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住宅ローン審査で履歴書の転職理由の書き方・例

【不動産のプロが解説】住宅ローン審査で履歴書の転職理由の書き方・例

この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

住宅ローン審査の転職理由まとめ
  1. 転職が多く、勤続年数が短いと「安定的に返済できない」とみなされてしまう
  2. ステップアップのための転職は不利にはならない
  3. ステップアップの為とみなされるには転職前後の業種に関連性がある必要がある

住宅ローンの事前審査申込書では転職履歴を申告しなければなりません。 住宅ローン審査は原則として現在の勤務先・年収・勤続年数を基に行われます。

そのため住宅ローン審査で過去の転職履歴は関係ないように思えますが、実は過去の転職履歴は住宅ローン申込者の収入の安定性を評価するうえではとても重要です。

特に現在の勤務先の勤続年数が短い人にとってはより重要になります。 

住宅ローン審査での履歴書、職歴所の転職理由の書き方・例

住宅ローン審査での履歴書、職歴所の転職理由の書き方・例

住宅ローン審査で履歴書や職歴所を提出する際にもしも転職をしていた場合の書き方としては以下の点を心掛けましょう。

転職画理由を書く際の注意点
  • 転職理由は出来るだけポジティブな理由にする
  • どんな状況であっても嘘はつかない

シンプルですが、この二つはとても重要です。

転職回数が多いと住宅ローン審査において、継続的な返済能力があるのか?と疑問視されてしまう可能性があります。

ただその転職理由がポジティブな理由であった場合は話が別です。(例:ステップアップ、スキルアップ等)

ポジティブな理由の転職の場合は収入を上げるための手段とみなされますが、理由は慎重に記入しましょう。

例えば虚偽の申告をした場合は転職回数が多かろうと少なかろうとその時点で信用はなくなってしまいます。

良く見せるための工夫は必要ですが、嘘の申告だけはしないように心がけていきましょう。

転職が多ければ多いほど審査で不利になる

住宅ローン審査においては転職回数が多い人ほど審査では不利になります。 転職回数が多い人は、「今後も現在の仕事を退職し、他の仕事に転職する可能性が高い」と判断されるためです。 なぜ、転職する可能性が高いと住宅ローン審査で不利になってしまうのでしょうか?

収入が上がらないため

日本の企業は基本的に勤続年数の経過とともに収入が上がっていきます。 住宅ローン審査でも「現在の年収から判断し、あと10年後には収入が〇〇万円くらいまでは上がるだろう」などという見込みを立てています。

注意
しかし転職回数が多い人は勤続年数の経過によって給料が上がる可能性が低いので、「今後収入が上がる可能性が低い」と判断され審査で不利になるのです。

現在の収入状況が今後も継続できる見込みが薄いため

住宅ローンは現在の収入をもとに返済負担率の計算などの審査を行います。 審査の大前提は「現在の収入状況が完済まで継続する」ということですが、転職回数が多い人は今後も現在の勤務先に勤務する見通しが立たないので、「現在の状況が完済まで継続できる」と判断されにくいのです。

注意
もしかしたら現在よりも収入が下がってしまう可能性があるので、審査で不利になります。

転職が多くても不利にならないケース

転職は住宅ローン審査で不利ですが1つだけ転職があっても不利にならないケースがあります。

ステップアップのための転職

「給料アップ」「キャリアアップ」のために転職をしている人も少なくありません。 このような転職であれば審査では不利にならず、むしろ転職前の会社の勤続年数と転職後の会社の勤続年数を合算した年数を勤続年数と判断してくれることもあります。

MEMO
例えば転職前の会社での勤続年数が5年で現在の会社の勤続年数が1年であれば、合計6年の勤続年数として審査をしてくれることもあるのです。

転職履歴を事前審査申込書で申告させる理由は「職を転々としている人」なのか「ステップアップのための転職なのか」ということを判断するためでもあります。

ステップアップのための転職と判断される条件

では、どのような転職であればステップアップのための転職だと判断されるのでしょうか?

転職前後の業種に関連性がある

転職前と転職前後の業種に関連性があることが1つ目に重要なポイントです。 ステップアップとは基本的に「これまでのキャリアを生かし、より給料のよい会社やより責任ある仕事に転職すること」です。

注意
そのため転職前後の業種に何も関連性がなければステップアップにはなり得ません。

営業なら営業、システム開発ならシステム開発など転職前後の業種に関連性があり、できれば給料も上がっていた方が審査ではマイナスになりません。

勤務していない期間がない

前の会社を退職してから現在の会社に転職するまでの間に空白期間がないことも重要です。 空白期間があると「前の会社が嫌になったから辞めて、少し休んで次の会社に就職した」というようにしか判断されず、審査で「収入に安定性がない」と判断されてしまいます。

MEMO
しかし空白期間がなければ、ステップアップのために転職したと判断されるので審査でマイナスにはならないことがあります。

現在の勤務先での勤続年数は半年程度だったが、転職前の会社では10年近く勤務しており給料も上がっていたため全く問題なく審査に通過できたという例もあります。

まとめ

住宅ローン事前審査で転職履歴を申告しなければならない理由は「収入の安定性を審査するため」です。 転職回数は少なく勤続年数は長い方が住宅ローン審査では有利になることは間違いありません。

しかし転職前後の業種に関連性があり前の勤務先を退職してから今の勤務先に転職するまでの期間が空いていない場合には、ステップアップの転職と判断されて、審査でマイナスにならないこともあります。

仕事を理由なくコロコロ変えている人か、ステップアップのために転職している人かということを判断するためにも転職履歴を把握することは住宅ローン審査において必要不可欠です。