものに「登記識別情報」があります。 これは12桁の英数字で記されているパスワードのようなもので従来の登記済権利証に代わり発行されます。

MEMO
アラビア数字とその他符号により表されており不動産と登記名義人ごとに振り分けられています。 不動産の所有者であることを証明するためについています。

権利証(登記済証)を持っているのではなく『この番号を知っていることにより不動産の権利者である』と判断されるのです。 各不動産、各名義人に振り分けられるので土地を2筆、2名の名義人が取得すれば4通発行されます。

不動産番号の調べ方

実際に不動産番号をどう調べるかですが登記簿謄本を取得すれば表層に記載されています。 その該当不動産を管轄している法務局で取得可能です。 管轄している法務局で不動産番号の確認を申し出れば番号のみ知ることもできます。

MEMO
現在はインターネットを利用して取得もできます。 法務局のホームページにアクセスして閲覧できます。 不動産番号のみ知りたい場合にはこの方法が手早く楽でしょう。

不動産番号が必要になるシーン

不動産番号はどのようなシーンで必要になるでしょうか。 登記にかかわる番号ですが普段知っておく必要があるかどうか、これを解説します。

不動産登記手続きを簡略化できるメリットがある

登記事項証明書をオンライン申請で取得しようとしたときに不動産番号によって取得できます。 不動産の登記情報を交付・請求する場合、地番や家屋番号を記入の上取得し該当である不動産の情報を得るという手続きが必要でした。この地番や家屋番号は住居表示されている番地とは違います。

地番や家屋番号が記載されている以下の書類を手元で確認し不動産を特定した上で手続きをするのが従来のやり方でした。

地番や家屋番号が記載されている書類
  • 登記済証(権利証)
  • 登記識別情報通知書
  • 固定資産税に関する課税明細書等

これが不動産番号のみでオンライン申請を可能としています。 土地の所在地番・建物の所在地番・家屋番号を記載せずに不動産番号により取得できるので簡略化できます。

MEMO
そして不動産の所有者移転による登記手続きを不動産番号により以前より簡単な手続きとすることができます。

登記申請のときに不動産番号を知っていることで以前に細かく記入が必要だった部分を書かずに済む、不動産番号により一括で進めることができます。

登記申請書には不動産番号を記載する項目があります。 ここに不動産番号を書けば本来申請に必要な以下の記入を省略して手続きができます。

記入を省略できる項目
  • 土地の所在
  • 地番
  • 地目
  • 地積

建物の滅失登記の申請でも同様に簡略化できます。 滅失登記に必要な情報は以下の通りです。

滅失登記に必要な情報
  1. 建物の所在
  2. 家屋番号
  3. 種類
  4. 構造
  5. 床面積

これを記載しますが不動産番号を記載すればその情報記入がカットできます。 登記する側にも手間を省けるメリットがあり法務局側にも手続き簡略化と事務の手間が省けるよい方法となっています。

逆に不動産番号を必ず知る必要があるかということになると必要ではありません。 簡素化せず今まで通りに必要な項目を全部記入すればいいのです。

今まで書かなければならなかった多くの項目を不動産番号で代用できるようになったというだけで、反対に不動産番号がなければ手続きができないというのではありません。

まとめ

不動産登記は不動産登記法により手続きの法令が定められています。 登記や滅失の手続きにおいて不動産番号を記載することで、従来にすべて記入が必要だった手続きが簡略化されることとなりました。

MEMO
不動産番号は必ず知っておくべき項目ではありません。 これを使って上手に手続きを簡素化してしまおうという目的で取得するかどうかは自由です。

ただ地番などを手軽に知る機会はないものの地番や家屋番号を使って申請する遠回りな方法で手続きが進められていました。 これが不動産番号制度により一括で不動産情報を管理できるようになったというメリットがあります。

購入などの手続きには特に必要がない不動産番号ですがオンラインで可能な手続きが多くなった現在では、不動産番号を記入することで手間を省けることが多くなりました。

取得も簡単であり登記には足を運ぶことになる法務局で知ることができます。 登記に関わる手続きに不動産番号を利用して事務手続きの簡略化をうまく進めていきましょう。