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中古マンションを現金購入する場合の注意点とは

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

「何十年もローンを払いたくない」という思いで、中古マンションを現金購入する方も増えています。

この記事では、中古マンションを現金購入する時の注意点、メリット・デメリットを解説しています。

浜崎編集長

現金購入のポイントも紹介しているので、是非参考にしてください。

現金購入時の注意点まとめ
  1. 金銭消費貸借契約の締結も必要ないため、不安定な職業の方でも利用可能
  2. 「手持ちの現金が少なくなる」などのデメリットもある
  3. メリット・デメリット両方を鑑みて自分にあった方を検討するのが良い

中古マンション現金購入するメリット

中古マンションを現金購入する時のメリット・デメリットは以下の通りです。

現金購入のメリット
  1. 金利・手数料がかからない
  2. 金融機関の審査が入らない
  3. 不安定な職業でも購入できる
  4. 手続きが早い

【メリット1】金利・手数料がかからない

中古マンションを現金購入すれば、金利・手数料の支払いが必要ありません。保証料・団体信用生命保険料なども同様です。「何十年もローンを支払わなくてもよい」というのは大きなメリットです。

【メリット2】金融機関の審査がいらない

現金一括購入であれば、金融機関の審査もいりません。職歴も関係ないため、不安定な職業の方でも利用できます。住宅ローンでは、年収・健康状態・信用情報などをもとに、将来返済できるかどうかを詳しく審査されます。

【メリット3】支払いが一回で終わる

支払いが一回で終わる点もメリットです。現金購入であれば、中古マンションがそのまま資産となります。住宅ローンだと期間中に病気になったとしても、支払いがやむことはありません。

【メリット4】手続きが早い

現金購入はローン審査がないことに加え、所有権移転の手続きも簡単に行えます。売買契約締結後、1週間以内に移転することも可能です。住宅ローンだと審査はもちろんのこと、金銭消費貸借契約の締結も必要です。審査期間中に新たな購入希望者が出てくることもあるため、複雑な状況になりがちです。

中古マンション現金購入するデメリット

現金購入のデメリット
  1. 住宅ローン減税が受けられない
  2. 税務署の審査が入る場合がある
  3. 手持ちの資金がなくなってしまう

【デメリット1】住宅ローン減税が受けられない

中古マンションを現金購入すると、住宅ローン減税が受けられません。場合によっては住宅ローン減税の方がよいケースもあるため、状況に応じて使い分けが必要です。

住宅ローン減税とはローン残高の1%を、所得税や住民税から10年間控除する制度です。消費増税の負担を抑えるために、令和元年10月1日~令和2年12月31日に入居した人に限り、3年間の控除期間延長が認められています。

【デメリット2】税務署の調査が入る場合がある

現金で中古マンションを購入すると、贈与税の調査が入る場合があります。確定申告をしていない場合は注意してください。

【デメリット3】手持ちの資金がなくなってしまう

現金購入すると手持ちの資金がなくなるため、住宅ローン以上にマンション購入後の生活を考える必要があります。購入前から、中古マンションに使える金額の上限を決めることが大切です。

中古マンションを現金購入する時の注意点

ここでは中古マンションを現金で購入する時の注意点を紹介します。

1.無理な現金購入はしない

現金購入後、教育費や医療費などが払えなくなるようでは本末転倒です。消費増税のこともありますし、貯金の何割かは残しておきましょう。

2.住宅ローンとの比較をする

物件や年収などによっては、住宅ローン減税を利用した方がお得なケースがあります。そのため中古マンションを現金購入する時は、住宅ローンと比較検討することが大切です。例えば、1,500万円の中古マンションを購入するケースをみてみましょう。

現金購入
消費税:1,500万円×0.8=120万円

住宅ローン

年収500万円、5人家族を想定。
(返済10年、固定金利1.046%)

・消費税:120万円
・支払い利息:80万円
・10年間の控除額:▲67万円
・すまい給付金:▲30万円

120+80-67-30=103万円

※いずれも2015年入居を想定し算定しています。

すまい給付金や住宅ローン控除があることで、住宅ローンのほうがお得なケースです。すまい給付金は年収要件が決められており、消費税8%時で510万円以下、10%時で775万円以下で利用可能です。このように、年収によっては住宅ローン減税を利用した方がよい場合もあります。

参考:国土交通省|すまい給付金

住宅保証機構株式会社|住宅ローンシュミレーション

価格.com|住宅ローン控除(減税)シュミレーション

3.現金の引き出しは余裕をもって行う

銀行の支店によっては大きめの金額の引き出しに対応していない場合があります。当日慌てないためには、数日前から確認をとることが大切です。

4.物件の名義を慎重に決める

現金購入の場合は自ら進んで名義人を決める必要があります。本人名義にするのか、奥さんとの共有にするのかを慎重に決めることが大切です。支払いする人以外の名義にすると贈与税の対象になります。

5.安心できる場所を指定する

基本的に当事者が納得できる場所にするのが一般的です。銀行の個室・不動産屋のオフィスなど、取引する場所はどこでも構いません。現金を持ち歩きたくないという方は、預金先の銀行を指定するとよいでしょう。

6.不動産取得税の支払いを忘れない

現金購入が終わっても安心してはいけません。2~3ヶ月後には不動産所得税の支払いがあります。ただし物件によっては請求されないこともあるようです。

中古マンション現金購入を楽にするポイント

ここでは中古マンションを現金購入する時のポイントを紹介します。

1.購入者本人が決済する必要はない

中古マンションの決済日に、本人が出席する必要はありません。どうしても参加できない場合は、家族を代理人として出席させることもできます。ほとんどの場合で、委任状も必要ありません。

2.住居用であれば登記費用が安くなる

住居用のマンションであれば、登記費用を安くできます。条件を満たせば、司法書士から証明書類の提出を求められます。別邸やセカンドハウスは対象外です。

3.質の良い業者を選ぶ

中古マンションを現金購入する時は信頼できる不動産会社を利用することが大切です。専門知識がない状態で個人売買すると、大きなトラブルに繋がりかねません。

不動産業者は顧客の知識レベルに応じて、的確にアドバイスしてくれるところがおすすめです。査定額を比較するためにも、複数の業者に見積もり依頼を出すようにします。

4.購入時期は3月~4月がおすすめ

中古マンションは新生活が始まる3月~4月に購入するのがおすすめです。売主もこのタイミングで売りに出すことが多く、一年のうちで最も活発に取引されます。

【まとめ】中古マンションの現金購入は一長一短

現金購入すればローン金利や手数料を支払うことなく、中古マンションを取得できます。

金銭消費貸借契約の締結も必要ないため、不安定な職業の方でも利用可能です。所有権の移転や契約のスピードも、住宅ローンの比ではありません。ただし、「手持ちの現金が少なくなる」などのデメリットもあるため、住宅ローン減税との比較検討が必要です。

複数の不動産業者に見積もり依頼を出して、自分に合った購入方法を見つけてください。

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